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機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-  STAGE-1

 「正しき道」
 その道を通って、砕かれた人工の星が堕ち、蒼天は漆黒に染まる

 C.E,73
 暗い夜空に、星は、まだ見えない


CE73. STARGAZER見ましたよー。30日には総集編パート2もあるし、劇場版の制作も進んでいるでしょうし、まだまだSEEDは終わらんねー。などと思いながら、感想ドゾー。


■世界の状況

北米が海に呑まれ、アジア東部も地図から消えたようです。被災の影響か、空に陽の光も見えず。各地は混乱の只中にあり、軍を中心に救助支援や復旧活動が行われるも、あまりに被災規模が甚大なため「洗面器一つ、余っちゃいないんだぞ」というくらいに余裕のない状態が描かれています。

これが、物語を描く上での前提となる世界の姿というわけです。これを描くのに要した時間が5〜6分。全3部で45分ほどのうち、基礎世界観を伝えるために5分かぁ。本編でも一応の被災状況は描かれているので、それを再度描くのは尺が勿体ないようにも思いますけど、ま、かといって何の脈絡もなしに話に入っていっても唐突すぎちゃうしねー。

加えて、中盤から後半にかけて「現実」を生きる登場人物の姿が描かれることになるので、それを支えるだけの土台としても必要になってくるように思われ。戦闘シーンについても言えると思いますが、スピード&火力重視の超常バトルではなく、機械vs機械という地味で「現実」的な(あくまで的ですよ)バトルを描くことで、作品全体としての「現実」味を高めている感じ。

これについて興味深いのが、公式サイトの第3回監督インタビューかな。

人の感覚とは所詮相対性であり、「幸せ」を強調して感じさせようと思 えば「不幸」をどれだけ描けるかであり、その対比としてしか表現出来 ないものなの。描きたいものがあればその反対側で描くしかないのである。感情を演出とはそういうことなのだろうと思う。

描こうとしている「何か」を際立たせるために、その輪郭として「現実」を描いているように思われ。最終的に何を描こうとしているのか、気になるところです。


■また戦争ができるのか

そんな混乱の最中にあっても「デュランダルの意志とは思えんな」「大西洋連邦もまだはっきりした態度は取っておりません」と語り、目の前の混乱を収めることだけでなく、政治的な思惑に想いを馳せる者も存在。

デュランダルもプラントのトップとして声明を発表していますが、そんな具合に政治的な思惑も交錯する中で、怪しく蠢くファントムペインの一部隊。隊員の一人は「また戦争ができるのか」と呟きながら、作戦行動を開始。

これがメインキャラクターの一人、スヴェン・カル・バヤン君です。ロゴスの私兵であるファントムペインらしい発言ですが、スタート時点でこの立ち位置にいるスヴェン君が、2部、3部の中で、どんな物語を紡いでいくのでしょう。要注目です。


■あれがエドモンド・デュクロ少佐か

一方、そんな混乱の中で、元部下の連合軍人に話しかけられる男性と、その男性と行動を共にしている女性が登場。男性の名はエドモンド・デュクロ。元は軍の少佐で、現在はDSSDの技術開発センター保安副部長。女性の名はセレーネ・マクグリフ。DSSDの技術員。

これが、スヴェンとは対立することになると思われる、DSSDサイドのメインキャラクターですね。

DSSDの拠点に戻るため、軍の拠点に移動用のヘリを借りに来たようですが、アバンでセレーネが口にした「打ち上げスケジュールはズラせないんだから」を聞くに、どうやら「401」の打ち上げに間に合うようにDSSDの拠点に帰ろうとしているみたい。

とりあえず「401」というのが重要だということはわかるのですが、救援よりも優先度の高い重要活動なの?と疑問に思うところです。401って何やねん?DSSDって何やねん?


■ネタフリ

スヴェンが、端的に自己アピール→中間は登場せず→ラストシーンで再登場だったのに対して、セレーネに関しては、最初から価値観を示すのではなく、話を進める中で小出しに表現していく形をとるようです。

スヴェンに関しては「また戦争ができるのか」というキャラであると前ふりしておいて、視聴者に「スヴェンはどんな物語を紡いでいくの?」と思わせる形になっていて。

一方、セレーネ側については「401」の詳細を伏せることで、視聴者に「セレーネたちはどんな行動をしようとしているの?」とネタフリしている形です。

描かれ方の違いが物語の中でどんな意味を持ってくるのかはわかりませんが、伏せられているということは、それが明かされるシーンが来ることも意味していて。カタルシス狙いかなぁ。


■DSSD

エドモンドの元部下によると、エドモンドはDSSDに「天下り」したとのことですから、DSSDは連合軍の下部組織ということになります。救援部隊の隊長が「洗面器一つ、余っちゃいない」ような状態でボートを貸し出すほどですから、かなりの組織だと思われますが、何のための組織なんでしょ?

シャトルの打ち上げといい「401」といい、謎だらけー。


■撃ってきた!

セレーネたちが移動手段を借りに来たところで、謎のMSが救援拠点を襲撃。DESTINY本編を踏まえると、地上の混乱を煽って反コーディネーター感情を高めようとしているジブリールの差し金、かな?


■打ち上げの成功、祈ってる

セレーネをボートに乗せてDSSDに帰す一方で、エドモンドは残り、MSの襲撃を止めるために行動。セレーネはセレーネのできることを遂行するために、エドモンドはエドモンドのできることを遂行するために。

セレーネとエドモンドの回想を見るに、エドモンドは「上を見る」ことを願い、資格試験の合格に6年かかることを承知でDSSDに入局したわけです。さらに言えば、打ち上げ時のセレーネと同僚のソルの会話からするに、エドモンドはセレーネを想ってもいたわけです。

けれど、そんな大切の夢を叶えるためでなく、今できることを為すために、エドモンドは岸のこちら側(現実)に残りました。想いを継いで宙に上がったのは、セレーネ。


■指揮署が機能しない以上、個々の判断で最善のメソッドを選択するしかありません

己ができることをするために戦場へと戻ったエドモンドに答えた、元部下のこの言葉。現実を生きる者の言葉。


■上を見ておこうかなって / エドが口説きたい女って、セレーネ以外に知らないけど

MSと死をかけて戦うエドモンドの姿を背景に語られる、エドモンドの、現実を生きる者の、夢、想い。


■宙へ

血にまみれた現実の世界

崩れ落ちた瓦礫の中、エドが見たものは、エドの夢、想いを乗せて宙へと駆け昇るシャトルの姿
それを見て、微笑むエド

現実と夢のコントラストが綺麗すぎて
言葉はなくても、エドとセレーネの想いが伝わってきて

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

時間にして7〜8分ほどですが、上手いこと話を作ったなぁ。


■こ…子ども? こんな子どもたちが…なんで?

救助拠点を襲撃したMSのパイロットは子ども。本編でのステラたちエクステンデッドとの存在が重なりますが、この少年パイロットたちもまた、ステラたちと同じ存在なんでしょうか?

スヴェンも…?


■キルギスプラントより、緊急救援信号です

新型の駆動コンピュータを開発しているキルギスプラントを、ザフトのMSが襲撃した模様。将校が「あいつらを送ってやれ」と命令し、ファントムペインが出撃していますから、ここがスヴェンたちが戦う舞台になると思われ。セレーネたちともここで邂逅することになるんでしょうか。

一つ気になるのは、キルギスを襲撃した「ザフトのMS」です。エドたちが訪ねた救援拠点を襲撃したMSもジン(ザフトのMS)でしたが、搭乗していたパイロットは、ステラのようなエクステンデッドを思わせる子どもたちだったわけです。

仮に、キルギスを襲撃した「ザフトのMS」を操るパイロットもEXであった場合、EXはロゴス関連ですから、外見上はコーディネーターの仕業を装っていても、実際にはナチュラル(ロゴス)の工作ということになるわけで。んで、それを同じくロゴスの私兵であるファントムペインが鎮圧に出たということになるわけで。

どーゆーこと?


■スヴェン・カル・バヤン、ストライクノワール、出る…!

何やら怪しい作為が漂う中、Bデュエル、Vバスター、ストライクノワールの3体が発進!



といったところで、夢の宙へと駆け昇ったセレーネと、現実の戦場を駆け巡るスヴェンが、二人ともに本格始動。いくつかの伏線を貼った状態で、物語は第2部へ。

15分という短い時間でしたが、基礎世界観を提示し、キャラのスタートラインを描き、物語の方向性を暗示する伏線を盛り込んだ上で、一つのエピソードとしても、セレーネとエド、夢と現実のコントラストを描いてくれました。

構成( ゚Д゚)ウマー。コントラスト( ゚Д゚)モエー。第2部にも期待できそうですが、3部を通じて鍵になるのは、夢(上)と現実(横)の対比になるんじゃないかなーと超妄想してみるー。

あと、公式サイトのMS紹介で、スターゲイザーの「白」とストライクノワールの「黒」が対なのも地味に熱いかも。主題歌でも「優しい白い瞬き」と歌っていますが、作中でも「白=優しさの象徴」みたいな感じで扱ってくるのかな?

なーんて色々と考えながら、物語の最後に描かれる「星の扉の向こう」に想いを馳せつつ、とりあえず次回を待つー。




機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-  STAGE-2






機動戦士ガンダムSEED C.E.73 -STARGAZER-  STAGE-3







感 想 一 覧

機動戦士ガンダムSEED C.E.73

 STAGE-1
 STAGE-2
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