ネタふりや伏線張りまくりで密度濃すぎな第7話までを終えて、ワンクションを置いてきて第8話。オーブ閣議をうまく使って状況整理をしながらカガリ成長物語をスタートさせ、その一方ではアスラン自立を描写、最後の引きでキラ=シンの対比を描いた話の構成はスッキリ簡潔。わかりやすくて良い感じです。ただ、そんな中にも見所はもりだくさん。序章の終わりとなるであろう第8話。注目です。
■カガリ=ユラ=アスハ成長物語スタート
おボンボンな許婚や部族首長の思惑が絡み合う中、現実と理想のギャップに苦しむカガリ。閣議の中で状況をわかりやすい言葉に変換して全体的な世界情勢を整理しつつ、国家元首としてアスランの恋人として、自立できずに流されるばかりのカガリの「弱さ」がありありと描かれましたね。ただ違うのは、これまで弱さを補完すると同時に逃げ道となっていたアスランという依存相手がプラント本国に戻るということ。カガリが一人で現実に直面しなければならない状況に追いやられたわけですが、弱さが洗い出された上で依存相手がいなくなったってことは、カガリ自立復興工事が着工手続きを全て終え、本格工事に向けて動き始めたということでしょう。
オーブ代表という公人として、アスランの恋人として、カガリはどう成長していくのか。これも本編の見所の一つになりそう。ってことで、これからおボンボンたちにエロセクハラ許婚アタックを受けるであろうカガリたん。そのことを考えるとあらゆる意味でワクワクします。ムラムラはしちゃいけません
■アスラン=ザラ自立完了
カガリ成長物語がスタートしたと同時に、アスラン→カガリの依存解消は静かに終わりを告げました。ポイントはやはりキラとの会話でしたね。
【【 アスラン=キラの会話 】】 ・あの時、俺聞いたよな。やっぱりこのオーブで…。 ・「俺達は本当は何とどう戦わなきゃならなかったんだ」って ・そしたらお前言ったよな。 ・「それもみんなで一緒に探せばいい」って ・でも…やっぱりまだ、見つからない… (↑パトリックトラウマに囚われまくりなアスラン) ・直後に過去に囚われて寝付くこともできないでいるシンにカメラ移動 (↑シンもまたその答えを持ちえぬことを描写)
【【 朝のカガリ邸 】】 ・個人としてのカガリが、カガリらしく理想を吠える。 ・そのセリフに背中を押されたアスランは遂に決断。
【【 アスラン依存解消工事完了 】】 ・自分にとって真の戦いとはなんなのか。 ・ありのままの現実の中でプラント国民と共に模索していく道を選んだアスラン。 ・そんなアスランにとって名などどちらでも良かったわけで。 ・「アスランとしてでもアレックスとしてでも」かまわなかったわけで。 ・自立とは別次元のお話として、アスランとカガリの「ラブ」を追記。 燃え〜&萌え〜!!!!!
正直、甘く見てましたよ…。まさか「アスラン=ザラ」の名すらもありのままの「彼」にとってはどうでもいいってオチを持ってくるとは…。とにもかくにも、カガリへの依存を解消して過去に向き合う決意を固めた以上は、あとはプラント国民と共にトラウマ解消へ一直線にひた走るだけです(←それが鬼難しいのですが、それこそが種運命でアスランに与えられた課題かと)。ってことで、今静かに「アスラン=ザラ、セイバー、出る!」カウントダウン開始〜♪
■前作キャラ懐古
マリューさん、虎、マードック曹長と、前作キャラがボチボチ顔見せを始めています。種運命序盤の視聴ポイントは前作キャラと今作キャラの対比と言えますが、そういう意味で最も見せ場になったのはマリューさん=タリア艦長の会話イベント。機密保持を訴えるアーサーに対して、たとえ罪に問われようとも艦とクルーの安全こそが第一だと説くタリア。そんなタリアを後押しするかのようにマリューさん&マードック登場。今回のポイントは「先の事はわからない」。
先の事はわからない。ミネルバの現状だけを以ってそう訴えるタリアに対し、経験者としての過去を暗に踏まえつつ「先のことはわからない」「今をもって信じたことをするしかないですから」「後で間違いだとわかったら、その時はその時で泣いて怒って、そしたらまた、次を探します」と重みたっぷりで受け答えするマリューさん。さすが大戦の英雄。言葉の重みが違います。それでも胸のほうが重そうですが。
ここで経験者であるマリューさんとタリア艦長を対比させたってことは、本当の意味で未来に立ち向かうことを知らないタリア艦長の未成熟な部分(ボデーは別)をアピールしていると見ていいんでしょう。ということは、これから先の話の中でタリア艦長が自らの未成熟さゆえに窮地に追い詰められることをネタふりしていると思われ。本線としては、デュランダル議長にポイ捨て/利用される未来を暗示しているんでしょうが、そうなるとデュランダル議長とのあだるてぃ〜シーンも無関係じゃないんだろうな…。
■キラ=シン新旧主人公、初邂逅の巻
夕暮れのオーブ。キラと連合が刃を交えた地。シンの家族が死んだ地。そこで「あの日」を思い、声なく嗚咽するシン。
携帯電話からのマユの声と回想される死の瞬間が、どうしようもないシンの悲しみを切々と伝える中、慰霊碑に思いを馳せつつ夕闇の海辺にたたずむキラの姿がシンの目に映る。
キラの肩からトリィが羽ばたいたその時、新旧主人公の会話が始まる…。
※ 前作からそうですが、トリィは「カテゴリーからの意識の解放」を象徴しています。そんなトlリィが逃げ出したってことだけでも意味深ですね。
・ シン: 慰霊碑、ですか? ・ キラ: うん、そうみたいだね。 ・ キラ: よくは知らないんだ、僕もここへは初めてだから。自分でちゃんと来るのは。 ・ キラ: せっかく花が咲いたのに、波をかぶったから、また枯れちゃうね。 ・ (( 歌いながらラクス登場 ))
・ シン: ごまかせないってことかな。 ・ シン: いくらきれいに花が咲いても、人はまた吹き飛ばすっ… ・ (↑クルーゼ再現! キラvsクルーゼ再び!! 激熱!!!)
・ キラ: 君? ・ (( ラクスが歌うのを中断 )) ・ シン: すいません、変なこと言って
・ (( 慰霊碑と添えられた花、そしてキラとラクスに背を向けて歩き出すシン )) ・ (( それでも花を添えるラクス )) 今まで明示されることのなかったシンの価値観を訴えつつ、それがキラ&ラクスとは決定的に相反することを描写した上で、余韻を残しつつEDへ。キラ&ラクスに背を向けるシンの描写と、それでも花を添えるラクスの対比が美しすぎてたまりません。カンベンしてください。キレイすぎです。ウマ━(゚∀゚)━すぎです。特にここ数話は神がかってるなぁ。
■ジャンクション □1: 連結。接合。 □2: 高速道路などの合流地点。また、その地点で相互に連結する立体交差部分。
主要キャラが顔を揃え、それぞれのスタートラインに立った第8話 互いの物語が目に見えぬ部分で交差する姿はをまさしくジャンクション
人という種が生まれ持った運命に揺れながらも 運命に負けることなく力強く戦う少年達の物語
機動戦士ガンダムSEED-DESTINY
今、開演です!!!!!
というわけで、物語的には第8話を以って序章終了。いよいよ本番突入ですが、そのあたりの展開をわずか一言で表現してしまう今回のタイトル「ジャンクション」。地味カッチョよすぎ〜♪
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