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BLOOD+ 第39話 〜 魔法の言葉をもう一度 〜

新OP&EDキタ━(゚∀゚)━ッ! OPは赤サヤ&青DIVA、紫アンシェル(?)、互いに手をさし伸ばすサヤとDIVA、光の中から指し伸ばされた手がポイントかな。ハジの翼もお披露目。EDは赤服&青服の女の子。色々とおなか一杯な新OP&EDですよー。


■ゴールドスミスHDの総帥…ってのは表の顔で、裏の顔はシュヴァリエってわけか

アレ? レレレのレ?

ってことは、ソロモンからチクられるまで、赤い盾はアンシェルがシュヴァリエだとは知らなかったってこと? 知っているものだとばかり思い込んでいました…。そういう感じの描写ってなかったっけ?

ま、知らなかったというのはともかくとしても、それを知ったことで、アンシェルが動いている政財界に、その世界に顔の聞くジョエルが切り込んだ、というわけですね。シュヴァリエの長兄に狙いが定まったことで、赤い盾もDIVAサイドの動きを掴みやすくなるのかな?


■襲撃

んまぁ、シュヴァリエが銃弾を打ち込まれたくらいで死ぬなんてことはありえないわけですが、問題なのは、赤い盾以外にアンシェルを疎ましく思っている集団が存在しているということ。

アンシェルを暗殺するために「銃撃」したところから見て、その集団もアンシェルが翼手だとは知らないのでしょうが(知っていれば銃撃なんて無意味なことはしないでしょう)、何の目的なんでしょ?

パーティーの場面での暗殺失敗報告を見ると、黒幕は「Mrグラント」という人物のようですが、ゴールドスミスとサンクフレシュが新たに手を伸ばそうとしている軍需産業の既得権益集団、ってのが妥当かな。コープスコーズを納入されると困っちゃうアル、みたいな。

同じくパーティーの場面で、姿を現したアンシェルが暗殺メンバーを軽く確認しているところからして、アンシェルも敵の正体を把握していると思われますが、この対立が物語の中でどんな意味を持ってくるのやら。


■目覚め

34話での目覚めのシーンでは、目覚めとともに紅眼の戦闘モードに変わり、カイを確認してもハジが現れるまでは紅眼のままだったサヤですが、今回は、刀を手繰り寄せて戦闘体制をとってはいるものの、眼は通常時のままという。

そして、そんなサヤを包むこむのは、始まりを象徴する朝の世界、生命を象徴する朝食を作る音、子どもたちの笑顔。そして始まる、ピクニックという日常。

軽い変化ですが、3クール後半でのサヤの変化が感じられて、地味に( ゚Д゚)ウマー。


■赤の結晶

気になるのは、カイが身につけた赤の結晶を見たサヤの反応ですよ。たぶんリクの結晶だと思いますが、サヤはその結晶を見て、ピクニックに同行することを決めているんですよね。

サヤは結晶を見ながら、前回、カイがサヤを助けようとして傷ついたシーンを回想していますから、リク(赤の結晶)を翼手との戦いに巻き込んで死なせてしまったことと併せて、自分に関わる周囲の人間を傷つけてしまうことを恐れている、ってことなんじゃないかと。

ただし、それでもサヤは誘いを断りきれず、ピクニックに同行してしまうわけです。周囲の人間を傷つけてしまうかもしれないという恐怖、周囲の人間と共に生きる穏やかな幸せ。その間で揺れながら、ようやく後者を受け入れ始めたサヤ。目覚めのシーンと併せて、ここでも軽い変化が垣間見えて、地味に( ゚Д゚)ウマー。

とはいえ、完全にカイたちと共に進む道を選んだわけではなく、あくまでも揺れている最中での一つの行動に過ぎないわけで。背景音も妙に不穏だしねー。36話では「すれちがう想い」だったサヤとカイ。ここに来て二人は近づきつつありますが、反面、サヤにはまだ、カイに近づくことを恐れている節も見受けられて。どうなることやら。


■失礼するよ

ジョエル・ゴルドシュミット、出陣。

一年前も表立って動くことはなく、半身不随になってからも身を潜めていたジョエルですが、デビットの復活に併せて、デビットと共に動き出したわけですよ。ジョエルにしか出来ないことをするために。

一年前も表立っての動きは見られなかった。DIVAの襲撃によって半身不随になった。そういった「タメ」が、今回の始動によって解放されて、さりげなく脇役カタルシス燃えですよー。プラス、デビットとの「名前を継いだ」コンビの男の連携が静かに熱いっす。


■ここを出て行くものだと思っていました
■彼らを頼るのは、悪いことではありません
■それに、今は彼の言葉が正しい。今のあなたには、休息が必要です


これまで「あなたがそれを望むなら」な従者モードだったハジが、サヤに意見するという。パッと見では「アレ?従者だったんじゃないの?」と疑問に思ったのですが、実際には、ハジが「あなたがそれを望むなら」な従者モードを捨てたというよりも、ハジは「あなたがそれを望むなら」な従者モードだからこそ、サヤに意見したんじゃないかな。

サヤは「出て行くこと」を望んでいなくて、本心では「カイたちに頼ったほうが良い」「休息が必要だ」と考えていて。ハジはそんなサヤの本心、本当の「望み」を察したからこそ、そんなサヤの本心をサヤにつきつけたんじゃないかな。これがあなたの本当の望みなんじゃないですか?みたいに。


■動物園

ジョエル邸の動物園では、動物たちに避けられていたサヤ。ハジと初代ジョエル以外、友だちもいなかったサヤ。それが今、ナハビとハヴィアの笑顔に囲まれ、犬のポーチャーも脇にいて。穏やかな日常の暖かさと一緒に、過去編でのサヤとの違い、宮城の家族からもらった「何か」も描かれていて。

100年前の「ボルドーの日曜日」とは違うサヤ。その変化が、終盤、どんな意味を持つことになるのでしょう。今回のナハビ&ハヴィア&ポーチャーとの交流自体はさりげない小ネタですが、こういうさりげない小ネタが積み重なった先に待つ未来に、期待しましょー。


■昔は、違ったのさ。人ってのは、変わるもんなんだぜ。誰でもな

というオデブの台詞にあわせて、カメラがジュリアに移動。オデブの昔の写真を見たいなーなどと思いつつ、このネタふりをすることで、ジョエルの始動→オデブと岡村が小型カメラで会場をチェック→デビットとジュリアの再会、の各場面を自然に転換させてきたわけですねー。

先日のサッカーワールドカップとかを見ていても思ったのですが、凄い選手になればなるほど、難しいプレーでも当たり前にできている、簡単にできているように見えるわけで。こういう感想を書いていてつくづく思いますが、やっぱプロって凄いわー。

ちなみに、オデブに言わせると、パーティーには「軍需産業のトップが勢ぞろいだ」とのこと。アンシェル主催のようですが、コープスコーズや軍用食糧の売り込みを睨んで、関係者に顔を売りにきた、ってところかな?


■どうしてここに…?

36話で「すれちがう想い」だったのは、サヤ&カイだけでなく、ジュリア&デビットも。というわけで、こちらも距離を縮めるのかな?と思いきや、コリンズの妨害で再び別離。少しずつ距離を縮めているサヤ&カイとは違って、こっちはまだまだ時間がかかるみたいですが、あんまり時間かけるとロクなことにならんような…。

ま、どうなるかはわかりませんが、ジュリアがデビットを追いかける図式だった関係が、デビットがジュリアを追いかける図式に変わっていてワロタ。関係が逆転しとるよー(笑)などと思いつつ、調子にのってるコリンズ、出世街道驀進中のヴァンと併せて、この辺の人間関係も注目ですよー。


■直球バカっていうか、とにかく真っ直ぐなのよね、揺るがないっての?

真央も極道親父から5000万パクってカイを追いかけたわけですから、真央自身は気づいていないのかもしれませんが、基本的には似た者同士なんだよねー。そして、そんな真央を好きといえるモニークも。

ただ、真央がサヤたちに合流するまでの間、真央が見ていないところで、カイは揺れていたわけですよ。真央がカイに似ているというのならば、真央もまた、以前のカイと同じように、カイへの想いが揺らいでしまうイベントがくるはずなんですけど…。36話の感想にも書いたように、真央の役割、出番がこれで終わりってのも寂しいですし、そろそろ真央の活躍が見たい気がします。


■魚を釣りたきゃ、魚の気持ちになればいい

18話でジュリアも「相手の立場に立って逆から物事を見てみる」ことが大切だと言っていましたが、今回、グレイも同じことを言ってる罠。

最初は魚を釣れないところからして、まだカイは相手の立場に立ってものを考えることができていなかったようですが、グレイのアドバイスを受けて釣れたところを見るに、少しずつですが、相手の立場に立って考えることができ始めているみたい。

こういう変化をさりげなく描くあたり、地味に( ゚Д゚)ウマーなんですが、そんなグレイの言葉を聞きながら、カイがサヤをチラ見しているのが、これまた地味に( ゚Д゚)ファインプレイナリー。魚の気持ちになる前に、サヤの気持ちが気になるようです。カイも意識して、サヤの立場に立って考えることをしてみようと思い始めたんじゃないかな。

17話の感想で、ジュリアの「相手の立場に立って逆から物事を見てみる」ことが大切だというアドバイスが「カイ成長物語の方向性」ではないかと言ってみましたが、やはりそうなる気配です。17話からしばらくは、カイも未熟で、そのアドバイスを活かすことはできませんでしたが、1年の成長期間を経たことで、今のカイならそのアドバイスを活かすこともできると思われ。今後のカイの活躍に期待ですよー。

このネタ。17話のネタふり→39話で軽く回収→終盤に全回収という流れになると思いますが、こういう長期的な伏線回収は気持ちいいんだよねー。


■あいつらにとっちゃ命がけの勝負さ。生きたい、生きてりゃ何とかなるってな
■なんとかなる、か…


カイはグレイの言葉を聞きながら、その言葉を自分たち自身にも重ねているようですね。DIVAから見れば、カイやデビットたち人間は、人間から見た魚と同じように、ただ狩られるだけの無力な存在にすぎなくて。それでも、自分たちは生きたい、生きてりゃ何とかなる、って考えていて。だから自分も、そしてサヤにも、死んでほしくないと考えていて。

このグレイの台詞を聞きながら、カイが一瞬考えこみ、そしてサヤに視線を向けるシーン。それだけでカイの心情が透けて見えてきて。こういうビジュアルを用いた心情描写は上手いなー。

さらに、ここでグレイが口にした「何とかなる」から、カイは2話でサヤに語りかけた「魔法の言葉をもう一度」思い出し、それが今回のラストにつながってくるという。話の膨らまし方も自然に上手いのですが、カイは父ジョージから聞いた言葉を、今あらためてグレイから聞いて、それを噛みしめているわけです。

カイにとって、グレイの言葉は父ジョージの言葉と同じように、心に入ってくる言葉。カイにとって、グレイやモニークたちとの暮らしも、沖縄で宮城カイとして過ごした日々と同じように、暖かで、安らげる日々。

ジョージとリクを失っても、グレイたちとの暮らしの中で、再び「家族」に回帰できたカイ。そんなカイの言葉が、今回のラストで「もう一度」サヤに投げかけられるわけですよ。あれから一年たって、場所も沖縄からロンドン郊外に移ったけれど、時と場所を越えて、ジョージの言葉はカイに、そしてサヤに届いたという。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

それと、3クールから4クールにかけて、この「家族」というのが再びキーになっているような気がしてみたり。

サヤとDIVAも「家族」なんだよね…。


■ゴールドスミスも、ゴルドシュミットから生まれたファミリーです

と思っていたところに「ファミリー」発言。オモシロネタふりなんですが、それはともかく、ここでポイントなのはゴルドシュミット→ゴールドスミスの関係です。

BLOOD+は現実世界のロスチャイルドをネタにしている、という話は何度か触れてきたと思いますが、現実世界のロスチャイルド家は、元はゴルドシュミットの家系に辿り着くという。現実世界のゴルドシュミット→ロスチャイルドの流れが、BLOOD+ではゴルドシュミット→ロスチャイルドの流れになっているわけですね。


■ゴルドシュミットって、あの世界中の銀行に影響力を持つ…
■昔から金とダイヤ、ウランなどの鉱物資源の価値は、彼らの思うままだ


それともう一つ。ウラン。ここでも核ネタですよー。前にも触れましたが、現実世界の「核(危険な科学技術)」を、BLOOD+では「翼手」として描いているっぽいなぁ。現実世界のロスチャイルドは、原子力産業や軍需産業とメガッサ深く関わってるしねー。

っつうか、ドゴールとかミッテランとか、フランスは凄いよー。それがあるから、作中でサンクフレシュの本拠地をフランスに持ってきたんじゃないかなー。最初にベトナム(インドシナ時代)に手を出したのもフランスだしねー。

少年サンデー連載の「絶対可憐チルドレン(椎名高志)」では、現実世界の「個性を持った人間」を、作中で「エスパー」として描いているのですが、こういう手法はさりげに好きですよー。アニメという仮想世界の中で完結するだけでなく、現実世界につながる取っ掛かりが盛り込まれていて。軽い刺激になって、ちょびっと調べようって気になるしねー。前に買った「赤い楯」は、まだ前巻までしか読んでませんけど…。


■父の葬儀の際には、お世話になりました。アンシェル叔父さん

叔父さんってのが、親の兄弟って意味なのか、親戚のオジサンって意味なのかはハッキリしませんが(アンシェルがゴルドシュミットの家訓を初耳っぽく聞いているあたりからして、後者かな?)、それはともかく、ジョエルとアンシェルは面識があったようです。


■素敵な指輪ですね

偽リーザの指輪発見。脳天に銃弾を撃ちこまれながら生きていたこととあわせて、赤い盾も、アンシェル=偽リーザ=シュヴァリエと確信したようです。一方、ジョエルを見たヴァンも「まさか…あれが赤い盾の…!?」と反応していますから、これで双方、相手の正体を知ったことになりますよー。バトル、スタート!


■ジョエルvsアンシェル(表)

ジ:新しい事業は、バイオ関連と聞きました。
ア:さすがに耳が早い。ゆくゆくは伝統的科学と、先進的生物学の統合を考えています。
組織というのは、日々進化しないと死んでしまう。未来を開くためには、新しい血が必要なのですよ。
あなたもおわかりでしょう。
ジ:ええ。ですが、
僕は未来に向かって闇雲に歩き出すより、過去の落とし前をつける方が重要だと考えるタイプですから。
ご存じないでしょうが、初代の当主もそういう人物でした。
ア:ほう、初代のジョエル・ゴルドシュミットが。叶うならば、是非お会いしてみたかった。
ゴルドシュミットが謎の一族と謳われるのも、なるほど、そういう家風によるところなのかもしれませんね。
ジ:我々は生きて息をし、老いていくただの人間です。
ア:人間は傷つけば血を流す。
ジ:落とし前をつけるためには、代償が必要なのは当然です。
ア:時には、大きすぎる代償がね。
ジ:踊ることを諦めた代わりに、耳にする喜びを得ましたから。
ア:秋に我が社で公演しているオペラが、METで開かれます。今度こそ、招待状をきちんと送らせましょう。
ジ:いえ、自分でチケットを買わなければ、楽しむ資格がない。
ア:なんとも律儀な方だ。
ジ:では、ニューヨークでお会いしましょう。


■ジョエルvsアンシェル(裏)

ジ:コープスコーズってのを作ってるらしいな。
ア:DIVAの血と先端科学をあわせることで、世界の未来を切り開こうと思ってね。
ジ:未来を考えるより、過去の落とし前をキッチリつけろや。初代ジョエルからの分と併せてな。
ア:何のことかね。ニヤニヤw
ジ:お前、100年近く生きてるシュヴァリエだろうが。
ア:そういうお前は、たかが人間だろ。俺ら翼手に歯向かえばボコるぞ。
ジ:傷つく覚悟はしてるっつうの。
ア:その結果が半身不随かよ。プゲラw
ジ:体を動かせなくても、諜報面で動けるっつうの。
ア:諜報してるだけじゃ何の抑止にもなんねえよ。知りたいだけなら教えちゃろうか。ニヤニヤw
ジ:自分で調べる。その上で、舞台に乗りこんで止めてやるよ。
ア:せいぜい頑張ってねw
ジ:では、ニューヨークでお会いしましょう。

こんな感じかな。水面下ではチクチク合戦を展開しながら、表向きはジェントルメンな会話を交わす二人。背景の不穏な音楽と相まって、二人の間で静かに散る火花が良い感じに透けて見えるよー。

余裕に見えたアンシェルも、会話の後で「蛇は蛇。頭を潰すまでは油断できんな」と改めて警戒。実質的な収穫としては、赤い盾サイドが「アンシェル=シュヴァリエ」だと確認できたことくらいですが、ここに直接的な宣戦布告をもってきたことで、4クールの始まりに相応しい内容になったかなー。


■「今後は君がCEOに就任したまえ」「エッ!?私が…CEO…?」

何より大好きな飴ちゃんを落とすほど、動揺しまくっているヴァン。出世を喜んでいるようには見えないのですが、ヴァンは出世したくて動いていたんじゃないってこと?


■あったかい、それにこの匂い … 夏の匂い

夏の匂い=沖縄の匂い、ってところかな。

サヤがカイの背中に沖縄の匂いを感じたところで、二人ともに昔に戻れて、互いに本心を打ち明けあう。言葉は必要なくて、家族として共有していた沖縄の空気が、温かさが、二人の間の溝を埋める。

キレイで( ゚Д゚)ウマーな演出なんですが、さらに言えば、サヤは夏(沖縄)の匂いに、忘れかけていた暖かさを、家族を感じることができたわけですよ。

そこにジョージはいなくても、そこにリクはいなくても、戻るべき場所は、戻りたい場所は、家族は、カイは、そこに確かに存在していて、サヤを待っていてくれて。


■なんくるないさー

そして、その夏の暖かさの中に、カイが再び口にした言葉の中に、ジョージは、リクは、宮城の家族の絆は生きていて。死んでしまったジョージも、リクも、サヤとカイが積み重ねてきた時間の中に、確かに生きていて。

昨日も今日も、ずっとつながって明日になる。言葉も、背景に流れる音楽も、2話のあの時と同じ。

たとえ闇夜になったとしても、それは陽の輝く時間とつながっている。それを感じたサヤは、カイの「帰ろうぜ」を「うん」と受け入れ、そして、その覚悟を抱いて、今、最後の戦いの扉を開くという。

昼と夜のグラデーション。 昨日も今日も、ずっとずっとつながって、明日になっていく。

開かれる扉その先に待つ仲間たち扉の向こうへ、足を踏み出すサヤ

エンディングでは、死んでしまったリクも、そして、その先に待つ明日も…。

夕陽の中で輝く、リクの笑顔その先に待つ明日は…二人の姉妹の明日は…

もうね…
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚


■OP&ED

色々ネタふりされていますが、中でも姉妹の描写がオモシロですよー。30話の「私…怖い」をどう昇華させてくるのか。赤と青の物語をどう閉じてくるのか。かなり期待しています。

歌のほうは、OPを歌っている「ジン」が面白いかなー。うまく言えないんですけど、ボーカルも一つの楽器っぽい感じ。歌詞は何を言ってるかサッパリわかりませんが(笑)

3期のOP&EDが映像的にも歌詞的にもメラ凄かった分、相対的に「ん?」と感じてしまうところもあるのですが、ぐらす個人としては、なかなか味があって好きですよー。

赤サイド青サイドやっぱり月がキーアイテム

サヤを巡る、三者三様の想い。 ハジ、ソロモン、カイ。 ビジュアル的に見て、対等な位置づけになるっぽいっす。

螺旋の運命。ボルドーの日曜日。DIVAが奪ったもの。 この時点のサヤとDIVAは、互いに背を向けています。

でも、ここで振り返って…紫っすか。何を意味するのやら。

ここで対峙するという。原点は手を差し伸べあう関係ででも、今は剣を交えるしかなくて。
二人を照らす、夜空に輝く月の光。

戦いの果てに差し出された手は…? ハジ? ソロモン? カイ? それとも…

ハジ変身クル━(゚∀゚)━ッ!何これ? LZ1?ジュリア合流クル━(゚∀゚)━ッ!

今もリクは笑顔で笑っていてつД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚




というわけで、39把感想終了ですよー。3クールが終わってのサヤたちの関係を整理しつつ、ジョエル→アンシェルの宣戦布告で、最後の戦いが始まる感を出してきたってところかな。3クールが終わり、4クールが始まりますよ、的なエピソードとして、うまく話を作ったなーという印象です。残り11話。どうなるんでしょう?




BLOOD+ 第40話 〜 シュヴァリエの見る夢 〜

青の世界。響く歌声。聞くは二人のシュヴァリエ。ソロモンとハジ。二人の見る夢は?な感じで始まった40話。残った女王の騎士は六人。アンシェル、ネイサン、ジェイムズ、ハジ、ソロモン、カイ。それぞれの見る夢は?


■ハジの見る夢

過去にサヤと交わした約束。剣を手に、サヤと二人で世界を旅して回る。その「夢」が叶う日を想いながら、今を過ごすハジ。その夢は、いつか現実に変わるのか。それとも、幻のまま終わるのか。

なーんか妙に意味深なんだよねー。リクが健在だった28話でも、ハジはリクに向かって「いつまでもサヤの傍にいてやること。それは、リクだけが出来ることだ」と言っていましたけど、ハジ、どうなるのかなぁ…。


■なんか…寒い…

体調悪そうなサヤ。ひょっとして、眠りの周期が近づいてるんじゃね?

沖縄で宮城の家族と過ごしたのが1年。1話〜32話までで半年〜1年くらい(?)。その後1年の空白期間を経て現在。ざっくり計算しても、目覚めてから2〜3年は経っているんだよね。サヤに残された時間はかなり短くなってるんじゃ…。

一方、DIVAはというと、サヤが沖縄で目覚めてから一年以上たって目覚めたわけですから、こちらはサヤよりも残された時間が多そう。この差が終盤に響いてきたとしたら…。


■あぁ…気持ち良い…私の血が女王の一部となっていく…これがシュヴァリエの至福の時…

変態だよー。亡き変態仮面様とは別方向の変態だよー。

んでも、ネイサンの声はオカマ声のままなんだよねー。ジェイムズを脅した時のゴッツイ声じゃないっす。女王のために全てを捧げる、ってのがネイサンの「夢」なのか、それとも、他に何かネイサンならではの「夢」があるのか。オカマの真意が読めんのよー。


■最近テンション高いのよね、DIVAったら

テンションが高くなって、オカマの血をチューチュー吸いまくりなDIVA。サヤには休眠期間が近づいてそうですが、DIVAもDIVAで、何か変化が見られる感じ。DIVAもサヤと同じように、休眠期間が近づいてるのかな?


■輸血

ネイサンの血を吸いまくったDIVAとは異なり、サヤは輸血で栄養補充。34話ではハジの血を吸っていたのですが、今は輸血に頼っているという。目立ちはしませんが、これもカイたちとの交流の中で生まれた変化の一つっぽい感じ。


■この人たちは、DIVAのことも、翼手のこともまだ知らない。そして、私たちのことも。
■長い時間の中で、私たちがしてきたことは、誰にも知られることなく、終わっていくんだよね…


つ 「語り継ぐこと」 (歌詞:うたまっぷ

ハジの「あの時、あなたは言ってくれました。件を手に世界を旅する、そして、私も一緒だと」「あなたのその言葉が、孤独であった私の支えになっていました。私は、一人じゃないのだと」「だからサヤ。私は今もなお、あなたと共にいるのです」も、ステキフォローというか、ステキ本心というか。

ハジにとって、サヤに一緒にいてもらえるということは、サヤにとっても、ハジが一緒にいてくれることを意味していて。それは「長い時間の中で、私たちがしてきたことは、誰にも知られることなく、終わっていくんだよね…」と悩み苦しみサヤにとって、少なくともハジという連れ添いがいることを意味していて。

ルルゥやイレーヌも、誰かの「想い出」になりたいと望んでいます(いました)が、語り継ぐ人がいるかぎり、サヤたちも「誰かの思い出」として、永遠を生きることができるんじゃないかな。世界中の全員が知ることはなくても、ハジが、カイが、信頼しあえる仲間の皆が「語り継ぐこと」で、サヤもシフも、永遠を生きることができるんじゃないかな。

ここに来て、1クールのED曲が良い感じに響いてきたよー。


■ハジ、ありがとう…

ネイサンの血を吸いまくったDIVAの姿と、ハジの胸に寄りかかったサヤの姿。構図を似せているんじゃないかな。

どちらも女王の望みに身を委ねているけれど、かたや気分に任せて好き勝手やっているDIVA、かたや信頼関係の中で「ありがとう」の言葉を口にできるサヤ。女王と騎士の関係に、微妙な違いが漂う感じですよー。


■私は彼女の崇拝者の一人にすぎんよ
■私は、DIVAを最高の舞台で最高に気持ちよく歌わせてあげたい


アンシェルがハジをDIVAに献上しなかったのは、DIVAがハジを望まなかったから、ということらしいですが、どーだかねぇ。アンシェルとネイサン。二人の「シュヴァリエの見る夢」は、額面どおりに受け取っていいものか、それとも、裏に何か思惑を秘めているのか。

テンプレ的には後者(裏に真意を秘めている)がありがちなんですが、前者(あくまでDIVAの従者)のパターンも面白いかな。

アンシェルは翼手としての正義を貫こうとするも、女王であるDIVAの方が翼手の正義に反する形で暴走してしまう、みたいに、アンシェルたちに裏はないけれど、肝心のDIVAが暴走しちゃうパターンもありかも。


■黒い服、白い服

第一次大戦末期、兄アンシェルの城の地下で、DIVAと出会い、シュヴァリエになったソロモン。それ以来、その時に目覚めた「理想」を貫き、シュヴァリエとして動いてきたわけですが、常に「白い服」を着ていたのは、その時の「理想」に揺るぎがないことの現れ、DIVAに対する絶対の忠誠の象徴、といったところでしょうか。

そして、理想と忠誠から離れた今、ソロモンは「黒い服」を纏っているという。


■ソロモン・ゴールドスミス→ソロモン→ソロモン・ゴールドスミス

人間だった頃のソロモンは、人間同士で殺しあう業から、人間(自分も含む)を解放することを望みとしていた。

シュヴァリエになったソロモンは、そんな人間の価値観(人間同士で殺しあうことは業だ、その業を消し去りたい)など些細な問題にすぎないことを知り、そんな人間世界から解放されたことに喜びと平穏を感じた。

ところが、翼手の世界にも、同族同士で殺しあう業は存在していた。その争いの中で、シュヴァリエとしてDIVAに従属しようとする本能と、DIVAのシュヴァリエとしてもう一体の女王と子を成したいという本能がせめぎ合い、結果、後者を選んだ。

というのがソロモンの思考のようです。皮肉なことに、一巡して、同じ業を再び突きつけられたわけですね。


■翼手の正義

それと、もう一つ。翼手となったソロモンが感じた「人間の価値観から見えていた業など、取るに足らないものだと思いました。人間が愚かしく、醜い生き物に見えたのです」という思想は、おそらく、DIVAを始めとする翼手たちの正義なんじゃないかな。過去ロシア編でグレゴリーも同じようなことを言っていましたし。

この「人間ってオバカだよ」的な思想はSEEDにも見られたんで、ひょっとすると、竹Pの主張なのかも?


■ソロモンの進路

ソロモンは「DIVAを慕う気持ちは、今も変わりません」と言っていますから、サヤに協力してDIVAを倒すために行動する(DIVAに刃を向ける)ということはないかなぁ。DIVAたちを攻撃するのではなく、DIVAたちの攻撃からサヤを守る、ってのが考えられるところです。

ただし、気になることが一つありまして。ソロモンは最終的にサヤを子を成すことを望んでいるのでしょうが、仮にソロモンがサヤとセクースしたとすると、おそらく、DIVAに逆レイプされたリクみたいに、砕けて死んじゃうわけですよ。

リクの前例がありますから、ソロモンもそのことは承知でしょう。覚悟の上でサヤの元に向かったと思われます。とはいえ、ここではソロモンのその覚悟はあまり気にしていなくて、ここで気になるのは、セクースすることでの副作用というか。

34話で、サヤが「その間にも、DIVAはどんどん強くなっているのに…」と言っていましたが、翼手の女王はもう一人の女王のシュヴァリエとセクースすることで、パワーアップするんじゃね?などと考えてみたり。セクースすることで、というよりも、セクースの結果として妊娠することで、お腹の子どもを守るためにパワーアップする、とか。

現在、サヤとDIVAたちとの戦闘力の差は、歴然としたものがあります。今回アンシェルが垣間見せた戦闘力を見るかぎり、覚悟完了→覚醒→パワーアップというSEED形式の強化方法だけでは、差は埋まりきらないような気がするんですよ。その差を埋めるために、ソロモンとサヤがセクース→サヤがパワーアップ、ってな形になるんじゃないかなぁ。仮にそうなるとすると、その結果として、ソロモンは結晶化→退場することになるわけですが…。

ソロモンが直接的にDIVAに刃を向けることは考えづらいのですが(サヤを救うために、っていうのはありそうですけどね)、間接的な形で、サヤがDIVAを倒すことに協力する、ってのはありえるんじゃないかなぁ。

ソロモンは、アンシェルは、DIVAは、そのことを知っているのかな?


■お前、サヤのことが好きなんだ…

それまでのオドけた声が、ここでマジな声に切り替わり、それとあわせて、DIVAの姿が元の歌姫の姿に変貌。その後すぐに、リクの姿に戻っているという。

DIVAが本心をさらけ出した時は歌姫の姿、仮面をかぶっている時はリクの姿、みたいな感じなのかなぁ。もちろん、それ以外でも必要に応じて、歌姫とリクの姿を使い分ける、ってことはあるでしょうが。

ま、ハッキリとはわかりませんが、少なくとも「お前、サヤのことが好きなんだ…」というDIVAの言葉には、DIVAの本心が込められているように感じました。サヤへの憎しみというか。

おそらくですが、200年前、動物園の時代に関連することじゃないかなーとか思ってみたり。

自分が獣じみた生活を強いられていた間、サヤは人間らしい生活を許されていた。その償いとして、サヤの身近にある「人間らしい」ものは全て奪ってしまえ、みたいな。サヤに対して「好き」という人間らしい感情を向けることなど、絶対に許せない、みたいな。

それが、その後の「サヤ姉さまが欲しいなら、その手で奪い、子どもでも産ませてしまうんだね」だと思われ。人間らしい恋愛感情なんて駄目だよ、獣みたいに蹂躙して、子どもを産ませて、その果てに、ソロモンも結晶になって死んじゃえ、みたいな。


■僕は、僕でもあります

さらに、それに追い打ちをかける意味で「ソロモン、お前はサヤを愛してると言ったな。それはお前の中にある、シュヴァリエの血がサヤを欲しているからだ」と畳み掛け、シュヴァリエの本能(≠人間らしさ)を突きつけるアンシェル。

それに対して、本能を認めながらも、個人の感情を示すソロモン。これにて決定的に別離完了。道を外れたシュヴァリエが生まると同時に、ソロモン・ゴールドスミスが復活するという。


■過去:さらば、ソロモン・ゴールドスミス
■現在:僕は、ソロモン・ゴールドスミスとして、サヤと、共に生きます


( ゚Д゚)ウマーだったのが、この台詞回し。

過去において、ソロモンの胸に剣を突き刺しながら、アンシェルがソロモンに向けた言葉は「さらば、ソロモン・ゴールドスミス」なんですよね。これによって、ソロモン・ゴールドスミスという「人間」に別れを告げ、新たに「シュヴァリエ」としてのソロモンが誕生したわけです。

そして現在。ソロモンは「シュヴァリエ」としての生に別れを告げ、再び「人間」として「ソロモン・ゴールドスミス」を名乗るという。

ソロモン・ゴールドスミス(人間)→ソロモン(シュヴァリエ)→ソロモン・ゴールドスミス(人間)。という変化がハッキリわかる( ゚Д゚)ウマー。

という言い回しなんですが、ただし、その身にDIVAの血が流れている以上、ソロモンがサヤへの想いを貫こうとするなら(簡単に言うと、好き→セクースすると)、シュヴァリエの運命に従って砕け散ることになるわけです。いくら「人間」としてのソロモン・ゴールドスミスに回帰しようと、結局、ソロモンがシュヴァリエの運命から逃れることなどできないという。

そして、シュヴァリエの宿命から逃れることなどできないソロモンに向かって、アンシェルはシュヴァリエの立場から、手向けに「サヤをお前のものにしたくば、サヤを殺すことだ、我らがサヤを殺す前に」という別れの言葉を贈るという。

それは、長兄から弟に向けられたせめてもの忠告の言葉か、シュヴァリエの長から裏切り者のシュヴァリエに向けられた決別の言葉か。ハジが奏でるチェロの響きと相まって、どちらともつかない(良い意味で)曖昧な雰囲気に、切ない別れの刹那が漂う感じ。悲しくなるほどキレイな別れでした。

ってことで、アンシェルとソロモンが完全に決別した以上、これまでは隠れてサヤをサポートしてきたソロモンも、アンシェルたちの攻撃から直接的にサヤを守る側に回るはず。どうなることやら。


■これ以上暴れられたら、住むとこを探さなくちゃいけないじゃない。それに…

ジェイムズ? ピキ死したんじゃ?と思っていましたが、4期の新OPには登場してたんだよね。復活クル━(゚∀゚)━ッ!ってことか。38話を見るかぎり、サヤの剣戟(血)で左手と右足を失っていると思われますが、アンシェルが変態仮面に授けたのと同じ類の手足を移植してくるのかな。んで、コープスコーズ部隊の指揮担当とか。


■第一次大戦末期

この頃のDIVAには、人間性が感じられないような…。全裸だし、ろくに喋らず、アーとかゥーとか言うだけだし。動物園の時代よりも獣じみてると言うか…。


■戦いを望んだのは、サヤ姉さまのほうだよ

自分は自然の掟に従って、翼手としての生を全うしているだけ。人間を食べるのは、食物連鎖上の行為に過ぎない。翼手を増やそうとするのも、種の繁栄を望む本能に従っているに過ぎない。人間を傷つけるからといって、人間を駆逐していくからといって、そのことを同族であるサヤに云々言われる筋合いも、ましてや、それを理由にサヤに殺される筋合いもない。

というのがDIVAの言い分なのかなぁ。自分は種の本能や自然の掟に従ってるだけなのに、そんな自分に一方的に喧嘩を売ってきたのはサヤ姉さまだよ、みたいな。

どーなのかねぇ。確かにそういった側面もあるんですけど、DIVAの本心として、サヤへの復讐だとか、人間への復讐だとか、そういう側面もあるんじゃないの? 自分でも「僕だってサヤ姉さまとは、一緒に暮らしたいと思ってる。でもね、それ以上に僕はサヤ姉さまを殺したいとも思ってるんだ」って言ってるし…。

DIVAの見る「夢」は、何なんでしょう?


■まだ、食べるよ…■腹ごしらえの弁当買ってきてやったぜ

サヤが見る夢。沖縄での日々。幸せな時間。太陽に照らされながら家族と過ごした、生に溢れた毎日。それは現実ではなくて…。

でも、サヤが見る「夢」は、ご飯は、家族は、以前のままではないけれど、目の前にある「現実」でも、カイが用意して待っているという。

完全に修復されたわけではない。完全に修復できるはずなどない。それでも、そこには確かな絆が存在している。

そんなラストが猛烈に切なキレイで つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚


■三者三様

前半パートで確かめられたハジとの絆。後半パートで生まれつつあるソロモンとの絆。ラストに描かれたカイとの絆。サヤの三人の騎士が見る夢は、叶うや、叶わざるや。

特に、エンディング直前。夜空を見上げるハジの想いは? ソロモンがサヤを愛するのがシュヴァリエとしての本能だというのならば、サヤのシュヴァリエたるハジの本能は?



という感じで40話の感想終了。サヤの三人の騎士、ハジ、ソロモン、カイ。DIVAの三人の騎士、アンシェル、ネイサン、ジェイムズ。それぞれが見る夢は?なエピソードでしたが、カイ以外は、まだ隠された想いが、夢がありそうな感じかも。表面的な夢を描きつつ、隠された夢の気配を漂わせつつ、余韻を残したエピソードがキレイな一話でした。




BLOOD+ 第41話 〜 私の居場所 〜

36話の感想で「今のところ、カイが真央に影響されるような展開が見られないような…」「どこかで活躍すんのかなぁ…」と書きましたが、ここでキタ━(゚∀゚)━ッ!な41話ですよー。自分の居場所はどこー?


■成田経由、那覇行き一枚

ファーストクラスで帰国しようとする真央様。36話の感想で「どこかで活躍すんのかなぁ…」と書きましたが、真央自身も自分の必要性に見切りをつけてしまった感じです。このまま帰国しちゃうんかね?


■爆殺未遂

凸凹コンビって何時からそんなに狙われるポジションなん?などと思っていたら、どうやらネットにアンシェル暗殺動画を流したことで目をつけられたみたい。

とはいっても、DIVAやアンシェルたちからすれば、赤い盾の大部分が壊滅した今となっては、赤い盾の残党なんぞどーでもいいような…。39話でアンシェルを襲撃した黒幕が「Mrグラント」なる人物だと言われていましたが、むしろそっちの仕業なんじゃね?と思ってみたり。目的はわかりませんけど、今後重要になってくるのかな?

とりあえずは、引きつづきアンシェル暗殺動画をネットに流しながら、暗殺の黒幕を調べていくことになるみたい。オデブが「その辺は任せとけよ、心当たりがある」と頼もしげなことを言っていますから、オデブが活躍することになるのかなー。


■ガス漏れだかなんだか知らないけど、部屋が吹っ飛ぶなんて…
■俺の部屋が吹っ飛んだ本当の原因は、コイツだ


岡村はアバンで「やってくれるぜ…」と言っていますし、カイたちと合流した後も、真央がいないタイミングを見計らって、アンシェルの暗殺動画を見せながら「俺の部屋が吹っ飛んだ本当の原因は、コイツだ」と話していますから、この一件が単なるガス漏れ爆発とは思っていないはず。

でも、それを真央に教えることはしなかったみたい。オデブからの「仲いいな、お前ら」というツッコミに、仲良く声を合わせて「良くない!×2」と返してるところからして、凸凹に見えて実は噛みあってるように見えますが、年長者として、さりげないところで岡村が気を使ってるみたい。なんだかんだ言いながら、心配させたくなかったってことかな。


■あ、そういうことか…男所帯はこれだから
■ほら、男は出た出た


真央がそんな岡村の気遣いに気がつく様子はない上、サヤの不調の原因も勝手にアレだと勘違いしながら、ハジを部屋から追い出したり、サヤの希望を確認もせずに窓を開けっぱなして太陽光を入れたり、不調のサヤに向かって矢継ぎ早に大きな親切をプレゼントしたり。

それでいて「遠慮はいらないよ、こういうのはお互い様でしょ」と言えちゃうんですから、親切の押し売りというか、相手の立場に立ってものを考えることをしない(できない)というか。

カイは2クールで、相手の立場にたって考えることができず、サヤとの関係が悪化していったわけですが、真央はどうなるんでしょ。サブキャラなんでカイほどの時間を割くことはできないと思いますが、2クール〜3クールのカイと同じような展開になるのかな?


■それより、あんたたち、その格好なんなのよ

水面下で足冷やしてるだけのデビットたちを見ながら、軽くホノボノ。こういうシーンが軽く入るだけで、だいぶ癒されるよー。


■どうも最近調子が悪いみたいだな

前回に引きつづき、調子悪げなサヤです。休眠期間が近づいてるのは、ほぼ間違いないかな?


■コリンズ&ヴァン&ジュリア

ヴァンはサンクフレシュアメリカのCEO(サンクフレシュグループのトップ)に、コリンズはグループの研究部門トップに就任。出世を祝ってシャンパンを開けながら、ジュリアの研究報告を軽んずるコリンズ大先生の図ですよー。

特にコリンズ先生の喜びようったら。初登場以来、科学者としての地位や名声に拘りを見せていましたが、サンクフレシュグループの研究部門トップにまで昇りつめれば、そりゃ喜びも大きいことでしょう。っつうか、就任早々、自分の部屋に飴玉の小山を作るヴァンにワロタ(笑)

と、喜びがピークに達したところで、ヴァンはともかく、コリンズは一転してドン底に落下。従順な部下だと思っていたジュリアに追い抜かれてしまったのですから、そりゃショックも大きい罠。アンシェルの後を追って部屋を出るジュリアの横で、焦点も定まらぬ目で呆然としていますが、大丈夫かな?というか、暴走ポジション確定?


■なんか、謝花さんって、もっと怖い人だと思ってた

下手なご飯をがんばって作って、それをお世辞でも褒めてもらえて、生まれたばかりの妹の写メ見せたり、沖縄に帰った後の約束をしたり。

冒頭で岡村と真央がデビットたちの部屋に転がり込む前、アパートの前で「わかったぞ、やはりこのアパートらしい」と話していたところからして、岡村と真央はサヤたちと頻繁にあってはいなかった様子です。イギリスでも、岡村と真央はグレイの家に住んではいませんでしたし。

おそらく、真央がサヤと二人っきりで話しこむようなことはなかったんじゃないかな。んで、今回はじめて話してみた感じ。


■沖縄か…言えなかったな…(真央)

で、表面的にはサヤと仲良さげに話していた真央ですが、沖縄に帰ろうとしている本心は打ち明けられなかったようで。

直後のカイとの会話でも「仕事かぁ…皆がんばってるよね、あの子を支えてさ、こんな所まで来てさ」「皆あんなにがんばってんのにさ、私には結局、何もできないんだなぁって思ったら、ちょっとね…」ととこぼしていますが、がんばってるサヤたちに負い目を感じているみたい。

ただ、がんばってると思っていたカイも「俺だって、似たようなもんさ」「違くねぇよ」と感じていたことを知りつつ、沖縄行きのチケットを手にしながらそのことをカイに告げることもできず、ちょびっと涙目の真央です。カイみたいにがんばれない自分の情けなさを噛みしめてるというか…。


■沖縄か…言えなかったな…(サヤ)

結局、ご飯の話とか、妹の話とか、買い物の話とか、そういうのは表面的な会話に過ぎなかったわけです。少なくとも、真央の本心はそこにはなかった。

ならば、会話のもう一方の相手は、本心を打ち明けたのか?と。そんな真央の一方で、もう一人「沖縄か…言えなかったな…」と考えた人間がいたんじゃないかな?と。

サヤですよ。

初めて二人っきりで話したものの、表面的な会話に終始して本心を打ち明けられなかった真央と同じで、サヤもまた、本心を打ち明けられなかったと見るのが自然じゃないかな。サヤの部屋での会話〜階段でのカイとの会話では、真央もカイも「何もできない」という点で似た者同士、真央もサヤも本心を打ち明けられないという点で似た者同士、ってことなんじゃないかと思われ。

ただ、3クールでのカイは、何もできないかもしれないと感じながらも「サヤのために何かしたい」と考えて、折れずに真っ直ぐ進んでいるわけで。サヤも少しずつそんなカイに近づいている感じですが、真央もまた、何らかのイベントを契機に「何もできなくても何かしてあげたい」と考えて、折れずに真っ直ぐ進むことになるんじゃないかな。

とはいえ、真央はサブキャラなんで、そんなに時間はかけられないでしょうし。今回のエピソードの中で決着をつけてくるんじゃないかな。と思いながら、後半パートの真央イベントに期待しましょー。


■「サミィ!?」「それにしてもあなた…太ったわねぇ」

激しくオデブの昔のビジュアルを知りたいっす。


■新設の特殊部隊…か
■裏で、ゴールドスミスが糸を引いてるらしい
■どうやらグラントとつるんでるらしいな
■そりゃスゲエ、現職の国防長官じゃねぇか


というわけで、ここで「グラント」の名前が登場。ゴールドスミスと組んで特殊部隊の新設を働きかけている、現職の米国防長官らしいです。ってことは、前々回のエピソード、デビットたちは知りませんが、Mrグラントは組んでいる相手の暗殺を狙ったってことになるわけですが…。

グラントはアンシェルがシュヴァリエだとは知らなかったと思われます。知っていれば襲撃なんぞしないでしょう。ならば、人間と翼手の争いの中でアンシェルを狙ったのではなく、コープスコーズ部隊の新設(おそらくは部隊新設に付随する利権)に関連してアンシェルを狙った、と見るのが妥当かな?

ま、あくまで推測にすぎませんが、それはともかく、デビットたち赤い盾の目線からは、グラントの思惑やコープスコーズ部隊の新設といった「軍」の動きはほとんど見えていないはず。オデブが昔のツテ=CIAを頼って調べても、この程度の情報しか得られなかったわけですが、ならば、どうやって真相に切り込んでいくのでしょう?


■そんなキナ臭い話より、君にはオペラがお似合いだよ

そんな具合に袋小路に迷い込んだところで、ジョエルさんが大活躍するという。

しかも、正面からの「近々特殊部隊が新設されると聞いたのですが」というアプローチは、あっさり「あれは知らんほうがいい」「手広く商売をするのはいいが、手を出してはいけない世界もあるということを肝に銘じておきなさい」と拒まれたと見せて、一瞬ガックリさせておきながら、裏のあるウィットな言葉で突破口を教えてもらうという。

漠然とした情報ゲット→それ以上はわからない→ジョエルがアプローチ→拒まれる→と見せかけて突破口発見。ヒント発見→行き止まり→別ルート模索→行き止まり→に見せかけて隠しルート発見。タメ→燃え、の基本公式に燃え燃えですよー。

ただし、前々回のアンシェルとの口撃バトルとは違って、今回はジョエル自身の力ではなく、相手のほうから隠しルートを教えてくれるというラッキー現象。ジョエルの活躍を魅せるというよりも、オデブが言っていた「軍も一枚岩じゃないからな」「時には利用するために、利用されなければならないことがある」を示す感じです。

DIVAの公演情報を仕入れたことも大きいのですが、それ以上に、ここで示された軍内部の軋轢が、サヤたちがアンシェルやグラントたちの行動に切り込む突破口になると思われ。期待しましょー。


■どうやら、グラントとつるんでるらしいんだ。
■部隊設立に絡んだ企業の役員に、奴の娘婿がいる。関係を疑うなって方が無理な話さ


血縁…ねぇ。ロスチャイルド一族の必殺技ですなー。核と血。パロってますよー。


■DIVAの………子ども…!?

バビった。あたりまえに読めるはずの展開なのに、バビった。

リクを逆レイプした時点で、DIVAが妊娠するのは読める展開だったわけですよ。ところが、それから8話はDIVAにそれらしい兆候は見られず、それよりも、リクの姿を模す変化が前面に押し出されていたため、DIVAがリクを逆レイプした結果として得たものは、リクへの変身を可能とする能力だと思えるようになっていたわけです。

リクを逆レイプするという伏線を貼っておく。それが意味する「妊娠」という結果から目を逸らすため、表向きには「変身」という結果を、しばらく見せつづける。そして、視聴者が「妊娠」という可能性を忘れかけた頃に、あらためて「妊娠」という結果を突発的に披露する。

結果、伏線が順当に回収されただけなのに、ビックリしてしまうわけですよ。先が読めるのに、先が読めない感じ。これは構成の勝利っす。( ゚Д゚)ウマーだよー。


■やがてDIVAは、二人の女王を産み落とす

ジュリアとアンシェルが見つめる映像には、たしかに双子の姿が見られます。先代の女王もサヤとDIVAという双子を産み落としていますから、これが翼手の女王が繁殖していくシステムと見るのが妥当でしょう。アンシェルもそんな感じのことを言ってるしね。

ということは、本来であれば、サヤとDIVAは手に手を取りあって新しい生命を産み出す、ポジティブな関係の姉妹だったということか…(もちろん、それは人間をはじめとする他の生物の死と隣り合わせの、ネガティブな関係とも言えるわけですが)。そこに初代ジョエルと助手アンシェルという「人間」の手が入り込んだために、結果として、種の衰滅につながるネガティブな(人間をはじめとする他の生物にとってはポジティブな)関係になってしまった、と。なんだかなぁ…。


■女王の本能と、シュヴァリエの存在意義 (妄想です)

ここに来て翼手の女王の繁殖システムが明らかになりましたが、それに伴って、いくつかの疑問というか考察というか。

女王は、子をなすために、もう一人の女王のシュヴァリエと交わる。その結果、女王と交わったシュヴァリエは結晶化して死ぬ。というのが、翼手の繁殖システムだと思われます。

ところが、繁殖システム、つまり種を繁栄させるためのシステムとして双子の女王が生まれるにも関わらず、双子の女王は互いに互いを必殺できる能力を持っています。女王同士が争えば、場合によっては種が衰滅しかねないわけですね。

ここで疑問なのが、なぜ片方の女王の血は、もう片方の女王を殺す力を秘めているのか?という点です。双子の誕生が種の繁栄のためのシステムだというのならば、互いを殺しあうような相克の力なんていらないんじゃね?ってことです。

んで、妄想してみたわけですよ。二人の女王の血を混ぜると結晶化するってのは、もう一人の女王を殺すためというよりも、交わったシュヴァリエを殺すためじゃないかな…かな?って。

シュヴァリエにしても雑魚翼手にしても、元は人間であって、純血の翼手ではありません。純血の翼手からすれば、シュヴァリエはあくまで女王が受胎するための生殖道具にすぎないのですから、最終的にそんなシュヴァリエを排除するために、種の繁栄システムの中にシュヴァリエを排除するプログラムが仕込まれている。

それが、双子の血が混ざると結晶化→死亡という現象の本来の意味なんじゃないかなぁ。

シュヴァリエは生殖のために存在しているにすぎず、女王が子を産み落とした後は不要な存在になる。その時に不要になったシュヴァリエを排除するために、相克の血の力が発動する。結果として双子同士で殺しあうことも可能であり、場合によっては種が絶滅する危険性も内包してしまっているものの、それについては女王が殺しあわないよう、本能がプログラムされているため、自然状態であれば無問題。

などと妄想してみますた。サヤの場合は、人間の手で育てられたために翼手としての本能が消え失せてしまい、例外的にDIVAと殺しあうことになってしまったとか。もしくは、女王の血は、もう一体の女王のシュヴァリエを殺せる力はあるけれど、もう一体の女王を殺す力はないとか。


■実証に勝る仮説はない

前述の妄想が妥当かどうかはともかくとして、とりあえず現状では、不確定な部分がまだ残されていることは確かなんですよ。

たとえば、サヤ&DIVAと姉妹の親SAYAの関係について。SAYAがミイラ化して死んでいる状態で発見されたため、女王とその子である双子の関係については、理論はともかく、実証ベースではハッキリしたことは言えません。

でね。仮にアンシェルがその部分に興味を抱いた時、200年前に「まったく未知の生物を初めて目にした時の喜び」を忘れられない「真実の探求者」であるアンシェルが、実証に勝る仮説はないと主張するアンシェルが、アンシェルの研究者としての血が、一体どんな行動を選ぶのか。それが妙に気になるんですよ。

DIVAのシュヴァリエとしての血が導く役割。真実の探求者としての血が求める好奇心。アンシェルを突き動かすものは…?


■それは私の…
■『翼手の繁殖に関する仮説』。なかなか興味深いリポートだった


ジュリアが赤い盾時代、つまりアンシェルに協力する以前に研究していたテーマを知っていたアンシェル。ということは、アンシェルはその研究に興味を抱いて、ジュリアを引き抜いたことになります。

コリンズからすれば何の前触れもなくジュリアに追い抜かれたように感じられるわけですが、実はアンシェルが本当に目をつけていたのは、コリンズではなく、ジュリアだった、というわけですね。

そして繰り返される、200年前の「真実の探求」。ここに来て、ジュリア&コリンズの研究者ペアが、アンシェル&初代ジョエルの研究者ペアに重なりまくりです。現代のジュリア&コリンズの姿を借りて、過去のアンシェル&初代ジョエルの、ひいては「真実の探求者」の決着をつける気じゃないかな?

研究者の、科学の正義はどこにあるのか?って。


■翼手の女王は、子を宿すのだろうか
■過去そのテーマは幾度か試されたことがあったのだ
■人間が、そして子であるシュヴァリエがDIVAと交わったが、子をなすことはなかった


うっわ…エグイわ…。

研究対象以上の価値も、人格も認めず、獣のように扱う。精神的にくるエグさなんですが、これ、最終的にどこかで裁いてくれるのかな?

っつうか、DIVAが今みたいになってサヤと殺しあっているのって、やっぱ「私…怖い…」的な、人間への恐怖が原因なんじゃないの?


■崩壊

コリンズが壊れてきました。地位や名声の失墜、教え子に追い抜かれる悔しさ、そして、写真の女性との過去。そういったものが混じりあって、土台から壊れてきた印象です。

アンシェルの外道行為といい、コリンズの崩壊といい、人のエゴというか弱さというか、そういったものが透けて見えて、こういうのを見てると悲しくなるんですよ。コリンズがエゴに走った根っこの要因は、写真の真ん中の女性(娘?)にあるんでしょうけど、赤い盾に対する裏切りの贖罪を描く一方で、その女性との関係に対する何かしらの救いを描いてもらいたいっす。

などと書いていたら、妙に「エカテリンブルグの月」のテッドとその息子アンドレの物語が透けて見えたかも。写真の女性って、ひょっとして、アンドレ同様、翼手にされたとか? もしくは、翼手に関わる何かしらの件でコリンズが社会的信用を失い、それが原因で写真の女性が(間接的に翼手に)殺された(ことが原因で、コリンズは狂気に走るほどに地位や名声を求めるようになった)とか?

テッド&アンドレ同様、月の絵で〆てくれないかなぁ…


■行くしかねぇだろ、罠だとしても

ジョエルが調べた情報をもとに、カイたちが潜入する模様。デルタ計画の全貌が明らかになるのかな?


■なんという個性的なコーヒーだ…

ワロタ(笑) こういうネタちっくな息抜き、もうちっと欲しいっす。

でも、ネタってだけじゃないっぽいですよ。相手の立場に立ってコーヒーを入れることができない。そんな真央の未熟さの表れだと思われ。そしてラストシーン。そんな小さな伏線が回収されて( ゚Д゚)ウマーという。


■30年の眠りって、どういうこと!?
■全部自分で背負いこんで、自分だけで解決しようとして、カイたちが、どんだけアンタのために…!
■だから! だから知られたくないの


SEED28話のキラとフレイの会話を思い出したアル。鏡面構造というか。サヤに向けた真央の説教が、実は、他ならぬ真央自身への説教になっている。そんなニュアンスです。真央がサヤの瞳越しに見たものは、自分自身の弱さ、至らなさだったんじゃないかな。

自分も沖縄に帰ることをカイたちに告げられなかった。だから、告げられない気持ちは良くわかる。告げようとしないサヤの気持ちも、誰よりも良くわかる。だからこそ、サヤの「誰にも言わない」という選択を、真央は何も言わずに受け入れ、飲みこんだんでしょう。

そして、ただ一つ。無理やりでも、一緒に沖縄に帰ることを約束させたという。同じ悩みを抱いた者として、それがサヤにとって何よりの望みだと知っているから。そして、そうしてサヤの「望み」を受け入れた真央に対して、サヤの望みを何よりも大切に想っているハジは、深々と一礼したという。

そして真央自身、自分に、自分の望みに正面きって向き合い、皆の力になれない自分の至らなさを受け入れた上で、皆のために何かしたいと考えて、折れずに真っ直ぐ進むことを改めて決意したという。

何もできないかもしれない、けれど、何かしたい。絆を信じて、真っ直ぐに進む。3クールでそう覚醒したカイ同様、ここにきて真央も「信じる力が、私を自由にする」ポジションに到達した印象です。そして、そんな真央に一足飛びで追い抜かされたサヤも、真央の姿を見ながら、改めて自分の想いに向き合うという。前々回のカイの「帰ろうぜ」に「うん」と答えられたサヤの、今回の「直球バカっていうか、とにかく真っ直ぐなのよね」な真央の語りに指切りしながら「はい」と答えられたサヤの覚醒に、今から期待しときましょー。


■ブーーーーッ! マズ…

これが最高にキレイでした。

沖縄に帰ろうと思っていて、それを誰にも言えずに悩んでいて、でもサヤも同じベクトルの悩みを抱えていて。そうして自分と同じ種類の悩みを抱いているサヤの話を聞くことで、自然とサヤの立場に立って考えることができたわけですよ。

そうして相手の立場に立って考えることができ始めてきた真央が、自分が入れたマッズいコーヒー飲んで、デビットと同じ立場に立ってコーヒーの味を感じることができたという。

青春だねぇ、的な微妙に青いくさい悩みの解消。チケットをビリビリに破いて散らすストレートな感情表現。そういった青くささが良い意味で爽やかで、でも、そういった爽やかさを「ブーーーーッ! マズ…」が中和して、いつもの真央らしさが感じられつつ、テーマとしての「相手と同じ立場に立って考える」という話にもオチがついている。

相手の立場に立つのではなく、自分が今立っている位置に固執し、エゴイスティックに突き進んで、勝手にあの日だと誤解したり、窓を開け放ったり。そんな真央の延長線上に、同じように、相手の立場に立つのではなく、自分が今立っている位置に固執し、エゴイスティックに突き進んでいる(と思われる)アンシェルやコリンズが描かれる。そうしてエゴイスティックな「私の居場所」を描きながら、サヤと真央が共有する悩みを突きあわせることで、最後の最後で「私の居場所」は相手の立場に置くものだと、相手との信頼関係の中にあるのだと引っくり返す。そして「ブーーーッ! マズ…」で〆る。とにかく構成がキレーな一話でした。



やっぱ「直球バカ」は強いわ、的なラストでしたが、綺麗にオチて( ゚Д゚)ウマーだった41話の感想終了です。前々回はカイに、今回は真央に触発されて、どんどん浮上しつつあるサヤですが、そんなサヤの前で、次回「響く、歌声」。デルタ計画の真の姿が明らかになる、浮上モードの一時中断的なエピソードになるんじゃないかな。




BLOOD+ 第42話 〜 響く、歌声 〜

歌声が響き、夜が始まった42話。ただ、夜の招き手は、夜を望んでいるや否や。


■「DIVA。本当は何をお望みなのですか?」「彼だよ、彼。僕のものにならないかな」

カイとDIVAの邂逅は、動物園での一件とリクの死の直前の二回ですが、どちらを見ても、DIVAがカイの人間性に関心を抱くような会話は見あたりません。DIVAがリクを望んだのは種の存続、繁栄のためでしたが、カイを望む理由は何なんでしょう?

想像できるところでは、姉さまのものは私のもの、私のものは私のもの、ジャイアニズムキタ━(゚∀゚)━ッ!ってやつかな。自分が塔の中で苦しんでいた時、サヤは人としての穏やかな生を得ていた。それが許せない。だから、今度は私が姉さまの周りの人間らしいものを全部奪ってやるんだ、みたいな。

ただ、その一方で、もう一つ気になることがあるんですよ。サヤの大切なものを奪い、サヤを苦しめることで、相対的にDIVAはサヤよりも幸せになる。そのためにカイを奪う。それだけかな? 相対的ではなく、絶対的にDIVAが幸せになるために、カイを欲している。という側面はないのかな?

DIVAは、サヤから奪うことだけでなく、自分自身が何かを得ることも望んでいるんじゃないかな? 子どもができたことを喜んだように。家族ができたことを喜んだように。それこそが、DIVAの本当の望みなんじゃないかな…。


■航空ショー

軍人慰問のためだけを名目としたDIVA公演かと思っていましたが、航空ショーに集まった民間人も対象のようです。特定の誰かを狙っているのではなく、民間人も含めての無差別なイベントかなぁ…。DIVAが歌うことで、何を起こそうとしているやら。

っつうか、会場に訪れた民間人までも含めて、無差別に「デルタ計画」を発動するとしたら、会場に来た岡村や真央、オデブ、カイたちはどうなんの? だいじょーぶ?


■「もうすぐ焼けますから、待っててくださ〜い」「どうぞ、食べていってちょうだ〜い」

食料…ねぇ。サンクフレシュがゴールドスミスと組んで、軍用食糧を納入しているって話があったような…。これもデルタ計画の一環?


■俺の中で、リクが、リクが泣いてるんだ

33話以降、リクに変身したDIVAを見たカイのリアクションは、ほとんど描かれてこなかった気がしますが(苛立つ表情くらいだったかと)、ここに来て心情アッピール。カイの中のリクは泣いているみたいです。ただ、あくまで「俺の中の」なんですよね…。


■小汚ぇハイエナだって、綺麗な真実を求めているのかも知れねぇ
■お前もだいぶ、報道の意義ってのがわかってきたのかと思ってな


報道の意義、っすか。仕事をほっぽり投げてサヤ探索→赤い盾に協力、ってな大きな概要は示されているものの、岡村が自分を語ったり、記者魂をアッピールしたり、といったイベントってないんだよね。これから描かれる回が来るのか、それともこのまま流されて終わるのか。

ただ、これも科学者エピソードと同じベクトルに進むんじゃないかなぁ。真実を知らせることで、ピューリッツアー賞みたいな「その先にある名誉と賞賛」を望むのか。それとも、真実を知らせることなく、一部の関係者の間で「語り継ぐこと」を選ぶのか。

これも、物語全体を貫く「太陽と月」なエピソードになるんじゃないかな…かな?


■わかってる。だからわざわざ見にきたんじゃない、私たちの敵の顔を
■知っちゃったんだもん。私だけが何もしないなんて、できるわけがないじゃない


そんな岡村の記者スピリッツに、真央の想いも噛みあってきたみたい。サヤの休眠を皆に知らせることよりも、サヤの想いを守ることを選んだ真央。自分のエゴを押し通すことよりも、相手の立場に立って、相手の想いを尊重する。それもまた、一つの道だよね。という感じです。前回のエピソードがつながってきて、良い感じだよー。


■休眠期間

ただし、そういった真央の配慮も虚しく、サヤの症状は進行中。間に合うか?


■コリンズ ←ジュリア→ デビット

自分のエゴしか考えていない暴走コリンズと、ジュリアのことが気になるデビット。自分のエゴを優先する、他者の立場に立って行動する。同じストーカーでもスタンスは異なる印象ですが、ストーキングされているジュリアはと言うと、両者の価値観の狭間で揺れている模様。

翼手の全てを知る。DIVAの出産も見てみたい。名誉や賞賛を望むコリンズのエゴを批判しながらも、ジュリア自身、科学者としての好奇心や探究心、エゴを捨てられないわけで。かといって、心の中には「今ならまだ引き返せます」という声、躊躇いも残っているわけで。

んで、その狭間で揺れながら、煙草を吸って葛藤を紛らわそうとするも、火がつかないという。火がついた時、ジュリアはどっちを選ぶのさ?とネタ振りをしておいて、後半へ。説明台詞を使わずに、ビジュアル上でキャラクターの内心を仄めかす手法は好みですよー。


■「胎児の成長は良好のようです」「赤ちゃんって言ってよ」「(略)胎児の状態から〜」

胎児(研究者視点)ではなく、赤ちゃん(母親視点)。DIVAの中には母性本能みたいな感情が生じている様子です。

その一方で、前回、アンシェルに「私と同じ真実の探求者」と言われたジュリアも、DIVAに「赤ちゃんって言ってよ」と言われてなお、DIVAの子を「赤ちゃん」ではなく「胎児」と読んでいますから、ジュリアと同じ「真実の探求者」であるアンシェルもまた、DIVAの子を「胎児」と認識していると思われます。

前々回のアンシェルの言葉には、アンシェルが研究者視点でDIVAに接している節が見受けられました。今回もまた、直接の言葉で語られたわけではありませんが、アンシェル=ジュリア=真実の探求者たちのスタンスが垣間見えます。

DIVAの想いとアンシェルの想い。微妙なすれ違いが浮かび上がってきた感じですよー。


■この子たち、もうすぐ産まれてくるよ

一年前にセックルしたはずなのに、人間で言えば妊娠8週目。でも、もうすぐ産まれてくる。受精してからある程度の状態まで育つには、人間の6倍の時間がかかるのに、その状態から生まれてくるまでにかかる時間は、人間の数分の一ほど。

よくわからん生態ですが、何はともあれ、もうすぐ出産。んー…、エンディングの赤服と青服の子どもって、この赤ちゃんたちになるのかなぁ…。


■DIVAよりキャンディーバーだな

花より団子。DIVAは少年少女を好むという話がありましたけど、このくらいの年齢層が公演の真のターゲットになっちゃうのかな?


■もう少し、美しい夕暮れを見ていたかったのに

美しい夕暮れの見納め。そして「ショーの始まり」が、夜の闇が訪れる。3クール終盤からしばらく、サヤサイドの浮上イベントが描かれてきましたが、ここにきてDIVAサイドからの侵食が始まる様子です。サヤの休眠期間も近づいているようですし、一気に暗転していくことになるのかな?


■さすが人間だ、こんな状況で殺し合いを選ぶとは。

自分は人間じゃない、人間とは違う、…か。ここでは「DIVAが、そうお望みだ」と、シュヴァリエらしい言動を見せていますが、どこまで「シュヴァリエ」でいる気なのやら。


■僕と、リクとの、赤ちゃんだよ…

というDIVAの言葉を聞いたカイ。リクの逆レイプなシーンを回想しながら呆けた顔をしていますが、カイ、あんまり驚いてないんだよね。カイも薄々気がついていたってこと? ってことは何か? 死んだ弟の幻を透かして見て、死んだ弟の忘れ形見の存在を告げられて、カイはDIVAを殺せないってこと?


■響く、歌声

そんなカイに、DIVAが贈る歌声。夜の始まり。アイスキャンディーを食べまくってたポッチャリオデブな少年だけ、怪しいオーラを感じとっているみたい。歌い終わって「やっぱり抑えてちゃ駄目か」「特別な日に取っておく」と言っていますから、全力ではなかったようですが、それでも夜は始まり、ポッチャリオデブの少年は…。

それにしても、歌い終わった後、カイが「どうもしねぇ…」と反発したのに対して、DIVAが「やっぱり抑えてちゃ駄目か」と口にするシーン。仮にDIVAが抑えて歌わなければ、カイにも何かしらの変化が見られたってこと? DIVAが全力で歌えば、その歌声を聴いただけで、聴衆に影響が出るってこと?


■「俺は、お前の言いなりにはならねぇ」「俺が、俺のままであることを望んだはずだ!」
■「可愛くない!」「見てよ、やっぱり彼が姉さまの、大切な王子様なんだ」


サヤの大切な王子様を、自分のものに、自分の意のままにするのがDIVAの望み。意のままにならなかったから、カイがカイのままでいたから、DIVAは怒った。

ってことかなぁ…。上手く言えないんですが、何か違うような…。カイがシュヴァリエとして自分に服従しなかったことに苛立っているというより、カイがカイとして自分を拒絶したこと、自分を受け入れてくれなかったことに苛立っているんじゃないかな…。


■優秀すぎるがゆえに、私の監視下で働くように囲いを作ったと言うべきか

最低オジサン発見。でも、そんなコリンズの語りに、ピコっと透けて見えたものがあったような…。


■君がいなくなれば、みんな私を頼らざるを得ない
■私がいなくなっても、DIVAとシュヴァリエがあなたを選ぶとは思えない
■言うな…黙れぇ!


歌劇の舞台裏、コリンズの暴走。これ、DIVAと同じなんじゃないの?

ジュリアがいなくなれば、みんな自分を頼ってくれる。サヤがいなくなれば、みんな自分を選んでくれる。

それが、コリンズの、そしてDIVAの想いの正体なんじゃないかな。

でも、その想いは、誰かに選んで欲しいという想いが暴走した結果なわけで。本当に望んだものは、誰かの大切な人を奪うことじゃなくて、自分に大切な人が連れ添ってくれることなわけで。


■みんなサヤ姉さまサヤ姉さまって…ホントがっかりだよ…
■もういいよ、僕には、この子たちがいるからね…


姉さまには個人として接してくれるカイがいる。けれど、自分には個人として接してくれる者がいない。本当は絶対服従の家来なんかいらなくて。ただ個人として自分に向き合ってくれる仲間に、友だちに、恋人に連れ添ってほしくて。でも、それは叶わなくって。

そのことを、DIVAは哀しんでいるんじゃないかな…。カイがDIVAの家来にならなかったことよりも、カイがDIVAの素顔に向き合ってくれる仲間に、友だちに、恋人になってくれなかったことが、辛くて、哀しくて。そして、その想いを相手に伝えられる言葉を持たない自分に、苛立って。

舞台で歌うDIVA。舞台裏で狂うコリンズ。二人の姿に、そんな屈折した哀しみが感じられて、ピコっとDIVAの素顔が見えた気がしつつ、その行く末が気になりつつ。そう思うと、冒頭でアンシェルとDIVAが交わした「DIVA、本当は何がお望みなのですか」「彼だよ、彼」が、妙に意味深なんですよ。


■みんな…お前を待ってる…
■デビット…?…デビット!?…デビット!!!


そうしてDIVAとコリンズ、二人が大切な者を求め、その想いゆえに狂っていく一方で、大切なものを見失っていたジュリアが、大切な者に、本当の想いに気づくという。

二人分の本当の想いが、叶わない願いが仄めかされた上で、本当の想いに気づいたジュリアが動きだす。二人分の鬱屈した想いがタメになって、ジュリアの復活が燃える。ステキすぎる展開に つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

そして、DIVAの「もういいよ、僕には、この子たちがいるからね…」な諦観の台詞に つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

んでも、デビットはここで退場すんの? ジュリアの本心を受け止める仕事が残ってんじゃね?


■戦力差

サヤはアンシェルに圧倒され。ハジはネイサンに取り押さえられ。DIVAが手を出すまでもなく、圧倒的な戦力差です。前にも書きましたが、よほどのパワーアップ劇がないかぎり、サヤがDIVAに勝つことは難しいっすよ?


■やめろ…もう…やめてくれっ…!

こう言いながら、DIVAに向けて銃をブッ放したカイですが、銃を撃つ瞬間に眼をつぶりまくり。DIVAも「ホント、意地っ張りなんだから」「可愛くない!」と言っていましたが、カイの本心としては、リクの姿形をしたDIVAを、リクの子どもを宿したDIVAを、殺したくはないんだと思われます。

なんかねー、DIVAが個人としての仲間を、友だちを、恋人を望んでいるってあたりが、サヤとDIVAの姉妹物語を〆るファクターになりそうな気がしています。


■実に素晴らしいデモンストレーションだ

ムイを思い出したよ。

ムイたちは日常的に薬を与えられていて、そんな状態でDIVAの歌声を聞いたことで(半)翼手化したわけです。今回もキャンディーバーを食いすぎたポッチャリオデブ少年が翼手化しましたから、おそらくですが、キャンディーバーをはじめとする屋台のメニューにD67が混入されていて、それを一定量以上摂取した人間がDIVAの歌声を耳にしたことで翼手化した、ってことなんじゃないかな?

アンシェルは「まだ調整の必要があるようですが」と言っていますが、基本的にはこれが「デルタ計画」の目指すものなんだと思われ。アニメ内の話だとわかっていても、反吐が出るよ。コープスコーズを売り込むためのデモンストレーション。そのために、そのためだけに、ムイたちは翼手にさせられたのかよ、って…。


■さようなら、DIVA。さようなら、兄さん

サヤはアンシェルに、ハジはネイサンに押さえつけられ、デビットは舞台裏でリタイア。シフの影は見えず、登場したとしても、コープスコーズの試作体がシュヴァリエに叶うとは思えず。カイの銃弾も効くはずがない。

というチェックメイトな状況で、颯爽とソロモン登場。もうアレだお。抱かれてもいいお。ってくらいにカックイイっす。

と思ったところで、ハジとカイは放置したまま、サヤだけをかっさらうという自己中プレイ。まぁたしかに、DIVAに刃を向けることなどせずとも、サヤを拉致れば、とりあえずは無問題だしね。ハジとカイを助ける義理はないし。っつうかライバルだし?

とはいえ、サヤがDIVAとの戦場に戻り、DIVAと刃を交えようとすれば、ソロモンとしても、今回のようにDIVAたちの攻撃からサヤを守るってだけじゃぁ済まないわけで。DIVAに刃を向けることも必要になるかもしれなくて。

とりあえず「さようなら、DIVA。さようなら、兄さん」と別れの言葉を口にしましたが、いざその時になって、ソロモンはDIVAに刃を向けることができるのかしらん?


■私には…私には、サヤしかいない…だから…

大切な者を失った(と思われる)コリンズ。大切な者を探して彷徨うDIVA。大切な者に気づいたジュリア。大切な者を奪い去ったソロモン。

そして、たった一人の大切な者を追う、ハジ。夜の闇を照らす、三日月の光。満ちる日は…?



DIVAの、コリンズの、ジュリアの、ソロモンの、ハジの、カイの想い。すれ違う想いを示すように、空に光る三日月。切なさ漂うラストでしたが、ここですれ違った想いが交わる日は来るのでしょうか?という42話。なんかねー、DIVAが救われないよー。それをどうにかしてほしいよー。




BLOOD+ 第43話 〜 こころ乱れて 〜

修羅場キタ━(゚∀゚)━ッ! という43話。ソロモン、ハジ、カイ。4期オープニングではサヤを取り巻く三人の同格描写が見られますけど、その関係を描いてきた一話って感じっす。


■ジュリア、戻って来い
■さっき、手術室に入る前、デビットが言ったの。戻って来い、って


DIVAの公演会場に潜入して作戦行動を全う「すべき」だったけれど、それよりもジュリアを守り「たい」、説得して赤い盾へと戻ってきてもらい「たい」という願望を優先させたデビット。結果、思ったよりもスムーズに、ジュリアは赤い盾サイドへと戻ってきそうな気配です。

身を挺してコリンズの狂気からジュリアを守った甲斐はあったようですが、ただし、ジュリアとコリンズ、ジュリアとアンシェルの間に見られた科学者物語のゴールはいまだ見えず。特にアンシェルの真意には、この「科学者」としての意志が強く関係していると思われ。その一端の〆を、ジュリアが担うことになるんじゃないかな。

科学者としての使命&願望と、デビットたちとの「信頼」との間で、ジュリアがどう動くのか。そこに注目したいところです。


■期待以上の出来だな。いや、本当にありがとう

これがMrグラントかな。だとすると、これがアンシェルを襲わせた黒幕ですから、この言葉の裏でアンシェルを疎ましく思っているってわけだ。グラントさんの真意はなんなんでしょー。

さらに言えば、パーティーでのアンシェルの反応(自分を襲わせた集団に目線を向けている)からすると、アンシェルもグラントが自分のことを疎ましく思っていることを知っているはず。

狐と蝙蝠の化かし合い。まー、どっちもベースは人間なんですけどねー。


■リモートもなく、人間を襲わず、翼手だけを駆逐するとは、素晴らしい兵器だ

んー、どうなんだろ。今回は米軍の指揮に従って雑魚翼手を制圧したコープスコーズ部隊ですが、シュヴァリエなりDIVAなりの命令を受けると米軍(納入先)の指令から外れて、DIVAサイドの命令に従う、みたいなことはないのかな?

それと、これでコープスコーズが完成したということは、コープスコーズの開発にあたらされていたコリンズは、これで完全に用無しになったわけです。これでコリンズは完全に暴走しちゃうのかなー?


■そんなんじゃサヤを取られちゃうわよ♪
■バッカやろ…


アンシェルたちの攻撃からサヤを守ることができず、サヤを探すこともできず、サヤを待つことしか出来ないカイ。無力さを痛感しているオーラが満載ですが、そうして凹むカイに対して、オドけて接することしかできないでいる真央もまた、ドアの向こうで無力さを痛感しているという。

二人のシンクロっぷりに切なさが倍増されるわけですが、それでも逃げ出そうとはせず、未熟(ガキ)さに凹むながらも、できることを少しずつ頑張ろうとする二人の姿に、静かに燃える。


■だ、か、ら … 邪魔するなよッ!

ネイサンの声色からして、ここで語られた「DIVAは私がプロデュースするわ」「美しく、気高く、そして自由なDIVAに、至高の歌を歌わせるのよ」「今まで誰も聴いたことがない歌を」「私の全てをかけてね」というのが、ネイサンの本気と書いてマジと読むなのでしょう。

その一方で、アンシェルの心中を探るように「あなたに必要なのはDIVA?それともその子どもたちかしら?私はDIVAが欲しいわ〜♪」とカマをかけるオカマたん。前回の感想でも触れましたが、アンシェルの真意は、科学者として翼手の生態の全てを「知りたい」ってところにあるっぽい感じ。

デルタ計画とDIVAの妊娠によって、DIVAを使ってできうる実験の全てをし尽くした。そうだとしたら、アンシェルにとって必要なのは、新たな実験対象であるDIVAの子どもたちのみ。一方、ネイサンにとっては歌を奏でるDIVAこそが必要。って感じで、二人の利害は合致するのかなぁ。



ん?



あれ?



あれれ?



ひょっとして…





サヤとDIVAが戦うことになったのって







アンシェルが知りたかったから?


■摩天楼の光でさえ、君の美しさを彩る、飾りにすぎない

サヤ=月? サヤ=太陽? どっちになるのかなー。


■僕の花嫁になって

ソロモン摩天楼の光でさえ、君の美しさを彩る、飾りにすぎない
サヤそんなことを言うのはやめて!あなたと私は敵よ!殺しあい、憎しみあうべき敵なの!
ソロモンもう、僕にはあなたしかいないんです。
僕はもう、DIVAのシュヴァリエではありません。全てを捨ててきました。あなたと生きるために。
あなたと二人きりで、永遠の時間を生きるために。あなたの笑顔を取り戻したいんです。
サヤ(差し伸べられた手を拒絶) 近づかないで!
ソロモンどうして僕の手を取らないんです?
サヤあなたは、あなたと私のことだけしか考えてない!
残された人たちの気持ちなんて、これっぽっちも思ってない!
ソロモンあなたが必要と言うなら、あなたの大切な人たちを、そばにおいてもかまいません。
あなたの愛すべき家族です。僕も喜んで、迎え入れましょう。
サヤあなたの望みは何? 私を騙して、DIVAの前に連れて行くこと? 私を、殺すこと?
ソロモンサヤ、長い時を生き、僕の心をこれほどまでに揺さぶったのは、サヤ、あなただけなんです。
だから…

会話の取っ掛かり→敵と味方のカテゴリーでしか考えられないサヤ→敵と味方のカテゴリーから自由になったことを宣言するソロモン→望外の宣言をうけて思考停止しながら拒絶するサヤ→拒絶する理由を問うソロモン→自分には共に生きる人たちがいると答えるサヤ→その人たちとも一緒に生きようと告げるソロモン→わけがわからないサヤ→改めて愛を告白するソロモン。

そしてプロポーズ。

敵と味方のカテゴリーから離れて物事を考えることができず、思考停止しながら言い訳をつづけるサヤ。その言い訳を一つずつ解きほぐしていくソロモン。二人の距離が縮まっていく様子が、順々に積み重なって描かれるよー。


■私の望みは、DIVAを殺すことだけ

ソロモン世界には、あなたの目にしていない美しいものが、数多く存在するんです。
僕は世界中の奇跡のように美しい景色を、あなたに見せてあげたい。
運命の鎖から解き放ち、自由な空の下を飛びまわって、
僕たちがその奇跡の一つだということを、実感させてあげたいんです。
サヤ自由に、世界を回ること?
ソロモン僕と一緒に、世界を回るんです。
サヤ私の夢だった…
ソロモン夢なら叶えてあげます。
サヤそれは、もうできない。遠い昔においてきた、夢だから。
幸せだった眠りの中に、全てを置いてきてしまったから。
もう、あの頃には戻れないの。
ソロモンそんなことはありません。
置いてきてしまったものならば、永遠に近い、僕たちの命の中で、取り戻せばいいんです。
そのためなら、僕はあなたに全てを、捧げます
サヤあなたは、DIVAのシュヴァリエでしょう。
ソロモンその前に、あなたを愛する一人の男なのです。(近づく唇)
サヤ(ビンタ)
ソロモン(めげずにハグ)
僕はDIVAと生きるよりも、あなたを選んだ。だからここにいる。
あなたは僕が守る。あなたの望みは、僕が叶える。
サヤ望み?
ソロモンそう、あなたの望みです。
サヤ私の望みは、DIVAを殺すことだけ!

共に生きることで得られる幸せを示すソロモン→それが自分の夢であったことを想い起こすサヤ→その夢を一緒に叶えようと誘うソロモン→叶うことない夢だと答えるサヤ→翼手だからこそ叶えられる夢だと説き、そのためならば全てを捧げられると告げるソロモン→敵と味方のカテゴリーから脱け出せないサヤ→個であることを強調するソロモン→近づく口唇→拒絶するサヤ→それでも夢を語りかけて説得をつづけるソロモン→自分の望みはDIVAを殺すことだと返すサヤ。

続、一問一答。二人の意見の食い違いを、静かに、そして丁寧に積み重ね。説明台詞のオンパレードってのはたいがい野暮ったくて好きくないのですが、一人の独白でなく二人の会話によってこれくらい積み重ねられると、独特なテンポが感じられて気持ち良いよー。内容的にも、これまでパーツごとに描かれてきたサヤの心情がトータルでイメージできるんで、なんかスッキリした感じ。


■あなたは私と一緒にDIVAと戦えるの? DIVAを殺せるの?
■あなたの望みがDIVAを殺めることならば、僕がDIVAを殺めましょう


DIVAは敵だから、DIVAのシュヴァリエであるソロモンを受け入れることはできない。共に戦う仲間がいるから、ソロモンと一緒に逃避することはできない。甘い夢ではなく現実(DIVAを殺すこと)だけを追い求めたいから、ソロモンの語る甘い夢に浸っているヒマはない。

ここまでのサヤとソロモンの会話の中でサヤがソロモンを拒絶したのは、主にこの三つの理由だったかと。

それに対してソロモンは、自分は既にDIVAのシュヴァリエではないと伝え、今でなくとも長い時を超えた未来に夢を叶えようと説き、今はサヤと共に現実を生きる意志を口にしたわけです。こられのソロモンの言葉によって、サヤがソロモンを拒絶する理由はなくなり、休眠期間前の体調不良もあって、ソロモンに身を預けかかったという。

ソロモンは、サヤと共に現実を受け入れることができる。対DIVA戦の戦力にもなる。かといって夢を捨てることもなく、サヤと子を作ることもできる。ハジ&カイと比べると、ソロモンは二人よりもサヤにしてあげ「られる」ことが多いわけですよ。

3期EDでは「愛があれば平和だと誰かが口にした。うなずく人もいれば、疑う人もいる」と歌われていましたが、ここで歌われている「愛があれば平和だ」という主張に「うなずく」スタンスであれば、愛にある意味での損得を求める価値観からすれば、ソロモンはサヤにとってのベストパートナーなんだと思います。

ただ、BLODD+では、別の価値観が作中是として示されているわけですよ。

愛に損得を求め、愛に依存してしまえば「無口になり、心を閉め切り、この恋が、引き裂かれそうになっ」てしまうかもしれない。そうではなく、ただひたすらに「重ねたこの手を、今度は離さない」と願い、真っ直ぐに「信じる力が、愛を自由にする」んだ。愛が生み出す「奇跡を待つより、この手を掴みたい」と願い、ただ真っ直ぐに「信じる力が、私を自由にする」んだ。

信じる力。それがBLOOD「+」の意味なんじゃないかな。


■昨日、今日、明日

ハジサヤは渡さない。
ソロモン君では、サヤと未来を築くことはできません。あるのは過去だけです。
ハジ今、この時を、一瞬一瞬、私はサヤに捧げている、それは過去から変わりはしない。
ソロモンできるなら、君とは戦いたくはなかった。
ハジサヤは連れて帰る。
ソロモンサヤは僕の花嫁になるのです。
ハジサヤは私の全てだ。
ソロモン聞き分けのない犬には、仕置きが必要ですね。

ハジでは未来を示せないと語るソロモン。未来は今という瞬間を積み重ねた結果にすぎないと返すハジ。どちらが正しいかは見えないままに、騎士同士の戦いスタート。


■ソロモン vs ハジ

翼手形態に変化して戦うソロモン。人間形態のまま戦うハジ。この期に及んで、ハジは人間形態から変化しないのね。

と思わせといて…。


■翼

自分が傷ついても、翼手形態に変化することはなったハジ。今回のソロモンとの戦闘でも、高空から落とされても翼手形態に変化しようとしないハジ。そんなハジが、サヤの危機を前にして、遂に翼手形態に変化したという。

その翼は、武器ではなく、盾。サヤを守る黒い盾。

ハジの人間性が見えた気がしつつ、ハジのサヤへの想いがハッキリと感じられて。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

ただ、自分の命が危機にさらされても、自分がどんなに傷ついても変形しなかったハジが、サヤの危機を前に変形したわけですよ。直前の「サヤは私の全てだ」の言葉にしてもそうですが、自分の命<<<(越えられない壁)<<<サヤ。そんなハジの価値基準が感じられて、微妙に「それなんて死亡フラグ?」な気もするんですけどね…。


■ボルドーの日曜日

過去においても、サヤの力を欲し、サヤを自分のものにしようとした人間がいたわけです。現世でも同じことが繰り返されるのかな? 

それと、ボルドーの日曜日には、これまでの話では語られていない出来事があった模様。初代ジョエルの助手だったアンシェルも居合わせたと思われますが…。


■見えない答え

サヤ私には、もう甘い夢を見ている時間がないの。
ソロモンしかし、今のままでは…
サヤあなたの気持ち、嬉しかったわ。
ソロモン僕はあなたのためなら、DIVAを殺せる!
サヤううん、DIVAを殺すのは、やっぱり私のしなくちゃいけないことよ。
だってこれは、私の戦いだから…!
ソロモンサヤ、DIVAはあなたの家族であった、リクの子どもを宿しています。
あなたは、DIVAとリクの子どもを、あなたやDIVAと同じ運命を背負った子どもたちを、
殺せると言うのですか!?
サヤ(答えず、飛び去る)

一問一答を重ねても、一つ一つのソロモンの主張に対する明確な答えは返せず。ただ、愛に何かを求めたり、依存したりするベクトルで進むのではなく、自分が「信じる」道を突き進むこと、自分が自分であること、自分の想いに殉じることを、サヤは覚悟した模様です。ハジの言葉で言うところの「今、この時を、一瞬一瞬、私は捧げている」みたいな。だから、サヤはハジを選んだんじゃないかな。


■朝食とバンソウコウ

そうして自分の進む道を決めたサヤを待っていたのは、カイの作った朝食。

カイは前半パートで、アンシェルたちの攻撃からサヤを守ることも、サヤを探すこともできないことに凹んでいる様子でしたが、そんな自分の現実を受け入れた上でなお、今の自分にできることをしようと決めたカイの姿が、そこにはありました。

朝食を作ること、帰ってきたサヤを起きて迎えること、笑顔でサヤに話しかけること。今のカイにとって、それがサヤにしてあげられる唯一のこと。でも、自分の無力さを噛みしめながらも、それでも諦めず、逃げ出さず、カイにとってできることを「今、この時を、一瞬一瞬、捧げている」感じです。

そんなカイ(とハジ)のもとに、サヤは帰ってきたという。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

そして、覚悟を決めたカイの横には、カイ同様、自分の無力さを噛みしめながらも、それでも諦めず、逃げ出さず、自分にとってできることを「今、この時を、一瞬一瞬、捧げている」感じの真央の姿。カイの指にバンソウコウを貼ること、カイを励ますこと。今の真央にとって、それがカイにしてあげられる唯一のこと。

相乗描写がキレイで つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚


■待って迎えてやるのが、お前さんの仕事だ、お前さんにしかできない、な

カイが覚悟を決めたのは、前述した真央の励ましだけでなく、前半パートのオデブの助言にも支えられていて。サブキャラで目立ちませんが、サヤサイドの仲間の絆ってのがさりげなく描かれていて、静かに燃え。


■セックル

ちょこっと気になったんですけど、ソロモンはサヤと共に永遠を生きたいと願っているんですよね? ですが、翼手の女王(サヤ)と、もう一方の女王のシュヴァリエ(ソロモン)がセックルすると、シュヴァリエの方は死んじゃうんじゃないの? DIVAとセックルしたリクが死んじゃったみたいに。それとも、リクはセックル後にDIVAに殺されたってこと?



そんな感じで43話感想終了。ソロモンの問いに答えられないところはありつつも、進む方向は着実に固まってきた感じかな。ただ、カイ&ハジと同格に描写されているソロモンがサヤ争奪バトルからアッサリ退場ってのは考えづらいんで、まだソロモン絡みの山場はありそう。どうなるんでしょー。




BLOOD+ 第44話 〜 光の中に 〜






BLOOD+ 第45話 〜 てのひらを太陽に 〜






BLOOD+ 第46話 〜 〜







感 想 一 覧

B L O O D +

 Episode-39 魔法の言葉をもう一度
 Episode-40 シュヴァリエの見る夢
 Episode-41 私の居場所
 Episode-42 響く、歌声
 Episode-43 こころ乱れて
 Episode-44 



 BLOOD+ 1クール分
 BLOOD+ 2クール分
 BLOOD+ 3クール分