BLOOD+ 第26話 〜 サヤに従うもの 〜 |
今回からOP&EDも変わり、第3クールに突入です。OP変わったんで、どんなんかなー?と思って見ていたのですが、マジ凄すぎ。これだけでバリバリ感想書けちゃうよー。本編も、本格的にシフが絡みはじめたり、ソロモンが色々と悩みはじめたり、リクがシュヴァリエ化したりで、一気に動きはじめた感じ。ゴロゴロ転がってくるかなー?な26話感想ですよー。
■僕、サヤ姉ちゃんに会いたいな
カイ兄には「なんだ…カイ兄ちゃん…」と言って、つれない態度を見せますが、サヤ姉については「僕、サヤ姉ちゃんに会いたいな」と言って、らぶりーな態度です。この台詞の差が、リクの中に生まれたシュヴァリエとしての本能?みたいなもんを表現しているのでしょう。説明台詞ではなく、具体的な態度の差によってシュヴァリエとしてのリクの性を表現した台詞回しが( ゚Д゚)ウマー。
■私は、そう信じている
ソロモンにしてもジェイムズにしても、アンシェルの真意は読めないみたいっす。それでも、今はただ、アンシェルの行動がDIVAのためと信じて従うのみ。そう語るジェイムズと、喉に小骨が突き刺さったように考え込むソロモン。どこまでが信頼で、どこからが従属なのか。うーみゅ…。
そうして信頼と従属の間で揺らぐソロモンの背後で、いくつもの玩具にあたり散らしているDIVA。玩具にあたり散らすDIVAの姿は、子どもとして描かれてるっすよー。これがシュヴァリエ(従)を率いる種の女王(主)の姿かね。むしろ、玩具にあたり散らすワガママな子どもとして描かれたってことは、DIVAは従のポジショニングなんじゃないの?とか言ってみる。
■あの子…会いたいな…
見た目の年齢的に、ハジを「あの子」と呼ぶことはないでしょうし、家来であるシュヴァリエを「あの子」と呼ぶこともないでしょうし。誰のことかなぁ。
順当なところではリクのことでしょうが、可能性としては他にもいくつかありえるかな。70年代のベトナムで会った子とか、革命期のロシアで会った子とか、今は画面に登場していない「あの子」というキャラがいるとかね。さらに言えば、老ジョエルの屋敷に監禁されていた時、少年時代のハジと出会っていたってのもありかな。
■Colors of the Heart(前半)
このタイミングでこの歌を歌うか!って歌ですよー。このOPだけで20回は見ました。本編にリンクしまくった歌詞と、歌詞と同じか、それ以上に多くを物語る映像。見れば見るほど背筋がゾクゾクです。
歌い手(サヤでしょう)は「あの日ぼくの心は、音もなく崩れさった」と言い、そこから歌は始まります。揃わないルービックキューブ。鳥籠の中のサヤ。壊れて叫んでも、決して消し去れない記憶と暗闇に囚われて、色を失うサヤ。七色に輝く無数の硝子玉が胸からこぼれ落ち、残ったものは、瞳に輝く赤一色。
色というのをポジティブイメージの象徴として、本編でネガティブに突き抜けたサヤを「色を失った」と表現し、そんなサヤの内面を「七色の硝子玉がこぼれ落ちる」という映像で表現しているわけですが、このシーン、映像の美しさもさることながら、わずか3秒のシーンに2クールの全てが込められていて、その密度はまさにグゥレイト。
しかも、第2クールを使って積み重ねていったサヤの色(心)の喪失が、視覚的に直に見えてしまうもんだから、あまりの切なさに つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
■Colors of the Heart(中間)
色を失ったサヤ。サヤを包む、色に溢れた世界。昔の自分が、分かり合える日がくることを信じて生きた世界。今の自分が、失うためだけに生きている世界。
ポジティブイメージの象徴である「色」に溢れた美しい世界。そんな世界で「色」を失ったまま生きるサヤ。世界がカラフルに描かれれば描かれるほど、色を失ったサヤが哀しくて…。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
■Colors of the Heart(後半)
色を失ったまま、色に溢れた世界を歩きつづけるサヤ。諦めて孤独(赤一色)を抱こうとした時、目に映ったものは、月。月の光に照らされる無数の命。誰もが月として生きる世界。けれど、誰もが太陽を望む世界。
そんな世界の姿を知ったサヤ。想い起こされるのは、今も心に生き続ける人が教えてくれた言葉。 願い続ける想いは、いつか色づくよ、と。
色は自然に在るものではなく、願い続ける自分の意志から、必然的に生まれるもの。必然的に生まれるColors。色を失った自分でも、願い続ければ、必ず色は描けるはず。そう気づいた時、サヤに染み付いた赤(孤独)は剥がれて消え、同時に想い起こされる、無数の色に彩られた暖かい過去の記憶。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
そうして、再び色に満ちた明日を描こうと願い、傷つきながらも今を戦うサヤ。そんなサヤを照らす光は、月の儚い光ではなく、どこまでも力強い光。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
前半パートの「色の喪失」が、第2クールを象徴するようにネガティブに突き抜け、中間パートの「色に溢れた景色」が、サヤの色の喪失と鮮やかなコントラストを成す。そんなネガティブモードが、後半パートで一気に引っくり返されるわけですよ。絆物語(心に生き続ける人の言葉)という暖かさと、願いを叶えようとする人の意志(何もかも必然の中で生まれるColors)の力強さ。暖かさと力強さが揃った歌詞に、もう燃え燃え。
■Colors of the Heart(ラスト)
ラストも実に面白いです。
ここまでの歌詞を受けて、サヤは身に染み付いた赤を消し去り、無数の色を得ようとして戦うわけですが、刃を向ける相手、つまりDIVAはと言うと、瞳の色も、そこから見える世界も、全てが青に描かれているでしょう。青一色の世界で、DIVAは生きているわけです。
これ、赤一色の世界で街を彷徨っていた中間パートのサヤと同じってことなんじゃないかなぁ…。
さらに言えば、上の「Colors of the Heart(後半)」の5枚絵にも言えることですが、あの5枚絵も基本的には単色なんですよ。あの絵に描かれた面々も、単色(孤独)の世界に生きているってこと?
■うん、おなか、減ってないんだ…
さてさて、本編に戻りまして。食欲のわかないリク。夜も眠れないようですから、確実にシュヴァリエ化したようです。ただし、朗らかに「おはよう、ルイス!」と挨拶するところを見るに、性格的な部分は(今のところは)以前のままみたい。
■あれならきっと食べられるよ
そんなリクの変化を目の当たりにして、リクの変化を受け入れられないカイ。リクからも「弟離れできない甘えん坊アニキなんだよ」とバッサリやられていますが、ヘタレ一直線です。リクも上手いこと言うよなぁ。結局はジュリアが言っていたように、リクの立場で考えることはできず、自分の目線でしか物事を考えられません。
ただし、浮上の鍵はいくつかあって。まず一つは、肝心のリクから強い口調で「弟離れ!」と叱られてしまい、変化する必要性を突きつけられたこと。直後に「俺、どうしたらいいんだよ…」と考えこんでいますから、リクの言葉は、かなり強くカイの心を貫いたことでしょう。
もう一つは、デビット。第2クール中盤あたりから、ジョージの想いを代弁したり、ジョエルの日記を読ませたりと、言葉は厳しいですが、頻繁にカイにアプローチをかけています。カイはデビットの言葉を受けとめきれていませんが、それでも、変化する必要があることは感じているんじゃないかな。
今回も、デビットの「それを受け止めてやるのが、お前の役目だ」という台詞は、カイの頭の中で繰り返されていますから、今のリクをありのまま受け入れるのが自分の役目であることは、カイもそろそろ理解しはじめているんでしょう。ただ、わかっていても具体的な行動に移すことができないので、その苛立ちを車椅子にぶつけているって感じです。
こうゆーのって現実にもあるよね。頭ではわかっていても、具体的に何をすればいいのかわからず、頭で考えれば考えるほど袋小路に追いこまれちゃう、みたいな。ぐらすは思わず感情移入しちゃいましたが、ぐらすの経験則としては、とりあえず動いてみて→問題があれば→フィードバックして改善、ってのがベターかなぁ。改善される保証はないですけど、考えても時間だけが過ぎていくことが多いんで。
ただ、今のカイは、とりあえず行動することもできないみたい。そうなると、物語的には、具体的な行動に移らざるを得ないほど突発的なアクシデントが起こるってのが常道でしょう。それがシフの襲撃→今回のラストシーンというわけですね。
■リクとハジ、カイとデビット
それにしても、前回のエピソードで、デビットは父からデビットの名を継いだことが明かされましたが、第2クール中盤くらいからデビットがカイに厳しくあたるのは、今のカイを昔の自分と重ねて見ているのかな。今のリクは昔のハジ。今のカイは昔のデビット。そんな関係性が込められているのかも。
そう考えると、襲撃前の甲板での会話がオモシロ。食欲がなく、眠れない。そんな変化に悩むリクを描いていますが、それに応えるハジの言葉は、自分の目線からでしかリクに接することができないカイとは違って、ハジ自身の過去の経験を踏まえた上での言葉、誰よりもリクの不安や悩みを理解した上での言葉なんですよね。カイとデビットの関係もそうですが、こちらの二人もどうなっていくのか、興味津々ですよー。
■リクの変化
それと、19話感想のラストにも書きましたが、変化の過程を何段階かに分割して丁寧に描いてくるなぁ。
最初は以前と同じように振舞っていたけれど(ルイスとの挨拶)→食欲がない&眠れないという小さな変化が現われたことで→自分の変化に戸惑い(甲板でのハジとの会話)→さらに目に見えて異常な変化が現れたことで(血を欲したり傷がすぐに完治したり)→自分の変化を確信する。
今回のエピソードは、メインではカイのヘタレっぷりが描かれ、そこにシフとの戦闘も加わって、けっこうなボリュームがあったと思いますが、その中でも、リクの変化を数段階に分けて簡潔に描いてきたわけです。地味ですが、この構成力はさりげに凄いっす。
物語的には、自分の変化を確信したリクの葛藤が見所になるかな。いきなり全てを受け入れるのか、それとも最初は迷い苦しむのか。どちらになるのか(それとも、それ以外の道を進むのか)によって、サヤとの関係にも影響を及ぼしそう。リクにはDIVAの歌声が聞こえるという伏線がありましたが、そのあたりと絡めてくるのかな?
DIVAの「あの子…会いたいな…」ってネタフリもありましたけど、サヤのシュヴァリエとDIVAをつがわせたいアンシェルが、ハジよりもDIVAへの反抗心の弱いリクに目をつけて拉致しにくるとか。普通にありそうじゃね?
■あなたは、あなたのままでいてください
サヤに「あの時のあなたも、今のあなたと、同じような顔をしていました」と語りかけるハジ。あいかわらず、本心が読めないのねん。言葉上は100%「サヤに従うもの」なんですが、革命期のロシア篇で語られた「約束」や、新OPに描かれたステンドグラスの下での仲良し入浴シーン(?)を見るに、何らかの想いを隠しているように思われ。
第3クールで明かされるのか、それとも終盤までタメられるのか。どっちかなー?
■そんな暇はないわ
例の第5塩基の発見があってか、ジュリアが研究モードに没頭中です。リクの変化について判明したことは「体の組成そのものに、変化はない」こと。身体能力の向上については、体の組成が変化して筋肉の絶対量が増すのではなく、単位あたりの仕事量が増加するのかも?という推測レベルですから、結論が出るのは先の話になりそうです。
そういった研究成果とは別に、ジュリア周辺の人間関係が面白くなってきたかも。ジュリアはコリンズ先生の期待に応えるために研究に没頭していますが、当のコリンズはヴァンの誘いに揺さぶられていくと思われ。ジュリアはコリンズを信じていますが、コリンズはどうなのかねぇ。
もう一つは、デビットです。第1クールではジュリアの方から色エロとアプローチをかけていたようですが、ここにきて、研究に没頭したジュリアは周りが見えなくなっているみたい。オデブが「ジュリア、君は彼らと違って、食事も睡眠も必要なんじゃないか?」と心配しているのに対して、ジュリアは「そんな暇はないわ」とスッパリ。その横では、デビットもジュリアのことを心配そうな目で見つめているのにねぇ。
もちろん、仕事は仕事、プライベートはプライベートなんですが、なんつーか、もう少し情を見せてもいいんじゃないの?みたいな。ジュリア、コリンズ、デビット(+オデブ)。この三人+αでサブエピソードが展開していくのかもー。
■聞こえる…いるわ、彼女
前の襲撃のときもそうでしたが、シフの中で彼女だけが、サヤ(とDIVA)の気配を強く感じとれるみたい。なんでだろー?
■サヤはどこにいる?
刺し殺しちゃってから聞いても意味ないよー(笑)
■ネガティブ突き抜け後の初戦闘
シフのリーダーっぽい奴は「サヤの様子が、以前とは違う」と言っていますが、それほど強くはなっていない感じ。シフがサヤを見たのは、サヤがへこんでいる時だったんで、ぶっちゃけ、その時からすればサヤは強くなっている(というか通常の強さに戻っている)わけですけど、それでもなぁ…。
シフのリーダーっぽい奴にアッサリ吹っ飛ばされてるし、雑魚っぽいシフ相手にも力比べて同等だし。ネガティブに突き抜けたなら突き抜けたで、もうちっと圧倒的なパワーが見られると思ってたのにー。
ただ、話の持っていき方としては良い感じかな。擬似家族の絆に支えられていた第2クール中盤までの戦闘では、擬似家族を傷つけずに戦ってこれたサヤですが(対翼手の力を自覚するまではジョージを死なせていますけど)、自分の居場所を見失ってからこっち、ソロモンの言葉に動揺した後も、ネガティブに突き抜けた後も、どちらも擬似家族が傷つけられてしまっているわけです。擬似家族が無事にいるかどうかが、サヤと擬似家族との距離を測るバロメータみたいな感じですなー。
それにしても、暗闇での戦闘はわかりづらいよー。誰が誰と、どう向きあって、どんな体制で戦っているのか。戦況や構図がイマイチつかみづらいっす。シフは太陽の下に出られないんで、今後もシフが絡む戦闘シーンは暗闇の中がデフォになると思われますが、この辺をどう処理してくるのかが、戦闘シーンの見所の一つになると思われ。
ちなみに、ガンダムみたいなロボットが宇宙(宇宙)で戦闘する場合は、ロボットの色を派手にした上で、銃撃や剣戟を派手なビームで彩ってますなー。そんな感じの派手派手路線で行くのか、もしくは、暗闇にまぎれて襲いくる恐怖を前面に押し出すのか。どーするんだろーねー。
それと、ハジも残像アタックはできるみたい。サヤもできるのかな?
■「リクは俺の弟なんだ!」「お前は…俺が面倒見る」
サヤは家族だと叫びながら、ムィを突き放し、翼手に怯えていたベトナムでのカイ。ジョエルの日記を読み、翼手の真実、サヤの本性を知ったカイ。サヤの本性に怯み、サヤの前で「リクがいなくなったら俺は一人になっちまう」とぶっちゃけてしまったカイ。知識としてはわかっていても、現実を認められない、行動に移れないカイ。
そうして一歩一歩、着実に弱さを積み重ね、どん底へと堕ちていったカイの、水面へと向かう初めの一歩。前回ラストの「俺も楽器ができれば、余計なことを言わずに済んだかもしれねぇ…」は、やはり浮上のサインだったみたいです。25話かけてヘタレ街道を突き進んでいったカイが、迷いながらも示したギリギリの選択。
そんなカイの答えに、25話分のヘタレ歴史の積み重ねが透けて見えて、思わず つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
次回はカイメインでシフの少女とラブリー物語が繰り広げられそうですし(パリ・ジュテームって…。そのまんまだよ、みたいな)、その先には真央女王さまとの謁見もあるでしょうし。浮上を始めたカイが、どう水面に向かっていくのか。これまでヘタレ歴史を積み重ねてきた分、解放カタルシスが楽しみですよー。
でも、とりあえず今は、リクの「カイ兄ちゃんって…あったかいね…」に答えられないカイに、自分はそんなにあったかい人間じゃないと知ったカイに、静かに つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
■This Love
愛の形を歌った歌ですね。OP同様、この歌の歌い手もサヤなんじゃないかな。歌詞と映像のリンクが( ゚Д゚)ウマーだったので、こっちにも参考画像を掲載してみました。
愛があれば平和だ、なんて本当かどうかわからない。愛を願う自分と、愛を疑う自分。そんな二人の自分が生まれた時から、心を閉め切って、恋することに意味を見出せなくなった。
けれど、手を重ねたとき、わかった。愛があれば平和になるとか言って、愛が持つ奇跡の力に期待するんじゃなくて、手をつなぐだけで、私は嬉しいんだと。
愛に何かを求めることは、愛を束縛すること。そうじゃなく、無心に愛を信じることで、愛は自由になるんだ。そんな愛に囲まれて、私は自由になるんだ。それが、それこそが、人が生まれ持った奇跡なんだ。
その奇跡に気づいた時こそ、人は太陽の光によって輝く月ではなく、自ら光り輝く星になるんだ。
OPの「Colors of the heart」もそうですが、前半部分に本編2クール後半のサヤを重ねておいて、中間〜後半部分で、それを一気に引っくり返すわけですね。1分34秒の短い時間に凝縮されたストレス→カタルシスの物語に、もう燃え燃えです。OPで歌われた引っくり返す力は、絆の暖かさと、人が持つ意志の強さ。EDで歌われた引っくり返す力は、信じる気持ち。この三つの力が本編でどう描かれるのか。めっさ期待しています。
それにしても、今回のOP&EDを見ていて今まで以上に強く感じたのですが、太陽とか月とかってのは、物語の中で何かしらの意味を持った象徴的な存在でしょうね。
無難なところでは、太陽(恒星)はポジティブな主の象徴、月(惑星&衛星)はネガティブな従の象徴、みたいな意味を持っているんじゃないかな。もしそうなら、本編の寓話面においても、この主従ってのが重要なテーマの一つになると思われ。さらに突っこむなら、現実世界でも強者(強国)にペコペコするのは(・A・)イクナイ!みたいな。
けど、夜空に輝く星ってアレだよね…。お星さまになったんだよ、みたいな。超不吉っすよー。
そんなこんなで26話感想終了。実験も兼ねて、新OP&EDの感想にピコっと力を入れてみましたが、キャプるのが(‘A`)マンドクセ。
動画の映像部分だけをキャプできるアプリを知らないんで、動画再生ソフトで動画再生→キャプしたい画面で一時停止→PrintScreenキー→画像編集ソフトにペースト→映像部分だけを選択してコピペ→横幅170にサイズを縮小→保存、なーんて長ったらしい手順を踏まにゃーならん罠。毎回の感想でこれをするのはキツイっす。誰か、フリーのお勧めソフトを知っていたら、教えてぷりーず m(。。)m
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BLOOD+ 第27話 〜 パリジュテーム 〜 |
27話目にして、ようやくカイ浮上の鍵となりそうなエピソードが到来。25話までのヘタレ一直線だったタメが、ようやっと解放されはじめて微妙に燃えつつ、すんなりと血分与のイベントに進まないあたり、どこか悲劇的展開の香りが漂って、燃え以上に切なさ溢れる27話ですよー。
■翼手って何なんだよ…シュヴァリエって何なんだよ…俺、なんでこんな所にいるんだ…
翼手の真実、サヤの真実、自分の真実。今立っている場所を見失い、この先進むべき道に惑うカイ。背後で無邪気にはしゃぐ兄弟(家族)が、家族の絆を見失っているカイの苦悩を際立たせるのと同時に、その兄弟を介して、もう一人、カイと同じように見えない真実に惑うキャラクターとの出会いへと。
■ありが…とう?
その言葉の意味も、存在も知らずに育った少女。ありがとうの一言が存在しない世界で育った少女。ありがとうの意味を、存在を知らないまま、ありがとうに値する行動をとれた少女。名はイレーヌ。シフの一人…。
■「シフって、なんなんだ?」「人間って、なに?」
カイから見たイレーヌは、転んだ子どもを助けたり、花屋の花をつついたりと、物珍しそうに町の景色を楽しみながらフラフラする少女。翼手でありながら、人の血を前にして躊躇い、平穏な明日を夢見て、もう誰も殺したくないと呟く、カイにとって思ってもみなかった存在。
イレーヌから見たカイは、翼手である自分を助けてくれたり、サヤの血を分け与えてくれると言ったりと、自分に親切にしてくれる少年。人間でありながら、キルベドの白衣の人間と違って、路地裏で絡んできたチンピラとも違って、自分たちを傷つけない、イレーヌにとって思ってもみなかった存在。
今まで見てきた翼手とは異なる、もう一つの翼手の姿。今まで見てきた人間とは違った、もう一つの人間の姿。目の前に広がる新たな真実は、二人に何を示すのでしょう?
■夕暮れ
カイの姿に、カイの言葉に温もりを感じ、はじめて「ありがとう」の意味を知ったイレーヌ。イレーヌの「ありがとう」に進むべき道を垣間見、わずかながらに苦悩から解放されたカイ。そんな二人の癒しを、温もりを、心癒されるBGMと「パリ・ジュテーム」のタイトルが彩りながら、それでも、二人の歩む道を照らす光は、陽光から月光へと変わっていく…。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
でも、二人が一緒に歩んだ道は、確かに陽光が照らしていました。それが夕暮れの儚い残光だったとしても、やがて訪れる夜の帷が避けられないものだとしても、闇が光を覆い隠すとしても、そのとき二人を包んだ光は、まぎれもなく、暖かい太陽の光でした。
■ありがとう、ハジ
ここでOP直後に戻りまして。
剣の訓練に励むサヤと、訓練に付き合うハジ。さりげない修行モードに加えて、直後のデビットの台詞によって、サヤはリクを肯定するために翼手としての運命を受け入れたことが補足説明されていましたけど、その一方で、ハジに対するサヤの台詞の中にも「ありがとう」のフレーズを入れてくるのねん。
どん底モードに突き抜けたサヤでしたが、それでも「ありがとう」の意味は知っているわけですよ。 イレーヌと違って。
サヤは今、自分の翼手としての運命に縛られ、仮にDIVAを倒したとしても何も得ることのない、失うだけの道へとひた走っていますが(今の状態では、戦いが終わって生き残ったとしても、沖縄に帰って皆と暮らすって選択肢は無いんじゃないかな)、それでも、戦い続けるためだけに存在したイレーヌたちとは違って、誰かに向かって「ありがとう」と礼を言うことは知っている、ありがとうと礼を言う習慣は持っているわけです。
誰かに向かって「ありがとう」と礼を言うことのある環境に育ったサヤ。サヤが「ありがとう」と礼を言う相手だったのは、ジョージを初めとした宮城の家族、学校の友だち。
サヤの血は同じ翼手に連なるものであったとしても、サヤはイレーヌと違って、そんな暖かい環境の中で育ってきたわけです。その血がイレーヌと同じように翼手に連なるものであったとしても、サヤはイレーヌと違って、人としての暖かな生を与えられ、人としての暖かな生を過ごしてきたわけです。だからこそ、サヤはイレーヌと違って「ありがとう」の言葉を知っているわけです。
そんなサヤとシフの違いが、たった一言の「ありがとう」に込められていたんじゃないかな…。
■パリ・ジュテーム
今後の展開の中で、そんなサヤとシフの違いがどんな意味を持ってくるのかは、今はまだはっきりしません。ですが、とりあえず今の段階では、サヤとイレーヌ(シフ)が異なることが、今回の二つの「ありがとう」によって描かれたと思います。
さらに、サヤ以上に翼手としての運命に翻弄されてきたイレーヌであっても、人の温もりを感じられることも。そんな温もりを媒介として、人と翼手が「ありがとう」と言い合える関係になりうることも。
パリで囁かれた愛の言葉。それは、イレーヌがカイに向けた言葉であるだけでなく、カイがイレーヌに向けた言葉でもあり、さらには翼手が人に、人が翼手に向けた言葉なのかもしれません。そんな具合に、異種族間の相互理解物語っぽくなってきた27話でした。
たとえその果てに訪れるものが、夜の帳であったとしても…。
■水底の世界から
それと、貧血と太陽光の影響で一時的に気を失っていたイレーヌが、夢の中で見た光景。水底から水面を見上げる光景。
心の中では「だめ…だめ…」と叫びながらも、水面の向こうに輝く太陽に向かって手を伸ばす姿に、それが決して手の届かないものだと知りながら、それでもそれ(太陽)を望むイレーヌの想いが透けて見えて。
イレーヌの回想の中でモーゼスが叫んだ「僕は、人間の本に書かれていた、希望という言葉を、信じてみたい!」を聞くに、それはシフ全員に共通する想いでもあるんでしょうね。
たとえそれが、本に書かれた知識にすぎず、現実には存在しえない幻であったとしても…。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
21話の感想にも書きましたけど、やはりシフは太陽を望む存在だったようです。ですが、決して抜け出せない水底から、水面の向こうに輝く太陽を、希望を願う意志の輝き。それはきっと、それこそがきっと、太陽と同じ輝きなんじゃないかな…。
■キルベド、アンシェル、ベルヒテスガーデン
そんな具合に、人と翼手のジュテーム物語が27話の骨格だったと思うのですが、その傍らでは、気になる言葉、伏線がいくつか登場。
他のシュヴァリエには秘密にして、キルベドでシフを創ったアンシェルの狙いは秘密のまま。あれもまた我々の未来に対する保険の一つ。アンシェルはそう答えたのですが、シフ創造が「保険」であるならば、保険ではない「本命」の手段もまた、存在するはずでして。
その中核がDIVAであることは想像に難くありませんが、実態は謎だらけ。DIVAの台詞から察するに、以前「ベルヒテスガーデン」という場所で、アンシェルとアンシェルの子どものふりをしたDIVAが「何か」をしたらしく。
ベルヒテスガーデンでの過去の工作といい、今から行おうとしている工作といい、DIVAが「お人形さんのように」大人しくしていることが必要とされるらしいのですが、それがアンシェルの「本命」の狙いに、どうつながってくるのかねぇ。
■ベルヒテスガーデン
ちなみに、ベルヒテスガーデンってのは、あのヒトラーの別邸があった場所です。モスクワ革命といいベトナム戦争といい、翼手は戦乱の影で「何か」を行ってきたわけですから、十中八九、この「ベルヒテスガーデン」には、ヒトラー(第二次世界大戦)と翼手とをつなぐ鍵が眠っているのでしょう。
ここで気になるのは、今回の工作と同じように、以前のベルヒテスガーデンでの工作の際にも、DIVAは「お人形さんのように」振舞ったということ。
翼手の女王としての本性を隠し、アンシェルの娘と偽って大人しく振舞ったことで、アンシェルとDIVAは何を得たのか。そして今、アンシェルとDIVAは、何を目的に、誰に対して「ベルヒテスガーデンの時みたい」に振舞おうとしているのか。アンシェルとDIVAは「ベルヒテスガーデンの時みたい」に振舞うことで、何を得ようとしているのか。
…戦争?
■凸凹コンビ
なごむわー。凸凹コンビのコント調な掛け合い会話。ジュテーム物語のホンワカっぷりもそうですが、基本ベクトルがシリアス一直線な物語なだけあって、軽いホンワカ話や笑いが入るだけで、かなり和みまっする。予告の「うっさいわね、オッサン!」なんて、めっさ吹いたよー(笑)。鋼の錬金術師なんかもそうですけど、こーゆー軽い和みって大切だと思いまっする。
■こりゃ、面白くなってきやがった♪
凸凹コンビの調査の内容的には、動物園近辺での聞きこみから見えてきた「ゴルドシュミット」「ゴールドスミス」の線を辿って、一歩ずつ前進中。
サヤサイドで判明した「ゴルドシュミット」「ゴールドスミス」関連の情報としては、ジョエルはゴルドシュミットの当主の継ぎ名で、ソロモン(サンクフレシュ)はゴールドスミスの一員、アイスランドの施設はゴールドスミスが絡んでいて(ソロモンは知りませんでしたが、アンシェルがソロモンに秘密で進めていた研究ってことかな?)、アンシェルは老ジョエル(ゴルドシュミットの当主)と交流があった。
凸凹サイドで判明した「ゴルドシュミット」「ゴールドスミス」関連の情報としては、動物園が築かれた1830年代はゴールドスミスはゴルドシュミットの弱小分家の一つに過ぎなかったが、やがてゴルドシュミット本家の力は弱まり、代わってゴールドスミスが表舞台に登場、二度の世界大戦で財を成し、今では世界規模の大財閥を築くに至った、と。
■ゴールドスミス
ゴルドシュミットが衰えたってのは、老ジョエルの誕生日が一つの契機になっているのでしょうが、面白いのは、ゴールドスミスが財を成した時期、つまり、二回の世界大戦です。今回、台詞の中に登場した「ベルヒテスガーデン(ヒトラー関連)」が妙に引っかかってくるのねん。
ただし、以前、偽リーザは「必要なだけを食べればいい、必要以上に食べるのは問題」みたいなことを言っていましたから、DIVAやシュヴァリエたちが、必要以上の財を求めて経済活動に励むなんてこと、あまり想像つかないわけでして。むしろ、何かしらの必要(本命)に応じて動いた結果、オマケとして財産も増えていった、と見るのが妥当かな。
ということで、こちらも「ベルヒテスガーデン」の項と同じように「本命って何?」となるわけですが、それはこの先のお楽しみ。マターリ待ちましょー。
そんな感じでメインは終了。出会い、別れ、理解、剣戟。パリ・ジュテーム。って感じの内容でしたが(謎)、終了間際に「リク異変」「イレーヌにソーン発現」「DIVAとニアミス」「岡村がサヤ(とハジ)の写真発見」と、BLOOD+には珍しく引き祭り。
祭りだワッショイ!って感じですが、引きだけでなく、いくつかの謎が明かされ始めたことで、本編に伏線回収のカタルシスも増量中。成長物語も上向きに転じ始めたようですし、視聴するのがかなり気持ち良くなってきましたよー。
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BLOOD+ 第28話 〜 限りあるもの 〜 |
ようやくGW。のんびり感想を書けるー。まずはラストシーンが激熱だった28話から。24話のラストに重ねてきたわけですが、その裏ではサヤとカイのすれ違いも加速中。あっさり相互理解に到達するのか、それとも一波乱あるのか。先のことはわかりませんが、とりあえず感想をドゾー。
■私たち翼手を滅さなきゃいけないのに、何でそんなことを言うの?
前回「ありがとう」の一言を知らなかったイレーヌと同じで、サヤも翼手(シフ)との相互理解の可能性が残されていることを知りません。
力によって相手を殺し、糧とする術しか知らない、獣のようなシフ。力によって相手を殺し、人類の平穏を勝ち得る術しか知らない、獣のようなサヤ。クルーゼの言っていた「知らぬさ!人は己の知ることしか知らぬ!」が思い出されるところです。
譲りあう術を知らないまま、互いの世界(EVAで言うところのATフィールドですな)が重なれば、そこは戦場に変わります。決戦の時が近づいているわけですが、そんな両者の狭間で、二つの世界を知るカイは葛藤中。
今まではカイ成長物語にばかり目が行っていましたけど、カイ物語が物語全体の主軸にどう絡んでくるのかも楽しみになったきましたよー。
■ただいまー♪
リッくん異変を告げる前回の引きはどーなったの?と。小一時間(略)な気分にさせられますが、建物の外にはサヤたちをストーキングしているシフの姿が。シフとのバトルは避けられない模様。小一時間も問いつめている暇はなさそうです。OP明けが待ち遠しいです。
■「この頃は何も知らなくて、毎日が楽しかった」「遠い日の、話です」
見ているのは、老ジョエル邸に住んでいた頃のサヤ&ハジの写真、かな? 前回のラストで岡村記者が見ていたのと同じやつ。それを前にして、サヤは「もう戻ってこない、遠い昔のことなんだね」と黄昏モード。
サヤが目にしているのは老ジョエル邸時代の写真ですから、戻ってこない遠い昔ってのは、直接的には老ジョエル邸時代を指すわけですが、それだけでなく、間接的には沖縄時代も指しているんじゃないかな。宮城家の家族と学校の友だちに囲まれて、何も知らずに楽しく過ごした日々。それももう戻ってこないんだよ、みたいな。
■いつまでもサヤの傍にいてやること。それは、リクだけが出来ることだ
そんなサヤの変化が描かれたわけですが、その陰で、毎度おなじみの「それがあなたの望みなら」なハジ節が静かに炸裂。表面上はサヤの従者一本槍なんですが、その言葉の裏には何かしらの想いを秘めているような。登場以来、一貫して「それがあなたの望みなら」なスタンスですが、その裏には何が秘められているのやら。
と思っていたら、サヤとカイの衝突をシュヴァリエ二人が屋根の上から見つめるシーンで、この台詞。ハジは「いつまでもサヤの傍にいてやること」ができないことを仄めかしてきましたが、どーゆーこと?
以前サヤと交わした「約束」に関わることなのか、DIVAとハジをつがわせようとするアンシェルの狙いに関わることなのか、他に何か意味があるのか。今はわかりませんが、ハジ別離イベントが来るってことなのかな?
■「あの時の彼らの殺意は、本物でした」「そうだね」
殺して奪うという術しか存在しない世界で生きてきたシフたち。誰かに何かを与えられるということがない世界で生きてきたシフたち。ありがとうの一言が存在しない世界で生きてきたシフたち。
何かを得るには、殺して奪うのが絶対無二の術だ。他に選択肢はない。
これが、シフたちの認識ですね。サヤは「本物の殺意」「そこに迷いはなかった」と言いますが、迷うというのは、二つ以上の選択肢が存在するか、もしくは、二つ以上の選択肢が存在する可能性に気づいた場合に可能な行為です。選択肢が一つしかないのであれば、もしくは、選択肢が一つしかないと信じ込んでいる状態であれば、迷いが生じることなどありえないわけですね。
前回「ありがとう」のフレーズを知らなかったイレーヌの描写が、ここに繋がってきました。誰かに何かを与えられた経験などなく、殺して奪う術しか知らないシフたちにとって、サヤの血を手に入れるには、サヤを殺して奪うしかありません。そこに迷いなど入りこむわけもなく、迷いがない。だからこその「本気の殺意」なんでしょう。
サヤを殺して奪う。それ以外の選択肢、それ以外の可能性、多様性の存在。それを知らないまま、袋小路に追い込まれているシフ、か…。
■みんな…変わっちまうんだな…
七五三ファッション?なリクだけでなく、行動するより先に考えごとに耽っているカイも、昔とは「変わっちま」ったわけですね。周囲の変化を見ながら(自分の変化には気づいているのかな?)、変化を受け入れられない、受け入れたくないカイですが、どうなるんかねぇ。
庭でのサヤとの会話でも「俺は変わらねぇ!」と宣言し、変わらないことにこだわる方向へと進むようですが、この「変わること」ってのをどう処理してくるんだろ?と考え中。
■壁叩き
リクの七五三ファッションに和みつつも、誰にも悩みを打ち明けられず、壁を叩いて苛立ちを紛らわすカイ。変わることは本当に悪いことだけなのか、イレーヌとの出会いの中で感じた「何か」がなんなのかは、はっきりと自覚できていない様子です。はっきり自覚できていれば、もう少し具体的な行動に移せるでしょ。
ただ、同じ「物に八つ当たりする行為」であっても(前々回は車椅子に暴行)、進むべき道を見失って苛立っている前々回とは違って、見えそうで見えない、届きそうで届かない「何か」との距離に、歯痒さに、苛立っているんじゃなかな。その違いを描写から読みとれたわけではありませんが、前回〜今回前半のカイ描写を見ていて、なんとなくそんなことを感じてみたり。
イレーヌと出会い、何かに目覚めかけているカイ。カイが垣間見た「何か」が確信へと変わることに期待しつつ、確信へと至るまではボタンを掛け違うかのような微妙なすれ違いが続きそうな気がして、なーんとなく嫌―な予感です。
■私たち、誰かの想い出になれるかな…?
誰かの中に生きる自分。誰かの光を受けて静かに輝き、静かに消えていくのではなく、自ら輝いて、その輝きを誰かに刻みつけられる喜び。充足感。生きる理由。太陽の輝き。
求める答えに辿りついたイレーヌ。けれど、その輝きは尽きかけて。生きた証を刻みつける力は失われて…。
■私が戦ってれば、お父さんもリクも、きっと昔のままだった
翼手であること、翼手に関わることをマイナスにしか受け止められないサヤ。父を死なせてしまった。弟をシュヴァリエに変えてしまった。ハジをシュヴァリエに変えてしまったのも自分。DIVAを解き放ってしまい、動物園の惨劇を引き起こしたのも自分。その償いのため、贖罪のため、か…。
前回のOP直後、デビットが「自分が翼手であることを受け入れない限り、リクのことも否定することになる」とサヤの心境を説明調にフォローしていましたけど、サヤは自分が翼手であることは受け入れたようですが、同時に、何もかにも自分が悪いと思いこみ、重荷を背負いこんでしまってもいるようです。
今のサヤの中では「自分が悪い」「翼手が悪い」「ハジもリクも悪い翼手だから、せめて自分だけでも受け入れてあげなきゃ」「それが巻きこんでしまった自分の責任」みたいな感じなのかな。
■なんで今になってそんなことを!
そして、サヤをそこまで追い込んでしまったのは、24話ラストでカイが叫んだ「リクが死んじまったら、俺は独りぼっちになっちまう!」なんでしょう。翼手として生まれたサヤなんて人間の家族じゃない!みたいな無神経台詞の直撃が、サヤが翼手であることを強く自覚し、翼手である自分に罪を感じてしまう決定打になったんでしょうね。
そこまでサヤを追いこんだカイが、手のひら返すように「翼手ってだけで、敵ってことにはならねぇ。それを認めちまったら、サヤやリクまで、人間の敵になっちまうだろ!」と言えば、そりゃサヤも「なんで今になってそんなことを!」って怒鳴る罠。
加えて、サヤの心には、老ジョエルの誕生日から今日まで、ただひたすらに翼手を憎み、敵として殲滅してきた100年分の過去の積み重ねと、その過程で積み重ねてしまった仲間の犠牲が、重く圧し掛かっているわけです。そもそもDIVAを解き放ち、翼手の暗躍を許してしまったも、サヤが原因ですしね。それをいきなり変節しろって方が、無茶といえば無茶かと。
そんな100年の歴史が凝縮されたのが「私とハジはずっとそうやって戦ってきたの!」「それを今になって違う生き方なんて、出来るわけないじゃない!」でしょう。そりゃ「他にどうしろって言うのよ!」って叫ぶ罠。
自分が全て悪い、翼手が全て悪い、だから翼手を殺して全てを終わらせる。それ以外の選択肢、それ以外の可能性、多様性の存在。それを知らないまま、袋小路に追い込まれているサヤ、か…。
■翼手ってだけで、敵ってことにはならねぇ!それを認めちまったら、サヤやリクまで、人間の敵になっちまうだろ!
一方、カイはというと、イレーヌに出会ったことで、翼手であること、翼手に関わることがマイナスだけでないことに気づき始めている様子です。同時に「人間にだって嫌な奴はたくさんいる。でも、良い奴だっているだろ」とも言っていますから、カテゴライズされた「人間=善」「翼手=悪」という構図から抜け出しかかっているみたい。
もっとも、一度は「リクが死んじまったら、俺は独りぼっちになっちまう!」とまで暴言を吐いたわけですから、そりゃサヤに「何で今になってそんなことを!」と言われる罠。テラヒドス。
ですが、ほんの数日間の変化であっても、少しずつ浮上しつつあるのは確かでしょう。サヤとすれ違う姿に悲劇の香りが漂いますが、それでも、カイが宣言した「俺だけは変わらない、変わりたくねぇんだ!」の決意に、チョピっと期待中。
■変わる
今までカイが見てきた変化は「昼→夜」「ポジティブ→ネガティブ」の変化が中心でしたから、カイが変わることを忌み嫌う気持ちもわからないでもありません。ですが、変わるというのは、そんなマイナスな変化だけではないでしょ。もっとプラスな意味も持っているものじゃないかな。たとえば「夜→朝」の変化のように。
例えば、カイの「自分の目線でしか物事を見られない」という短所。これは克服するにこしたことはありませんし、克服できないにしても、長所を伸ばすことでフォローするって手もあります。短所を克服するにせよ、長所を伸ばすにせよ、それはどちらも良い意味での「変化」だと言えますよね。
逆に、変化しないことが良いケースもあるでしょう。例えば、第2クール中盤までのサヤは、戦いが終わった後、沖縄に帰って以前と同じように家族と暮らすことを望んでいました。その想いを胸に抱いて戦い続けたことで、ベトナムで変態仮面の撃退に成功しています。今回のイレーヌの台詞からも、想った相手を忘れず、胸に抱いたまま生きる糧にするというのも、一つの「変わらない」ことのポジティブな在り方なんじゃないかな?と。
つまり、この「変わる」という言葉には、ポジティブ、ネガティブ、両面が備わっていると思われ。変わることが悪いとも、変わらないことが悪いとも、一概には言えないわけです。ま、世の真理がどうかはわかりませんが、少なくともBLOOD+の物語の中では、この「変わる」ことの価値は、時と場合によって変わりうる相対的なものだと見ていいんじゃないかな。
■俺だけは変わらない、変わりたくねぇんだ!
んじゃぁこの台詞は、ポジティブとネガティブ、どっちかな?と考えると、ポジティブな意味が含まれているような気がします。今はワケのわからない非日常の中にいるけれど、最後に帰る場所、帰りたい場所は変わらない、変わりたくねぇんだよ!みたいなニュアンスかな。
加えて、ぐらすとしては、サヤに向けたカイの謝罪にもなっていると見ています。
ベトナムでサヤの本性を見て怯んでしまった。ジョエルの日記に記されていた真実を受け入れられなかった。自分の独りよがりな願いによって、サヤを傷つけ、リクをシュヴァリエに変えてしまった。けれど、今、あらためて誓う。サヤとリクの姿が、心が、どんなに変わってしまっても、俺は変わらない、変わりたくねぇんだ!みたいな。
たとえそれが遅すぎた答えだとしても、今のカイにとっては、それが唯一可能な謝罪なんじゃないかな。そしてそれは、28話にしてようやく見出せた、カイの覚悟なんだとも思います。その答えを、サヤとリクが受け入れなくても…ね。真央の登場でスルーされてしまったあたり、カイの想いがサヤに伝わったとは考えづらいよー。
当面は、因果応報理論的に「遅れた分→罰ゲーム」ってな悲劇的展開に持っていかれそうですが、ここで原点を確認したカイの今後の成長、活躍に期待っす。
■あぁ〜カイ〜!
めらめっさブサイクな真央女王さまですが、カイの「俺だけは変わらない、変わりたくねぇんだ!」の直後に登場です。変わらない場所、帰りたい場所。そんな原点回帰、日常回帰を叫んだカイの宣言に重ねられるようにして、沖縄での日常を象徴する真央女王さまが登場するもんだから、さりげに熱い。
イレーヌは非日常(翼手)が垣間見せた日常(ありがとう)。真央は日常そのもの。非日常の中で揺れるカイの前に、立て続けに日常キャラ登場って感じですね。
真央については、強気でSな女王様キャラをアピールしつつ、純情モードな一面もアピール。ギャップが笑えるところですが、純情モードな真央が口にした「ヤダ!カイと一緒じゃなきゃ帰らない!」がオモシロ。カイ以上にはっきりと、日常(沖縄)への回帰を口にしています。
直後のシフとの戦闘で、拳銃(非日常)を構えるカイと、それに驚く真央を見るに、ポジショニングとしては「非日常>イレーヌ≒サヤ>カイ>真央>日常」みたいな感じなんじゃないかな。
真央はカイを、カイはサヤを、日常に連れ帰ることができるのか。それとも、非日常の奔流にとけて消えるのか。変わるところはどこなのか。変わらないところはどこなのか。これまで一口に「成長物語」と言ってきましたけど、成長だけでなく「回帰」の側面も気になってきましたよー。
■D塩基
第5の塩基。命名、ディスガイズ塩基。自分の分子構造を自分で書き換え、新しい塩基対を構成することで、生体構造を急激に作り変えてしまう。役目を終えると構造を変えて姿をくらましてしまうため、これまで発見されなかった。
翼手はD塩基によって新しいタンパク質合成システムを構成し、鋼鉄なみの強度、桁外れの筋力を作り出す。別人への変身も自由自在。
ただし、一見すると完全に見えるものの、現実に翼手が地上を覆いつくしていないところからして、D塩基にも何かしらの欠点が含まれているかも。その欠点を探す。
ってのが、翼手の真実(の一端)とのこと。
赤い盾としてはD塩基の欠点を探し出し、そこから翼手への対抗手段を考える。逆にDIVAサイドは、おそらくD塩基の欠点を克服するために、幾つかの手を打っている。赤い盾が対抗手段を見つけ出すのが先か、それとも、DIVAサイドが克服手段を見つけ出すのが先か。ってな具合に、物語の進行方向が見えてきましたよー。
■多様性
それと同時に、物語のテーマの一つも見えてきたかも。確証はありませんが、なんとなく「ぐらすの勘ってやつが、ここにBLOOD+のテーマの一つがあるって囁くんだよ by 岡村記者」って感じです。
D塩基は最強の固体を作り得るわけですが、多様と一様、進化の果てに待つ衰滅。ベストの存在はベスト未満の存在を駆逐してしまい、結果、世は並べてベストだらけ、みたいになってしまう可能性もあるわけで。
仮にD塩基が最強の固体を作り得るとしても、そこに種としての繁栄はあるのかな?と思うんですよ。DESTINY-PLANもそんな感じでしたけど、多様な可能性を排斥した一様の先に、果たして望む未来は待ち受けているのかと小一時間(略)。ジャパニーズホラーの傑作「リング」シリーズでは、Rウィルスによって時は止まってしまったような…。
■限りあるもの
そんな「多様と一様」の概念は、D塩基ネタだけでなく、シフとサヤのすれ違いにも感じられたかな。
譲ってもらうという選択肢を知らず、殺して奪うという唯一の道に縛られているシフ。そんなシフの因業を知らず、力によってシフを撃退するしかないと思い込んでいるサヤ。といった描写も、ある種の「一様」なんじゃないかなぁ。他の可能性(多様性)を持っていないという意味で。
これがOPで描かれた「単色」の世界であり、同時に、今回のタイトル「限りあるもの」なんじゃないかな。限りある選択肢、限りある未来。それに縛られて僕らは生きてるんだよ、みたいな。もちろん、イレーヌに残された限りある時間、限りある命って意味がメインなんでしょうけどね。
なーんてことを思いつつ、さらに言えば、OPで染みついた赤(単色)が剥がれ落ちるように描かれているサヤを見て、物語が進展するに従って単色(殺して終わらせるしかない)な考え方から脱け出していくんじゃまいかん?とも思ってみたり。
■サヤ…頼む…お前の血を…イレーヌに分けてやってくれ…頼む!…イレーヌを助けてやってくれ!
そんな単色の世界で生きているサヤであり、シフですが、唯一カイは「もしかしたら、お互い理解できるかもしれないのに、相手の言うこともシカトして、皆殺しにすればいいっていうのかよ」と、自分以外の色(他者)の存在を知覚気味。
ただ、それでもイレーヌの命は削られていき、選びうる道は徐々に少なくなっていくわけですが、そんな少ない選択肢の中からカイが選びとったのは、24話のラストを髣髴とさせる「サヤ…頼む…お前の血を…イレーヌに分けてやってくれ…頼む!…イレーヌを助けてやってくれ!」ですよ。
キタ━(゚∀゚)━ッ! メラ燃え━(゚∀゚)━ッ!
明らかに24話のラスト、リクに血を分けてくれとサヤに頼み込んだシーンに重ねているわけですが、言葉は同じでも、言葉に込められた想い、覚悟は少し違う罠。イレーヌとの出会いを通じて、カイが垣間見た答え。それがここに来て発動。ほんの少しだけですが、カイの成長が透けて見えて、もうメラ燃え!
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚ カイヨクガンガッタ!
■呪われた血
ただ、カイの成長はほんの少しだけですし、サヤに至っては、自分が悪いと思い込んだまま、浮上するきっかけすら掴めていない状態です。この状態で、事態が一気に上向くとは考えづらい罠。しかも、次回タイトルは「呪われた血」。サヤの血の「呪われた」一面がアピールされそうなタイトルでしょ。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚ ジュッチュウハックイレーヌシンジャウヨー
■カードの見せあい
さて、メインのエピソードは悲劇モードに向かってつД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚な感じですが、その横で、サヤたちに合流した凸凹コンビの進路は五里霧中。
動物園、サンクフレシュ、リセ、沖縄、ヤンバル、ハノイ、ボルドー、ゴルドシュミット。
凸凹コンビが持っている情報はこんなところですが、所詮は地方紙の一記者と女子高生。ネタ的にもオカルト臭が強いため、世間的な信頼は得づらいわけで。コリンズを見ても、翼手についての研究結果を公表しないというのが赤い盾の基本方針みたいですから、凸凹コンビが声高に叫んだところで、圧力かけて握り潰すくらいのことは普通にしてくるでしょ。
岡村記者は強気ですが、どうやって赤い盾と翼手の争いにくいこんでいくのかな?
■次回予告
私が好きなのは、夜の街でした。人々が寝静まった街を、夜通し歩くのです。休まず、一人で。そこにあなたの声が聞こえなくても、姿が見えなくとも、不思議と、あなたを感じることができたのです。あなたのシュヴァリエは、いつも傍にいます。それを忘れないで。
…
夜の闇にサヤを見ていたってことでしょう。ハジの中では「夜=サヤ」という認識なんでしょうが、イマイチわかんないのねー。ハジの本心については、徹底して隠されている感じです。どのタイミングで吐露してくるのかな?とか思いつつ、そこまで隠すってことは物語の鍵を握るファクターなんでしょうから、吐露イベントに期待中。
んー、カイが浮上の流れに乗ったは良いのですが、肝心のサヤが停滞中ですから、一気に事態が解決するとは思いづらいっす。ぶっちゃけ、イレーヌは死んじゃうんじゃね?とか思いつつ( つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚ )、次回が待ち遠しいっす。
とりあえず今日の夜はDESITNYの「砕かれた世界」後編を見るんで、BLOOD+29話の視聴&感想は明日〜明後日になるかなー。
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BLOOD+ 第29話 〜 呪われた血 〜 |
OP前のアバンが短いです。今までで最短だと思います。一番短くて、一番濃くて、そして、一番重たいアバン。そうして始まった29話は、哀しい、を突き抜けて( ゚д゚) コトバモデナイアル。そんな29話でした。でも、敢えて言葉にしてみるよー。
■頼む……というのか、こういう時は
ありがとうという言葉。頼むという言葉。初めて聞いた言葉に身を委ね、刃を下ろすシフ。
■私の…血…
父を殺した自分の血。弟を怪物に変えた自分の血。そんな現実を知ってもなお、カイは自分の血を必要だと言った。自分の血は必要なものだと言った。そんなカイの言葉に答えるサヤ。
- いいよ、その人に血をあげる -
■崩壊
シフにとって、他人に何かを乞い求めるのは初めてのこと。サヤにとって、自分の血がポジティブな生に繋がるかも?というのは初めてのこと。それぞれがそれぞれに、初めてチャレンジする行動を前にして、勇気をもって一歩を踏み出しました。
サヤとシフが振り絞った希望。現実を受け入れたカイの成長。そうしてポジティブ(と言うには、サヤとシフの場合は後述するような打算が含まれていそうですけど)な想いを積み重ねた末に待っていたものは…
積み重ねた希望の崩壊。
それを、結晶化して砕けたイレーヌの最期が暗喩しているのでしょう。強く願っても、想いを積み上げて手を伸ばしても、越えることが叶わない圧倒的な現実。それこそが、想いが介在する余地のない「物体」として崩壊していったイレーヌの最期なんでしょう。
でもね。そんな理屈なんてどーでもいーくらいに
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
イレーヌたんが〜イレーヌたんが〜(泣)
■This Love(前半)
愛があれば、平和になる。愛を信じれば、奇跡が生まれる。そうやって良い結果を期待して、何かを信じる。信頼と見返り。ギブ&テイク。
今回のサヤやシフの行為は、3期EDの「This Love」で歌われたこれだったんじゃないかな。愛にキブ&テイクを求める。信じる気持ちにギブ&テイクを求める。そんな決断、そんな行為だったんじゃないかな。シフが刃を下ろしたのも、サヤがイレーヌに血を分けたのも、ある意味で、それぞれにとっての賭けだったんじゃないかな。
ありがとうと言えば、イレーヌは助かるのかも。ここで血を分け与えれば、私も少しは救われるのかも。ならば、今一時だけは信じてみよう、って。
信じた結果が心砕くようなものであれば………諦めよう、って。
■This Love(後半)
そして、現実は願ったようにはなりませんでした。
ありがとうと言っても、イレーヌは死んでしまった。血を分け与えても、なにも救われず、なにも変わらなかった。
だから、もう二度と「ありがとう」の世界には生きない。もう二度と、自分の血の意味に救いを求めない。
ありがとうの世界は、呪われたシフの生を受け入れてはくれなかった。だからシフは、戦いの中で死ぬことを選んだ。自分の体に流れる血は、やはり呪われた血だった。だからサヤは、人として生きることを諦めた。
二度目の、そして最後の「ありがとう」を口にして、サヤたちの前から消えたシフ。限りなどないはずの可能性を、望めば「ありがとう」の世界に生きられるかもしれない可能性を、限りある未来に限定してしまったシフ。
そして、サヤもまた…。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
■This Love(ラスト)
そんな哀しい物語だった29話。その終わりを彩る、アンジェラ・アキさんの「This Love」。哀しくて、でも、歌の最後にほのかな救いが歌われていて。
信じる力が、愛を自由にする。信じる力が、私を自由にする。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
になりながらも、本編においても、かすかに感じられる逆転の息吹、キーマンになりそうなカイの足掻き、もがきに期待です。注目です。熱望です。
■主題歌
それにしても「This Love」がヤヴァイくらいに良すぎ。4期OP&EDがどうなるかはわかりませんが、現状ではこの歌がフェイバリットBLOOD+ソングかな?
と思って他の主題歌も聴きなおしてみたら、高橋瞳さんの「青空のナミダ」とか、元ちとせさんの「語り継ぐこと」とか、今になってわかるキーワードや先の展開の暗示が山盛りですわ。こりゃどれがフェイバリットとか言ってる場合じゃないっすよ。
っていうか、1期OP&EDにして、どちらも「月」が歌詞の中に入ってるー。こりは熱いー。ぎゃーす。
■話を進めてくれ、ヴァン
コリンズがアンシェルと接触する模様。シフの回想を見るに、アイスランド(キルベド)で研究を担当していたボリスは死んだと見るのが妥当でしょうが、それでもアンシェルの策謀は止まらず。
ヴァンとの会話によると、D67による「デルタ計画」なるものは副作用がありすぎて今のままでは先に進まない。赤い盾が発見したD塩基と、アンシェルがキルベドで研究させていた何か(シフ関係?)を使って問題を解決し、デルタ計画を先に進めようとしている。それとは別に、DIVAを使った何かも計画中。
これがアンシェルの思惑のようですが、まだ不明な点が多く、全貌はつかめず。ただ、ヴァンがソロモンから離れてアンシェルについたり、そんなヴァンを見てアンシェルは「ふん、こざかしい…」と一人ごちていたりと、DIVA&シュヴァリエ側も一枚岩ではない模様。
ただし、それ以上に深刻なのは、赤い盾内部の亀裂です。コリンズ先生、アンシェル側につくかもね。
ジュリアとの会話や、これまでの前ふりから考えるに、翼手の研究成果が封印されることに堪えられないのでしょうが、コリンズの裏切りによって、D塩基の情報がDIVA側に流れ、アンシェルの計画は一気に進行。赤い盾はピンチ。そんな感じになりそうですよー。
とりあえず、コリンズがジュリアに言った「若干、急ぐように」を聞くに、急がないとマズイみたい。襲撃近し。と思っていたら、最後のほうで1ヵ月後の襲撃が(視聴者に)告げられた次第。ヤヴァス。
それにしても、アンシェルが火に溶ける飴を見ているのは、何を意味しているのかなぁ?
■治ったら、また一緒に、パリを歩けるかな?
シャワーで涙を誤魔化すようにして、考え込むカイ。その怒りは、誰かへ怒りというよりも、自分に向けた怒りかな。その怒りを周りにぶつけてしまう自分にも、苛立ってそう。何やってんだよ…俺…、って。
ただ、自分が周りに与える影響は少しずつ意識することができてきているみたい。カイは自覚していないでしょうし、また、目に見えた成果を生むほど大きな変化でもなく、サヤともすれ違いが続いていますが、それでも一歩ずつ着実に、水面へと向かって浮かび上がっている気配です。
ガンガレ!ガンガレ!!!
■サヤ姉ちゃん、遊びに行こうよ
笑いながら街を歩くパリ娘を見て、イレーヌを思い出し、自分が壊した命、自分が奪った命、呪われた血、呪われた運命、呪われた自分の性を、身に染みて実感するサヤ。そんなサヤに向かって、カイを、そしてサヤ自身を嫌いにならないで、と訴えるリク。
リク…賢い子
■満ち足りた時間でした…
夜の闇にサヤを垣間見、長い時間を生きてきたハジ。そして今、青空の向こうに進むべき道を、答えを見出したハジ。
親しい人さえ近くにいれば、親しい人さえ近くに感じられれば、進むべき道は時とともに見えてくる。
そんなハジの台詞に、サヤの進むべき道が見え隠れしますが、その一方で、ハジの「そして、私は答えを得た…」を聞くに、得た答えのままに、ハジが動きだす気配。前回のリクとの会話にもその気配はありましたが、ハジがサヤの元から離れていく感じ。
それにしても、長い間ひたすら夜の闇を歩いてきたと言うハジが、その果てに「そして、私は答えを得た…」と言うシーン。それまで歩いていた暗く狭いパリの裏道に、青空から光が射すんですよね。このシーンが綺麗で綺麗で。
ハジが得たという答え。それはサヤとの別離につながるものになりそうではありますが、それでも、それはきっと、青空のようにポジティブな道なんでしょうね。
■絆
凸凹コンビ。特に真央。危険とわかってはいても、サヤやカイたちについて行こうとしているみたい。脅し、賺し、メリット提供と、いろんな手で赤い盾に食い込もうとしています。
ただ、岡村記者って、今のところ「俺は…知りたいんだよ」と、記者としての好奇心しか動機がないんですよね。サブキャラですから、このままでも無問題っちゃ無問題ですけど、せっかくなんで、同じように翼手を調べていた岡村パパとの絆物語とかを展開させてくれたら、深みが出ると思うんだけどなぁ。
真央の方は、ベトナム編でのカイに重ねてきていますね。と同時に、今のカイはベトナム編でのサヤかデビットか。カイは真央の中に、昔の自分が持っていた原点の気持ちを見出してくるかな。
変わってしまったカイが、沖縄においてきた日常。その日常を象徴する真央。自分は日常に生きるべきではないと思い込んでしまい、日常をすべて捨て去ってしまおうとしているサヤ。非日常に放り込まれながらも、日常であった頃と比べても軸のぶれないリク。そんな面々を、静かに見守るハジ、デビット。
上手い具合に人間関係が絡み合って、トリガーを引けば一気に動きだす感じー。
■変態仮面キタ━(゚∀゚)━ッ! 赤い盾にピンチクル━(゚∀゚)━ッ!
という展開。作中での一月後、トリガーが引かれそうです。
というか、復活した変態仮面に萌え萌えです。なぜかサヤに切り落とされた右腕が(右足も?)復活していますが、ソロモンによると「その手…まさか、兄さんの…」とのこと。アンシェルが進めている研究によって生み出された手ってこと?
■夕陽の中に
カイがイレーヌと出会った場所。夕陽の中にイレーヌの結晶を溶かして散らすサヤ。そんなサヤに声をかけられないカイ。
おそらくサヤは、夕陽の中にイレーヌを解き放ってあげているんじゃないかな。イレーヌが何よりも望んでいた太陽の中に。そしてそれは、サヤ自身が望んでいることでもあるんでしょうね。闇の中ではなく、大要の中で生きることを。
でもそれは叶わなくて。カイにしても、そんなサヤに「ありがとう」とは言えなくて。
何かが見えてきていて。でも、その何かに手は届かなくて。届かないから諦めて。
夕陽は落ち、迫りくるは、夜の闇。
といったところで、ようやく29話見れました。個人的に、5月末と6月あたまにデッカイ山場があるんで、のんびりアニメ見て感想書いてる場合じゃないような。時間作ってサクサク書いてく方向でー。ではではー。
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BLOOD+ 第30話 〜 ジョエルの日記 〜 |
降りしきる空の涙。呪われた血の意味を求めるサヤ。そんなサヤに「自分のことで悩んでるんなら、俺が教えるより行って見てこいよ、ジョエルのところへ」と告げるカイ。動物園で思い出した記憶、イレーヌを救えなかった自分の血。その意味に気づいていたとしても、1%の救いを求めて真実に踏みこんだサヤ。
そして、1%の希望は、100%の絶望へ。
そんな30話です。
■OP
本編が哀しい展開なだけに、その展開の先に待つものを謳うOPがメラ熱いっす。3期は特に、OPもEDも( ゚Д゚)ウマー。Mステ出演おめでとうございます。
■ジョエルの日記
・世界中の動植物や化石の類を、故人の研究のために集めた、初代のジョエル・ゴルドシュミットは、生物の進化に興味を持った。
・初代ジョエルはアイスランドに伝わっていた奇妙な女性のミイラ、通称「SAYA」に興味を持ち、1833年4月8日、SAYAを動物園に運びこんだ。
・人類とは異なる特徴を持ったSAYAは、腹部に二つの繭を宿しており、偶発的な出来事がきっかけとなって、繭に血を注ぐと反応することが明らかになった。
・1833年8月4日、繭から二体の女児が誕生。外見は生後2月程度の人間の乳児と変わりはなかった。
・一体(後のDIVA)は実験対象として名も与えられずに薄暗い塔に幽閉され、一体はサヤという名を与えられてジョエルの家族として自由に育てられた。
・DIVAにとって、初代ジョエルは冷酷な研究者であり、塔から見える風景と世話をしにくるジョエルの助手、アンシェルだけが彼女の知る全てだった。
・1863年6月2日、ある程度以上は成長の兆しが見られないサヤとDIVAを見た初代ジョエルは、彼女たちが人とは異なる生物であることを確信。ジョエルは時が止まった彼女たちを見て、軽い衝撃を覚える。
・彼女たちの血は彼女たちの身体を異常な速さで治していくが、二人の血が混ざると猛烈な速さで結晶化をはじめ、最終的には粉塵となって散ってしまう。
・初代ジョエルは彼女たちの全てを知ろうとしたが、老いたジョエルには時間的な限界があったため、研究対象を彼女たちの生殖能力に限定することを決め、屋敷に彼女たちの花婿となる人間、ハジを用意した。
・実験によって彼女たちが受胎した場合、初代ジョエルは彼女たちを標本にして時を止めようと考えていた。しかし、結果として時を止められたのは、初代ジョエルを初めとするゴルドシュミット一族。
・1883年のとある日曜日。ジョエル72歳の誕生日。通称、ボルドーの日曜日。何者かがDIVAを解き放ったことで、動物園は地と炎に彩られ、そして、ゴルドシュミットの時は止まった。
■サヤの記憶
・ジョエルの日記には、ボルドーの日曜日についての詳細は記されていないが、サヤはその記憶を有している。
・1883年、ボルドーの日曜日。長い間、どこからともなく聞こえてくる歌声の主を探していたサヤは、歌声の主が幽閉されている塔を発見した。
・サヤは名も与えられていなかった歌声の主にDIVA(歌姫)と名づけ、ジョエルを驚かそうとしてDIVAを解放してしまう。
・開かれた運命の扉。
■私…怖い
ぐらす的には、ここが30話の見所の一つでした。ひょっとすると、BLOOD+全体を読み解く鍵かもしれません。
DIVAは外に出ることを「怖い」と言いました。友だちになろうと語りかけるサヤに、青い薔薇を贈るDIVA。塔の外に出ることを「怖い」と呟くDIVA。
では、DIVAを怖がらせたものは何なのでしょう。
それが、それこそが、DIVAを殺戮へと駆りたて、ボルドーの日曜日を炎で焼きつくし、以降の世界を血で染めたものの正体なんだと思います。
DIVAが恐怖したもの。それは 人 ではないでしょうか。
■BLOOD+というたとえ
22話でサヤが呟いた「私、ジョエルにあげるものなんて、なにも持ってないもの」を聞くに、DIVAの歌声をジョエルに聞かせてあげることこそが、他にジョエルの誕生日を祝う術を持っていなかったサヤにとっての、ジョエルに贈るサプライズプレゼントだったと思われます。
そんなサヤの善意が初代ジョエルを死に至らしめることになるのですから、なんとも皮肉きわまりないのですが、視点を変えてみると、初代ジョエルを死に至らしめたものは、初代ジョエル自身の冷酷な所業であるように思えます。
50年の長きに渡って、研究のためにDIVAを苦しめつづけた初代ジョエル。その冷酷な所業が、人の持つ残忍な一面が、DIVAに「怖い」と言わしめ、ボルドーの日曜日を炎で焼き尽くし、二回にわたる大戦へと世界を誘い(ベルヒテスガーデンの伏線)、今また、人という種を破滅へと追いやろうとしているのではないでしょうか。
というのがBLOOD+の作品世界であり、制作サイドがBLOOD+という「たとえ」を通じて描こうとしている、現実世界の姿、現実に存在する人の醜さ、現実世界への問題提起なんじゃないかなぁ。
■太陽と月
ですが、初代ジョエルは、冷酷な研究者としての顔だけを持っていたのではありません。初代ジョエルが生み出したものは、人への恐怖だけではありません。
初代ジョエルがサヤに与えた、人としての生活、人の優しさ、人の温もり。最終的には標本にするつもりだったようですから、それだけでないことも確かですが、初代ジョエルが与えたわずかな温もりに囲まれて育ったサヤは、わがままではあるものの、育ての親にプレゼントを贈ろうとする優しさを持った少女に育ちました。
因果が応報すると言うのならば、初代ジョエルがサヤと過ごした温かい時間もまた、初代ジョエルのわずかな温もり、人が持つ情愛の一面が呼び寄せた、初代ジョエルへのプレゼントなのではないでしょうか。
そういう意味では、結局、翼手そのものはニュートラルな存在なのかもしれません。現にDIVAも、今でこそ命を奪うだけの存在ですが、サヤと初めて出会った時、DIVAはサヤに青い薔薇を贈っています。薄暗い塔に50年も幽閉されつづけ、人間的なものは何一つ与えられず、獣同然に育ったDIVAであっても、誰かに何かを与えることがある。そう描かれました。
翼手そのものは、本来はニュートラルな存在である。翼手は鏡、翼手は月。人を襲うことがあったとしても、それはあくまで生物としての性。生きるために他の命を糧としているだけのこと。人を滅ぼすほどの激情は、鏡面に向けて人が放った負の感情を反射し、輝いているにすぎない。
こんな感じなんじゃないかなぁ。
■大丈夫、私が一緒にいてあげる
人の温もりに育まれたサヤは、翼手を憎み、殺そうとする。その瞳の色は、赤。人の冷たさに凍えながら育ったDIVAは、人を恐れ、殺そうとする。その瞳の色は、青。それぞれがそれぞれに、人の一側面を表す色なんでしょう。
でもね。そんな対称的な要素が混在しているのが人だと言うのならば、どちらかがどちらかを全否定するなんてこと、簡単にはできないと思うんですよ。
少なくとも、サヤの視点に立ってみると、第2クールから今に至るまで、サヤは人が持つ冷たさを知ったでしょう。冷たさだけでないことも知ってはいますが、冷たい部分があることは否定はできない現実だと思われます。である以上、赤が青を一方的に塗りこめ、赤一色な結末に至るというのは、想像しづらいものがあるような。
では青一色な結末に至るのかというと、それはそれで微妙かなぁ。塔に幽閉されていたDIVAがサヤに青い薔薇を与えたシーンと、サヤの「大丈夫、私が一緒にいてあげる」が引っかかるんですよ。DIVAはDIVAで、青の存在だけでなく、赤の存在も知っているんじゃないかなぁ。
もちろん、赤一色な熱血路線もありですし、青一色な現実路線もありなんですけど、赤が青を、青が赤を知った(知っていた)という描写を踏まえるなら、どちらか一色が勝利するという結末よりも、相反する二色が何らかの形で止揚していく展開が綺麗なように思えます。さらに最期が「大丈夫、私が一緒にいてあげる」な感じに収まったら、原点回帰燃えも重なって、相当に綺麗なんじゃね?
■歌姫
今のところ、DIVAが歌うことの理由は見あたらず。なぜDIVAは歌うのでしょう? 何の歌なのでしょう?
サヤの記憶によると、DIVAは塔に幽閉されていた頃から歌いつづけていたわけですが、歌うことの意味がワカラナス。リクの聞こえちゃう症状も謎のままですが、なにか大きな意味を持ってくるのかなぁ。
■過去感想を振りかえって
- 8話感想 - 現実世界でのアメリカの非道行為を、物語世界での翼手利用によって「象徴」的に語ろうとしているのかなぁ。バイオ系の翼手利用と、ベトナム戦争や沖縄基地問題。ん〜、あまり「象徴」にはならんような…。どうするつもりだろ? 今回の「私…怖い…」から推測するに、翼手が象徴するのは、人が持つ負の側面、人の業になりそうな予感。
- 7話感想 - 血の絆、心の絆、家族、翼手の目的、自虐人間観、人間賛歌。そのあたりに目線を向けて話を追いかけて見る方向で。あ、あと、今のところカイが中途半端にヘタレなので、その辺の成長もチェキしてみよう。 だいたいそんな感じかなぁ。
■恐怖の対象
けれどDIVAは、暗い塔の中が全ての、一匹の獣同然の生活だったのです。空を飛ぶ鳥と、塔に巣くう蜘蛛、そして、世話をしにくる、ジョエルの助手だけが、彼女の知る全てでした。
ということで、アンシェルの正体が明らかになってきましたが、この状況にあってアンシェルだけを恐れない、憎まない、ってのはありえるかなぁ…。
アンシェルの目的は明かされず、どのようにしてDIVAのシュヴァリエになったかも描かれていませんが、妙な違和感というか。アンシェルとDIVAの関係がしっくりこないっす。
■ベトナムの真実
・1972年、ベトナムで翼手が目撃されたことから、赤い盾はDIVAの存在を確認。先代デビットに指揮を任せ、DIVAと翼手を根絶するための作戦を展開した。
・当時、サヤは繭に包まれて長期間の眠りについていた。
・赤い盾の調査によると、過去のサヤは、覚醒に際して必ずハジの血を口にしていたため、赤い盾はハジの血を使えばサヤは目覚めると考え、眠りについていたサヤにハジの血を注射した。
・不自然な方法で強制的に覚醒させられれたサヤは、暴走し、赤い盾の兵士を次々と惨殺していった。
・その後、DIVAの歌に誘われるようにして翼手の集団と遭遇したサヤは、カールを初めとするDIVAの眷族を倒していく。
・サヤの血撃を右手に受けたカールは、結晶化しはじめた右手を自分で切断し、そのまま逃走した。
・暴走をつづけるサヤは、周辺の村をも襲撃。止めに入ったハジの右手を斬り落として動けなくした後、抗戦する赤い盾の部隊や村人に襲いかかり、皆殺しにした。
・米軍の救援部隊が駆けつけた時には、サヤは再び眠りにつこうとしていた。
・まだ息のあった先代デビットは、事の詳細を告げた後、信頼のおける部下、ジョージ・宮城にサヤを委ねた。
・これ以降、DIVAの行方は途絶え、赤い盾はサヤの目覚めを待つことになる。
■因果応報
ここでも、サヤを暴走へと奔らせたものは、赤い盾による強制的な覚醒(人の行動)であったことが描かれています。サヤは自分の責任だと考えていますし、そう考えてしまうのも仕方のないことなんですが(暴走はしていても記憶が残っている、つまり意識はあったようですから)、物語を俯瞰的に見るかぎりでは、赤い盾(人)の責任でもあるよね。
このあたり、どう扱ってくるのやら。
■全てを終わらせるために
現ジョエルは、昨日を振り返るのではなく、全てを終わらせ、明日の平和を勝ち得るために、名を継いだ。過去ではなく、未来を見つめる「人間」として。
サヤは、全てを終わらせ、過去の約束を叶えるために、翼手と戦うことを再び決意した。今日と明日を生きる「人間」としてではなく、過去の約束に回帰して。
ボルドーの日曜日、1972年のベトナム、父とイレーヌの死。過去の罪に囚われ、未来に生きることを諦めたサヤ。人としてではなく、翼手を滅ぼす力を持ったもう一つの怪物として、翼手と戦う。
隔たる想い、別つ道。全ての終わりに待つものは…。
人として生きることを諦めたサヤとカイとの隔たりが、ラストシーンに感じられて、もう つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚ なわけですが、その裏では、DIVAサイドの策謀も進行中。赤い盾の襲撃が、サヤたちに何をもたらすのか。誰かが死んでもおかしくない状況ですが、ある意味で、サヤの想いが好転していくポジティブなきっかけにもなるんじゃないかな。などと思いつつ、次回が待ち遠しいです。
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BLOOD+ 第31話 〜 壊れゆく盾 〜 |
朝日の中で始まった31話。リッくんのナイスフォローをきっかけに、前回のラストを一気に引っくり返してきた感じなんですが、ナイスフォローを見せてくれたリッくんが標的にされてヤヴァげな感じ。他にも裏では闇が侵食中です。
なお、この感想を書いているのは32話まで視聴済みですが、見ていないつもりで脳内処理してみました。33話以降はとりあえずデータを保存してありますが、現在は未視聴状態。うぷし終わったら早速33話を見てみる方向で〜。ワクワクですよー。
■兄×妹=?
買い物→荷物持ち→カフェで一休み。気分転換も兼ねつつ、サヤはカイに気を使って明るく振舞っているようですが、カイは素直に付き合うことができず、ネガティブオーラを出しまくり。そんなカイに、リッくん、ナイスツッコミですよー。
ガキっぽいのが嫌なのはわかりますが、相手のためを思ってガキっぽく振舞うのも、ある意味で大人なリアクションでしょう。相手の立場になって考えれ、というジュリアの忠告が思い出されるところです。
もっとも、カイが躊躇うのはそれだけとも思えず。前回のラストで、サヤとの間にある圧倒的な溝をなんとなく知ってしまったんじゃないかな。ガキっぽく素直に仲良くしたとしても、サヤがそれを受け入れてくれるかどうかビビっている、ってな部分もあるんじゃまいかん?
This Loveになぞらえるなら、ガキっぽく素直に仲良くしても受け入れられないかも?と考えてしまい、選択肢を狭めてしまっている感じ。受け入れられるかどうかわからなくても、なんでも良いからやってみようと思うことで、This Loveで謳われている「愛を自由にする」「私を自由にする」な感じになるんじゃないかなぁ。
これ、今月号の月刊マガジ掲載「C.M.B」にも同じようなネタがあったかも。世間知らずの天才児が、自分が運営している博物館の来客数を増やしたくて知り合いのおばさんに相談したところ、おばさんは「友達を作ればお客さんになってくれる」とアドバイスするのですが、天才児はそれを「お客さんに来て欲しいなら友達を作ればいい」と解釈して行動してしまう、という話です。順番が逆なんじゃね?みたいな。まぁ「鶏が先か卵が先か」みたいなもんで、局面によっても是非が分かれるところですから、一概にどっちが良いとは言えないんですけどね。
■機械×オデブ=?
自分の正体、本質、過去を受け入れたサヤですが、精神的には16歳の女の子にとって、傷つけてしまった人の痛み、悲しみを想像すれば、そのことで自分自身も傷つくことになる。
前回のラストを見るに、サヤはカイ(人間)と距離を置こうとしている節があります。人との絆に支えられているのではなく、過去に自分が傷つけてしまった者たちへの贖罪、数多の命を奪ってきた自分への罰、眷属であるハジやリクの存在といったものが、今のサヤを支えているのではないでしょうか。
では、そういった「支え」を失ったとき、サヤはどうなるんでしょう? それでも「けして崩れるわけにはいかない」と突き進めるのでしょうか?
■わがまま×変態=?
おもちゃの人形をボコボコにいじめているDIVA。甘やかす変態仮面に対して「欲しいものができたの」「あの子が、欲しいの」とぶっちゃけます。
わがまま×変態=やりたい放題。下手に力を持っているだけに、やりたい放題しはじめたら歯止めが効きませんよー。アンシェルは三日後の襲撃を予定しているようですが、そんな予定を華麗にスルーするのが「わがまま×変態」のパワーです。
ヤバイヨヤバイヨー
■先生×生徒
翼手の研究を人類の未来のために有意義に使って、研究者としての資質を花開かせるチャンスを狙うコリンズ。赤い盾による翼手研究の内容は翼手殲滅とともに消えていくべきだと主張するジュリア。場所が場所なだけに、交渉が決裂したらどうなるのか怖すぎっす。
赤い盾としても、翼手研究の主軸を担う二人を絡め取られて、翼手打倒への動き(D塩基の研究)を封じられているような状態です。研究の主軸を担う二人が、一人は裏切り、一人は人質では、たとえ襲撃をやりすごしたとしても、動くに動けないでしょう。ヤヴァスー。
それと、オデブとの会話を聞くに、デビットはジュリアを女性としては見ていない感じですが、いざジュリアがピンチだとわかったらどう動くんでしょ。ちょっと興味津々。
■飴ちゃん×おっぱい
大学の同窓、旧知の仲みたい。ジュリア曰く「あなたには嫌われていると思ってたわ」。ヴァン曰く「美しく聡明であり、在学中にコリンズ教授の研究室にまで入ることのできたあなたに、嫉妬していただけですよ」。過去に何があったのやら。
コリンズ、ヴァン、ジュリア。科学者チームの思惑、動向、科学者としての知的欲求、人間としてのモラル。メインテーマに絡めたサブエピソードを一本、作れそうなネタフリですよー。
■機械×内通者
襲撃計画をチクって「サヤを殺したくない」とぶっちゃけるソロモン。動物園でもアンシェルの意に背いてサヤを守る行動に出ていましたが、ここでも襲撃を予定どおり実行する(アンシェルの計画に従う)のではなく、サヤを守るための行動に出てきました。今のところアンシェルは許容しているようですが、ラスト付近でDIVA&シュヴァリエサイドとサヤたちと拮抗したとき、アンシェルは不確定要素のソロモンをどう処してくるのかなぁ。最終的には決定的な決裂につながりそうな気も…。
■今度はカイ兄ちゃんも、ちゃんと笑顔でね
笑っているサヤ、笑っているリク、笑わないカイ。この写真。背後に流れる不吉な音楽も相まって、三人が共に過ごした時間を象徴するアイテムになりそうですが、裏を返すと、誰かが消えることを暗示してもいるわけでして。というか、これを書いている時点で33話も見終わっているので、誰が消えるかも知っていたりして。はふぅ…。
■CM-アレクセイ
アレクセイ・ロマノフだよね、たぶん。ラスプーチンとの関係、血友病。過去ロシア編を見ると、皇女アナスタシアもDIVAだったみたいですから、ロマノフ朝にはかなり深く翼手が食い込んでいた(という設定な)んじゃないかな。
■至急本部に戻る
本部が襲撃されるのに本部に戻るってのがよくわからんちん。もちろん、3日後に襲撃があるというなら、今は戻っても問題ないわけですが、そこまでソロモンの密告(3日後)を強く信じたってこと? そこはかとないご都合主義(DIVAとカールが赤い盾の本部を襲撃した場面にサヤたちを同席させたかった)のかほりが…。
■これは…これは…一体どういうことよ!!?
真央の言うように「カイってば、また消えた」という別離モードではありますが、襲撃される赤い盾と行動をしないということは、まず間違いなく生き延びることができるわけです。まだまだ役割を与えられそうな気配ですよー。もしくは、ベトナム編のムイみたいにフェードアウト一直線か。
■破壊者は我々盾の人間なのかもしれないのだよ
コリンズは「それに、私たちが戻るべき場所は、じきになくなる」と言っていますから、コリンズは襲撃計画を知っているということになります。知っていて赤い盾に知らせないわけですから、コリンズは襲撃計画を、ひいては赤い盾の壊滅を支持しているということになるでしょう。密告者はコリンズってことで良さそうな気配です。
コリンズによると、動機は「翼手を滅ぼすことが正しい道だと、君は思うのかね」「人を超え、自然界がもたらした新たな種の可能性がある翼手を、一部のエゴのために滅ぼすことが、果たして許されることなのか」「破壊者は我々盾の人間なのかもしれないのだよ、自然の摂理ではね」ということらしいです。
人を滅ぼす翼手が悪か、自然の摂理に逆らう赤い盾(人間という種のエゴ)が悪か。どんな答えを出すかはわかりませんが、人の法やモラルではなく自然の摂理云々で言うならば、生き残った方が種として生き残るだけの力を持っていたってことになるんじゃないかな。それが「正しい」ことなのかどうかは別として、それが「自然」なんだと思います。
■総帥は、研究に対する資金の提供は、惜しまないとおっしゃってますよ
コリンズがジュリアを同行させたということは、D塩基の研究ということになるのでしょうが、アンシェルはD塩基を研究させてどうしたいのでしょう。デルタ計画を先へと進めるために必要なんでしょうが、デルタ計画の目的はなんなのやら。加えて、デルタ計画とは別に、DIVAを利用しての計画も算段している気配。アンシェルの最終目的はなんなんでしょ?
■これでは、戦術に狂いが出る
コリンズを篭絡してデルタ計画を進めようとしていたアンシェルですが、DIVAとカールの暴走で計画に狂いが出たためにコリンズとの会談を中止。ソロモン同様、DIVA&カールもアンシェルにとっての不確定要素になっています。アンシェルの目的と、ソロモンの目的、DIVA&カールの目的。微妙な三者のすれ違いが、ラスト付近でどんな意味を持ってくるのか。シュヴァリエサイドも一枚岩じゃないですよー。
とまぁ、そんな長期の伏線に感じられつつ、当面の問題としては、ソロモンの密告を信じて3日後の襲撃に備えていた赤い盾の予想を裏切る、ワガママお姫様と変態仮面の襲撃です。15話感想の「私を連れて逃げて」の項で、真央について「このお嬢、かなりの行動派ですよー。こういう力技キャラは論理的な封殺が効かないポジションにいるんで、打つ手を封じられて袋小路に追い詰められたときの切り札になるかもー」とか書きましたが、真央ではなく歌姫と変態仮面の「力技」によって「論理的な封殺が効か」ずに急転直下の展開へ。サヤ&赤い盾は一気にピンチ。赤い盾は100人に満たない程度の数だったと解説されていた気がしますが、さっくり10人くらい死んどるがな。まじヤヴァス!
■サヤの苦しみは、サヤにしか背負えません
サヤの苦しみを背負えないハジは、周りの人間は、黙ってサヤの傍にいるだけ。たとえ何もできなかったとしても、たとえ傍にいることで相手を傷つけてしまったとしても、それでも傍にいて一緒に生きることが大切なんだ。
これ、人間関係の真実の一つじゃないかな。別にサヤに限ったことではなくて、ニュータイプではない人間は他の人間の苦しみや悲しみを本当の意味で知ることはできなくて、それでも一緒に生きようとするわけで。
わかりあえるから一緒に生きるのではなく、わかりあえないから一緒に生きる。たしかに、相手とわかりあうことができないのは人間の未熟さ、不完全さなんですが、それでも相手を大切に思って一緒に生きようとする想いってのは、わかりあえない壁を乗り越えて人と人とを結びつける「絆」になると思います。
確かに人は未熟で不完全な存在です。ですが、そんな「絆」がある限り、ひとりの人としては無力でも、人と人との間で生きる「人間」は無力な存在ではない。By英雄伝説-空の軌跡SC。
■笑顔
笑顔でグラブを差し出すリクがメラかっこ良すぎ。そんなリクの笑顔にほだされて(漢字に変換すると「絆されて」)、キャッチボールを始めるサヤとカイ。
自分から自分の過去を告白し、決意を語るサヤ。それを受け止めた上で、何もできなくてもサヤの傍にいることを誓い、原点である「沖縄に帰ろう、三人でな」に回帰するカイ。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
メラ綺麗なんですが、さらにキャッチボールというのが追い打ち。1話でジョージとリクがキャッチボールしてるところにサヤが駆け寄るシーンがあったのねん。今はジョージはいないのですが、ジョージのかわりにカイがいて。カイはジョージの役どころをまっとうできていて。そんな家族の姿で原点回帰をアピールしまくるもんだから、そりゃもうメラ燃えしまくりです。
が。
背景は夕暮れ。キャッチボールは失敗。想いをこめたボールは海に落ち、家族の周りに漂う戦いの気配。そして…
■あの子はどこ?
燃やして燃やして頂点までひっぱりあげといて、どん底に叩き落すぜ!な襲撃スタート。
32話の感想は顔文字だけで表現したアレが一番わかりやすいと思うので、アレだけにとどめておきますが(手抜きじゃないですよ)、内容整理の分をここで軽くフォローしてみると、今回のキャッチボールでカイは原点に回帰したわけですが、サヤは回帰できていないんですよね。いや、回帰した原点を再び奪われたと言った方が良いのかな。
呪われた自分の血が、翼手の血が、ジョージを殺し、イレーヌを殺した。自分が生きているだけで、周囲の人間を破滅へと誘ってしまう。だから人間とは決別しよう。と考えたのが30話のラストで描かれた断絶なわけで、今回そこから原点回帰して家族に戻れたものの、次回の32話では、回帰できた家族の絆を、翼手の血が再び断ってしまいます。
自分の血がリクをシュヴァリエに変えてしまい、シュヴァリエになったリクはDIVAの血で死んでしまった。カイはそのことを受け止めてくれるかもしれないけれど、そのカイにしても、翼手同士の戦いに巻き込めば死なせてしまうかもしれない。
これまで何度も呪われた血のサガを見せつけられてきたサヤからすれば、そう考えるのが自然だと思います。ですから、32話のラストから1年経った後、33話以降の展開では、サヤはこの状態からスタートすることになると思われ。もう誰も翼手同士の戦いに巻き込みたくない。だから、もう誰とも交わらない。交わるとすれば、翼手であるハジとシフくらいになるんじゃないかな(シフはそれまで生きていればの話ですが)。
そして、それこそがDIVAの狙いだと思われ。自分を薄暗い塔の中に監禁し、辛く苦しい生を強要してきた人間への復讐。自分が絶望的な生を強要されてきた横で、穏やかな生を享受していたサヤへの復讐。世界への復讐。自分と同じ運命の下に生まれたはずのサヤにシンパシーを感じながら、自分と同じ運命の下に生まれたはずなのに一人だけ満ち足りた生を甘受してきたサヤへの憎悪を抱く。それがDIVAの核なんじゃないかなぁ。
といったところで31話の感想終了。32話の感想は↓なので、実質、これが前半パート最後の感想になります。カイは水面付近まで浮上してきた感が漂いますが、サヤが猛烈にネガティブモードに突入していくと思われ。それとともに、DIVAの真の狙いも明らかになっていくと思われ。
これまで伏線を貼っておいた分、ガッツリ伏線を回収していく展開になるでしょうから、かなり気持ち良く視聴できるんじゃないかと思います。もっとも、ドロドロっとした各キャラの心の闇に切り込んでいくことも増えるでしょうから、そういう意味ではディープに凹むこともあるかもしれませんけどね。
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BLOOD+ 第32話 〜 ボーイ・ミーツ・ガール 〜 |
( ゚д゚)
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BLOOD+ 第32話 〜 ボーイ・ミーツ・ガール - 生感想 - 〜 |
メイン感想は↑の5文字で終了です。マジで。
とはいえ、さすがにアレなんで、生感想(視聴しながらメモ書きした感想)をうぷしておきまするー。
テキトーに見てちょー。
変態仮面が調子にのってるー。
あの歌だ。聞こえちゃうリッくん。
絶対、帰ってこいよな。全てを終わらせたら、三人で。閉じる壁に断絶の気配。
余裕たっぷりのDIVA。お供はシュヴァリエ一体。軽いノリで来た感じ。それでも人間では叶うわけもなし。赤い盾って百人くらいしかいないとか言ってなかったっけ? 戦力激減です罠。
あなたはどこにいるの? リッくんに声が届くことをDIVAも知っているみたい。場所を探知することもできる様子。心臓の鼓動を聞いている?
その顔が見たかったよ、サヤ。変態ですよー。僕の心は変わっていない、君一筋だ。変態ですよー。もう変態仮面様が大好きすぎー。
変態vs無口。戦闘力は変態が上。新たに装着した右手のパワー。
デビットのところまで行けば、って、デビットのところにサヤがいなけりゃ意味ないような。
DIVAは遊びながら追いかけっこ。巻き込まれた方はたまらん罠。
変態仮面の新しい右手。赤い爪みたいなのが無限生産できる?ようですが、それくらいならシュヴァリエの素の変身能力で可能な気が…。
ジョエルとデビットは作戦会議室で行動中。DIVAがその気になれば、そんなところじゃ防御シェルターにならないような。
自爆アタックをしかけることに決定。
シュヴァリエである前に、カイとサヤの家族。
自爆装置が作動。と艦内放送。DIVAにも聞こえちゃうでしょ。意味ないじゃーん。っていうか、艦の自爆くらいでDIVAは死ぬのか?
強くなる。
あなたに会いに来たの。いやーん、逆レイプー。
って、マジかー!!!!!
お笑い変態仮面で和んでいたところに、あっさりリク死亡。変態仮面を笑いながら見てたら、一気に極悪な展開に。
見てる側としては覚悟もなにもあったもんじゃないっす。イレーヌの時以上にorz
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BLOOD+ 第33話 〜 信じるチカラ 〜 |
久々にメインで登場した変態仮面の笑撃的な活躍を前にケラケラ笑っていたところ、一転してシリアスにどん底まで突き落とされて( ゚д゚)ポカーンだった32話でしたが、今回からはそれから1年後の世界。
舞台はロンドン。久しぶりの雑魚翼手が妙に懐かしいっす。メインは一年経過したことによる各自の変化かな。色々と変わっているみたいなんで、気がついた部分をチェキチェキ。とりあえずカイが色々と頑張ってるみたい。っていうか、サヤの血でもないのに翼手が倒せるの?な33話感想をドゾー。
■タイトル色
タイトルの背景色が青から黄、文字の輪郭色が赤から緑に変化。何の意味があるんだろ?
■ロンドンに在りてはホームズのように振るまえ、だ
カイはオデブと一緒にロンドンで行動中。アバンで雑魚翼手と戦っていたのは、SAS(英国陸軍特殊空挺部隊)らしいです。世界最強と言われる正規軍隊をもってしても雑魚翼手一匹に苦戦するほどですから、人間の戦力ではシュヴァリエクラスに敵うわけもなく。という現実を見せつけるためのシーンだったと思われ。
ちなみに、現在でも翼手を倒せる兵器は開発されていない様子。オデブは「ロンドン丸ごと空爆ってことにならなきゃいいけどな」と言っていますが、空爆しても倒せる保証はなかったりする罠。
それと、気になったのは、オデブの台詞の中に登場した「クロデインヒルのお偉方(?)」です。赤い盾は壊滅状態にあるようですから、現在はその「お偉方」が対翼手の音頭をとってるのかな?
■少年少女
現在のカイとオデブは、数人の少年少女&犬と住まいを共にしているらしいっす。モニーク、ファビア、ナハビ。名前がわかっているところでこのくらいかな。
院長のおっさんの説明によると「あの子たちはなぁ、みんな世界の戦争で親を失った孤児たちだ。ここは、その孤児たちが正式な里親に引き取られるまでの一時養育所だ」とのこと。院長のおっさんは、自ら「軍隊にいた頃、俺が育てた子どもたちは、今じゃぁ敵味方に分かれて世界中で殺し合いをしてる」と言っていますから、元は兵士の教官だったみたいです。昔のデビットの写真もありますから、デビットは院長の元生徒なんでしょう。
臭いと言われたカイが「ちょっとお化け退治に行ってただけなんだけどな」と返したところ、ナハビが「お化け!?」と驚いていますから、少年少女たちは翼手の存在を、ひいてはカイの対翼手活動を知らないと見てよさそうです。養育所は翼手退治の動きとは関係なさそうですが、ほのぼのとした日常の典型がこの養育所ですから、ギャップを利用するようにして非日常、つまり翼手との戦いに巻き込まれそうな雰囲気たっぷりですよー。この新しい「家族」「日常」は、カイたちに何をもたらすかねー。
■カイの一年
新しい住まいでの生活を見るに、カイは以前の「アブない少年」から一皮むけたようで、上手いこと少年少女たちと戯れることができているようです。子どもたちも懐いているみたい。
そのことを評価されて「たぶん俺もまだガキだから」と謙遜するカイに向かって、院長らしき人も「子どもの口から出る台詞じゃねぇな」と返していますが、ゆとりを感じさせるその返答は、周囲を顧みることができなかった以前のカイとの違い、あの最後のキャッチボールから曲がることなく成長をつづけたカイの「今」が感じられて、静かに熱いっす。
■igniter
そして、カイの一年はそんな内面の成長だけに使われたのではなく、想いを全うするための力を得ることにも使われていたようです。実弾を使った訓練ができるでもなく、技を磨きあう仲間がいるでもなく、何もない倉庫の片隅で修練を積んできたカイ。孤独に見えるも、その胸には絆の証たる赤い結晶が輝き、写真の中には家族の笑顔が光る。
そうして、家族と共に戦う日が来ることを信じ、苦境を前にしても諦めることなく、家族と共に修練を積んできた末に得た、赤と緑の切り札。となれば燃え燃えモードに突入してもおかしくないのですが、ぶっちゃけ、あの程度の銃弾が数個まとめて爆発したところで、翼手に対して決定的なダメージを負わせることなんてできないんじゃね?と思ってみたり。
■あの手の男は、心根が強い分、曲がるんじゃなくて折れちまうのさ、ポッキリとな
本来の名前を捨て、デビットの名を継いだ現デビット。本来の自分を捨て、翼手殲滅の戦いに身を投じたデビット。赤い盾の目的を遂行するために生きているように見えて、実はその目的に支えられて生きていた。それが、デビットという男の真実だったようです。そして赤い盾を失った今、支えを失って折れたココロは、喪失感と自己憐憫に囚われて酒の海を漂っている、と。
■これが俺たちの生きる世界だ
翼手殲滅という目的、赤い盾という手段。そう思っていたものが、いつしか手段と目的が入れ替わってしまっていたデビット。手段ではなく目的となってしまった赤い盾が壊滅し、酒浸たりになってしまったわけで、そりゃカイにも「逃げてんじゃねぇよ!」「家族ごっこをしてたのは、あんたの方じゃねぇのか!」と言われる罠。
サヤの苦しみがわからなくても、サヤと共に生きることを決意したカイ。赤い盾を失ったら、翼手と戦うことを諦めたデビット。そんな二人が積み重ねた一年の差が、想いの差が、重い一撃となって突きつけられたわけですが、そんな現実を見ても、折れたココロは欠片も動かず。
オデブでも、ジョエルでも、カイでも動かせないココロ。デビットが「見失って」しまった「心が強くあり続けるため」に必要な「それなりの理由」。折れたココロを動かすチカラになるのは、デビットが強くあり続けるための理由となるのは、サヤの復活か、それとも…。
■車椅子
串刺しの一撃で頚椎をやられたのか、ジョエルは車椅子状態。カイに会ったときの言葉が「やぁ、久しぶり」ですから、頻繁にカイたちと出会っているわけではないようですが、あんな体になっても出来ることはやっているようです。
そんなジョエルとは真反対に、体は無問題でもココロが折れているのがデビットでして。ジョエルの名を継いだジョエル、デビットの名を継いだデビット。似た者同士で親密な関係にあった二人の「家族」は、今は言葉を交わすことすらない状態です。そんなデビットを見て、ジョエルは「デビットは僕のことを憎んでるだろう」と言いますが、どうなんかねぇ。もともと誰よりも似ている二人ですから、デビットがジョエルを憎んでいるとしたら、それはジョエルと同じく何もできなかった自分自身を憎んでいるってことになるんじゃないかなぁ。もっとも、今のデビットを見ていると、憎しみの感情を抱くほどのエネルギーすらないように見えますけど…。
■ジュリア・シルバースタインの行方だが、コリンズと共にアメリカに渡ったらしい
赤い盾の科学者ペアは翼手サイドに転向。後半パートを見るに、ヴァンと共に「コープスコーズ」なる生体兵器を開発していたようです。コープスコーズは雑魚翼手とは一線を隠す戦闘力。パッと見もそうですが、ヴァンの「最新の遺伝子工学が作り上げた生物学的ロボット」という説明からも、アイスランドの研究所(遺伝子操作を研究)で創られたシフたちの発展系なんじゃないかな(シフがコープスコーズの実験体だった、という方が正しいかもしれませんけど)。
ちなみに、コープスコーズに指示を出すのがジェイムズ、そのジェイムズにアンシェルは「デルタ計画も順調と聞いている。完璧だよ、ジェイムズ。さすが君のやることに間違いはない」と語っています。デルタ計画「も」という表現から、コープスコーズ開発とデルタ計画は別々の計画であること、コープスコーズ開発もデルタ計画もジェイムズ主導で推進されていることが伺えます。ヴァン、コリンズ、ジュリアは、ジェイムズの指揮下で研究をしていると思われ。
他に気になったのは、雑魚翼手の死に方かな。コープスコーズに首をはねられて活動停止。ひょっとしたら生命活動は停止していないのかもしれませんが、とりあえず動きを止めることはできるみたい。その手の攻撃を可能にする武器があれば、人の手でも翼手を倒すことができるのかな?
■これでもう、兵器としては不安定なサヤに頼る必要もない
コリンズによると、コープスコーズの完成によって「サヤに頼る必要」はなくなったということですが、逆に言えば、コープスコーズが完成するまでは「サヤに頼る必要」があったということになります。
サヤは翼手に対抗する戦力ですから、その「サヤに頼る必要」がある行為というのは、必然的に、対翼手、対シュヴァリエ、対DIVAの戦闘ということになるでしょう。そんなサヤの代用として開発されたコープスコーズもまた、対翼手、対シュヴァリエ、対DIVAの戦闘を目的に開発されたということになります。実際、ヴァンもコープスコーズを対翼手の切り札として日本の軍備責任者と思しき人物に売り込んでいます。
ですが、アンシェルとジェイムズの会話を聞けば、コープスコーズ開発はシュヴァリエであるジェイムズ主導で行われていたことがわかります。つまり、コリンズたちはシュヴァリエ主導で対翼手の兵器を作ったってことになるわけです。さらに言えば、そもそも翼手はDIVAの血が生み出す存在ですから、彼らは自分で放火しておきながら自分で消火器を売りつけるような自作自演をしていることになるわけです。
シュヴァリエはコープスコーズを各国軍部に売りつけて何をしようとしているのか。と考えようとしたところで、現状ではほとんど手がかりがない状態ですが、そうなると気になるのは27話で語られた「ベルヒテスガーデン」かな。ロシア革命やベトナム戦争とあわせると、戦争の真っ只中で何かを画策しているよな、戦争そのものを画策しているような、そんな気配を感じるんですよ。具体的な狙いまではわかりませんが、その目的のためにコープスコーズを売り込んでいるんじゃないかなぁ。
■凸凹コンビ
ヴァンの「ロンドンじゃ、色んな噂が立ってるでしょ。生物テロだの、猟奇殺人だの。伝染病って噂も流れはじめている」という台詞にかぶせて、1年前に置いてけぼりにされた凸凹コンビがフレームイン。どうやらカイと同じようにロンドンで調査を続行しているようですが、カイたちとは連絡を取りあってるのかな。あいかわらず真央が岡村のタバコをボッシュートしていて、ちょっとワラタ(笑)
■わかりました。私は首相から、この件における全権を委任されております
ジェイムズが米国軍人としての顔を持っていることから考えて、コープスコーズ開発の部隊になったのは米国軍部、今回コープスコーズを仕入れに来たのは日本の自衛隊と推測されます。
ゴルドシュミットの元ネタになったロスチャイルドの話とあわせると、ロスチャイルドの祖はユダヤ人であるという理由から差別され、ゲットーと呼ばれる居住区に強制移住させられました。DIVAを薄暗い塔に監禁したというのは、これを暗喩していると思われます。
ゲットーで金貸し業を始めて身を起こしたロスチャイルドは(血の力で生きながらえたDIVAは)、血の絆に支えられて金融界で財を成し(自分の血から生み出したシュヴァリエに支えられて力を蓄え)、やがては世界に強い影響力を持つまでに強大化して、今に至ります。そのロスチャイルド(翼手)が今、兵器(コープスコーズ)を日本に売りつけている、みたいな例え話になってるんじゃまいかん?
■再会
1年の修練の成果、ジョエルから預かった赤い銃弾、オデブのヘルプ。上で「ぶっちゃけ、あの程度の銃弾が数個まとめて爆発したところで、翼手に対して決定的なダメージを負わせることなんてできないんじゃね?と思ってみたり」と書きましたが、まさにその通り。圧倒的な翼手の力の前に、何一つ通じないカイの力。カイの想い。そうして追い込まれたカイの前に姿を現す少女。
サヤ。
■キタ━(゚∀゚)━ッ!
って感じですが、前回の感想に書いたように、今のサヤは翼手同士の戦いに人間を巻き込みたくないと考えていると思われ。翼手の戦いに巻き込んで、ジョージを死なせたから。リクを死なせたから。もう大切な人を、カイを死なせたくないから。
ここでカイが修行の成果を見せつけ、翼手を撃退するほどの力を見せていれば、カイは「俺は死なない」とでも宣言できたでしょうが、現状では「シュヴァリエ>コープスコーズ>>>越えられない壁>雑魚翼手>カイ」ですから、そんなことは口が裂けても言えん罠。サヤも翼手殲滅の旅にカイを同行させるはずがありません。
ということで、音響的には盛り上げ系のアゲアゲ進行なんですが、物語的にはサヤとカイの間の圧倒的な溝を突きつけられたドン底モードだと思われ。ここから再び共闘するまでが色々と描かれることになると思いますが、その過程でカイが折れずに想いを貫けるか、サヤが溝を乗り越えて「沖縄に帰ろう」へと回帰できるか、それが3クール末〜4クールの見所の一つになるんじゃないかなぁ。
ですが、リク亡き今、二人の間に横たわる溝を埋める者は存在しません。31話ではリクの仲介があって「一緒に沖縄に帰ろう」と落ち着きましたが、仲介役は消えたどころか、さらなるトラウマ(もう誰も翼手との戦いに巻き込みたくない、巻き込めばその人を不幸にするだけ)をサヤの心に刻み込む最期を遂げてしまったわけで。
二人の間の溝がどう埋まっていくのか、埋まっていかないのか。キャラクターに感情移入すると、やり切れない切さに潰されそうになるかもしれませんが、物語を俯瞰的に見る分にはかなりワクテカな展開になると思われ。こうなってくると、いまいち盛り上がらなかった1クールから視聴を継続していて良かったなぁと思います。
そんなこんなで33話感想終了。32話でのリクの死、赤い盾の壊滅、1年の経過。怒涛の展開の中で押さえるべきポイントがいくつかありましたが、そんな今回を新たな起点として物語はどう転がっていくのやら。間もなく3クールが終了、4クールへと入ってくわけですが、最終的にはどうまとめるんかねぇ。
それと、繰り返しますが、32話の感想はアレで終了です。フォローが必要なところは追々フォローしていくんで、アレで勘弁してつかぁさい。
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BLOOD+ 第34話 〜 俺たちのいる世界 〜 |
あれから一年。前に進む者。立ち止まる者。それぞれに時を刻んできた時計の針は、今、同じ時を刻み、次の瞬間、別の時を示す。俺たちのいる世界。サヤのいる世界。重なる日は来るのか?な34話ですよー。でも、デビットとカイの針は重なったよね。
■紅の瞳
雑魚翼手との戦闘はサヤの勝利。ただ、スピードではサヤが勝るものの、パワーは雑魚翼手と差がないみたい。戦闘後も息があがってますし、あまり強くなってないような。コープスコーズ、シュヴァリエ、DIVAを相手にして勝てるようには見えないんですけど…。それとも、まだ力を秘めているのかな?
■「おいおい、一緒にやってきた仲間じゃないか。それとも、もう仲間じゃないってのか?」「敵ではありません」
というのが、現在のサヤとハジの立ち位置らしいです。カイが「サヤ…」と声をかけて近づこうとした時も、サヤは「こないd…」と拒絶していますから、一緒に戦うつもりはないと判断して良いと思います。
問題は、その理由。32話までを踏まえると、翼手同士の戦いに巻き込んでジョージやリクを死なせてしまったトラウマから、サヤは大切な人を翼手同士の戦いに巻き込みたくない、巻き込んでジョージやリクのような目にあわせたくない、とでも考えているんじゃないかな。
そして、それは後半パートで証明されてしまいます。サヤを追ってきた雑魚翼手の襲撃に、翼手とは何の関係もないモニークを巻き込んでしまう形で…。
■こないd…
突然スイッチが切れたように気を失うサヤ。このリアクションは初めてだと思いますが、ひょっとして、休眠期が近づいてる?
■倫理観など、時代の搾りカスにすぎん!
コープスコーズを前にして、生命を作りだす行為は神の領域を侵す行為ではないか、神を冒涜する行為ではないかと悩むジュリア。そんなジュリアに対して、神はその程度のことを冒涜とは考えない、神はもっと大きく絶対的な存在なのだから、人が生命を作りだす行為すらも許容するはずだ、神をもっと信頼するべきだと説くコリンズ。
うーん、どうなんでしょ。一理あるっちゃ一理あるような、一理ないっちゃ一理ないような。
人は曖昧な倫理を持っていますが、獣は曖昧な倫理を持ちません。獣には種の繁栄を何よりも優先できるように本能がインプットされていて、その本能に従って獣は生命を育み、他の生命を奪い、毎日を生きています。そんな獣の本能、倫理と比べると、人という種の倫理は常に一定してはおらず、時代によって、場面によって、人によって、形状を変えていく性質を持っています。
では、仮に人という種を絶対的に進化させうる手段が存在すること、その手段を実現するために現在の倫理に反する行為が必要であることが判明したとします。その時、人は現在の倫理に反してでもその手段を実現することが「善」なのでしょうか。それとも、現在の倫理に従ってその手段を放棄することが「善」なのでしょうか。
これ、デスティニープランと似ているんですよね。ぐらすの好きな英雄伝説でも「福音計画」という形で登場しますが、テクノロジーが進歩した社会で提起されうる議論のテーマとして、SF的な話では一つの定番とも言えると思います。前番組のDESTINYでも運命計画という形でネタになったところからして、竹Pあたりのライフワーク的なテーマなのかも?
■とれびあ〜ん
飴ちゃん大好きなヴァン。コープスコーズの戦闘実験を見ながら、上記のジュリアとコリンズの会話を盗聴して「とれびあ〜ん」発言です。コープスコーズの性能だけでなく、コリンズがジュリアを説得して納得づくで研究を続けさせることに成功したことも「どれびあ〜ん」なんでしょう。
ということは、ヴァンはジュリアの力を必要としていることになるのですが、コープスコーズは完成していますから、コープスコーズ研究においてはジュリアの力はもう必要ないと思われ。コープスコーズ以外の研究でジュリアの力が必要だと見るのが自然じゃないかな。
■「知り合いじゃないの?」「さぁな…」
飲んだくれデビットの前に、サヤ登場。復活の足がかりになるか?
■「これからまた一緒に戦える。ハジ、あんたもそう思うだろ」「サヤがそれを望むなら」
冒頭の「こないd…」からも窺えるように、サヤの望みは「一緒に戦う」じゃなさそうなのねん。
■目覚め
戦いの匂いなど感じさせないモニークが近づいたくらいで目を覚まし、目を紅に染めて戦闘態勢をとるサヤ。朝食をとりに台所に行く時もサヤは刀を手放しませんから、サヤにとってこの一年は、そういう一年だったわけですね。
■二人の家族
ただし、それほどの一年を過ごしてきたにもかかわらず、カイと卵をとりに行く時には、サヤは刀を手放すわけで。本当にサヤが戦いだけに生きるのならば、卵という生命の象徴を手にするカイ、刀という戦闘の象徴を離さないサヤ、といった具合に両者を比較するのが妥当だと思いますが、そうは描かれませんでした。
ならば、サヤはカイと話す時には、戦いから離れていることになります。口ではシビアに突き放すようなことを言っていますが、それがサヤの真実なんじゃないかな。
カイから卵を手渡されるシーンもそう。生命の基本たる食事、生命の象徴たる卵。どちらもサヤは拒みますが、カイから卵を手渡されかけたサヤがリクとのキャッチボールを思い浮かべた描写から、サヤは生命を手にすることを拒んでいるのではなく、手にした生命が失われてしまうことを恐れている様子が窺えます。これがラストシーンに向けたアクセントになっているのねん。
冷蔵庫に卵があるのを知っていて卵を取りに行かせるグレイがカッコいいのですが、そのネタフリをベースにサヤとカイの違いを描いた上で、それと併せて実はサヤとカイの距離はそれほど離れていないことを暗示する。( ゚Д゚)ウマー。
■そう、カイと私は違う。強さも、気持ちも何もかも。
前回、ジョエルから受け取った赤い銃弾を撃ちこみながらも、雑魚翼手を倒すことができなかったカイ。修練を積み、イグナイターという現状での切り札を使っても、結局カイは翼手を倒すことができなかったわけです。
それがあるために、サヤの「そう、カイと私は違う。強さも、気持ちも何もかも」が際立つわけですね。イグナイターという切り札を以ってしても、カイの強さはサヤに到底及ばない。カイとサヤの強さは圧倒的に違うんだ、って。
逆に言えば、このサヤの台詞を際立たせるために、イグナイターという切り札を使っても雑魚翼手を倒すことができないカイの現状を描いたのでしょう。贅沢を言えば、イグナイターの開発を32話以前から描いておいた方が長期的に伏線回収されることになりますから、なお良かったと思いますが、そこまでではなくとも、カイとサヤの力の差を具体的に示すという意味で、イグナイターのネタフリはさりげに良かったと思いまっする。
■あなたは違和感のベールを纏っているんですね。 ■そうだな、俺はどこにも馴染めない
どこにいても馴染めない。何をしても身に纏った違和感のベールを脱げない。ならば、せめてその手には、己が望む「何か」を持っていたい。生きるべき場所ではなく、生きたい場所で生きていたい。父から継いだ名、師から受け取った銃。自らの想いに殉じることを誓い、自らの意志で戦場に戻る。
キタ━(゚∀゚)━ッ!
■消える傷、消えない痛み
翼手につけられた脚の傷。大切な人を死なせてきた心の痛み。傷は消え、後に残るは、自分の存在が招いた破壊の傷跡と、呪われた血の現実をまざまざと見せつけられた心の痛み。それを見た少女が選んだ道は、大切な人との別離。
何よりも大切だから、別離を選ぶ。そんな心の内面が透けて見えて、もう切なさ全開。そんなサヤに無言で従う「それが貴方の願いなら」なハジを見ながら つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
■歌姫
リク!? 何!? どうゆーこと!?
などとオッタマゲつつ、DIVAの新たな行動に謎が深まります。
リクの容姿については、さすがにあの砕けた状態から復活するってのは考えられないんで、リク本人って可能性はないと思われ。アンシェルがリーザに化けていたように、D塩基の力があれば変態そのものは可能なはずですから、DIVAがリクの姿形を模しているってことなんでしょう。セクースの際に取り込んだDNAを使っているのかもしれません。
ただ、変態の原理はともかく、リクの姿形を手に入れることで何がしたいの?と小一時間。DIVAとシュヴァリエの最終目的につながる行動になるのは間違いないと思いますが、歌を聴いた人間が翼手に変わる(音声が遺伝子に働きかける)なんてのはさすがにありえないような…。
サヤにとって何よりも大切なリクの生命がDIVAに奪われたことをサヤに見せつけ続けるため、とか、リクがDIVAの声を聴こえていた伏線と関係する、とか。色々と考えられますが、現状では考える材料が不足しすぎなんで、とりあえず回収されるのをマターリ待ってみる方向で。
■引き&予告
それにしても、今回は引きが綺麗に決まってました。
DIVA公演のCMを見ながら復活モードに突入したデビット、死んだはずのリクの姿形に変態して公演を始めようとしているDIVA、そんなDIVAのCMを見て瞳の色を変えるサヤ。予告ではシフの生存も確認できます。各登場人物がどんな立ち位置にいるかを描き、これからどんな方向に進もうとしているのかを匂わす。先の展開を気にさせる引きだよー。
といったところで34話の感想終了。別々の方向に進むように見えて、根っこには同じ想いを抱いているように見えて、でも今は別々の世界に生きていて。そんなカスりそうでカスらないすれ違い具合が切なさ全開。でも、その切なさがいつか燃えに変わることを願って、次回以降もBLOOD+を見つづけるー。
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BLOOD+ 第35話 〜 希望のない明日 〜 |
おもかげ、オモカゲ、面影。漢字一文字で書くと、ニンベンに弟で「俤」。その姿形で、絶望を紡ぎはじめた歌姫。DIVAは、シュヴァリエは、アンシェルは、何をしようとしているのでしょう。その一方で、DIVAを見つめるサヤ、シフ、カイ。戦いの果てにその手に抱くは、希望か絶望か。そんな35話ですよー。
■サヤは僕たちの希望じゃなかった
そこに希望があるから戦いつづける。希望でないものには興味がない。希望でない相手には挨拶なんて必要ない。そう語ってサヤとの交わりを拒むシフの一団。
奇跡を待つより、この手をつなぎたい、信じる力が、私を自由にする。そんな「This Love」の一節が想い起こされますが、シフが自由になれる日は来るのでしょうか。希望を求める彼らの進む先に、希望は待っているのでしょうか。現状のシフは作中是の価値観に反するスタンスだと思われますから、このまま進んでも絶望しか待っていないような気がして…。
■サヤは…家族だ…大切な家族なんだ
前回のサヤとの別離を受けてなお「サヤは…家族だ…大切な家族なんだ」と言えるカイがカックイイのですが、モニークに「ナハビやファビアみたいな…?」と突っこまれると、表情を曇らせます。カイにとってサヤはモニークたち以上に親密な家族だと言いたいのか、それとも、カイにとってサヤはモニークたちよりも遠くに行ってしまった存在だと感じているのか。
どちらの意味でカイが表情を曇らせているのか、ですが、ぐらす的には両方なんじゃないかなぁと思っています。カイにとってサヤは、やっぱり誰よりも絆の深い家族であって、でも、今はモニークたちよりも遠くに行ってしまっていて。そんな想いが、モニークにハッキリとは答えられなかったカイの胸の内なんじゃないかなぁ。
■ロンドンに出かけてくる、明日には戻る
スーツをビシッと決めて、再び戦場に赴くデビット。そんなデビットの復活を見て、復活を驚くよりも、歩いてロンドンまで行くというところに「って、歩いてか!?」と驚くあたりに、深く会話するまでもなく復活を当然のものとして受け入れたカイの、デビットに対する信頼が透けて見えて。そんな信頼を抱きながら一年間を過ごしてきたカイの辛抱強さが感じられて。
地味ですが、さりげに良い感じ♪
そして…
デビット復活 キタ━(゚∀゚)━ッ!
■あの…顔…なんで…リクなの…?
サヤもDIVAが何をしようとしているのか、読めていないようです。この一年は、DIVAの狙いを探るような行動はとっていなかった模様。相手がどんな行動に出ようと、周囲が何を求めようと、ただ愚直に刀だけを振るうのが、今のサヤみたいです。
■私の手が求めるのはこれ(刀)だけ。ハジは私のために弾いて
妙に説明台詞っぽくて、軽くモッタリした感じ。現在のサヤとハジの関係も示しているのでしょうから、サヤがハジの言葉に反応しない(サヤはハジにすら無関心)というのでは、それはそれで微妙なんですが、それにしても説明が長ったらしいというか重いというか野暮ったいというか…。
静謐な夜の空気が漂うシーンなんで、口数は少なめ、台詞は短めにした方がシーン全体の雰囲気にもマッチすると思われ。細かいっちゃ細かいんですが、ちょっと気になりますた。
■「ほら、希望の光みたいじゃん♪」「すぐに燃え尽きるけどな」
前回の予告といい、アバンの「あ〜サヤじゃん♪」「ちょっと挨拶くらい…」といい、この台詞といい、シフの中でもルルゥはノリが軽い感じ。うまく言えませんけど、生きるってことを楽しんでいる感じ。他のシフたちは、未来を求めすぎて今を蔑ろにしちゃうような傾向が見られるのですが、ルルゥ一人は今という瞬間も楽しんで生きようとしている感じ。未来に束縛されてない感じ。
天然で「奇跡を待つより、この手をつなぎたい、信じる力が、私を自由にする」なリアクションを見せるこの少女が、シフの変化の鍵を握ることになるんじゃないかな。
■せっかく作ったからには、最期まで役に立ってもらう。たとえ欠陥品でも、サンドバックくらいにはなるだろう
コープスコーズ3体vsシフ5体。
スピードもパワーも上のコープスコーズを相手に、わけもわからず応戦しながら「俺たちは、生きるんだ」と叫ぶシフ。だが、戦いの中で見たものは…
■タイプ・モーゼス
理想的な遺伝情報を持った試作品に改良を施し、戦うために生み出した完成形のシフ。モーゼスを祖体とする、優秀なる兵器。
それが、シフたちに突きつけられた現実。生きたいと願った自分たちは、最初から生きるために生まれた存在ではなかった。実験体、試作品、戦争の道具、兵器。生きたいと願い、生きるために戦いつづけた結果、見せつけられたものは、自分たちの生そのものを否定する圧倒的な絶望。
戦闘にあわせて音楽が盛り上がり、それがピークに達したところで、コープスコーズのフードの中から現れた現実。背景の音楽が止まり、力なく「こんなものを作るために…僕は…僕たちは…利用されたのか…こんなものを…」と呟くモーゼス。その言葉に込められた、存在そのものを否定されたシフの絶望。希望を持つこと自体を許されなかったシフの絶望。
後半パート開始直後のルルゥの「希望の光か…馬鹿じゃん…」もそうですが、もうね…救いがなさすぎて…
つД`) ナミダモデナイヨ
■行けぇ!!!
でもね、生きる価値なんてものは、生まれだけが決めるものじゃなくて、一緒に生きる人が求めてくれる価値、認めてくれる価値ってのもあると思うんですよ。そして、ルルゥを逃がしたグドリフも、グドリフをかばったダーズも、仲間を助けにサヤを連れて戦場に戻ったルルゥも、互いに互いを助けて生きてきたシフたち全員、互いに互いの価値を認めていたんじゃないかな。
その意味では、過去においては生きる意味を与えられなかったシフも、光り輝く生を全うしたんだと思います。ダーズもグドリフも逝ってしまったけれど、逝ってしまった彼らにしても、自分の価値を自分で生み出して、誰かの記憶に残るような「太陽」としての生を全うできたんじゃないかと、そんな生を過ごすことができたんじゃないかと思うんですよ。火と氷の国から脱け出すことを決めた、あの日から。
そしてそこには、実験体として生きる意味を与えられずに生を受けたDIVAへの、救いの可能性も秘められているんじゃないかな…。
■あれ…この匂い…あぁサヤじゃん!
ここでアバンに戻って。ルルゥはサヤの匂いを察知できるようですが、シフの完成形であるコープスコーズも、同じようにしてサヤの居場所を察知できるのかな?
■ディスマスも、ゲスタスも、ヤーンも、ギィも、イレーヌもいなくなって…
ルルゥのこの台詞の中で、最後の「イレーヌもいなくなって」にサヤが反応するところがポイントだと思われ。モーゼスたちと合流後の「礼なんて…今も…この前も助けることなんて出来なかった…」にしてもそうですが、サヤは大切な仲間を想う気持ちにほだされてルルゥを助けたんじゃないかな。(一年前のイレーヌの一件を「この前」って言っちゃうのはアレですが)
その上で、イレーヌもダースもグドリフも助けることができなかった自分に、ただ翼手を滅ぼすことしかできない自分の呪われた血に、サヤは絶望しているんじゃないかな。ダースとグドリフの最期を前にルルゥが涙するシーンでも、サヤはルルゥから目を背けてますし。
救いをもたらせるものは太陽のみ。自分がもたらせるのは滅びのみ。何もできない自分の無力さ、不甲斐なさに、サヤは絶望を感じているんじゃないかなぁと言ってみる。モーゼスとカルマンが「彼女にも、ないのかもしれない」「希望…か…」と言ったように。
■さて、DIVAの公演は目の前だ。デルタ計画がその成果を示す、めでたき日でもある
DIVAの公演=デルタ計画の成果ってこと? それとも、DIVAの公演を契機にデルタ計画が発動するってこと?
■顔を青くする
今まで「顔を青くする」ってのは慣用表現だと思っていましたが、本当に顔を青くする人がいるとは。人ではなく翼手ですが。というか変態ですが。
もう変態仮面が大好きすぎ♪ 変態仮面といい、マザコンジェイムズといい、オカマネイサンといい、優秀な人材が揃ってますな♪
それはともかく、サヤの処分はジェイムズが担当。カールは相当不満があるようですし、ソロモンもサヤの殺害に賛成していないようですし、DIVAサイドも身内に爆弾抱えてんじゃないの?
■でも、この悔しさも哀しみも、作られたものなんかじゃない!俺は俺のために戦う!
生まれの真実を突きつけられ、生きることを根元から否定されたシフたち。夜の闇の中で「僕たちじゃDIVAに辿りつけない。それに、もういい」と絶望に沈みかけるモーゼス。
が、その傍らで自分の意志を叫んだカルマン。たとえ創られた存在だとしても、それでも「この悔しさも哀しみも、作られたものなんかじゃない!」と叫び、誰かに与えられた使命に殉じるのではなく「俺は俺のために戦う!」と宣言。
アバン時点のシフは、サヤに挨拶したがるルルゥを、モーゼスが「サヤは僕たちの希望じゃなかった」と制止したように、したいことよりもすべきことが優先する価値観を示していたわけですが、ここに来て明らかな変化の香りが漂います。これがシフ浮上に向けたターニングポイントになるんじゃないかな。
■やらなければならないこと、やりたいこと
他者の意志を投影された「月」として生きるか。それとも、自分の意志に殉じて「太陽」として生きるか。19話の昼食シーンでも、偽リーザ=アンシェルが「あなたはやらなければならないことと、やりたいことを一緒にしてるんじゃなくて」「あなたが本当にすべきことは、他にあるはずよ」と言っていましたが、これ、BLOOD+のテーマの一つでもあるんじゃないかな。
この視点から見ると、シュヴァリエの中でも違いが見えてきます。
ソロモンはサヤを倒さなければならないという使命よりも、サヤを殺したくないという願望を優先させています。変態仮面も、アンシェルの命令に従わず、好き勝手にサヤを襲いたがっています。一方、アンシェルは「あなたが本当にすべきことは、他にあるはずよ」「せっかく作ったからには、最後まで役に立ってもらおう」という、使命優先のスタンスです。ジェイムズもそれに追従する動きを見せています。
両者のくい違いが内紛を匂わせますが、だとすると、のらりくらりと遊んでいるネイサンがオモシロ。こいつはどっちに付くのかしらん?
そしてもう一つ。アンシェルが使命優先のスタンスだとすると、にもかかわらずDIVAに対しては「あなたの望むものは全てあなたの手に」と、願望優先で行動することを許しているのが胡散くさい。女王様は例外ってことなのかもしれませんが、どーもねぇ…。
■もう一生分いただきました ■実は、赤い盾を再興したい
キタ━(゚∀゚)━ッ!
ただ、デビットは以前と同じ実働部隊として活動するんでしょうが、ジョエルはどんな行動に出るんでしょ? 1年前、つまり32話までの話の中では、赤い盾のトップらしい活動はしていないんですよね。車椅子で戦うことはないでしょうから、頭脳労働をはじめとする裏方の仕事がメインになるんでしょうが、何をするんだろ?
■「もう仲間は要らない」「もう誰かのために悔やんだり、悲しんだりしたくないの」
というサヤに対して、ルルゥは「モーゼスたちはあんたは変わったって言ってたけど、あたいはそうは思わなかったよ」と返しますが、ぐらすも同意見です。
サヤは「もう誰かのために悔やんだり、悲しんだりしたくない」「もう仲間は要らない」と言ってますが、一緒に戦う仲間の死を「悔やんだり、悲しんだりし」てしまうからこそ、サヤは「もう仲間は要らない」と言っているんじゃないかな。サヤの中に仲間の死を悔やんだり悲しんだりする心があるからこそ、心を閉ざしたように「もう仲間は要らない」と言っているような感じです。
そういうサヤの心境が台詞から透けて見えて( ゚Д゚)ウマー。
■(目を閉じる)→あたいのこと覚えておいてね→(目を開く)→あたいだって、誰かの想い出になりたいんだ
ルルゥの「あたいはそうは思わなかったよ」には目を伏せてしまうサヤ。自分の心から目を背けているようなニュアンスですが、そうして「共闘ならずか?」と持っていったところで、ルルゥの「あたいのこと覚えておいてね」「あたいだって、誰かの想い出になりたいんだ」の言葉に目を開くサヤ。
内心では誰かを死なせたくないと思っていて、だから誰も戦いに巻き込みたくなくて、一緒に戦おうとしなくて。でも、そうした心の真裏には「誰かの想い出になりたい」という気持ちがあって。サヤ自身がそう思っていたからこそ、ルルゥの「誰かの想い出になりたい」という気持ちに共感できて。その結果、ルルゥたちに力を貸すという流れですなー。
このあたり、直で語らせずに「目を閉じる→目を開ける」というアニメーションで見せるのが( ゚Д゚)ウマー。
■ねぇあんた、あたいのこと覚えておいてね
1期EDの「語り継ぐこと」が強烈にフラッシュバック。歌の中で「二人奏でてずっと、どんな場所にも携えていけるよ」というくだりがありますが、この「二人」が気になるかなー。
■お前を思いっきり殴れるなんてな。
これまでカルマンがモーゼスとぶつかるシーンが何度か見られましたが、DIVAを倒すという「やらなければならないこと」のために、カルマンは決定的な衝突を避けてきました。それが、ここにきて「やりたいこと=モーゼスを殴りたい」をチョロっと出してきたという小ネタです。地味ですが、こーゆー台詞回しはステキですよー。
■助けるわけじゃない。最後の希望を、君に、託したい
そしてモーゼスもまた、単に「やらなければならないから」という理由だけでなく、最後の希望をサヤに「託したい」という願望を口にしてきたという〆ですよー。
■力関係
DIVA>シュヴァリエ>サヤ>ハジ>コープスコーズ>シフ>雑魚翼手>カイたち、って感じかな。ハジは怪物形態になるかもしれませんし、サヤも13話のようにキレればパワーアップするでしょうが、数としても、DIVA&シュヴァリエ5人&コープスコーズ大量vsサヤ&ハジ&シフ3人&人間数名という戦力差ですから、よほど上手くやらんと勝てないような…。どーすんの?
■DIVAの公演に関係する、スポンサーの背後関係を洗ってくれ
そして、こちらも「翼手を殲滅したい」「真実を知りたい」「カイを助けたい」な願望トリオが始動。DIVAサイドの真意にも切り込んでいくことになりそうですが、コープスコーズを納入している軍に行きつくのか、それとも、他の黒幕に行くつくのか。どうなるんでしょ?
といったところで35話感想終了なりー。
希望のない世界かもしれない。でも、それでも希望を信じる想いがある。心が在る。信じる力が、私を自由にする。自由になったココロ。迫る絶望の瞬間。逆襲なるか!?
といったお話でした。まだまだ水面は見えませんが、少しずつ浮上していってる感じ。シュヴァリエサイドの内紛の気配も感じられますし、このまま右肩上がりに浮上していけるんかなぁ。それとも、どこかでガツンと凹まされることになるのか。どーなるんかねぇ。
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BLOOD+ 第36話 〜 すれちがう想い 〜 |
麻酔を5〜6箇所に注射しまくって奥歯を抜いたら口の中がBLOOD+++くらいなぐらすです。こんばんわ。麻酔が切れてきて軽い地獄を見ながら、何の因果かアニメの感想なんぞを書いています。痛いよー。
それはさておき、各人各様の「すれちがう想い」が描かれた36話ですよー。これアップしたら寝るー。痛いよー。
■カール。お前に与えられた役目は、何だ?
変態仮面にとって、やらなければならないこと(使命)はDIVAを守ることで、やりたいこと(願望)はサヤの殺害。やらなければならないこと=やりたいこと、とイコールで結べるように見えるんですけど…。両者がイコールになるなら、特に問題はないんじゃないかなぁ。
それとも、変態仮面の本当の願望は、実は「サヤを殺したい」という想いではない、とか? で、アンシェルはそのことに気づいている、とか。アンシェルは、19話でもサヤに「あなたはやらなければならないことと、やりたいことを一緒にしてるんじゃなくて」と言っていましたが、そのあたりに含蓄でもあるのかねぇ。
前回の話で「やらなければならないこと」「やりたいこと」の違いに触れられましたが、今回もそれを語ってきた感じ。
と同時に、アンシェルは背を向けて歩き出したカールに向かって「残念だよ…カール」と意味深な発言。変態仮面様のジェイムズに向けた目線にも、なにか不穏な気配が漂います。11話でソロモンは「僕たちシュヴァリエは、一つの意思を五つの体で分かち合う者たち…ですよね」と言っていましたが、ここに来てそうは見えなくなってきた印象ですね。シュヴァリエの内部に、決定的な決別が訪れるのかな? んでも、変態仮面様がサヤと共闘するってのは想像できないような…。
■私、歌いたい
国防長官との会食という「仕事」よりも、歌いたいという自分の「願望」を優先したがるDIVA。ジェイムズもそれに従いますし、ネイサンも特に反対はしていませんが、アンシェルはどうなのかな。仮にアンシェルが「仕事」を優先したがるポジションだとすると、このDIVAとアンシェルの違いが後に大きな意味を持つことになるんじゃないかと思われ。
現状では、願望優先は変態仮面&ソロモン&DIVA、仕事優先はアンシェル、基本的には仕事優先だけどDIVAについては願望優先を認めているジェイムズ、って感じに見えます。ネイサンは本編からはよくわかりませんが、前回ラストの予告では願望優先っぽいことを言っていました。この「すれ違う想い」が、どういった意味を持ってくることやら。
■「あの歌を歌えるところ…」「確かにここなら外に漏れないと思うけど」
コメントガーデンのような場所(歌声が外に漏れない場所)以外では、気安く「あの歌」を歌うことはできない、と言っているように聞こえます。前回、アンシェルが「さて、DIVAの公演は目の前だ。デルタ計画がその成果を示す、めでたき日でもある」と言っていましたが、DIVAの歌声そのものが「デルタ計画」に関わるファクターなのかねぇ。
リクの歌声が聞こえちゃう症候群に関係してくるのかな?と思っていたら、後半パートでジュリアもそんな感じのことを語ってくれますた。ふーみゅ…。
それと、DIVAのお仕事である「国防長官との会食」ですが、これも何を意味するのやら。コープスコーズのお披露目で、アメリカのお偉いさんらしき人が登場しましたが、この「国防長官」ってのもアメリカの国防長官を指すのかなぁ。仮にそうだとして、作中におけるアメリカは、単なるコープスコーズの買い手なのか、それともデルタ計画にも関わってくるのか、それとも、コープスコーズの開発&販売そのものがデルタ計画の一環なのか。ナゾ〜。
■だ〜か〜ら〜♪ … お前がいるんだろうがッ!
ネイサンの「ほんと…あなたはママの頼みなら何でも聞いちゃうんだから」の台詞が、なんとなく「ママの頼みなら何でも聞いちゃう」ジェイムズを責めているような、国防長官との会食という「仕事」よりもママ(DIVA)の「願望」を優先させたジェイムズを責めているような、そんなニュアンスに聞こえます。
さらに、追い打ちをかけるネイサンの本性発揮。オカマ怖ぇ〜。などと思いつつ、オカマの本性は「願望」にあるのか、それとも「仕事(義務)」にあるのか。これまで目立ちませんでしたが、終盤の重要キャラになるかもねー>オカマ。
って、スゲー。「−」と「>」を併せて変換すると「→」とか「⇒」とかになった!
■面白かったよ、ジェイムズ
はしゃぐDIVAの姿形はリクのそれ。前回もリクの外見を模していましたが、この姿形に何の意味があるんでしょう。リクの姿形を模すことも、DIVAの「願望」の一つってこと?
■デビットは放っておけんのだろ、自分の若い時に似てるんでな
こーゆーのをデビット本人に直に言わせず、周りの人間に言わせるのは地味に( ゚Д゚)ウマー。しかも、こうして話の途中で対比しておいた上で、話のラストでも、カイはサヤと、デビットはジュリアと「すれ違う」という展開に持っていったわけですなー。二人の立ち位置を重ねた構成が地味に( ゚Д゚)ウマー。
ただ、そーするなら、話の途中でデビットの動き(情報収集)を描くだけでなく、カイの動きも描いておいた方が、さらに対比構成が際立ったかモナー。デビットに「仕事中だ」と言わせて一応のフォローはしていますが、ちょっち扱いが少なかったかもー。
■またー!? いっつも仕事中じゃない…
ここでも「仕事中」のカイと、カイに「会いたい」真央の「すれ違い」なりー。仕事(義務)と願望のネタを小まめに盛り込んでいる感じかなー。
ただ、今のところ、カイが真央に影響されるような展開が見られないような…。サヤやカイといった主要キャラだけでなく、真央のようなサブキャラも存在した方が世界観に奥行きや広がりが生まれると思うのですが、真央の役割がそれだけってことになると寂しいっす。どこかで活躍すんのかなぁ…。
■何か、掴めたのか?
歌劇のスポンサーは、サンクフレシュとゴールドスミス。
サンクフレシュの最近の動きとしては、軍需産業と関わりを持つゴールドスミスの橋渡しで、世界中の軍用「食糧」の扱いに手を出しはじめているとのこと。そして、その食品事業の関連施設として、ロンドン郊外にサンクフレシュとゴールドスミスの共同研究所が建てられたとのこと。研究施設のトップは、ヴァン。
さらに、その情報を元にオデブが調べたところ、研究所の最奥に「ゾーンZ」なる怪しい区域が存在することも判明。研究所の所員を籠絡し、セキュリティーパスもゲット。いざ侵入なりー。
って、余計な時間を割いていられないのか、アッサリ侵入できちゃうなりー。サヤもサヤでDIVAの動きをアッサリ掴めちゃうなりー。
DIVAサイドに「歌劇」という新たな動きが見られたことで、それを辿ってデビットは研究所に侵入できた、サヤはDIVAの動きを掴むことができたわけです。それはそれで理に適ってるっちゃ適ってるんですが、ただ、これまで一年、赤い盾のメンバーもサヤも何の手も打てなかったにもかかわらず、ここ数話分の時間で事態が動く動く。ちょっとアッサリしすぎかなー。
などと突っこみながら、突っこんでも面白くなるわけじゃないんで、気になったことは忘れる方向でー。
■ヴァン・アルジャーノン…
デビットがヴァンのフルネームを知るような機会ってありましたっけ? ぐらすが忘れてるだけ? それとも二人は旧知の仲? ジュリアもヴァンと面識があったようですが、なんなんだろ。この三人。
■成長…いや、作られてると言うべきか
視聴者目線ではコープスコーズの存在は知っていますし、サヤも前回コープスコーズと刃を交えていますが、赤い盾目線ではコープスコーズの存在を知らなかったわけですね。各登場人物&視聴者で持っている情報に差があるわけですが、誰が何の情報を持っているかを考えると、ちょっとオモシロ。
■「妙なところで会うわね」「それはお互い様だ」
ジュリアとデビット、久々の再会ですよー。ジュリアはデビットに色々と説明してあげているのねん。ヴァンに気づかれる前にデビットを帰そうとしたあたり、ジュリアにはデビットを捕まえるつもりはなかったと思われますが、そうだとすると、何のためにジュリアはデビットにD塩基の情報を漏らしたのでしょう。ジュリアの中では、まだ赤い盾との絆は完全に断たれていないってこと?
ジュリアの漏らした情報もオモシロ。D塩基の特性(好み)、翼手の可能性、DIVAと少年少女の関係など。はっきりとはわかりませんが、後の展開で意味を持ってきそうな説明が盛りだくさん。リクがDIVAの歌声に反応していたことには何やら意味があるみたいですが、これ、公演予定の歌劇(デルタ計画?)と関係してくるのかな。
■「ねぇ、ジェイムズ、感じる?」「愚問だ」 ■「でも、もう帰ったほうがいいわ」「それは彼に、失礼じゃないのかな。おもてなしは、これからだよ」
ということで、潜入はどちらもバレバレ。ここから二つの「すれ違い」へと進んでいくわけですね。
■「これは…」「そう、動物園よ。DIVAが歌うのにふさわしい舞台だと思わない?」
初代ジョエルと助手アンシェルによって、動物園で実験体として虐待されていたDIVA。獣たちの監獄塔で紡いでいた歌を、100年後の世界、再現された「動物園」で再び紡ぎはじめる。というわけですなー。
その歌声にこめる想いは、自分を傷つけた人間とそれを許した世界への憎悪か、それとも…。
ぐらす的には、DIVAが30話の回想シーンで口にした「サヤ…私…怖い…」が鍵になると思っています。できることなら、DIVAにも救いを描いて欲しいんですよー。そこに双子の存在意義を掛け合わせてきたら言うことないんですけどね。(謎)
■ちょっと。今日は私たちはただの観客、あなたとやるのは…
というネイサンの台詞に重ねたジェイムズの攻撃を、残像移動して避けるハジ。ハジも残像移動できるのねー(って、これまでもどっかで残像移動してましたっけ?)。
ちなみに、サヤはジェイムズのこの攻撃を、ハジに抱きかかえられて避けています。その後の戦闘でもそうですが、サヤ自身は残像移動していません。
ベトナム(過去編&現代13話)でサヤはキレると戦闘力がアップするらしいことが描かれていましたし、ハジもまだ怪物化してないですし。終盤の真覚醒シーンに向けて、サヤ&ハジの真の実力を隠した状態で物語を進めているのかな?
■甘いキャンディーを舐めれば、笑顔になるのかな?
と言いながら、不用意にデビットに近づくヴァン。戦闘については素人さんなんですなー。
それと、前半パートの岡村とデビットの会話からして、デビットはヴァンを知っていたと思われますが、このシーンを見ると、ヴァンはデビットのことをあまり知らなかった(から不用意に近づいた)ことが窺えます。ヴァンとジュリアは旧知の仲、デビットは翼手サイドの重要人物としてヴァンを知っていた、ヴァンは赤い盾のメンバー(の一人であるデビット)についてほとんど知らなかった、って関係なのかなぁ。
ただ、これまでの二人の関係はともかく、今回デビットがヴァンをやりこめたことで、ヴァン→デビットで「あいつ・・・この僕をよくも…」な関係が成立。単体としての戦闘力の差は歴然ですが、ヴァンがコープスコーズを使ってきたらヤヴァイのねん。
それにしても、デビットはジュリアやコリンズだけでなく、ヴァンの相手も務めることになりそうな…。終盤に向けて、デビット物語で何気に尺を取ることになると思われ。サヤ、カイ、ハジ、シフ、DIVA,、シュヴァリエと、他にもメインで描くエピソードはモリモリ残っているわけですが、ここにデビットやジョエル、研究者トリオの物語を混ぜ込んで、尺は大丈夫?
ちなみに、この感想を書いている2006年7月11日AM0:00時点のぐらすは、甘いキャンディーを舐めれば、泣き顔になります。痛いよー。
■だって面白くないし。今日の姉さま、顔が怖いんだ
DIVAの「願望」としては、顔が怖い時の姉さまは殺したくないようです。ネイサンも「ここは花嫁の死に様に相応しくない場面なのよね」「サヤ、あなたにはあなたが死ぬのに相応しい舞台を用意したげる」と言っていますが、DIVAにとっても、サヤを死なせるのに「相応しい舞台」を望んでいるってこと?
その「舞台」というのはサヤの「顔が怖い」時ではないらしいのですが、ならDIVAはどんな「舞台」を望んでいるのさ?などと軽く引っかかったりして。というか、そもそもDIVAは、サヤに対してどんな想いを抱いているのさ?
■帰るのなら、運転手は食べちゃダメよ、うちにオヤツが沢山あるんだから
グロいなぁ…。この「オヤツ」ってのは、どこからどうやって調達してきたのやら…。ベトナム編のムイみたいなのとか?
■ジェイムズ
ネイサンは「カッチコチなんだから…」と言っていましたが、性格だけでなく体質もカッチコチ。硬質化した表皮に弾かれて、サヤの刀が刺さらないのねん。お約束としては、口や目のような柔らかい場所を突き刺す手がありますが、その手を使うことになるのかな? それとも他の頭脳バトルを見せてくれるとか?
■あ〜ら、あちらのナイトも登場なのね。予想外の展開♪ ■ふざけるな? …あなたが? …私を? ……… 殺すぞッ
これまで想定外の存在だったカイが、ネイサンプロデュースの演劇にブッキングされたという。ネイサンは「相応しい舞台」でサヤを殺し、それを「観客」に見せつけようとしているらしく。ジェイムズに向けた「殺すぞ」発言もそうですが、ネイサンの真意はどこにあるのかねぇ。
それと、シュヴァリエの中でも戦闘力に差があることが判明。とりあえずネイサン>ジェイムズは確定。これまで何度かネイサンがジェイムズを茶化すシーンがありましたけど、単なるネタと思いきや、実はさりげに二人の力関係を示してもいたわけですね。
というか、ソロモン、カール、アンシェルを含めたシュヴァリエ同士の力関係は? さりげに「すれちがう」各シュヴァリエの思惑が行き着く先は?
■「ここは引くんだ」「そんなこと…できるわけない…逃げるなんて…逃げるなんて…逃げるなんて」
襲撃から逃れようとする中で、リクは死んだ、だから、もう二度と逃げられない、逃げちゃいけない。
ってことかな。種シリーズ宜しく、回想でも入ればわかりやすいのに。
■吸血
上記の「引くんだ」「逃げない」な「すれ違い」に加えて、さらに翼手としてのサヤの本性を垣間見てしまい、人間である自分と翼手であるサヤの「すれ違い」を痛感するカイの図なりー。そりゃ、かける言葉もなく、ただ引くしかない罠。
■ほんっと、お前らはソックリだな。大事なもん、どっかに落としてきたって顔してるぜ
そうして「すれ違い」を痛感するカイと「ソックリ」なデビットの図なりー。車の前で向き合うカイとデビットの姿が、そんな二人の「ソックリ」具合を演出してくれます。
デビットがカイとそっくりな「大事なもん、どっかに落としてきたって顔」をしていたということは、デビットにとってのジュリアは、カイにとってのサヤ(家族)と同じ存在ということになる罠。ということは、ジュリアとデビットは「家族」な関係で終わるのかなぁ。序盤からジュリアのコスプレ巨乳作戦が見られただけに、男女の関係としても決着をつけてほしいような…(上手くいくんでも駄目でもどっちでもいいんで)。
というわけで、シュヴァリエ内部の、カイとサヤの、デビットとジュリアの「すれ違い」が描かれた36話の感想終了です。敵味方の関係として、サヤとDIVA、デビットとヴァン、サヤのシュヴァリエ(ハジ&カイ)とDIVAのシュヴァリエ(ジェイムズ&ネイサン)の「すれ違い」も、この「すれちがう想い」というタイトルは意味しているのかもしれませんね。
カイとサヤ、デビットとジュリアの「すれ違い」はこれまでもネタフリされてきましたが、最近になってシュヴァリエ同士の「すれ違い」もクローズアップ中。ソロモン(サヤLOVE)、変態仮面(変態サヤLOVE)、ジェイムズ(DIVAらぶ)あたりはわかりやすいのですが、アンシェルとネイサンの真意がワケワカメ。どんな対立の構図に発展していくことやら。
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BLOOD+ 第37話 〜 狂おしいまでに 〜 |
変態仮面様が主役の37話ですよー。シュヴァリエになる前は変態じゃなかったというか、シュヴァリエになったから変態になったというか。変態倒錯LOVEの行方や如何に?などと思いつつ、一部を13話「ジャングル・パラダイス」に重ねてきた作りが地味にファインプレイですよー。
■いいわ、血をあげる。でも、その前に…。あなた…美味しそう…
リクの最期と同じように、これも「D塩基は少年少女を好む」な性質なんでしょうか。動物園でDIVAがオデブ(大人)を見逃したこともありましたけど、そんなD塩基の特性が後々どんな意味を持ってくるのやら。
■ケーキ作り
DIVAの公演キャンセルや前回の潜入調査についてお話し中のデビット&オデブですが、同時併行でケーキ作りなりー。先代デビットという「父」の死後、デビットの名を継いだ。赤い盾という「家族」を失って心が折れた。孤児院という新しい「家族」を得た。ということで、デビットは今、原点である「家族」の大切さを噛みしめつつあるんじゃないかな。
そして、その「家族」を守ることこそが、デビットの「やりたいこと」なんだと思われ。
それにしても、DIVAが公演をキャンセルしたって、どーゆーこと? 前々回、アンシェルが「さて、DIVAの公演は目の前だ。デルタ計画がその成果を示す、めでたき日でもある」と言っていたところからして、DIVAサイドにとってDIVAの公演は重要イベントだったんでないの? それをキャンセルしてどーすんの?
■誕生日
カイはモニークに「誕生日、いいよな…」と言っていますが、誕生日ってことで「生」を象徴するイベントにするのかな?な〜んて思いつつ、アバンでは変態仮面の「誕生」エピソードにも触れている罠。この「誕生日=生の象徴」をネタに、どんな話を作ってくるんでしょう。
■さぁ、パーティーの時間だよ
暴走変態仮面様がコープスコーズを勝手に持ち出し。誕生パーティーが変態パーティーに変わっちまうー。
■DIVAは、無事、クリスチーナ島へ?
公演をキャンセルしたDIVAは、クリスチーナ島とやらに移動した模様。そこで何すんの?
■カールにとって、サヤは敵でもあり、ある意味生きがいでもある ■カールにとって、サヤが生きがいであるというのなら、なおのこと、やつにサヤは殺せまい
なるほど。カールにとって「やりたいこと=サヤ殺害=やらなければならないこと」だと思いきや、実際には「やりたいこと=サヤと殺しあい続けること≠やらなければならないこと」だったわけですね。それを見抜いていたからこそ、アンシェルはカールをサヤ襲撃の任から外したわけですなー。
で、この期に及んで「やらなければならないこと」を無視して「やりたいこと」を始めたカールの処分について、アンシェルはソロモンに「ドイツでは、良い仕事をしてくれた」と言っちゃってるわけで。前回の「カール…残念だよ」と併せて見ると、アンシェルはカールを切り落としにきたと見るのが妥当かな。
さらに、その「仕事」をソロモンに任せることで、ソロモンがカールを殺したくないという「願望」を優先させるのか、それとも、カールを始末するという「仕事」を優先させるのかを見極め、ソロモンへの対応を判断しようと考えていると思われ。これまでもアンシェルはソロモンを疑っている節が何度かありましたし、最近ではソロモンの代わりにジェイムズやヴァンを登用してもいますが、カールに続いてソロモンもリストラ候補に上がるとか?
一方、そんなアンシェルの言葉に、指をグネらせながら「兄さんは、本当に残酷な人だ」と返答するソロモン。こっちはどう動くのかねー。
■さぁファビア、お待ちかねのケーキの登場だぞー
翼手殲滅のために動いているデビットたちですが、こんな「生」を守るために戦っているわけですね。翼手殲滅という「死」と隣り合わせの戦いと、誕生日という「生」の象徴。コントラストが( ゚Д゚)ウマー。
■お誕生日、おめでとう
そんな「生」の象徴に足を踏み入れたサヤ。
ジョージもイレーヌもリクも救えず、数多の翼手を殺しつづけることしかできなかったサヤ。 そんなサヤの、久しぶりの「生」への回帰。 そして、そんなサヤからの祝福を、頬を赤らめて喜ぶファビア。
もうね
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
■あの頃は、夢のような時間だった…。でも、もう…
ただ、サヤ自身はまだそのことを受け入れることはできなくて。私は翼手だから。受け入れれば、翼手同士の殺し合いに巻き込んで、ジョージやリクのように死なせてしまうかもしれないから。
そんなサヤの言葉を証明するかのような、変態仮面様の襲来。サヤが来たばっかりに、サヤとサヤを追ってきた変態仮面との争いに巻き込まれて、平和な誕生パーティは変態な殺戮パーティーに変わってしまいました。
つまり、今回の話の中では、この台詞から変態仮面襲来にかけて、底に落ち込むわけです。サヤはもう「夢のような時間」には戻れないの?と。サヤは存在するだけで周囲に滅びをもたらす存在なの?と。
そうして話をネガティブな方向に持っていったところで…
■仲間、家族
露払いをするハジ。シフの参戦。カイとデビットの援護。サヤが諦めかけた「仲間」「家族」の存在が、サヤを助ける。
■道具、兵器
一方、カールが率いるのは、コープスコーズという道具、兵器。
■もう…君だけしかいないんだ…
仲間&家族 vs 道具。という戦いで、底に落ち込みかけた流れがサヤサイドに揺れ戻るわけですが、そうして揺れ戻ったところで、建物から爆音が響き、変態仮面様の語りがスタート。挿入されたアンシェルとソロモンの会話と併せて、カールの過去や心の内が語られます。
DIVAの愛を求める(願望)一心で、過酷な運命(義務)を受け入れてきたカール。けれど、その願望が叶わないと知った時、願望は諦観に変わった。ぽっかり開いた胸の穴を埋める代償行為として、カールは「孤独の中で全ての不都合から目をそらして」サヤを愛してしまった。
家族の愛を求める(願望)一心で、翼手殲滅の戦い(義務)に身を投じてきたサヤ。けれど、25話の「リクが死んじまったら、俺は独りぼっちになっちまう」や、32話でのリクの死によって、願望は諦観に変わった。ぽっかり開いた胸の穴を埋める代償行為として、サヤは人間と関わらない道を選んだ。
重なるサヤとカールの過去。カールの顔を穿った血の雫が、哀しみのこもった「もう…君だけしかいないんだ…」という言葉に重ねられ、血涙のようにカールの頬を伝う。そこには、救いのないカールの痛みが、哀しみが感じられて…。
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
■さぁ逝こうサヤ。望まれぬ者同士、二人だけの世界へ
そうして境遇を重ねて見ることのできる二人は、縺れあうようにして刃を交え、そして、終局へと向かいます。
前回の感想で「それとも、変態仮面の本当の願望は、実は「サヤを殺したい」という想いではない、とか?」と書きましたが、殺したいことは殺したいけれど、自分も同時に自殺することを考えていたという…。あまりにもあまりで、救いがなさすぎるよ…。
■サヤ…サヤ!…サヤ!!…サヤ!!!
カールの告白を受け入れようとしたサヤ。けれど、そのとき木魂したのは、カイの叫び。
カールは、自分と同じように孤立していたサヤに自分と同じ想いを見出し、自分とサヤを「望まれぬ者同士」だと考え、サヤは人間と関わらない道を選ぶはずだと思い込んでいました。けれど、それは「孤独の中で全ての不都合から目をそらして」いたカールの盲目的な思い込みだったわけです、
サヤが19話や24話の件で孤独を感じていたことは確かですが、沖縄での過去や32話でのキャッチボールから、自分は孤独でないと感じることができていたことも事実です。ただし、孤独ではないからこそ、ジョージやリクのように周囲の人間を翼手との戦いに巻き込んでしまいかねません。それを避けるために、サヤは「仲間のために」「自ら望んで孤独を選んだ」わけですね。
■私は、死ねない。こんな所で負けられない。私には、守らなきゃいけない人たちがいるのに!
覚醒。一閃。その剣には、自らの痛みに耐えてまでも、仲間を、家族を守ろうとするサヤの想いが、覚悟が込められていて。最高に( ゚Д゚)ウマー。
なんですが、自らの痛みに耐えてカールを倒したサヤの姿からは、孤独の痛みに耐えて仲間を守ろうとしてしまうサヤの選択も透けて見えるような…。ラストのカイの呼びかけにも、サヤは明確な答えを返していませんし。サヤの中ではまだ、孤独を選ぶ気持ちが強いんじゃないかな?…かな?
■僕もまた、孤独なのかもしれません…
そうしてVS変態仮面戦が終了し、その後を受けるようにして、ソロモンによる冗長な説明タイム。死んだカールの想いや、カールとサヤとの違いを語るだけだとすると、説明台詞っぽさが漂う「んなもん、これまでの話の中で描いとけ」的な野暮ったい言い回しだと思われ。
ただ、前半パートのアンシェルとの会話で見せたソロモンの葛藤を踏まえると、一連の冗長な説明台詞は、ソロモンが自分自身の思考を整理するための自分語りタイムと見るのが自然じゃないかな。そして、その最後に「僕もまた、孤独なのかもしれません…」と持ってきたという。
だとすると、思考を整理して「僕もまた、孤独なのかもしれません…」という答えに辿り着きつつあるソロモンもまた、今回のカール同様、そろそろ具体的な行動に出てくるんじゃないかと。今回は「〜かもしれません…」という不確かな自分語りでしたが、いずれ明確な答えを出してくると思われ。その時ソロモンが出す答えに、今から期待しまくりんぐですよー。
■彼を見ている、僕がいたことにも…
カールの遺晶を握りしめ、友としての言葉を贈るソロモン。
カールに贈られた、たった一つの救い。闇夜に漂う、ソロモンの想い。漆黒の夜を照らすは、月の光…。
■…ッ………バカ…
心の奥底を垣間見せたソロモン。カイの言葉に本心を告げそうになっても、本心を告げられないサヤ。
心の内を明かすことない二人。
余韻を残す二人の姿が、煌々と輝く月のように綺麗で。儚くて。
そんな二人の傍らで、真っ直ぐに想いを告げるカイの姿が、燦然と輝く太陽のように明るくて。眩しくて。
物凄く綺麗な引きでした。
■This Love
エンディングに流れる「Thisu Love」ですが、エンディングでは使われていない部分に、こんな歌詞があったりします。
友情に救われたり、未来を想像したり、幸せは見えるけど、自分を見ることはない。 約束という私たちのコンパスだけでは、この恋は方角を見失うの。
奇跡を待つより、この手をつなぎたい。信じる力が、私を自由にする。
この恋を恐れずに You don’t have to fear this love, this love… サヤの「…ッ………バカ…」の先に待つ未来が、この歌詞に透けて見えて
つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
■デルタ計画
グレゴリー(ラスプーチン)の打ち出した理論。DIVAの血が全てを変える。モンゴロイドがそれに適合しうる。カールは選ばれ、そして始まった。ロシアで種はまかれ、ドイツで芽吹き、ベトナムで実った。シュヴァリエとしての不死性を備えた、実験材料がほしかった。
アンシェルとソロモンの会話の中で、デルタ計画に関するネタはこのあたり。
■実験台としてなら、生かしておこう
前回描かれたネイサンとジェイムズの力関係もそうですが、カールに至っては実験材料に過ぎなかったわけで。シュヴァリエの中でも力の差、格の差があることがはっきりしましたが、長兄最強?
■コープスコーズ
雑魚翼手すら倒せなかったイグナイターでコープスコーズを倒せるどころか、デビットがぶっ放す普通の銃弾でもコープスコーズが倒れてるんですけど…。5人がかりで3体のコープスコーズにボロ負けしたシフも、今回は普通にコープスコーズを圧倒しているような…。
総合力はともかく、防御力や回復力の面では、コープスコーズ(シフ)は雑魚翼手に及ばない、とか。前回は突然の襲撃と衝撃の事実に戸惑っていただけで、全力を出せばシフとコープスコーズにそれほど差はない、とか。そのへんの裏設定でもあるんかね?
そんな感じで、月が綺麗な37話の感想終了。ほんとに月が綺麗でした。構成としても、一話の中で二転三転する起伏たっぷりの展開が( ゚Д゚)ウマー。
しかも、カールVSサヤ戦にカイが割って入る形は、13話「ジャングル・パラダイス」と同じですよー。13話のカイは口ばっかのヘタレでしたが(それでもカイの叫びに効果はありましたが)、今回は「サヤ」連呼に加えて戦闘でも活躍。良い感じに成長が描かれていて、地味に( ゚Д゚)ウマー。
難を言えば、これまでの話の中でカールの内面をもう少し描いておけばよかったのに…とは思いますが、その分のスペースで変態っぷりを満喫できたんで満足な肝酢。ま、変態っぷりを見ればカールが壊れていることも普通に想像できますしねー。
ま、なにはともあれ、磐石に見えたDIVAサイドも、カールが倒れ、ソロモンが揺らいでいる状態。デルタ計画や歌劇の真意が明かされていない分、まだDIVAサイドにも余裕はありますが、サヤサイドも着々と上昇中。徐々に反撃の基盤が整ってきました。
といったところで、次回タイトルが「決戦の島」。サヤたちが反撃の基盤を守りきれるか否か。注目ですよー。
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BLOOD+ 第38話 〜 決戦の島 〜 |
信じる力が、私を自由にする。そう歌いつづけた第3クール。コメントガーデンでの「すれちがう想い」は、今、少しずつ重なりあって…。という38話ですよー。
■カールは最早戦力外であり不確定要素でしかなかった。むしろ好都合
カール=シュヴァリエの死すら「好都合」と切り捨てるジェイムズ。全てはDIVAのために。自らの死すら厭わず、相打ち覚悟の特攻へと突き進む前ふりだと思われ。
今回だけでなく、話全体にはめこんでみると、今のサヤもそんな感じなんですよね。サヤも「全てはDIVAを倒すために」という価値観に囚われて、自分の命や想いすら軽んじている節が見られますし。
一方、それと微妙に違うのは、ハジの「あなた(サヤ)がそれを望むなら」という表現かな。
サヤに死んでほしくはないというカイたちの想いを振り切って「全てはDIVAを倒すために」と動いているサヤ。どこまでもサヤに付き従っているけれど、その行動は全てサヤの望みに殉じているハジ。
相手の想いや願いを無視して、相手のために尽くそうとしているサヤ。相手の想いや願いを尊重して、相手のために尽くそうとしているハジ。このあたりの微妙な違いが、後々、大きな意味を持ってくるんじゃないかなぁと妄想してみる。おそらく「やらなければならないこと」と「やりたいこと」の話に絡んでくると思われ。
■手品師がッ!
ジェイムズが大切にしているママんの写真をひったくり、ジェイムズが気づかないうちに返したネイサン。ジェイムズは手品だと言いますが、前回の「殺すぞッ!」発言を考えると、手品じみた小手先の業ではなく、純然たる戦闘力の差と見るのが自然じゃないかな。
オカマの本気&真意が気になるよー。
■ジェイムズ、僕を守ってくれるね
と言うシーンでは、DIVAはリクの姿形なんですが、その後、ジェイムズの掌キスを受けるシーンでは、DIVAは元(女性)の姿形に戻っているという。
アンシェルがリーザに化けたことがあったので、シュヴァリエやDIVAともなれば、変身そのものは難しいことではないのでしょうが、疑問なのは、変身に何の意味があるの?という点です。34話の感想でも触れたましたけど。
単なる気まぐれ?だとしても、それは「やりたいこと」な行動として、もう一方の「やらなければならないこと」の対極に位置するわけで。なんか意味があるのかねぇ。
■自分語り
「私には、守らなきゃいけない人たちがいるのに」 「私は一人だよ…」 「駄目!きっと、またカイたちは飛び込んでくる!」 「これは私たちの戦い」 「私、もう誰も傷つけたくない。傷ついてほしくない。カイにも、デビットさんにも、ハジにも」 「なんでみんな私をかまうの…」 というのが、現在のサヤの心境だと思われます。語られている内容ではなく、これほどまでに繰り返して言葉に出してしまうという状態が。
34話での刀の扱いや、35話でルルゥの依頼受諾、36話の「逃げるなんて」連呼、37話の誕生パーティー参加などを見るに、サヤは再びカイたちに心を許しはじめていて、沖縄での「夢のような時間」をポジティブなものとして受け入れていて。でも、そこに自分が入り込めば、翼手との戦いに巻き込んで平和な日常を破壊してしまいかねないと思っていて。翼手との戦いでも、自分が戦わなければ、平和な日常や大切な人たちを守ることなどできないと考えていて。
そういった描写を積み重ねてきた上で、今回、サヤが長ったらしい自分語りを口にしたわけです。
字面だけを見ると、サヤはカイたちを戦いに巻き込みたくないと考えているように見えます。ですが、サヤがカイたちに再び心を許し始めたこれまでの描写を踏まえると、カイたちの想いを、行動を受け入れ始めている自分を諌める意味で、自分に言い聞かせる意味で「私は一人だよ…」と一人ごちていると思われ。
ここでカイたちを受け入れれば、リクのように戦いに巻き込み、死なせてしまうかもしれないから。
多くを語ってしまうという状態は、葛藤の表れでもあるわけです。思考を口に出すことで自分の心を整理しているというか、自分への説教なり言い訳なりをしているというか。
もちろん、誰もがそうだとは言いませんが、誰かに相談することをせず、自分の中に想いを溜め込んでしまうサヤのような人間の行動パターンとしては、一つの典型じゃないかな。
前回のソロモンの自分語りもそんな感じでしたが、では、サヤが何を葛藤しているのかといえば、ハジが問いかけ、サヤが強く否定した「彼らでは…駄目なのですか?」という問いでしょう。本当に「私は一人」なのか。本当に「私は一人」で戦うことが正しいことなのか。そういったことについて、サヤは悩んでいるように見えます。
まだ結論は出せていません。ですが、サヤがその答えを出した時、かなりステキなことになると思われ。そして、仮に一人ではないという答えに至った時、仲間である対象はどこまでになってくるのかもポイントになってくるんじゃないかな。DIVAとかDIVAとかDIVAとか。
■国が管理する核廃棄物を埋設する施設
クリスチーナ島。地元の漁民も近づきたがらない島。何か謂れがあるの?と思っていたら、戦闘前にオデブが「国が管理する核廃棄物を埋設する施設が置かれている」と解説。そりゃ近づきたくもないでしょうが…。
核、ねぇ。
18話の「エカテリンブルグの月」でも翼手がらみの核関連施設が登場しましたが、これ、BLOOD+を現実世界のロスチャイルドになぞらえる上での、一つのギミックだと思われ。
現実世界のロスチャイルド家は、第二次大戦を機に一時的に勢力を減退しているのですが、その後、再び力を持つに至った原動力の一つが、ウランをはじめとする核関連物資の売買だったりする罠。そのあたりを皮肉っているんじゃないかと。おそらくですが、翼手という存在=核技術、それを研究するアンシェルやコリンズのような存在=科学者、みたいな感じでパロってるんじゃないかな。
■やつら、アレで完成品らしいが、実戦での場数は、俺たちの方が踏んでる ■個性だってあるしね
経験と個性を、シフがコープスコーズを凌駕する要因に持ってきたみたいです。
ただ、モーゼス、カルマン、ルルゥの「個性」がよくわかんないんですけど…。経験云々にしても、経験を積むことで身につけたトリッキーな戦闘法を見せてくれんかなぁ。
このあたりはJoJoが上手いんですよね。戦闘力をインフレさせて力vs力に持ち込むのではなく、各スタンドの個性をぶつけ合うジャンケンちっくな戦闘に持っていく感じ。BLOOD+でも、説明台詞だけでなく描写として「経験」「個性」を見せてくれれば盛り上がると思うんですけど、さすがに難しいかなぁ。終盤に入って制作スケジュールがエライことになっているでしょうし。
総集編でも入れれば余裕を作れると思うんですけど、そういうのんはやらないのかな?っていうか、4クールのアニメで総集編なしって頑張り杉。
■わかりました
そんな葛藤の末に、サヤは「私を…私をDIVAのところまで連れて行ってください。あとは自分で何とかします」と言い、単身、死を覚悟で乗り込もうとするわけですが、そんなサヤに答える仲間の言葉がステキに熱い。
・我々は君を支えるためにいる。それは赤い盾がなくなっても変わることはない。今でも君の盾となるつもりだ ・あんたねぇ、そんなこと自分で言いなさいよ。ちゃんと帰ってきて、頭下げて自分の口からね ・俺だってまだまだ聞きたいことがあるんだぜ。帰ったらインタビューさせてくれよな。 そんな仲間たちの言葉を、最初は表情を曇らせながらも、最後には「わかりました」と受け入れるサヤが熱い…のかなぁ? 本心なのかな? どうなんだろう?
36話の「すれ違う想い」からこのシーンまでの間、誕生パーティーに参加したり、カールと心中しかけたサヤがカイの言葉に救われたりしたことはありましたが、今回の冒頭をみればわかるように、それでもサヤは葛藤をつづけているわけですよ。
そんなサヤの葛藤が、デビット&真央&岡村の言葉で一気に消え去るなんてこと、あるかなぁ? ポジション的にも、鍵を握るのはカイじゃね?
■深さ500mの穴に、使用済みの核燃料を埋めちまうのさ
不死の翼手を死なすギミック、ってところでしょうか。
などと考えていてふと思ったのですが、翼手はサヤの血で死ぬわけですが、なら、逆にサヤは翼手の血で死なないの?とか、ハジの血はDIVAサイドの翼手には聞かないの?とか。
■頂上の建物に明かりがついてる
丘の中腹に待機するコープスコーズの集団とシュヴァリエを排除しながら、丘の頂上のDIVAを目指す。という行動になるようです。ただし、実際の戦闘を見る限りでは、坂道の途中で戦っているような動きは見られないですよー。
DIVAサイドが丘の頂上に陣取ったのは、高い場所に陣取った方が迎撃しやすいからなんでしょうが、それならそれで、山や丘の頂上に陣取った防御側の布陣を、麓から攻め立てる攻撃側が突き崩す、的な構図の戦術バトルを見せてくれんもんかなぁ。
シフたちの「経験」「個性」もそうですが、言葉でしか語られず、実際の戦闘に反映されないのが、ピコっと勿体ない気がします。
とはいえ、実際にそんなもんを描くとなると相当な負担がかかるでしょうから、高望みはできないんですよね。というか、戦術バトルだとかシフの経験や個性だとかは、物語全体の中での重要性はそれほど高くないわけで。そんなところにまで無茶してこだわって、肝心な部分の描写が甘くなってしまえば、それこそ本末転倒なわけで。
それよりも、その分の労力を使って描かれたもの(今回でいうならば、サヤが恐れながら焦がれていた「絆」の行方)を見る方が楽しめるんじゃないかな。
■僕たちは、僕たちだけで動く。その方がやりやすい ■あいつらを葬るのは、僕たちの役目だ
勝手に暴走するシフですが、モーゼスの台詞にある「僕たちの役目」というキーワードがオモシロ。モーゼスは「役目」だと言いますが、ジェイムズが言うように、実はそれは「感情」だったりするわけで。
そうして自分の「感情」を優先させたサヤ&赤い盾&シフ。迎え撃つは、冒頭でカールの死をスルーしたように、仲間や己の死すら顧みずに「役目」を全うせんとするジェイムズと、与えられた「役割」を果たすためだけの道具であるコープスコーズ。
戦闘前半では、感情優先のサヤたちを、役割優先のジェイムズが圧倒する、という構図なんですなー。
■こいつは…コメントガーデンで見たシュヴァリエか…!?
コメントガーデンでのサヤとカイの想いは「すれちがう想い」でした。今回はどうなるんでしょう?
というネタふりだと思われ。台詞の中に「コメントガーデン」を入れて話のつながりをアピってきたのが、地味に( ゚Д゚)ウマー。
■堅牢たる城壁
硬い表皮でサヤの刀やガトリングな銃弾を弾く。離れた敵に硬質化した表皮を撃ちこむ。というのがジェイムズの「個性」のようです。シフの「個性」がスルーされたと思っていたら、ジェイムズの「個性」が描かれちゃいました。
どうなのよ?と思いつつ、そんな「堅牢たる城壁」を攻略する手段に注目ですよー。っていうか穴埋めの刑?
■ハジを俺に貸してくれ
力を持たない人間、カイならではのアプローチが発動ですよー。ですが、直情型で頭よりも先に体が動くキャラのカイが、作戦担当って…。これから先も「カイ=作戦担当」って感じになるのかなぁ? だいぶイメージが違うんですけど…。
むしろ、カイに出来ること(サヤの心の支え)、カイに出来ないこと(戦闘)を明確に分けた上で、出来ない部分を他のキャラに任せた方が、結局は「支えあい」「信頼」「絆」みたいなのんが表現できて良いと思うんですけど…。
■信頼、それが僕たちが、新たに得たものだ!
オデブの目くらまし、カイの作戦、カイ&シフの陽動、ハジの援護、サヤの一撃。
堅牢なる城壁、攻略。
冒頭のサヤの葛藤、中盤のシフの暴走が「タメ」になって、良い塩梅でステキに熱いですよー。
城壁を崩したものは、信頼。戦闘前半では「感情<役割」だった構図が、ここに来て「感情<役割<信頼」になっているという。自分ひとりの感情で暴走しては駄目、与えられた役割を果たすことが大切、だけど、それ以上に信頼パワーで支えあうことが重要なんだよ、って感じかな。
そんな具合に、3期EDで歌われた「信じる力が、私を自由にする」な境地が見えてきましたが、ここで一つのゴールが示された以上、次からは4クールに突入ってことになるのかな?などと思いつつ、DIVAサイドの「信頼」関係はどーなっているのかと小一時間(略)。
とりあえず、アンシェルはソロモンをまったく「信頼」していないようで。DIVAとアンシェルの関係、ネイサンの真意も明かされていませんし。DIVAサイドの隙(信頼関係の弱さ)をサヤサイドが突く、というのが構図として綺麗だと思われますが、だとすると、そろそろDIVAサイド内でも一悶着あってもおかしくないような…。
■あなたを愛してしまったからでは、答えになりませんか? ■(ソロモンを睨むハジ) ■治らねぇ傷だってあるだろ、それなら俺が、その傷を塞ぐ絆創膏になってやるよ
かるーく引っかかったのがコレ。サヤを巡って三者三様の想いが交錯しているという。三人の想いの行方が気になりますよん。っつうか、カイとハジはともかく、ハジとソロモンは「信頼」じゃないよね(カイとソロモンは不明?)。
月はわずかに欠け、新月に向かっている様子。この先、どうなることやら。
あとねー。絆創膏宣言はクサくて背中がむず痒すぎでしょ。前もって絆創膏をネタにした描写(絆創膏をはろうとしたら、はる前にサヤの傷がふさがった、みたいな)をネタふりしておけば、タメ→伏線回収になるんで、クサさよりも気持ちよさが浮かび上がったと思うよ?
というわけで、38話感想終了。って、次回のタイルが「魔法の言葉をもう一度」ですよ! 2話の「なんくるないさー」確定なんですが、どうやって話を作ってくるのかねぇ。
2話でのカイは「サヤの傍には俺がいる、リクだって、親父だっている」「どんなことがあったって、サヤはサヤだ、俺たちの家族だ」と言えました。家に帰れば「お帰り!」と出迎えるリクも、新作料理を作って待っているジョージもいました。
リクもジョージもいなくなった今、カイの「なんくるないさー」は、サヤに届くのでしょうか?
サヤはリクとジョージの死を受け入れることができるのか。カイはジョージに近づけているのか。注目ですよー。
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