TOP     感想     ログ     掲示板     メール

BLOOD+ 第14話 〜 さいごの日曜日 〜

新OP&EDキタ━(゚∀゚)━ッ!なBLOOD+第2クールがスタートしましたよー。第1クールは伏線を貼るばかりで回収されることはありませんでしたが、第2クールは多少なりとも伏線回収してくるのかなぁ。今回は先の展開に向けた地盤固めっぽいタイトルですけど。ま、とにもかくにも14話感想ドゾー。


■新OP&ED

OPの方は、L'arcの楽曲らしさ全開で、何を言っているのか聞きとれなかったりする。なので、とりあえずは映像についてですが、イメージとしては「私の帰る場所はどこ?」と語りかけているような印象。

OP全体の流れが、夏→秋→冬→春と季節(SEASON)が移ろいゆく形になっていますから、作中でも「秋」「冬」をイメージさせるネガティブな展開になるのかも。それでも「春」は呼んでるよ(CALL)みたいな感じで〆てるのかなぁ。新キャラとしては、半ハゲ&軍人&遊び人?なトリオと、黒頭巾の群れ&その中の女性が新登場。どう絡んでくることやら。

EDの方は、中島美嘉の『CRY NO MORE』で、映像としてはサヤが寝床でまどろんでいたりする。こちらはL'arcと違って歌詞が聴きとれますが(あたりまえー)、その歌詞を聴くに、今の自分は理想とは程遠く、矛盾ばかりだけど、その先に待つ青空を信じて、まどろみから目を覚まし、今を生きようぜ!ってところかな。映像の最後が「青空」だったりするあたり、BLOOD+全体で「青空」というのが一種ポジティブな意味を持ってくるのかも。


■以上、ベトナムでの報告を終わります

デビッドから報告を受けているのは、赤い盾のお偉いさんかな。ガラスの亀裂の入った懐中時計を所有。懐中時計を持つ手は人間。わざわざ描くってことは、後から登場してくるのかな。


■新展開

カールの行方はつかめず。ソロモンは依然としてサンクフレシュのCEOであることに変わりありませんが、前歴といい現状といい、全く情報がないとのこと。手がかりがドロンしたところで新たに登場したのが、テッド・A・アダムズという研究者。

・A・が妙に可愛い。などとしょーもないことを思いつつ、テッド本人はベトナムの実験農場で可愛げのない研究を進めていたらしく。デビ&ジュリアはテッド追跡をメインに行動していくことになる模様。ベトナム戦争の時点で米軍に所属→消息不明になったようですが、それ以降、あの施設で研究を続けていたってことになるのかなぁ。

翼手関連の謎が全くといっていいほど解明されない状況で、新たな重要キャラが登場。話が膨らんでいく一方なのが少し不安ですが、とりあえずはテッド追跡をメインに話が展開していくことになるのかな。ベトナムで「サヤも彼氏と電話なんだ」と一瞬マジモードに入って曰くありげだったミンだとか、コンテナ保管場所を夜警していたリー先生とか、そのへんは放置プレイみたい。話の根幹には関係しないファクターなんで、スルーされても別にいいっちゃいいんですが、話の根幹に関わるファクターはきっちりフォローしてくれるよね?


■里心がつかなければいいが…

そう言って、サヤの「心」「今」を否定するデビッド。カイも「なに考えてるのがわかんねぇ」と言っていますが、前回ラストでカイに「全部話せ!」と言われたものの、結局は秘密主義を貫いているらしく、方針転換はしていないみたい。

このあたり、陰に陽に赤い盾サイドの課題を突きつけているんじゃないかと。新たに赤い盾のお偉いさん(?)も登場しましたが、擬似家族サイドと赤い盾サイドの間で、一波乱も二波乱もある気配ですよー。


■冷蔵庫

冷蔵庫。放置プレイ後の食いもんはグロイですよー。前回の感想で触れたような「日常と紙一重の場所にある非日常」ネタで、暗喩的に「日常(的な食品)と非日常(なグロ腐)」とか表現されたらどうしよう…とかマジで心配した。高校の頃にツレと実験したことがあるんですが、マジでグロいんですよ。激しく腐った食品って。リアルに赤とか青とか緑とかになるんで。皆さんも注意しましょー。


■始まりの場所

蜘蛛の巣みたいな粘糸に囲まれた始まりの場所。そんな場所から生まれたとしても、サヤはサヤ。ベトナムでは翼手という存在に恐怖し、ムイを突き放してしまったカイですが、とりあえず怪しい蜘蛛の巣レベルには耐えられるみたいです。

サヤも、そう言ってくれる家族がいることが嬉しいようですが、変わらずに接してくれる家族の存在が、逆に自分の変化(過去への回帰=恐怖)を際立たせるように感じるのか、定食屋でも何か割りきれない想いを垣間見せていましたね。第2クールに入って、サヤが自分の過去を受け止めるための第1ステップが始まった感じ。静かに「タメ」ですよー。


■CM

1914年: サヤwith財閥御曹司を確認。
1923年: 翼手(?)が日本上陸。
2006年: ケロロ軍曹映画化。

保存途中にうっかりCMを削除してしまったもんで、このくらいしか記憶になかったりして。数話前にカールとソロモンの過去写真が登場しましたが、あの1枚目(1914年)に写っているのがサヤってこと?


■ただいま

久しぶりの親友との再会ですが、ジョージおじさんは?という突っこんだ質問には答えられず、日常モードなホンワカ会話に答えるだけ。カオリも感じる距離感。お子様にまで過敏に反応してしまうあたり、素でバトルモードに入っているくらいなのかな。

この町は変わらない。皆も変わらない。でも、私は変わっていく…。

皆を守ることのできる強さだけでなく、自分が自分でいられる強さも必要。そんな感じー


■サヤがんばれ!

って、がんばったらエライことになりますがな。と思っていたら、案の定。能力は普通じゃなくとも、サヤをサヤだと見る目に変わりはない。とのカオリたん発言。結局のところ、サヤがサヤでいられる強さというのは、サヤがサヤでいたいと思えるような友だちや仲間の存在に支えられるんでしょうね。

けれど、サヤはカオリを寝かせたままに先へと進もうとしてしまうわけで。言葉をかけてくれるカオリに向き合うこともなく。そういう描写を見ていると、サヤの場合、微妙に一方通行な人間関係を築くことしかできていないような。自分ひとりで全部を背負おうとしちゃってる、みたいな。もっと頼っていいんだよ、みたいな。

花火で盛り上がる仲間たち。ひとり黄昏れているサヤ。私にはやらなければいけないことがあるから。カイがいてくれたら、私は私のままでいられる。家族でいられる。そう言って花火に参加するサヤ。奏でられるチェロの切ない音色。消え落ちる線香花火。あひー。いかにも「これからネガティブな方向に進みますよー」な演出っぽさ全開。大丈夫かなぁ…とか心配になりますが、それでも、カオリの「いってらっしゃい」に応えた「行ってきます」の台詞に、わずかな希望を感じつつ。


■肉肉肉

カオリが言うには、昔からそうらしいです。たしかサヤは1年前に眠りから覚めたはずですから、昔からといっても「1年前から」ってことになるんでしょうが、昔から「そう」なのは、マイペース自己中なところなのか、それとも肉肉肉なところなのか。


■ハジ

見つめるハジ。ハジに語りかけるリク。断るハジ。サヤと同じく、ハジもサヤ以外の存在との関わりを、というか人間との関わりを持とうとしていない状態ですよー。


■エカテリンブルグ&新聞記者

片や翼手の謎を知る男。片やサヤの過去につながる男。どうリンクしてくるかは全くわかりませんが、二つの切り口からサヤの過去に切り込んでいくのかも。いや、赤い盾もサヤの過去を知っている可能性がありますから、赤い盾のお偉いさんも合わせれば切り口は三つ。それぞれが別ルートで切り込んでいくのか、それとも途中から相互に関係してくるのか。とりあえずはテッドの行方を追って、エカテリンブルグへ。何が起こることやら。


■それぞれの虹

沖縄を離れるサヤ。必ず、必ず戻ってくる。私の始まりの場所へ。見送る青空。それが、サヤにとっての虹。サヤにとっての、青空の涙。



ということで、ネガティブ9割ポジティブ1割な14話感想終了ー。13話に引きつづき、あいかわらず前途多難な雰囲気を醸しだしていますが、どうなることやらー。




BLOOD+ 第15話 〜 おいかけたいの 〜

よゐこスペシャル見たー。21話タイトルの「すっぱいぶどう」ってイソップ童話系?とか思いつつ、勢力関係を整理できたのがポイントだったかな。あと、しょこたんのヲタっぷりに( ゚д゚)ポカーン。以下、しょこたん語録をば。

・ (サヤが使っている刀の模造品を手にして)BLOOD+ファンの頂点に立った気分ですね
・ ハジはですね、人気を集めるナンバー1キャラで、ハジに血を飲ませてもらいたいゥオーって
・ でも、しょーこはハジには萌えず、カイ萌えですね
・ 血のつながってない兄弟と一緒に住んでる設定に萌えですね
・ (BLOOD+の竹田Pを見て)神様だ、神様
・ (ソロモンの紹介を見て1)またカッコイー。そりゃ惚れるって
・ キタ━(゚∀゚)━ッ!ソロモン!
・ これはハジに続く萌えキャラ登場って感じで話が騒然とした
・ 金髪で踊りませんかって、そりゃーサヤちゃんも惚れますって。こっれね、言われたいですね

スゲーよ あんたスゲーよ

有野の「しょこたん …  戦って」にも笑いましたが、BLOOD+の特番としてというよりも、ネタ番組としての面白さの方が前面に押し出されていたような。いいのか?竹P?などと思いつつ、特番の感想はこのあたりにして、本編15話感想ドゾー。


■カイの奴、絶対ゆるさないんだから!

ん〜? これはネタフリなんでしょーか? 女子高生が男おっかけて海外旅行、なーんて考えづらいんですけど…


■状態はどうだ?

よゐこスペシャルで紹介されていた第3のシュバリエ登場。空母かなんかの艦長さんらしいです。時間をかけて米軍の中にまで入りこんでるのね。

っつか、DIVAのコンテナを輸送するために空母を動かせるって…。沖縄でもヴァンが米軍を指揮していましたが、今回の空母にしても、艦長さんの個人的な都合で動かせるような代物ではありませんから、米軍の指揮系統の上の方まで翼手サイドが入り込んでいるってことになるような。


■シュバリエ

シュバリエの行動を簡単に整理すると、ソロモンはDIVAのコンテナと同行、カールは消息不明、艦長さんは軍務遂行中。アンシェルとネイサン(これもよゐこスペシャルで明かさたシュバリエ)についてはあまり語られませんでしたが、よゐこスペシャルによると、二人ともそれなりに社会的地位、知名度の高い存在らしいです。なに考えて動いているのやら。


■ハジの存在を確認したと聞いた

ネイサンというシュバリエがハジの現状を把握したがっているらしいです。ネイサン←→ハジの個人的な関係でもあるのかな?


■あーくん

火の玉ボーイの息子です。ワイン1本&写真2枚の情けない結果ですが、それでも、父の残した写真の中に手がかり発見。写真の日付は1972年12月26日、場所はラオス近辺。作中のあーくんは知りませんが、ビンゴですよー。父はそこで行き詰まりましたが、息子はどうなることやら。父と息子ってことは、家族ネタ、過去と現在の絆ネタにつなげるつもりでしょーか?

とはいえ、記者としての日常がさらなる調査を許さず、非日常な探索はお預け。日常と非日常をつなぐアイテムは、ベトナムで手に入れたワインのみ。

かと思いきや、ワインの分析依頼にいった大学で→米軍のジョージ拉致を聞きつけ→事件を調べてみたところ→ジョージの娘の名前が小夜であることを知り→調べにいった高校で関係者と遭遇、といった具合に、とんとん拍子に進展。とはいえ、関係者とは言っても直接は事件に関与していないカオリと真央が相手なんで、埒があかず。時間も金も底をつき、手がかりのワインも盗まれて、ジエンド一直線。どうするんかねぇ?


■真央が来ると、そのまま俺たちについて行くって言いだしそうだから、呼ばないって…

そしてもう一人。宮城一家を追いかけるパワフル女子高生。コワァイお家のお嬢ですよー。ま、こっちも情報としては何も持っていないんで、すぐに行き止まりなんですけどねー。


■私を連れて逃げて

そこでパワフルお嬢の力技炸裂。アバン部分の感想で「女子高生が男おっかけて海外旅行、なーんて考えづらいんですけど…」と言いましたが、あるとしても、せいぜい「子煩悩な親父の援助を受けてのボンボンぱわー発動」レベルのもんだと思ってたんですよ。それがまさか、コワァイお家の金を持ち出してまで後を追っかけるとわ…

いや、ここまで力技でくるとは思わなんだ。あまりに力技すぎて、飲んでたお茶を吹いたっす。カイも「知らせると付いてくるから言わなかった」という予想を「知らせないでも付いてくる」という力技で裏切られましたが、このお嬢、かなりの行動派ですよー。こういう力技キャラは論理的な封殺が効かないポジションにいるんで、打つ手を封じられて袋小路に追い詰められたときの切り札になるかもー。


■岡村昭宏&謝花真央

ということでアテもないまま取材旅行に突入した二人ですよー。調査の勘はそこそこ有り、親父の残した写真を手にサヤを追う、禁煙モードな岡村昭宏。思いたったら即行動、親父の金を持ち出してカイを追う、ワガママお嬢な謝花真央。1話まるまる使って二人のキャラ立てをしてきましたが、ここまで時間を割くってことは、物語の本筋に絡めていくつまりかしらん。デコボココンビの明日はどっち?

ということで「追いかけたいの!」という希望だけでなく、希望を行動に移した二人ですよー。調査能力は高いが思うようには行動できない岡村と、調査能力はないが想いを即行動にうつせる真央。うまく噛みあえばパワフルなコンビになりそうな。噛みあうまではデコボコしそうですけどね。この二人をどうメインエピソード&テーマに絡めていくのかにも注目でしょう。


■待ってなさいよ!カイ!この謝花真央さまが、必ず見つけだしてやるんだから!

真央に知らせると「ついてくる」って言いそうだから、カイは連絡しなかった。とのことですが、カイが思っていた以上にパワフル行動派だった真央ですよー。

カイはサヤを「日常」につなぎとめる存在ですが、それは同時に、カイ自身はサヤが呼びよせる「非日常」と関わっていくことを意味するわけで。つまり、カイ自身は「非日常」に偏っていくことになるんですよね。

そんなカイを「日常」につなぎとめるのが真央のパワーってことになるのかな。カイを介してサヤを「日常」につなぎとめるパワーになるのかも。イケイケ女子高生パワーに期待しましょー。


■止められるわけないじゃない、サヤたちが自分で決めたことなんだから

気になったのはコレかな。真央に詰めよられたカオリが口にした言葉。これ、何があったかわからないけど突っ走った真央とは対極にあるスタンスなんですよね。

もちろん、カオリの「何も言わない」というスタンスも、真央の「後を追いかける」というスタンスも、どちらも「何も知らない状態での行動」ということに変わりはありません。これは、サヤの過去や本性について「何も知らない状態で行動(サポート)」しているカイにも同じことが言えるでしょう。そして、自分の過去について「何も知らない状態で行動」しているサヤにも同じことが言えるかと。

ところが、今回「知ってしまった」ポジションに移った人間がいて。それがカオリです。全てを知ったとは言えませんが、岡村の写真によってカオリは真実の一端を「知ってしまった」わけで。

その時、カオリが口にしたのは「それはサヤがいっぱい考えて決めたことなんです、だから、サヤのこと、そっとしておいてください」という言葉でした。字面としては最初と同じことを言っているのですが、言葉の後に逃げてしまうあたり、後ろ向きなニュアンスなんですよね。それこそ、サヤを止めなかった自分に言い訳しているような、サヤを止めなかった自分を正当化しようとしているような、そんなニュアンス。

カイの後を追いかける真央、サヤの後を追いかけるカイ、そして、自分の過去を気にしているサヤ。真実を知っても、彼/彼女たちは信念を貫けるのか。そんな問いかけの一端を担うのが、カオリの台詞であり、真央の行動であり、そんな二人の対比であり、ってところじゃないかと。少し上で「この二人(真央と岡村)をどうメインエピソード&テーマに絡めていくのかにも注目」と言いましたが、予想としては、そんな感じでメインエピソード&テーマに絡めていくんじゃないかなぁ。



そんなこんなで15話感想終了ー(あいかわらず感想というよりも内容整理に近いですけど)。サブメンバーも出揃って、次回からは本筋が進展していく模様。ピコっとでいいんで、伏線回収してくれんかなぁ。ま、最近は「貯めこむだけ貯めこんでくれ」と割りきりモードになってきましたけどね。とりあえず次回は「シベ超に勝てるのか?」をポイントに見ていきたいと思います。




BLOOD+ 第16話 〜 シベリアン・エクスプレス 〜

水野さん緊急入院。素直にキタ━(゚∀゚)━ッ!とは盛り上がりづらい状況になりましたが、敢えて言おう。シベ超キタ━(゚∀゚)━ッ と!

内容的にはロシア編がスタート。つくづく思うのですが、ベトナムといいロシアといい、何語で話してるんでしょう? 別にどうでもいいっちゃどうでもいいんですが、時どき無性にツッコミ入れたくなる。


■ようこそ、ロシアへ

カイはカルチャーショック。リクは感受性豊富&物知り&頭でっかち&親切。ハジは無口。シベ超モードに入るのは結構ですが、その前に、オマイら団体行動せーよ。

とツッコミ入れたいところですが、団体行動されたらされたで物語の起伏がなくなるでしょうから、とりあえず華麗にスルー。などと書いてる時点でスルーできていない。カイ&リク&ハジのリアクションって何かの伏線になってるのかしらん?とか考えてしまうんですよー。


■CM

SAYAに関する検証

1914年:
ある財団の後継者とともにサヤを確認。20歳前後のサヤと財団後継者と思しき少年が写っている写真。

1923年:
謎の生物、日本に潜入。背景映像は関東大震災についての新聞記事。

1989年:
ひとりの少年が何者かに救われる。背景映像は「桜ヶ丘災害最後の行方不明者」という見出しの新聞記事。

2000年:
東京でサヤの姿を確認。セーラー服の写真と、道を歩く民衆4〜5人を写した写真(どれがサヤかは不明。左側手前の女性?)。

やっとCMの内容確認でキタ━(゚∀゚)━ッ! 最近「きた」を変換すると「キタ━(゚∀゚)━ッ!」になっちゃうのは何故?

タイトルが「BLOOD - THE LAST VAMPIRE」なんで、今放送されている「BLOOD+」ではなく、押井監督が作った「BLOOD」のゲームになるのかな。BLOOD+の内容とリンクしてくるんでしょーか。


■あんまり浮かれてると、ベトナムの時みたいに置いてくぞ

あれ? このオデブたん、日本に残って岡村記者をストーキングしてたんじゃ?

とは思いつつも、瞬間移動は気にしてもしょうがないのでスルーしますけど、ワインを奪いさえすれば動きを封じることができる、って考えは甘いですよー。パワフル真央たんナメんなや!


■お婆さん

あのねあのね、カバンを持とうとしたリクが踏んばったはずみで足を滑らせているんですけど、それなりにカバンが重くないとあんなコケ方しないっしょ。ちなみに、お婆さんの右手中指には青緑色の宝石がついた指輪。赤い盾のメンバー証明と逆の色だしー。関係ないかもしれんけど、一応チェックしとくー。


■シベリアン・エクスプレス

ジュリアたんのおっぱい、前にもまして巨大化してるような。露出も激しくなってないかい?

しばらくして落ち着くと、睡眠とったり、作戦会議したり、メシ食ったり(サヤはオデブたんと同量)、考え事したり、あくびをしたり、歯を磨いたり。ホンワカ日常モードです。

それと、カイはサヤへの想いをイジられて赤面。画面の前で「血のつながってない兄弟と一緒に住んでる設定に萌え」るショコたんが悶えていると思われ。結局、カイはハジと同室で「サヤを守るぜペア」になりましたが、馬は合わない模様。サヤはカイ(現在&心)を選ぶのか、それともハジ(過去&血)を選ぶのか。さりげに真逆ポジションの二人ですよー。

赤い盾は車内でも色々と作戦立案しているらしく。食堂のような日常モードもチラホラ見られますが、ハジのチェロの音色にあわせて挿入された映像を見るに、サヤたちの日常モードな行動と同格なのが、赤い盾の作戦立案。つまり、赤い盾にとっては、食堂のようなホンワカモードが「日常」なのではなく、翼手殲滅に向けた作戦行動こそが「日常」なんでしょうね。


■ジョエルの日記

あー、そうそう。前回の感想ではスルーしましたが、これまで何度か赤い盾メンバーが口にしてきた「ジョエルの日記」なるアイテム。日記を書いた「ジョエル」なる人物は、よゐこスペシャルによると、赤い盾のトップらしいです。

ただし、スペシャルで紹介された映像を見るに、見た目は若そうで、70年代に日記を残せるような年(40歳以上かな?)には見えないんですよ。もしかすると「ジョエル」ってのは「赤い盾トップ」という立場に与えられるコードネームみたいなもんなのかしらん?

今回語られた内容は、シベリアでの翼手目撃例について。1918年(ロシア革命まっただ中)以降、翼手はシベリアでは目撃されてないらしいです。戦争のないところには現れないのかな?


■接触

お婆さんと若者二人が接触してくるー。何か関係してくるのかな?


■でも、そんなこと関係ない。サヤに翼手と戦う力があるのなら、私は盾としての使命を果たすだけ

食堂でのホンワカモードが一転。シリアスモードに移ったリーザが口にしたのは、これまでのデビッド節やクララ節と同じように、サヤの「血」のみを欲する言葉。

デビッドたちの表情を見るに、彼らもクララやリーザと同様、戦場で翼手がらみの悲惨な体験をしてきたようで。それが翼手殲滅への原動力になっているとのことですが、サヤの「血」を利用するということは、翼手と翼手をぶつけあうようなものでしょう(というかそのもの?)。

前にも書きましたが、仮にシュバリエを中心とする翼手を滅ぼすことに成功したとしても、その時、赤い盾はサヤをどうするつもりなのさ? 赤い盾にすれば、サヤがキレたらどうなるのかは知っているでしょーに。赤い盾の行動理念が「翼手殲滅」にあるとすれば、サヤも処分されておかしくないんですけど。

っつか、これを書いていてふと思ったのですが、翼手って殲滅できんのか? ヴァンが言うには「発病」でしょ。翼手化って。今回の2匹を見れば明らかですが、普通の人間でも「発病」すれば翼手になるわけで。しかも(作中での話ですが)米軍が率先して「増殖」「発病」に関与。そんな病気を殲滅できるんかねー?


■シベ超キタ━(゚∀゚)━ッ!

血を吸われて車外に投げ捨てられた女の人。リーザたん(?)早くも退場。リーザに化けたようですが、姿形がソックリでしたから、変身能力があると思われ。やっぱシュバリエの一人ってことになるのかなぁ。

お約束的に怪しいのは「お婆さん」ですが、例の「青緑色の指輪」が何かを意味するのかも? よゐこスペシャルによると、シュバリエと赤い盾以外に、シフという第三勢力が存在するらしいのですが、それ関係?


■30年前、何があったんですか?

ベトナムでは自分の過去から逃げていたサヤが、ようやっと自分の過去へとダイブ。ここまで具体的に突っこんだのは初めてじゃないかなぁ。扱いは小さかったですが、物語的な意味はかなり大きいと思われます。こういうのをスルーしちゃうと話をつかめなくなるので、要チェキですよー。

ようやく一歩踏みこんだサヤ。あるはずのない30年前の記憶。自分を呼ぶ歌声…


■私が知ってるのはあなたの記録。記憶じゃないわ

そこに流れる、郷愁を誘うチェロの響き。サヤの「記憶」につながる音色が、サヤを癒すことになりますが、これを見るに、サヤの過去は血にまみれた忌まわしい日々だけではないようです。

それと、これまでサヤを癒してきたものは擬似家族や友人との「心」「今」の絆でしたが、今回初めて「血」「過去」の絆がサヤを癒すことに。さりげないサヤの変化とともに、物語的に大きな意味を持つことになると思われー。

そういえば、前半パートでもハジはチェロを弾いていましたが、ハジのチェロは何にあわせて弾いてるのかなー?なんて思ってみたり。DIVAって「歌」姫なんですよねー。


■ハジ

そして、扱いは小さいながらも、物語的に大きな意味を持つと思われる描写が、今回もう一つ。それがハジの変化。今までサヤ以外に関心を示すことはありませんでしたが、今回、そこかしこでリクのお守りを見せてくれたハジたん。沖縄編の焼肉イベントでは無視していましたが、わずかではあるものの、リクに心を開きはじめた感じかも。リクは「歌声」が聞こえちゃう子ですから、何か物語的に転がしてくるつもりかねー。


■この声?

相変わらず「声」が聞こえちゃうリクですよー。それと、シベリアのど真ん中でDIVAが歌っているとは考えづらいですから、遠方からでもテレパシーチックに聞こえちゃうってことなのかなぁ、とか考えてみる。


■ドーピング

コンソメスープではなく注射で変化。それほど時間もかからずに怪物化するようですが、D67「フェイズ2」とやらの効果なんでしょうか。ま、所詮はザコだしねー。と思いきや、ハジ負傷。ザコのわりには強いですよー。

戦闘シーンとしては、久々に決着がついて軽くスッキリ。振り返ってみると「6話以来じゃね?」とかツッコミ入れたくなりますが、そりゃスッキリもする罠。内容的にも、車内から壁を貫通させての一撃とか、近距離での銃乱射とか、飛びこみ斬りとか、ハッタリ効いた攻撃がイカスー。ただし、近距離での銃乱射は大したダメージはなし。サヤの血以外は本気で無意味のようです。


■サヤの…血…

リーザに化けた誰かさん。血にまみれたサヤの刀を見て、こんなリアクションを示しているのですが、どういうことでしょ? 最後にトンズラしちゃいましたが、何のために潜入したのやら。


■ターニングポイント

リク&ハジは消息不明、サヤは雪の中で気絶、残ったメンバーは捜索モード。次回予告ではサヤとハジは合流していましたが、そこで過去のサヤとハジの関係が明かされるのかな? 二人の秘密の「約束」が語られそうな雰囲気です。

今回、サヤは自分の過去に踏みこみ、ハジはサヤ以外のメンバー(とりあえずリクだけですけど)とも接触し始めましたが、この変化が次回以降どんな形で転がっていくのか。物語のターニングポイントになりそうな、そんな気配が漂いますよー。


■カイ ← サヤ → ハジ

カイとハジが同室になったり、赤い盾が「そんなことは関係ない」と発言したり、サヤとカイが離れたり。そういった描写を見ていて改めて感じたのですが、BLOOD+の物語って、カイとハジを両極として、その間をサヤが揺れ動く、というのがポイントになってくるんじゃないかなぁ。(カップリング云々ではなく、物語上の立ち位置として、って意味ですよ)

何度か触れてきましたが、ぐらすが見るに、このBLOOD+の物語には「血 vs 心」「過去 vs 現在」という対立項が秘められているような感じがして。擬似家族サイドとの交流で「心」「現在」を知り、翼手サイドとの交流で「血」「過去」を知り、その間で揺れたサヤが、最終的にどちらかを選ぶ。という構成になっているんじゃないかなぁと。そういうわけです。

これまでの話では、サヤはカイたち擬似家族サイドに付き、そちらを守るために戦ってきました。ですが、これからしばらくは(それこそ今回の遭難イベントを機に)、逆に翼手やハジの側に傾いていくんじゃないかと、そんなことを思ってみたり。その中で自分の血を知り、過去を知ったサヤが、その上でどちらを選ぶことになるのか。それが、作中の最燃えイベントになるんじゃないかしらん。とか適当なことを言ってみる。



といったところで、BLOOD+16話感想終了。先週のサブメンバー始動イベント→今週の微妙な変化→来週の物語ターニングポイント、という感じで動き出すかもしれませんね。あくまで予想にすぎませんが、17話が気になりますよー。




BLOOD+ 第17話 〜 約束 おぼえてる? 〜

どーも、ぐらすです。前回に引きつづき、今回もシベリア編なBLOOD+第17話の感想ですよー。なんか雰囲気が違うよーな気もしますが、とりあえず感想スタート。


■キャンプファイヤー

なんかサヤが強気。ハジもよくしゃべるんで、微妙な違和感があったりなかったり。ショックで昔の記憶が戻ったんか?と思いきや、どうやら無意識な回想モードのようです。場所は現代と同じシベリアかな。出てくる人名や単語を聞いていると、ロシア革命の頃のシベリアみたいですね。


■サヤ(ロシア革命期)

・大切な役目がある。
・標的を追いかけている。(このときの標的は「グレゴリー」)
・こんな雪深くなる土地ですごした経験がない。
・体温が下がって眠くなるのが長期睡眠の兆候。自分ではコントロールできない。
・目覚めている期間は3年?
・眠っている期間は「私のことを覚えている人は誰もいな」くなるくらいに長くなるかもしれない。
・ハジは眠れない。眠らないでサヤの目覚めを待っている。
・ハジの奏でる曲は、昔のサヤが教えたもの。まだそんなに上手くなってない。
・(曲を教わってからそれほど時間は立ってない? ハジがサヤと出会ったのは1910年代ってこと?)


■グレゴリー&アナスタシア

二人は「グレゴリー」なる人物を探しにきたらしく。グレゴリーっていうのは怪僧ラスプーチン、アナスタシアっていうのは第4皇女のことかな? 二人は革命の動乱にまぎれて姿を隠している翼手の一味、っていう設定みたいですね。

アナスタシアの行方はさっぱりわからないので、まずはアナスタシアが信頼していたグレゴリーの立ち寄りそうな場所から調査。ってことみたい。とりあえずは、グレゴリーが隠れているという知らせがあった「ヴォクロフスコェ村」近辺で聞きこみ開始―。

ちなみに、ハジによると、グレゴリーとアナスタシアは「我々の網」から逃げ延びているらしいです。我々の網、という言葉からは、サヤとハジ以外のサポートメンバーの存在が伺えますが、それってやっぱり赤い盾のことなんかなぁ?


■ソーニャ

グレゴリーは「放蕩者」という意味の「ラスプーツボ」と呼ばれる存在だったらしいのですが、この時代、多くの若者が「ラスプーツボ」だったとか。残っている若者は、村外れに住む「ソーニャ」という女の子だけ。ソーニャはユーリという学者の娘。ユーリはエカテリンブルグで暮らしていたが、革命が起こって帰ってきた。村でのユーリは気味の悪い実験ばかりしていたらしく、誰も近づかなかったみたいです。

その最期が「体全部の血が抜かれたように、白くなって死んだ」という状態であったこと、ユーリの行っていた実験が「気味の悪い実験」というものであったことから、おそらく翼手に関係する人物であったと思われ。

ただし、この時代、翼手は既に存在していたわけですから、ユーリの研究によって翼手という存在が生まれたのではなさそう。既に存在していた翼手に、何らかの改良を施すための研究、と考えた方が自然かな。もしくは、翼手の能力を人間に備えさせる研究か。連想されるところでは「デルタ67」なんかが思い浮かんでプカプカプカ。ソーニャが言うには「人間を作り出すこと」を研究していたらしいのですが、なんなのかねー。


■ハジは、家族みたいなものよ

今回の旅は「もう二ヶ月になる」ものらしく。サヤとハジは恋人同士というより「家族みたいなもの」とのこと。たしかにサヤとソーニャの前で上半身裸でいられるところを見るに、ハジは性とか興味なさそう。サヤとラブリーな関係だったわけじゃーないみたいですね。

っていうかキタ━(゚∀゚)━ッ! 家族キタ━(゚∀゚)━ッ! これが☆カッター。

つまりですね、サヤにとってのハジという存在は、カイやリクとは別の、もう一つの家族であるわけですよ。現代のサヤは忘れていることですが、今後サヤが自分の過去を思い出したとき、カイやリクたち擬似家族とは違う、もう一つの「家族」に出会うことになるわけです。そして、その「家族」とともに生きるのか、それともカイやリクたちと生きることを選ぶのか、決断を迫られることになると思われ。

前回の感想で

(カイ ← サヤ → ハジ の項より)

これまでの話では、サヤはカイたち擬似家族サイドに付き、そちらを守るために戦ってきました。ですが、これからしばらくは(それこそ今回の遭難イベントを機に)、逆に翼手やハジの側に傾いていくんじゃないかと、そんなことを思ってみたり

こんなことを書きましたが、だいたいそんな感じー。物語が転がりはじめた感じー。


■あなたと一緒だから

ともだち○こー。って言ってみるー。この間マンガ喫茶で読んでから「おぼっちゃまくん」にハマってるぐらすですよー。まぁあれだ。ただ単に「ともだち○こ」って言いたかっただけだ!

すみません。言いたかったのはホントですが、それだけって言うのはウソー。沖縄編といいベトナム編といい、サヤにとっての友だちという存在は、日常パートに引き戻す存在なので、今回のソーニャもそんな役割かなーって思ってみるー。

ただし、気をつけた方が良さそうな箇所もありまして。というのは、今回の友だちであるソーニャによって引き戻される「日常」っていうのは何?という点。

今回のソーニャを見て感じたのは「日常パートって何さ?」ってことなんですよ。前回の感想にも書いたことですが、赤い盾にとっての「日常」というのは、翼手殲滅のための行動だったでしょう。つまり、この「日常」というのは、相対的なものなんですよ。その人間が立っている位置によって、何が日常かは異なるわけです。逆に言えば、日常(友だち)を見れば、その人間の立っている位置も見えてくるわけです。ですから、翼手とともだち○こな人の立っている位置は、そういう場所なわけですよー。類は友を呼ぶ、みたいなー。


■CM前タイトル表示

CMに入る前の「BLOOD+」のタイトル表示、最後に5本の剣(?)が画面奥から飛来してくるのですが、何か意味あるのかな? 5本って言うと、ちょうどシュバリエの数になりますが、そのうちシュバリエも剣を持って襲ってくるとか? それとも、ハジやカイといったサヤにとっての「シュバリエ(騎士)」が剣を手にとって戦うことの暗示? それとも特に意味はないとか?


■お父様の本

CM前、ソーニャが「お父様の本」と言っていたのは「Philosophie Zoologigue」というタイトルの本で、どうやらこの本は、ソーニャのお父様がしていた研究に関係する本だったようです。これ、CM後にハジが持っていた本が「Philosophie Zoologigue II」というタイトルの本でしたから、思いっきり関係しているわけですね。

Philosophieは「哲学者」ですが、Zoologigueはネット翻訳では日本語にならず。スペルの近い言葉としては「動物学」「動物崇拝」なんかがあるようです。ハジはその本の中に、グレゴリーからのものと思しき手紙を挟んでいたわけですが、なんなんかねぇ。この時点でサヤとハジが属していた「我々」のグループも、ソーニャのお父様(ユーリ)がしていたのと同じような研究に関与していたってことかなぁ。


■串刺し

怪しい婆さんを追いかけたハジが、杭みたいなのんに串刺しにされるわけですが、角度的に数メートル上から投じられた刺さり具合。長距離から山なりに投げたか、近距離上空から直線的に投げたか。前者ならパワータイプ、後者なら飛行タイプ、ってところでしょうか。怪しい婆さまが犯人?

しっかしハジはこれでも死なんのね。杭で心臓グッサリ刺されたら死ぬタイプの吸血鬼ではないみたい。頑丈ですなー。まー、シベ超の翼手も至近距離からの銃乱射に耐えていましたから、翼手としては当然なのかもしれませんが。っつーか、さすがにこれで生きているくらいですから、ハジが翼手であることはほぼ確定かな。


■悪魔の研究

人は人を超え、さらには神をも超えられるのだから、人は人を研究し、現在の人間を超える新しい人間を作っていくべきだ。それが、自然とともに生きることを拒絶した人という種が進むべき道であるはず。

これがシュバリエの行動原理の一つのようですね。もう一つの行動原理としてDIVA守護というものがありますが、この二つ、直列につながるものなのか、それとも並列に位置するものなのか。現状では不明ですが、とりあえず推測できるところとしては、現代でヴァンが中心になって行っているデルタ67フェイズ2の開発は、おそらくソーニャ(グレゴリー)が説いたこの思想の延長線上にある活動じゃないかと。


■偉大なる長兄、アンシェル

ということで、現代でソロモンが語っていた「アンシェル」が初登場。シュバリエの長兄らしいですが、グレゴリーがラスプーチンに化けていたことを考えると、このオッサン風な外見のシュバリエも、第4皇女アナスタシアに化けていたのかなぁ。それともアナスタシアこそがDIVAなのか。

ま、そのあたりは不明ですが、わかったことは、この時点のアンシェルは、積極的にサヤを排除しようとはしていなかった、ということ。もちろん。だからといって積極的に守ろうとしているのでもなく、あくまで「DIVAの眠り」こそを最優先にしているだけのようですが。このオッサン(風に見えるけど中身は不定形生物な人もどき)は何を考えているのやら。

そして、あと一つ。怪物化したソーニャを前にしても変わらなかったサヤの目の色が、アンシェルを前にして一気に赤くなっているんですよね。たしか、今までのサヤは本気モードになると目が赤くなっていた気がするんですけど、サヤにとってのアンシェルは、それほど意味を持つ存在なのかしらん。


■グレゴリー・エフィモビッチ・ラスプーチン

少し上で書いた「飛行タイプ」でした。これまで「翼手」と気軽に書いていましたが、これって「翼」の「手」なんですよね。前半パートで写真に写っていたラスプーチンは中年以上の男性で、それがソーニャに化けていたことを考えると、翼手すべてとは言えませんが、少なくともシュバリエは自由に変形できる模様。その真の姿は「翼の手を持つ者」なのかも。あーでも、変態仮面の怪物化のときは翼はなかったよーな…。あったっけ?

それと、気になったのはグレゴリーの最期の表情。怒りも憎しみも後悔もなく、自然に笑っているんですな。シュバリエにとって、死はそれほど忌み嫌うものではないってこと? 変態仮面にしても、ストレートに昔の敗北を悔しがっている感じじゃーなかったですし。なんなんでしょう? 今回、いろいろ謎が撒かれましたけど、サヤとハジの「約束」の次に、これが気になったりして。


■眠り

サヤは「あの時みたい」と言っていますから、サヤが長い眠りにつくのは、この時が初めてではない模様。ただし、台詞を聞くかぎりでは、何回も何回も経験してきたわけでもないんじゃないかなぁ。

一つ目は「あの時」という表現で、これは複数の場面を指す言葉じゃーないと思われ。二人の共通認識として、ある一つの「あの時」という局面があって、それを指しているんじゃないかと。もう一つは「「長い眠りがくるのかな?」という疑問形。何度も経験していれば、あえて言うことでもないような。

という感じで、サヤが1918年以前に長い眠りについたのは一回ぽっきりだと考えてみたり。付け加えるなら、沖縄で眠りにつくときは、そこにハジはいたのかなーなんてーのも気になったり。どうなんでしょー?


■約束

それと、見るべきは今回のタイトルにもなっていた「約束」でしょう。約束の中身は明かされず、口の動きを描くだけ。十中八九、後の伏線回収に向けた「タメ」なんでしょうが、100年の時を越えてなお思い継がれる「約束」ってのは、かなーり燃えるシチュエーションですよ。

とりあえずは後の伏線回収に期待しておきますが、それだけでなく、現時点で把握しておきたいところもあるわけで。前回の感想や上の「ハジは、家族みたいなものよ」の項でも記したことですが、現代のサヤは、沖縄での擬似家族に見られる「今」「心」サイドと、ハジやソーニャたちに見られる「過去」「血」サイドの間で、行ったり来たりするポジションにいて。

今回のエピソードでは、軽く過去をのぞき見した程度ですが(しかもあまり覚えてもいない)、それでも、わずかとは言え、これまで「今」「心」サイド一辺倒だったサヤが、反対に位置する「過去」「血」サイドに傾きはじめる形になっているんですよね。

現時点では、それほど顕著に「過去」「血」サイドに傾いているわけではありませんが、そのとっかかりとして、押さえておいた方がいいかも。サヤにとって「過去」「血」は忌むべきものとは限らない、むしろ心休まる暖かな側面も持っている、というポイントと合わせて把握しておきましょー。


■戻る場所

そんなこんなで現代へと戻ったサヤですが、わずかに「過去」「血」サイドへと移りはじめたサヤを迎えた者は、擬似家族であるリク君。ここでカイが出迎えてしまうと、サヤは完全に擬似家族(今&心)サイドに戻ってしまうのですが、リクは「声が聞こえる」という特殊技能を持っていますから、微妙に「過去」「血」サイドの人間なんですよね。サヤは完全に「今」「心」サイドに戻ったわけではないという。ここ、ハジとの「約束」とセットで試験に出るポイントなんで、要チェック。


■偽リーザ?

偽リーザ登場。予告によると、サヤたちは次回あっさりカイたちと合流するみたいですが、このままスルーされちゃうのかな? まぁ、ただ単にサヤたちを救いに飛び出しただけにも見えるしねぇ。ちょっと気になりつつ、今すぐ気にしてどーなるもんでもないんで、のんびり先の展開を待つ方向で。



ということで、第17話感想終了。見所は多かったのですが、個人的にはサヤのサイドチェンジが特に気になったところ。前回の感想でも触れたネタですからねぇ。この方向で進んでいくのなら、今回のように「過去」「血」サイドの暖かな側面をアピールするエピソードとともに、これまでマンセーされてきた「今」「心」サイドが、逆に暴走してしまうエピソードなんかも入っておかしくないところ。はてさて、どーなることやら。




BLOOD+ 第18話 〜 エカテリンブルグの月 〜

どんどん登場人物が増えていくー。アバンを見ながらそんなことを思った第18話。こんなに登場させて処理しきれんのかな?とか、ベトナムのリセ学園キャラみたいに使い捨てていくのかな?とか、そんなことを思いつつ、感想ドゾー。


■メガネ親父と寝たきり長髪男

DIVAの棺が消息を絶った後、デビットたちはベトナムで行方不明になった「テッド・A・アダムズ」なる人物を探すとか何とか言っていましたが、メガネか長髪、どっちかがテッドなんかなぁ。新ネタとしては、メガネの言葉の中に登場した「火と氷の国」で研究を続けている「ボリス」なる人物と、メガネの息子「アンドレイ」の存在でしょう。

メガネの「ボリスの奴、今でも火と氷の国で研究を続けてるそうだ」という台詞から推測するに、メガネと長髪(どちらかがテッド?)は今では研究を続けてはいないこと、三人の中でボリスだけが研究を続けていることが窺えます。ボリスからの連絡は「ろくでもないこと」が起きる兆候らしいですから、これらを合わせて考えてみると、二人よりも「ボリス」の方がマッドサイエンティストっぽい感じ。しかもバリバリ現役。


■おっぱいおっぱい

ヤリスギ家庭教師!な感じのジュリアたん。ソファーに肘なんかかけちゃって、巨乳もコスプレもメガネも通じなかったわりに余裕ですよー。なーんて思いつつ、メタな視点から見ると三つの意味が浮かび上がるジュリアの台詞に燃え。

一つ目は、ジュリアたんの恋愛関係。これはそのまんまなんで、軽くスルー。と言いたいところですが、台詞回しの視点から考えてみると、これがさりげに上手い。というのも、残る二つのメタメッセージを単独で語らせてしまうと、ものすごーく説明くさい台詞回しになってしまう罠。それをカモフラージュするために、ジュリアの恋愛ネタで表面をコーティングしてきたんでしょうね。

二つ目は、カイ成長物語の方向性。何かにつけて衝突しているデビッドの立場。沖縄に置いてきた(つもりでいる)真央女王様の立場。そういった自分以外の立場から物事を見つめられるようになった時こそ、カイ成長物語がクライマックスを迎えると思われ。

さらに言うと、カイというメインキャラの成長物語において「相手の目線から考えることが大切」というファクターが鍵になるのであれば、BLOOD+の物語全体においても、このファクター(自分の目線でばかり物事を考えるのは(・A・)イクナイ!)は重要なテーマの一つになってくるんじゃないかなー。今後、このネタが見え隠れしたら、要チェキで。

ちなみに、BLOOD+と種シリーズはプロデューサーさんが同じらしいですが、この「自分目線」ネタは、デス種でも2クールあたりで何度か描かれていたネタだったかと。プロデューサーさんの戦争観(人はなぜ争うのか?)や哲学(人ってどんな生き物なの?)の基盤なのかなぁ?とか思ってみたり。

そして三つ目。ジュリアの台詞を上の二つ以上にメタな視点から見てみると、なんて言うか「制作者の立場に立ってBLOOD+(の謎)を見てくださいね、そうすれば解けますよ、楽しめますよ」って言ってるようにも聞こえてきたりこなかったり。これまでBLOOD+には幾つもの謎が織りこまれてきましたが、自分の目線から謎解きをするよりも、制作者の立場に立って考えることで、その謎(パズル)は解けますよ、みたいな。ある意味で「正しいBLOOD+の見方」講座、みたいな(笑)。


■テッド・A・アダムス

血液学者。戦争中はベトナムの研究所に在職し、デルタ67の研究責任者として従事。戦後、数人の「仲間」とともにロシアに亡命。

ということで、デルタ67は「血液」に関係する物質であることが推測されるところですね。それと、アバンとあわせて見ると「仲間」というのが一つのポイントになるのかも。メガネ、長髪、ボリス。その関係性の中でサブイベントでも展開させてくるのかな?


■カイ

デビットから「お前にわかるのか、この銃の重みが」「お前を連れてきたのは身勝手な行動をしないよう、監視するためだ」「礼が欲しければいくらでも言ってやる」などと言われまくりなカイ。一人前どころか半人前にもなれないお荷物状態ですよー。

実際、見張りなのにオデブの接近に気づかないほど知恵の輪に熱中したり、手紙復元程度の仕事で礼を要求したりと、相手(この場合はデビッド)の立場から自分がどう見えるのか、まるで考えられない未熟くんです。デビットから「お前にわかるのか、この銃の重みが」と問われても言い返せないあたり、カイ自身も薄々ながら自覚していそうな気配。成長物語の行方に注目でしょー。


■マトリョーシカ

人形の胴体の中に小さい人形が入っていて、その人形の胴体の中にもさらに小さい人形が入っていて、その人形の中にも(略)ってゆーロシアの民芸品ですな。DIVA→シュバリエ→翼手→…という「発病」を暗喩しているのか、それとも、形状的に「家族」を暗喩しているのか。どっちにしても推測の域は出ませんが、なにやら意味深ですよー。


■フィリップ・ローゼンバーグ

テッドと一緒にベトナムから亡命し、その後10年ほど前(1996年?)から行方不明になっていた研究者。これが寝たきり長髪男の正体らしいですが、会話もまともにできないほどになってしまって…。10年前に何があったのやら。

フィリップは「アンドレ」に謝罪しなければならないことをしてしまったため、今でも謝罪したがっているということが窺えますが(アンドレに月を見せることが謝罪になる)、それとは別に、もう一つ。フィリップ宛になっていた手紙の送信元。アイスランド。これが「ボリス」が研究を続けているという「火と氷の国」になるのかな。


■隠された原発事故

ツベルドロフスク51という施設らしいですが、どうやら翼手関連の研究施設を「原発」と偽って外部から隔離していたらしく。旧ソ連の領内ですから、国が関わっていた施設、研究と見るのが妥当なところでしょうね。DIVAの移送を担当したのも米軍の空母でしたが、いろんな国に入り込んでるみたい。軍事転用を目論んで手を組んだ、ってことなのかなぁ。

施設の中は、原子力な痕跡はなく、その地下に眠るは、一体の翼手。これがアンドレ。って人間じゃなーい。少なくとも人間型じゃなーい。デルタ67によって「発病」した人間、ってところでしょうか。パッと見では活動を停止していますが、翼手ってサヤの血以外では死なないはずですから、これは仮死状態ってことになるのかな? それとも寿命? 実験によって生まれた失敗作?

それにしても、チェルノブイリの事故当時、放射能が風に流されて日本にも飛んでくるとかで外で遊ぶのを控えさせられたり、食べ物も汚染されるから原産地に注意しましょうとかニュースでやってたり、子ども心に「なんかヤバイ」と感じた記憶がありますが、今の高校生くらいじゃ知らんのかなぁ…。ちょっとしたジェネレーションギャップにorz


■リスペクト

カイオデブ
降りるのかよ?-
-いやならいーんだぜ
言ってねーだろ、んなこと!
オレも行く!
-
-じゃぁオレ行くの止めようかな

だちょうリスペクト?


■お前は何のためにロシアに来た、それを優先させろ

このデビットの言葉を聞くに、デビットはカイがサヤを援護しようとしていること自体は止めていないみたい。さらに「下に用があるのは俺たちだ」の台詞をあわせて考えると「それぞれの役割を全うしようぜ!」っていうスタンスっぽい。

と言いたいところですが、少し前まで形見の拳銃を渡さなかった人間が、何のキッカケもなしに今度は銃を手渡すって…。なんか変、というか突発的すぎないかい?


■アンドレ

翼手キタ━(゚∀゚)━ッ! やっぱ死んでなかったのねー。これが「息子」ってことは、発病した(もしくは発病させられた)わけか。息子にまでデルタ67を投与したって…。狂気の産物か、はたまた何かしらの事故か。

フィリップが謝りたがっていたのはコレで、コレをきっかけにテッドとフィリップは研究から離れた、ってことになるのかな。だとすると、研究を続けている「ボリス」は、今でもこんなことをし続けているってことになるような。それこそ、ベトナムでムイが犠牲になったような実験を。


■三人の男、美しい少女

三人の男たちが持ちこんだ特殊な血液。その長期保存の研究。結果、この世に生まれたのが、デルタ67。元となった血液の持ち主は、一人の少女。DIVAと呼ばれたその少女は、美しく、奔放。それでいて、人類にとって最も危険な存在。

ということで、デルタ67による発病(翼手化)の根源はDIVAの血であることが判明。デルタ67による翼手化が「発病」と呼ばれることから考えるに、その血には何かしらの病原体が含まれていて、それが人体に作用して翼手になるっぽい。ってことは、逆にサヤの血液には、その病原体の活動を停止させるような力(これも病原体?)があるのかも。

まーそのへんのことは未確定ですが、ひとつ思いあたるのは「サヤの血から翼手殲滅のための成分だけを抜き取って培養することはできないのか?」という疑問。仮定だらけの話になりますけど、仮に成分培養が不可能だとすると、仮にサヤの血とDIVAの血が同じような特性を持つとすると、DIVAの血液から人を翼手化させる成分だけを抜き取って培養することはできないことになります。ならば、デルタ67の原料とは、培養された病原体ではなく…


■弾なし

デビットがカイに渡した銃は弾なし。少し前に「なんか変、というか突発的すぎないかい?」と思わされたデビットの変化は、これが理由だったのね。カイを上手く動かすための「道具」としてジョージの拳銃を利用した、って感じ。これ、サヤを「翼手を倒すための道具」としてしか見ていないデビットらしい行動で、さりげなく現在のデビットの立ち位置をアピールしているんでしょう。

翼手に殺された仲間との心の絆、過去の絆に縛られて、いま目の前にいる人間との心の絆、現在の絆を否定し、道具として利用しているデビット。実に皮肉な話ですが、これがデビットにとっての物語上の問題点であるならば、後にこの課題を克服するためのエピソードが盛り込まれるかもしれませんね。

ただ、この手の典型例として「利用しているだけのつもりだったのに、亡くしてから本当に大切なのはそれだったことに気づく」みたいなパターンがあって。これに「自分の盾になって逝く」というオプションが付けば最強。ということで、おっぱいぴーんち。


■月

炎に包まれるアンドレ。心をなくした瞳に映るは、冷たい空に煌々と輝く月。それは、テッドとフィリップがアンドレにできる、唯一の謝罪。それは心をなくしたアンドレには届かないのだろう。アンドレが救われることはないのだろう。それでも、それでも…


■エカテリンブルグの月

仲間の死、一人だけ生き残った自分。それゆえ戦い続けなければならない。それがデビッドの運命。心の絆に支えられているサヤとは違い、心の絆に縛られているのがデビット、ということになるでしょう。心の絆には、サヤを支えるようなポジティブな側面だけでなく、デビットを呪縛しているようなネガティブな側面もあるわけですね。

これまでの感想でも触れてきましたが、サヤは「心と血」「現在と過去」の両極の間で揺れ動いています。序盤では「心」「現在」サイドの絆がポジティブな力を持っていたのですが、第2クールに入ってからは、サヤの血、サヤの過去という「血」「過去」サイドの絆が、サヤにとってのもう一つの居場所であることをアピールしているでしょう。そうすることで、第1クールで「心」「現在」に傾いたサヤの立ち位置を、第2クールで「血」「過去」に揺れ戻しているわけです。

そして今回、第1クールでサヤの立ち位置であった「心の絆」を否定するように、デビットの傷、運命が描かれました。今のサヤの拠り処である「心の絆」も、単純に「それさえあればオールOK」とマンセーできるようなものじゃないよ、ということになるんじゃないかな。

とはいえ、直前のテッドやアンドレの最期を見るに、家族(血の絆)というのも一概にマンセーできねーよ、みたいなところもあるんですよね。心(精神)の絆にも、血(肉体)の絆にも、それぞれに問題があって、どちらかを絶対的に良いと言うことはできない。けれど、それでも人は生きていくんだ。生きなきゃならないんだ。みたいな感じです。

何が正しいか見えなくても、何が間違っているか分からなくても、それでも人は生きている。ならば、その道を照らす光は、太陽のようにすべてを育み、すべてを救う、輝かしい光ではなくて。その道を照らすのはきっと、月のように儚い光。それが、今回のタイトル「エカテリンブルグの月」なんだと思います。


■月と太陽

ただ、そんな月の光でも、見る者によっては心が癒されるように感じることもあって。結局は受け手が何をどう感じるか、考えるかの問題なんじゃないでしょうか。受け手の意志こそが、降り注ぐ月光を眩い太陽の光に変えることができる。見方を変えるなら、受け手の意志こそが太陽だ。そんな感じ。

もちろん、ジュリアがカイに説いたように、独りよがりで一方的な物の見方をするというのは問題です。デビットにしても、亡くなった戦友たちが自分に何を求めているのか、そこから目を背けて殻に閉じこもっているような向きがあるでしょう。いくら受け手次第とはいえ、相手が何を伝えようとしているのか、どんな立場から物を言っているのかを無視して突っ走ってしまうのは、それはそれでマズイわけです。

そうではなくて、相手が何を伝えようとしているのか、どんな立場から物を言っているのかを受けとめ、それを飲み込んだ上で、受け手である自分自身が、相手の主張をポジティブに昇華させようぜ!みたいな。相手の意図や立場をスルーするのでもなく、かと言って、与えられた言葉や想いを鵜呑みにして絶対是とするのでもなく、それぞれのプラス面とマイナス面を知った上で、どちらかを「選ぶ」ことを重視して、選んだ道を生きようぜ!みたいな。そんな〆方に持っていくんじゃないかなー。

そう考えると、物語の中で「血」「心」「現在」「過去」の内の一極だけが絶対善とされるような展開は考えづらいところ。ここしばらく、サヤが「心」「現在」から「血」「過去」へと揺れ戻しをかけられていますが、ぶーらぶら揺れながら、最終的には両方を寄り合わせた中道モードに落とし込んでくるんじゃないかなー。とか超予想してみる。言い方を変えれば「妄想」とも言いますが、まぁアレだ。そんなもんは受け手次第だ。


■太陽

ということで、せっかくなんで妄想も行き着くところまで逝ってみようかと。太陽が吸血鬼を浄化するのは王道ですが、シュバリエであるソロモンや変態仮面は太陽の下でも元気いっぱいに活動していますから、BLOOD+の吸血鬼は太陽光アレルギーはない模様。

ですが、もし人の意志が「太陽」になりうるならば、その意志の力、もう一つの「太陽」の力で翼手を浄化する、ってーのがキレーな〆方だと思ってみたり。ベトナム編でも、貧困という現実(雨)を受け入れながら、それを喜び(虹)に変えたのがムイの意志(太陽)であったように。ついでに、サヤの刀の名前が「Sol(ラテン語で太陽)」とか。そういうのがメタでキレーで個人的に好みの演出なんですが、そーゆーのキボンヌ。キボンヌキボンヌキボンヌ!


■指輪

偽リーザの指に輝く青。シベ超の婆さまが指にしてた指輪と同じかな? っつーか、赤い盾の証が「赤」の宝石で、偽リーザの指輪が「青」の宝石って、やっぱなんか関係あんのかなぁ。

一般に「赤」「青」というと「対をなす関係」と見るのが自然だと思いますが、だとすると、翼手であると思しき偽リーザの属する組織と対をなすのが、デビットたち「赤い盾」ということになるわけで。これまで「赤い盾」は翼手根絶のための組織だと言われてきましたが、それだけー?

根拠はないんですけど、根絶というよりも、人類と翼手との「バランス」をとるために動いているのが「赤い盾」なんじゃないかなー、とあてずっぽうで言ってみる。デビットのような実動メンバーは知らないけれど、その裏の顔が「青の組織」で、赤は翼手根絶のために、青は翼手生存のために動いている、みたいな。

んで、DIVAやシュバリエこそが両者の中間。マンガ「寄生獣」で言うところの田宮良子(玲子)で、サヤも同じく中間ポジションな泉新一、みたいなことになってくるとか。ほんで、テーマ的に「人間って何?」みたいなのんも入ってくるんじゃないかなー、とか。ラスボスはシュバリエが合体するんじゃないかなー、とか。



そんな感じで第18話感想終了。いろいろと妄想爆発させちゃったんで、だいぶ感想からかけ離れてきたような気もしますが、マジネタとしては、引きつづきサヤの揺れ戻しっぷりに注目ってことで。ではー。




BLOOD+ 第19話 〜 折れたココロ 〜

フードの一団登場。また登場人物が増えた。主人公周辺はもとより、ボリス周辺、フード周辺、DIVA&シュバリエ周辺と、それぞれに物語を展開させてくるのかなぁ。期待半分、不安半分。しばらく様子見の方向で。それと、前回の「赤と青」の妄想は8割がた外れたよー。


■フードの一団

OPにも登場した一団ですが、おそらくこれが、よゐこスペシャルで触れられていた「シフ」なる勢力なんでしょうね。催眠術(?)を使うことと、ミレーヌ(?)という輩の名前、サヤを求めていること。その三つが判明していますが、物語の上でどういう位置づけになってくるのやら。

一応、サヤを求めるということは、対翼手、対シュヴァリエ、対DIVAの力を欲しているんだと思われますが、だからと言って、その目的が「人間」にとって望ましいものかどうかはわかりません。前回の「赤と青」の妄想じゃありませんが、シュバリエ←シフ→人間ってゆー感じの中間ポジションになってくる可能性もあるでしょう。赤い盾の真意、シュヴァリエの目的、翼手の存在意義。それらとあわせて、物語を読み解く一つの鍵になりそうなんですが…。


■テッドに会うため、ツベルドロフスクに向かう、ですって

偽リーザはデビットたちの行動を把握したわけですが、把握したからといって何か手を打ってくるわけではないようです。デビットやカイたちは、翼手の襲撃を受けることなくホテルに到着したようですから。偽リーザは赤い盾なんぞ眼中にない、ってことになるみたい。赤い盾よりもサヤ一人に気を配らなければならない、みたいな。

まぁサヤの血以外に翼手を滅ぼす手段がない以上、当然といえば当然なんですが、ならば赤い盾の存在意義って何さ?ってことになるんじゃよ。基本的にはヲッチング専門で、サヤが目覚めてる間だけ強気な行動に出る、ってことなのかなぁ…。


■人は強さだけでは生きていけないわ

戦場では良い奴から死んでいく。それを見るのがイヤだから、カイとの距離を保つ。というのがデビットの言い分のようですが、そんなデビットを「少し前までは鉄の塊のロボット」「今はアンドロイドかサイボーグ」と評するジュリアたん。ってことは、これでも多少は丸くなってきてるのね。

前回のカイに対するスタンスを見るに、現状でのデビットはサヤやカイを「道具」として見ている向きが強く、心の交流を否定しているように見えましたが、それでもわずかながらに「心」のファクターを持っているようです。

デビットの中に占める「心」の割合。それは今後の展開の中で膨れあがっていくのか、それとも消えていくのか。それを計る一つの指針として、医者という「役割」ではなく、女性という「心」を以ってデビットに接するジュリアとの関係性がポイントになってくると思えますが、はてさてどうなることやら。

人間になっていくのか、それとも、鉄の塊に戻るのか。生きるために必要なのは、弱さか、それとも、強さか。前者の道を進むなら、その先に待つのは人間としての運命。後者の道を進むならば、その先に待つのは翼手と変わらぬ存在と化していく運命。どちらに進むかによって、サヤやカイ、ジュリアたちの運命にまで影響を及ぼしそうですよー。


■カイ

テッドの最期の言葉を回想するカイ。サヤの過去が気になっているようですね。ベトナムでは常軌を逸したサヤの変化や「翼手」という存在そのものにビビっていたカイ。心サイドから血サイドへ、人間から翼手へ。傾いていくサヤを前にして、カイは何を思い、どう行動するのか。カイにも変化、成長が迫られることになりそうですね。


■イクラぷっちん

ぷちっと潰す動作にあわせて音楽を切り換え。この一瞬で日常パートから非日常パートにシフトしたわけですが、それを彩る音楽演出に萌え。見ててビクッと来るねー。イイヨイイヨー。


■偽リーザの正体は?

シフの一人が「あのシュバリエがいるぞ」と言い、出て行くことを躊躇っていましたから、偽リーザはシフと敵対する存在であること、偽リーザはシュバリエの一人であることが窺い知れます。

言動から見てソロモンやカールとは思えませんし、空母の艦長はDIVAの移送に従事しているでしょうから、ネイサンかアンシェルのどちらかということになるでしょう。公式HPの画像から見るに、あーゆー野太い声を発しそうなのはアンシェルじゃないかなぁ。シュバリエの長兄が天敵の様子を見にきたって感じ?


■道を外れたシュバリエ

という偽リーザの台詞によって、ハジの正体が確定。やはりシュバリエだったようですね。なぜDIVAを護る騎士がDIVAから離れてサヤに付き従っているのか。そこがハジ物語の一番のポイントになってきそうですが、やっぱり例の「約束」に関係する話になるのかなぁ?

あ、これまで「シュバリエ」と表記してきましたが、来週からは「シュヴァリエ」に変えにゃーならん罠。


■あなたが見たその夢のこと、聞かせてくれない?

ロシア革命期とベトナム戦争時の記憶について吐露し、そんな生々しい記憶を持つ自分について「私、わけわかんなくて」と評するサヤですが、偽リーザはそんなサヤに「揺らいでるのね」と一言。

サヤの過去や想いを無視して「血」の力だけを求めてきたデビットとは違い、サヤの過去に興味を示して話を聞いてくれる偽リーザに、サヤも少し「心」を開いているようですな。

自分の「過去」が気になっているサヤ。相手との「心」の絆を欲しているサヤ。では、周りにいる人間に「心」が感じられなくなった時、サヤはどんな行動に出るのでしょう?と考えると、十中八九、自分の「過去」を求めて「心」のないデビットたちから離れることになると思われ。


■生き物は、生きるために必要だから食べていく

過去編でラスプーチンが語っていたようなのと同じような主張ですね。必要以上に求める人間、必要に応じて食べる翼手。翼手は生きるために必要だから人の血を吸っているだけであって、生物としては、別に悪いことはしてないんじゃないの?みたいな感じ。

翼手は本当に悪なの? 人間は本当に善なの? 人間のために戦っているサヤは善なの? サヤが進むべき道は本当に人間のために戦うことなの? サヤの生きる場所は本当にそこにあるの? 善って何? 悪って何? サヤの居場所は、どこにあるの?

というネタ振りですよー。さらに先まで考えると、翼手サイドに傾くにしろ人間サイドに傾くにしろ、サヤは翼手の「存在意義」を踏まえた上での選択することになると思われ。それは同時に、翼手という存在が絶対悪として断罪されるような展開にならないことも示しているのでしょう。

絶対悪ではない存在として、正当性を持っている側面も描きつつ、同時に、何らかの価値基準において「悪」である側面も描き進める。バランス感覚が求められるシリーズ構成になりそうですが、どんなサジ加減を見せてくれることやら。見ている側としても、前番組の種がそうだったように、見ていて良い意味で疲れる(善悪を考えさせられる)ことになりそーです。


■「そんなこと、考えた事もありません」「翼手は、人の血を吸う化け物だって、デビットさんは言ってました」

結局サヤは、サヤ自身も「翼手のことを何も知らない」と言っているとおり、デビットたち赤い盾から言われるがままに、翼手を滅ぼそうとしていたわけですね。なぜ翼手を滅ぼさなければならないのか、翼手を滅ぼすことにどんな意味があるのか。そういったことを能動的に考え、自発的に行動するのではなく、振りかかる火の粉を払うような、どこか受動的なスタンスで翼手に向き合っていたわけです。

翼手が人を傷つけて人を不幸にするのなら、私が戦ってみんなを守ってあげよう。そう考えているサヤですが、翼手が人を傷つけることは、本当に「不幸」なことなのでしょうか。サヤが守ろうとする「みんな」とは、一体なんなのでしょうか。それを知ることなく、それこそが当たり前の正義だと思い込んで戦いつづけるサヤ。それを教えることなく、それこそが当たり前の正義だと思い込ませてサヤを戦いへと誘う赤い盾とハジ。少しずつ、そして着実に、歯車は狂っていく…


■あなたが心から望んでいることなのかしら?

翼手を倒す、確かにそれがあなたの使命なのかもしれない。でも、それはあなたが心から望んでることなのかしら。サヤ、あなたはやらなければならないことと、やりたいことを一緒にしているんじゃなくて。あなたが本当にすべきこと、他にあるはずよ。

それを得るために、あなたは何人の人間を犠牲にしていくのかしら。あなたが翼手を倒すことで、そばにいる人間は、必然的にその戦いに巻き込まれていくことになるの。そして、その人間は何かを失うことになる。悲しい現実だわ。

Aという願いを叶えるためには、aという行動をしなければならない。だが、aという行動をしたからといって、Aという願いが叶うとは限らない。

カイやリクと沖縄で暮らすためには、人類の敵である翼手を根絶しなければならない。だが、翼手根絶のために動けば、その行動によって犠牲になる人間もいる。何かを失う人間もいる。今回リクが倒れたように。それでいいの?というわけですな。


■トンズラーハンター

そんな「悲しい現実」を突きつける偽リーザに、怒気をこめて「私に言いたいことがあるなら、ハッキリ言ってください!」と返すサヤ。

ここからの偽リーザの追いこみがエグイですねぃ。サヤは偽リーザが突きつける真実から目を背け、逃げつづけるわけですが、そんなサヤを追う偽リーザは、次々にサヤの逃げ道を封じ、追い詰めていくわけです。

なぜ赤い盾はサヤの過去を話さないのか。サヤの過去を話してくれない赤い盾はズルイのではないか。
   ↓
自分の過去は自分で思い出さなければいけない。
(この時点でのサヤは、自分の過去から目を背けるために、過去を知らないフリをしています)
(生々しい脳内映像が真実であると知りながら、それを認めたくないために知らないフリをしていたわけです)
   ↓
あなたは知ってるはずでしょう?
(そんなサヤの逃げを封じるのが、偽リーザのこの言葉なんですね。逃げ道封鎖その一
   ↓
逃げ出したサヤ。サヤを守ろうとするハジ。
(自分の過去を知らないという「言い訳」を潰されたサヤは、ハジという盾の陰からキャンキャン吠えます)
   ↓
ハジを排除した上で、サヤもまた翼手である、という真実を突きつける。
(サヤが逃げ込んだハジという盾を排除して、サヤの逃げを封じてきたわけですね。逃げ道封鎖その二
   ↓
否定できないサヤ。ただ血の力によって偽リーザを排除しようとするのみ。
(しつこく踏みこんでくる偽リーザの口上から逃れるために、偽リーザを力によって排除しにいったサヤ)
   ↓
刀を折り、サヤを支えている力を否定する偽リーザ
(力づくで逃げようとしたサヤを、それ以上の力を見せつけることで凌駕。逃げ道封鎖その三


■家族

そうして全ての逃げ道を封鎖されたサヤに、偽リーザが放ったとどめの一言。

あなたには家族がいるのよ、本物の家族。文字通り血を分けた妹よ。

私たちのDIVA。

逃げ場をすべて封じられたサヤの心に突き刺さる、偽リーザの言葉。
輝きを失ったサヤの瞳。折れたサヤの刀。サヤのココロ。

それはあまりにストレートな表現で、だからこそ、サヤの痛みや苦しみがストレートに伝わってきて。表現としては最高に綺麗なんですが、内容としては最高に切なくて。

残されたものは、根元を無くした刀の一部と、たった一言。

うそつき


つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚


■目覚め

DIVAの姉。それがサヤの正体。真実。知っていた真実を隠した仲間に、周りの人間に「心」がないと知り、たしかな「過去」「血」を求めて動きだしたサヤ。目指す場所は、始まりの場所。

そこでさらなる真実を知ることになるのでしょうが、そうして真実に「目覚めた」サヤに対比するように、眠りから「目覚めた」歌姫が動きだしました。目覚めた二人は何を思い、何を為すのか。目が離せない展開になってきましたよー。

それにしても、やっぱりコンテナの中身(D67の原料)はDIVAの血だったのねー。そりゃーヴァンもビビる罠。


■折れたココロ

心が折れたサヤ。では、サヤは何にすがって進むのか?となるわけです。それはおそらく「血」の絆。その暗喩となるのが、目覚めたDIVAを彩った「血」なんでしょう。

ここ数話の感想でも触れてきたように、やはりサヤは「心」から「血」へと移行していく雰囲気ですが、そんなサヤのポジショニングをアピールしているのが「折れたココロ」というタイトルなんでしょう。さりげなく燃えますよー。

それと、折れた心を表現するようにサヤの刀もポッキリ逝ったわけですが、逆に言うと、サヤが復活したときに来るイベントでは、刀も復活することになると思われ。やっぱネーミングは「Sol」でしょーか?



ということで19話は終了。サヤは「血」サイドに傾いていくことになりそうですが、その契機となるエピソードを一話の中で何段にも分けて描いてきた構成が実に( ゚Д゚)ウマー。

サヤの血だけを求めてきたデビットたちとは異なり、心をもってサヤに接する(ように見える)偽リーザ。
   ↓
そんな偽リーザに短時間で心を開いたサヤ。
   ↓
そんなサヤの隙間に入りこんで、サヤの行動原理とサヤの過去を問う偽リーザ。
   ↓
これまでもそうであったように、自分の過去に向き合うことができないサヤ。
   ↓
そんなサヤにさらに踏みこむ偽リーザ。
   ↓
逃げ出したサヤ。サヤを守ろうとするハジ。
   ↓
ハジを排除し、さらなる真実を突きつける偽リーザ。
   ↓
力によって真実から逃げ出そうとしたサヤ。
   ↓
それ以上の力を見せつけて戦意を奪う偽リーザ。
   ↓
折れるサヤの心。
   ↓
真実に目覚め、サヤは「血」サイドへと傾く。
   ↓
そこではDIVAが目覚めの時を迎えている。

20分ほどの時間ですが、切り返しまくってますなぁ。深く深く深く、サヤのココロに踏みこみ、ココロを支える土台ごと破壊した一話でしたが、心と血の間で揺れ動くサヤを十全に描いてきたからこそ、サヤの変化を一気に進めることができたわけですね。その意味では、この一話の構成が見事というだけでなく、これまでの伏線の貼り方もキレーだったってことになるかと。

これまでは伏線を貼るだけで、ほとんど回収してこなかったBLOOD+ですが、やるときゃやるぜ!みたいな一気呵成の伏線回収がバリ気持ち良い。そう感じた一話でした。今後も、ポイントごとの伏線回収はダイナミックに進めてくれそうですね。今回は、サヤが翼手(血)サイドに傾くという「タメ」中心の内容なんで、ほとんど「燃え」はありませんでしたが、これが「燃え」オンリーになったらどれだけ熱いねん、などと期待しまくりですよー。




BLOOD+ 第20話 〜 シュヴァリエ 〜

シュヴァリエ集結。変態仮面どこ行ったのー?な20話です。あんまり単独行動ばっかしていると、アンシェル兄ちゃんにブチ殺されますよ。あの兄貴、超スパルタみたいなんで。どうでもいいですが「スパルタンX」の「スパルタ」って、この「スパルタ」から来たのかなぁ。

※ と思って調べてみたら、スパルタンは「スパルタ式の」とか「簡素な」とかで、スパルタ式の在り様を指す英単語でした。スパルタンXってことは「質実剛健なX」みたいな意味になるのかな。まーどーでもいーですけどね。


■アバン

ソロモン、ジェイムズ、ネイサン。門と塔があるってことはパリかな。サンクフレシュの施設か何かだと思われますが、そこにシュヴァリエが集結。DIVAの目覚めを受けて、今後の行動を策定するために集まった、みたいな感じ?


■ヴァン&メガネ

これからアイスランド(火と氷の国?)に向かうようですが、ベトナム以外でも色んなところでエグイことしてんのね。彼らは翼手ではなさそうですから、人間の中にも率先してエグイことをするヤツがいるようです。彼ら以外にも、テッドが言っていた「ボリス」が「火と氷の国(アイスランド?)」で研究を続けているように、何人かの「人間」が研究に携わっていると思われ。結果、デルタ68フェイズ2の開発は、順調に進んでいる模様。

そうして成果を挙げる実験の傍らで、実験によって翼手化させられた人間たちのなれの果てを見ながら、他人事のように「不良品」の「処分」などとくっちゃべっているヴァンとメガネ。イヤーな気分にさせられるわけですが、彼らの立ち位置を少しメタな視点から見てみると、偽リーザやラスプーチンの言葉の端々に表れていた「翼手って悪なの?人間って善なの?」な問題提起の一角を占める形になっているようにも感じられるわけですわ。

偽リーザの言葉が真実とするなら、翼手は生きるために人間の血を吸っているわけですよ。それこそ、私らがメシを食うのと同じ感覚で。もちろん、デルタ67の開発なんかを見るに、単にそれだけが目的とは考えづらいところもありますが、それでも、翼手の行動の全てを絶対悪と切って捨てることはできないわけです。

ラスプーチンの主張、偽リーザの主張と、そういった「翼手は絶対悪じゃーないよ」な描写が続いてきた中で、今回示された「人間」サイドの悪描写。これが価値観相対化(種でもよく言ったなぁ)の一翼を担う役割を果たしてきそうで、今後登場するであろう「ボリス」の言動とあわせて、要チェキな雰囲気ですよー。


■シフvs実験体

と、そんなヴァンとメガネの前に突如として現れるシフ2人。斬りおとした実験体の首をパックンチョしながら「変化はない」などと言っていますから、実験体の血を味わうことでデルタ67フェイズ2の開発状況を調べにきた、ってことになるのかな?

それにしても、いかに翼手といえど、一撃で首を飛ばされちゃーアウトってことなのかしらん。ピクリともしません。それとも、一時的に動きを止めているってだけなのかなぁ。


■赤い盾本部

船かぁ…。と思っていたところに、ジョエルの声。映像。すげー若い。年齢的に見て、この人が70年代に日記を残せていたとは思いづらいっす。やっぱジョエルってのは、赤い盾のトップを表す役職名みたいなもんなんかなぁ。それともまさか、サヤやハジ、シュヴァリエと同じように年をとらない存在なのか…。と思っていたところに、赤い盾のナンバー2、コリンズも登場。パッと見でイヤらしい雰囲気をまとったオッサンですよー。

気になったのは翼手判別検査。リーザが殺され、何者かが彼女に成りすました。ジョエルの日記を紐解けば、それができるのはシュヴァリエしかありえない。ので、偽リーザと行動を共にしていたデビットたちも検査する、ということのようですが、この検査、どんな意味を持ってくるのかなぁ。72時間の間、行動が制限されるらしいですが、その間に何か起こったりしないのかと。DIVAの歌声が聞こえちゃう不思議体質のリっくんについて、この検査で何か判ったりしないのかなぁと。


■寝起き

歌姫は寝起きが悪いみたいですな。偶然2月24日のトップ記事にも書いたことですが、アレですよ。寝起きの悪い人は赤系の色味がある物を近くに置いといて、目覚めたらそれを見るようにすれば良いんですよ。まぁ、DIVAたんはブラッディーでクリムゾンな赤に囲まれて寝ていたわけですけどね。それにしても、寝起き一発で爆発事故を起こすような危険物なのね。歌姫たんは。


■豚さんぶーぶー

翼手って何? 私って何なの?

もう、私は一人でいい…

吹っ切れたように自分の「過去」を求めだしたサヤですが、その一方で、周りの人間との「心」の絆を否定し、自分の殻にヒッキーしてしまったようです。これで自分の過去が「翼手」「DIVA」に連なるものだと確信したならば、サヤが守るべき「みんな」とは、誰になるんでしょ。人間? それとも…?

それと、サヤは同族である翼手は襲ってこないと思い込んで(思い込もうとして?)いますが、ハジは「いつ翼手に襲われるか」と言っていますから、偽リーザの襲撃で終わりってことにはならなさそう。この段になっても、ハジはサヤに全てを話していないわけですよ。なぜそこまで隠すのか。デビットたち赤い盾は、サヤの過去を隠すことで、サヤに人間として行動させようとしていたみたいですが、ハジがサヤの過去を隠すのは何故?


■3人会議

カマっぽいのキタ━(゚∀゚)━ッ!って感じですが、ラスプーチン、偽リーザに連なる形で、色々と意味深なことをおっしゃる。

庭を彩るのは、滅びた生物の化石。ネイサンはそれを指して「ユーモア」と評してますが、あれがユーモアねぇ。進化の過程で滅びた、ある種の不完全な生物たちが。彼らは何ゆえ滅びたのか。何か妙に暗喩めいたものを感じさせますが、それに続くのがネイサンの人間嘲笑が興味深いところです。

戦争、選挙。それら「争い」が、人間たちにとっての「娯楽」であると主張するネイサン。そういった人間にとっての「娯楽」を観察するために、ネイサンはオペラハウスのプロデューサーなんぞをやっているのかもしれませんが、生物の中で「娯楽」なんてものを持っているのは、人間くらいのもんでしょう。

というか、人間の歴史の中でも「娯楽」なんてものが生まれたのは、それなりに生産性が向上し、そこそこ豊かな生活ができるようになってからの話だったかと。その行き着く先が、戦争や選挙という「争い」だ、という見方をネイサンは持っているようです。娯楽を求めて戦争を起こし、その果てに滅びるのが人間である、と言いたいのかもしれませんね。

ま、カッチリしたことはわかりませんが、古に滅びた生物を「ユーモア」と言うあたり、ネイサンは、そしてシュヴァリエは、そのあたりの滅亡論に一家言ありそうなニュアンスですよー。


■目覚めの血

目覚めの血を吸っていないDIVA。なんかこう「血を吸ったときこそ本性が現れる」みたいなニュアンスに感じられますが、それでも、髪飾りの草花を枯らしてしまうような力を発揮する怪物のようです。これで真に目覚めたなら、どんだけのパワーを発揮することやら…。


■覚悟

ベトナムのサンクフレシュ工場を去るとき、カイは「全部教えてもらう」と言っていましたが、結局、肝心なことは何ひとつ教えていなかったデビット。あの「全部教えてもらう」は、ここに照準をあわせての伏線だったようですが、サヤが姿を消した今、改めて決断を迫られるカイ、そしてデビットですよー。

面白いのは、そのステップ。

カイは始め「あいつと一緒にすごした一年は嘘じゃねぇんだよ」「あいつが何であれ俺の大切な家族なんだ」と言い放ち、デビットの「そのために、翼手と戦い続けることができるか」との問いにも、すぐさま「あぁ」と返しています。

そんなカイを試すように、デビットは「ジョエルの日記」の存在を告げ、カイに「翼手と戦いつづける意志を持った者だけが、ジョエルの日記を紐解くことを許される。だが紐解いてしまえば、二度と日常に戻ることは許されない。それでもいいんだな」と問いかけます。ここでもカイは「俺にその日記を見せろ」と即答しているでしょう。

ここまでは、つまり、サヤの過去や翼手の存在意義という真実を「知る」までは、カイは行け行けGOGO!な姿勢なんですね。ところが、実際にジョエルの日記に目を通し、その真実を知ったカイは、デビットの「それが我々の知る真実だ。それでもお前はサヤを家族と呼べるか!?」という問いに、答えることができません。

これが、カイの現状です。他人の立場から物事を考えられない、という欠点に、覚悟の深さが足りない、という欠点がプラスされた格好ですが、その過程を三段に分けて描いた形になっているでしょう。しかも、カイの覚悟の甘さを描くために、前もって翼手やサヤの本性にビビるカイの姿を描いておいた上でね。このさりげない丁寧さに燃え。


■BLOOD+の伏線回収

前回感想の最後にも書きましたが、これまでのBLOOD+は伏線を貼ることに偏って物語を描き進めてきました。伏線を貼るだけ貼って後から回収する手法をとっているようなので、きちんと回収できるのか?と気になっていたわけですよ。

それが、前回あたりからピコピコっと伏線回収も始めてきたわけです。その回収の仕方を見ると、これまで貼っておいた伏線を踏まえた形で、回収の過程を何段かに分けながら、それでいて一気に回収する手法をとっているんですね。幾重にも貼っておいた伏線を、大胆に、かつ丁寧に回収してくるんですよ。これが実に気持ち良い。

物語は中盤にさしかかったところですから、本気で伏線を回収してくるのはまだ先になるでしょう。貼っておいた伏線を全て回収しきれるかどうかも、まったくわかりません。ですが、前回のサヤの追い詰められっぷりや、今回のカイのヘタレっぷりを見るに、普通に上手い伏線回収が期待できそーです。まだまだ先々の話になりますが、期待しながら待ちましょー。


■知るということ

そうしてヘタレっぷりを晒すカイと、無邪気にサヤを求めるリク。そんな二人の違いが、見る者に「知る」ということの重みを伝えてきます。その重みを受け止めた人間だけが、真に戦うことを許される、というわけですね。

これまでの感想でも触れてきたように、カイは口では「家族だ」「守る」と言いながらも、いざとなると、その想いを貫くことができないでいました。今回にしても、口では「家族だ」「戦う」と言いながら、いざとなると、その想いを貫くことができていません。

他人の立場から物事を考えられない、という欠点に、覚悟の深さが足りない、という欠点がプラスされた格好ですが、要するに、自分も他人も正しく認識することができない、といったところかと。

そして、それはカイだけでなく、自らの過去を求めるサヤにも言えることでしょう。何も知らない。知ろうともしない。知ることから逃げてもいる。そんなサヤの未熟さが、そして、知るということの重みが、サヤの刀を、ココロを折ったわけです。そして今また、カイのココロも折ろうとしているわけです。

そうしてドン底に堕ちていくサヤとカイ。いくつかの問題はあれど、赤い盾も、シフも、シュヴァリエも、それぞれに「知る」ということを踏まえた上で戦っているのですから、その意味では、彼らは立っている次元からして、現状でのサヤやカイの一枚上を行っていることになるでしょう。そんな格の違いが、サヤの刀を折ったと言えるかもしれませんね。

逆に言うと、サヤとカイが「知る」ということを受け止め、それでも戦うことを決意したとき、二人はシュヴァリエや赤い盾と対等の存在として戦うことができるようになると思われ。他にもいくつかの伏線が昇華される熱いイベントになりそうですが、今は貼られる伏線を押さえながら、その時を待ちましょー。


■花婿、花嫁

DIVAの花婿なのよ。彼は。

彼女は私たちの花嫁よ。

( ゚д゚)ポカーン

 …

 …

 …

そっかぁぁぁ

それぞれが「つがう」ことによって、何が生まれるのか。そこまではわかりませんが、とりあえずは各人の関係が明らかになりました。ハジはDIVAの花婿。サヤはシュヴァリエの花嫁。そんな二人が手に手を取って逃げ出した、というのが、事の真相であるらしく。ならば、サヤとハジが交わした約束とは…。


■その理を崩したのは、赤い盾だ

サヤとシュヴァリエは、元をただせば同じ種族。わかりあえるはず。そんな関係を、理を崩したのが、赤い盾。何故?何のために?ということで、赤い盾の真の目的がそこにありそうですが、それはまだハッキリせず。なーんでーかなー?


■アンシェル

アンシェル。偽リーザの正体にして、シュヴァリエの長兄。彼は現在のサヤを「私が見てきた中で最も人間らしいサヤ」と評しますが、ラスプーチンや前回の偽リーザ、ネイサンやジェイムズの言を聞くに、彼らシュヴァリエにとって「人間」「人間らしさ」というのは、あまり褒め言葉ではないんじゃないかなぁ。

ジェイムズが「サヤの状態がアンシェルの言うとおりなら、この機会を逃す手はない」と言うように、彼らにとって「人間らしさ」というのは「自分たちが動く上で対処しやすい」という以上の価値はなさそうな表現に聞こえるんですよね。むしろ、アンシェルの「同じ種族同士わかりあおうともせず、流した血の量で物事を決めるようでは、まるで人間のすることと同じではないか」という発言を聞くに、シュヴァリエにとって「人間」「人間らしさ」というのは批判に値する価値っぽいです。イヤーンな感じー。


■シュヴァリエ

そんな彼らが信奉するものは、唯一つ、DIVAのみ。DIVAのためのシュヴァリエ(騎士)であることだけが、彼らの存在意義。DIVAに仕えるシュヴァリエだけでなく、デビットに従っていたサヤも、サヤに従っているハジも。それは皆、主人に尽くし、そのことに価値を見出す「子犬」のようなものでしょう。それを伝えたかったのが、今回のタイトル「シュヴァリエ」のもう一つの意味なんじゃないかなぁ。

そして、そんな従者たちと比較するようにして描かれた、ソロモンの決意。その行動は、アンシェルの意に沿ってサヤを殺すための、従者としての行動なのか。それとも、アンシェルの意に背く「ソロモン」個人の行動なのか。

ヴァンパイア。彼らが歩む道を照らすのは、自ら輝く太陽の光ではありません。彼らが歩む道を照らすのは、太陽の光によって煌く、儚い月光。前に「エカテリンブルグの月」の感想でも書きましたが、やはりそーいうことのようですね。ますます「太陽」が待ち遠しくなりますよー。と同時に、このあたりの「自発性」ってのが、BLOOD+の一つのテーマになってくるのかも。それを以って、日本の対米政策(得に沖縄関係)に物申してくるつもりとか?

それにしても、変態仮面はどこいったのー?


■始まりの場所、終わりの場所

アンシェルがサヤを動物園に誘ったのは、サヤを誘ったのではなく、サヤに付き従うハジを誘うためであったようです。動物園というのは何なのか。そこで何が始まり、何が終わるのか。何がなにやら、現状では今ひとつわかりませんが、デルタ67入り(?)ワインのラベルがそれを示す「演出」になっているらしく。

んが、ラベルにあるのは、サヤがベトナムで夢に見た「塔」にも見えるような。そこでDIVAを倒すためのサヤの運命が始まったってことなのかな。そして今、その運命は終わりを告げようとしている。サヤの死によって。そして始まる、DIVAとハジの物語。ってことなのかも。とりあえずは静観するしかありませんが、DIVAとサヤ、そしてハジの関係に注目ですね。サヤとハジとの「約束」と一緒に。


■シフ

闇に舞うシフ。バトル キタ━(゚∀゚)━ッ! こーゆー派手エフェクトは好きー。バトルが激烈化していく中で、チャンバラ劇をどーやって盛り上げるのか気になっていましたが、こーゆー格闘ゲームっぽい演出を多用していくのかな。これなら地味になりがちな一対一の剣劇も、派手に見せることができるかも。イイヨイイヨー。


■次回予告

月を見るたび思い出す、僕たちの命に、かぎりがあるということに。

朝の光を恐れ、体に刻まれる死の印におびえ、冷たい宵の闇に震える。
その呪縛を断ち切るために、僕たちは、火と氷の国から抜け出したんだ。
生きること、それを得るために。

次回、BLOOD+。すっぱいブドウ。

サヤ、おまえは僕たちが殺す。

月。命にかぎりがある。朝の光を恐れていた過去のソロモンたち。体に刻まれる死の印。呪縛。火と氷の国。生きること。

キーワードっぽいフレーズが乱舞する次回予告でしたが、一つわかっていることは「手の届かないブドウはすっぱいはずだ」ってことですよ。



ということで20話感想終了。DIVAが目覚めたことでシュヴァリエの動きが活性化。シフという第三勢力、赤い盾の本部、ソロモン個人の想いなど、物語が一気に動き始めて、ステキに熱くなってきました。2クールのラストに向けて、これまで密に貼られてきた伏線が一気に回収されることにもなりそうです。戦闘シーンにも派手エフェクトが使われ始めましたが、20話にしてハジケてきた感じです♪ 




BLOOD+ 第21話 〜 すっぱいブドウ 〜

禁煙と未成年の禁酒を訴えかける社会派なBLOOD+第21話。手の届かないブドウは酸っぱいぜ!なイソップ童話的タイトルがつけられていますが、誰にとって何が酸っぱいブドウなのかねぇ。


■残り8人

ソロモンに返り討ちにされたシフは2人。残るシフは8人。仲間の死を嘆く者もいれば、平然と受けとめる者もいるようです。ただし、平然と受けとめているように見えて、それなりに秘めたものがありそうな感じ。

ポイントになるのは、おそらく「月」でしょう。シフたちにとって、満月というのが命の刻限を左右しているようですが、それ以外にも、DESTINYの「夕暮れ」みたいなもんで、50話全体に共通して「何か」を示すメタファーな役割も与えられている感じ。

特に「エカテリングブルグの月」の回から頻繁に見られるようになった描写ですが、太陽に従って輝く月になぞらえて、何か大きなFATEに従って生きるしかない従者的な存在であることを表現しているんじゃないかな。

となれば、最終的には「月」から「太陽」に引っくり返すシーンが欲しいところですが…。

それと、見た感じでは、シフは一人のリーダーによって統率された集団ではなく、それぞれイーブンな関係にありそう。アンシェルという長兄やDIVAという女王によって統率されている(?)シュヴァリエとは、また別の組織形態です。

主従を思わせるDIVAやシュヴァリエの組織と、主従を感じさせないイーブンな関係のシフ。シフは「月」のような従を生む関係を否定している、ってことなのかも。


■火と氷の国

アイスランドで何かの施設を調査しているヴァンとメガネ。キルベド(?)の施設で行われていた研究のスポンサーはゴールドスミス。遺伝子操作によるクローニングの実験を行っていたとのこと。ソロモンやヴァンには内緒で研究していたようですが、血液研究ではなくクローニング実験ねぇ…。バイオな匂いは共通しますが、遺伝子操作やクローニングを研究して何に活用するつもりだったのやら。

他にも、研究施設が閉鎖される直前、シフが暴れたらしいですが、施設とシュヴァリエとの関係、研究内容、今はどこで何をしているのかなど、気になる点はいくつもあり。鍵を握るのは、研究の中心と思しき「ゴールドスミス」の思惑になるのでしょうが、ゴールドスミスねぇ…。


■だって可愛いじゃない。安かったし。

女王さまキタ━(゚∀゚)━ッ!な真央女王さま登場ですが、いろいろと世間ズレした女王さまですよー。妄想癖もあるらしい。人生楽しそうで良いですな。ヤの字に追われたくはありませんけど。

岡村によると「一番クサそうなサンクフレシュも駄目。残るは手がかりはシャトーデュエルしかないんだ」ということですが、カイに会いたいなら会いたいで、とりあえず手がかりになる相手のトップぐらいは覚えとけっと。岡村に「従ってる」だけじゃ駄目だぞっと。月は(・A・)イクナイゾ!っと。


■アンシェル兄さん、なぜあんなものを… やはり…

あんなものって回想に登場したシフのこと? あんなものを何したの? やはり何? といった具合に謎だらけ。アンシェルとシフって、どんな関係があるのかなぁ。前々回のラストを見る限りでは、シュヴァリエの一人とシュヴァリエに敵対する集団、という関係以外に、何かつながりがあるようには見えませんでしたけど…。


■あなたに必要なのは、私の血です

様子のおかしいサヤ。そんなサヤに自分の飲ませようとするハジ。なぜハジの血を飲まないとサヤの調子が悪くなるのか。ハジの血を飲むことで何かが起きるのか。

前回、シュヴァリエとサヤ、ハジとDIVAの関係が明かされましたが、この「血を飲む」って行為が、それぞれが「つがう」ことの目的なのかなぁ。


■シャトーデュエル

ワインの製造元を訪ねる女王さまと岡村記者。いろいろと分かったことがありますな。

・1967年物は出来が悪かったが、当時まだ小さな会社だったサンクフレシュがまとめて買い取った。

・1967年当時のシャトーデュエルは、現在とは違い、少し離れた場所でワインを作っていた。

・その場所は、昔「ジョエル・ゴルドシュミット」という大金持ちが所有していたブドウ畑。

・ゴルドシュミットの家は、100年以上も昔、火事で全員が死んでしまった。

・その後、土地の一部を購入してワインを作り始めたのが、シャトーデュエルの始まり。

・ゴルドシュミット邸の火事には怪しい噂話がある。火事の前に血を吸われ尽くされて、殺されていたらしい。

・その噂のせいで屋敷そのものには買い手がつかず、いまも当時のまま。

・シャトーデュエル1967年物の瓶ラベルにあるのは、その屋敷の一部の絵。

・火事の後、気味の悪い歌声が聞こえるとのことで、シャトーデュエルの2代前の当主は様子を見に行った

・焼け跡には、青いバラを持った少女がいた。

気になるのは、やはり「ジョエル」「ゴルドシュミット」でしょう。ジョエルは赤い盾トップと同じ名であり、例の「ジョエルの日記」にもその名が登場する人物です。ゴルドシュミットは「ゴールドスミス」の仏語読みかと。仏語は知らないんで推測になりますけどね。

1900年前後から「ジョエル」「ゴールドスミス」が存在するのならば、彼らもまた、人ではない存在ということになります。そして、青いバラを持っていた少女(サヤかDIVAでしょう)と「ジョエル」「ゴルドシュミット」の間には、個人的なつながりがあると思われ。

それと、次回予告によると、ゴルドシュミット邸の跡地に「動物園」があるようですが、個人所有の敷地内に動物園って…。むしろ、なにか「動物園」を連想させる施設があったと見るのが自然じゃないかなぁ。そこで、青いバラを作り出すような「何か」をしていたと見るのがスマートなんですが…。


■我らはシフ。限りある者。貴様の血を、貰い受ける!

場面変わって、深夜。サヤに襲いかかるシフたち。どうやら、サヤの血を欲しているようです。サヤの血を飲むことで、彼らに課された「限り」がなくなる、呪いが浄化されるっていうことみたい。その前に「シュヴァリエの血でもOKかも?」ということで、前回ソロモンを襲撃し、今回ハジを襲撃したわけですが、結局はシュヴァリエの血では駄目のようです。

ちなみに、前回の次週予告(ソロモンが語り部)には、こうありました。

月を見るたび思い出す、僕たちの命に、かぎりがあるということに。

朝の光を恐れ、体に刻まれる死の印におびえ、冷たい宵の闇に震える。
その呪縛を断ち切るために、僕たちは、火と氷の国から抜け出したんだ。
生きること、それを得るために。

そんな以前のソロモン(シュヴァリエ全員?)と同じように、月を見て自分の命の限りを思い知るシフ。朝の光を恐れるシフ。体に刻まれる死の印に怯えるシフ。そして、生きること、それを得るために、サヤを襲い、サヤの血を求めるシフ。

そういった描写を見れば明らかですが、今回死んでいったシフの姿は、まさに以前のソロモンたちの姿なのでしょう。ソロモンたちは、火と氷の国を抜け出し、DIVAの血を飲むことで、かけられていた「呪い」を清め、体に刻まれる「死の印(ソーン?)」を消し去って、現在のような不死性や耐陽性を身につけたんでしょうね。


■すっぱいブドウ

そういったソロモンたちの過去をなぞらえるようにして、サヤの血を飲み、ソロモンたちのように不死性や耐陽性を身につけようと望んでいるのが、シフという存在なのでしょう。

シフ以外の存在を見ても、現在のシュヴァリエたちは、ハジという花婿をDIVAをつがわせることで、何かを得ようとしています。ヴァンは翼手のような存在を生み出そうとして人の道を踏み外し、デビットは昔の仲間の仇をとろうとして翼手根絶のために戦っています。サヤはサヤで、自分の過去を求めて動き出していますよね。

それぞれがそれぞれに、手が届きそうで届くかどうか分からないブドウを追い求めているわけです。そのブドウが甘いか酸っぱいか。それは誰にもわからないのに。というか、むしろ「すっぱいブドウ」なんじゃねーの?とも思うくらいですが。


■生きること

それぞれが追い求めるものは、きっと「すっぱいブドウ」なんだと思うんですよ。決して「甘いブドウ」ではないんじゃないかなぁ。もちろん、中には一粒二粒くらいは甘い部分もあるでしょうが、基本的には「すっぱいブドウ」ばかりなのが、彼らの、そして私らの人生なんじゃないかと。

もちろん、頭の中では「甘いブドウ」を追いかけているつもりだとは思いますよ。ですが、求めるものが本当に「甘いブドウ」なのかどうか、求めるものが本当に幸せにつながるのかどうかなんて、ぶっちゃけ誰にもわからんでしょ。

むしろ、より甘いブドウを、より良い明日を、より素晴らしい人生を、なんてことばかりを望んだところで、そんな生き方が本当に幸せとは限らないと思います。もちろん「まったく幸せでない生き方だ」とも言いませんが、望んで手にしたものが実は「すっぱいブドウ」だったなんてことは、普通にあることなんじゃないでしょうか。

ただし、そんな人生であっても、幸せを感じる時ってのはあるでしょ。たとえ「すっぱいブドウ」ばかり手にしてしまう人生であっても、幸せを感じる瞬間は普通にありますよね。手に入らないかもしれないから、最初から求めない。そんな生き方、考え方もあるとは思いますが、それでも何かを望んでしまうのが生物としてのサガだと思います。

その意味では、たとえそれが「すっぱいブドウ」であったとしても、望ましい未来でなかったとしても、それを求めて進むのが、人としての、というか生物としての「正しさ」なんじゃないかなぁ。望む未来が正しいか間違っているかではなく、何かを望んで進む生き方が「正しい」わけですね。

それが「生きる」ってことだと思うんですよ。

逆に、シュヴァリエたち不死の存在には、おそらく、それがない。ソロモンたちは「生きること、それを得るために」「火と氷の国から抜け出した」わけですが、皮肉にも、それによって「生きる」ことができなくなってしまったと言えるかもしれません。そして今、シフもその方向に直進しているわけです。血サイドに傾きつつあるサヤも、そちらに向かって進むことになるかもしれませんね。

彼らが手にしたもの。手にするもの。それはきっと、甘いブドウの香りを漂わせた「すっぱいブドウ」なんだと思います。それを知らないシフとサヤ。それを知りつつある(知っている?)ソロモン。具体的なことはわかりませんが、そのあたりのアンビバレンツな「生きることの意味」みたいなテーマも、今後の見所の一つになるかもねー。

とか書いてて、DESTINYの運命計画を思い出した。あれも、生きることを求めながら生きることを否定するような、どこかアンビバレンツな計画でしたからねぇ。竹P好みの題材なのかも?


■あなたは生きなければならない、全てを終わらせるために

そう言って、命を賭してサヤを守ろうとするハジ。サヤのシュヴァリエ。ハジの「全てを終わらせる」という台詞が何を指すのかはわかりませんが、ボロボロにされてまでハジが戦わなければならない理由とは何なのか。そうまでして戦うハジを支える「約束」とは何なのか。気になりますよー。


■シフの主張

我らはシフ。限りある者。きさまの血を、貰い受ける!

人を傷つけなければ生きていけない。罪深い生き物なんだ。僕たちは。

日々の糧を得るために、他の命を奪う。自然なことだ。

それに、この呪われた体を清めるためには、特別な血が必要なんだ。

限りある命を永らえさせるために、サヤの血を欲しているようですが、それ以外に「僕たちは」「人を傷つけなければ生きていけない」「罪深い生き物」という主張もポイントになると思われ。今回だけでなく、ラスプーチンや偽リーザも言っているんですよね。なにか意味深な感じっす。


■戦闘シーン

戦闘エフェクトがマジで熱いっす。前回に引きつづき、格闘ゲームっぽく残像現象が多用されていますが、ぐらすはこーゆー派手なのスキーなんで、こーゆーベクトルでエンタメ性を高めてくれるのは嬉しいっす。

あとは、戦闘の構図かな。今回は暗闇で戦っていたため、わかりづらくなるのは仕方ないのですが、誰と誰がどこでどーゆー風に戦っているのか。漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」なんかみたいに、わかりやすくて派手なのキボンヌ。

それにしても、シフ数人に囲まれた上、串刺しにまでされた状態からサヤのもとに駆けつけるなんて、ハジはソロモン同様に、真の力、真の姿を隠しているのかな? それとも不死性を利用してゴリゴリ進んできた?


■太陽

太陽演出キタ━(゚∀゚)━ッ!って感じで燃え。シュヴァリエと違って、シフは太陽光に弱いようですが、その太陽を誰より強く望んでいるのもまた、シフなわけでして。そんな太陽を、何よりも望んだ「すっぱいブドウ」を口にして、儚く消えていくギィ。その姿は、一生懸命に生きようとした命を燃やしているようで、儚くて、切なくて…

そんなギィを包み込む太陽の光。エンディングの最後にも青空が輝いていて、思わず

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

上で「シフは月のような従を生む関係を否定しているってことなのかも」と書きましたが、やはりそのようで。月ではなく太陽を望むのが、シフの在り方であるようです。逆に言うなら、シュヴァリエは「月」であることを肯定する組織になるのかもしれません。その狙いもね。



といったところで、エンディング最後の青い空が、ものすごく綺麗な21話でした。ここ数話、タイトルがものすごーく意味深なのですが、物語本編も、タイトルの重さを受けとめられるだけの骨太な内容になってきたようで。楽しみなってきましたよー。

っていうか、劇場版ケロロ軍曹の主題歌を歌っているのが「おぎやはぎ」ってどーゆーこと?




BLOOD+ 第22話 〜 動物園 〜

動物の園。単純に「動物」を指すだけじゃなくて、そこにいる皆の生き方を「動物」と表現してきた感のある22話。こーゆー「人の業」みたいなのんに焦点をあてていく話って、面白いとかつまらないとかじゃなくて、見ててしんどいんすよ。とか思いつつ、感想ドゾー。


■記憶の扉

扉を開けることができないサヤ。そんなサヤを助けるように扉に手を添えるハジ。ハジに支えられて扉を開くサヤ。これだけで二人の想い、二人の立ち位置が透けて見えてくるってもんですが、見てたら何だかムショーに哀しくなっちゃいました…。

サヤは自分の過去、正体を隠していたみんなに「うそつき」と言い放ちましたが、自分ひとりでは真実を見つめる勇気が持てなかったことも、また事実。みんなが嘘をついていたからではなく、真実を問いただす勇気を持てなかったサヤ自身にも、問題があったわけですね。だからこそ、このシーンのサヤも、自分ひとりの力で扉を開けることができないのでしょう。

けれど、そんなサヤを咎めるわけでもなく、諌めるわけでもなく、ただ優しく手を添えるだけのハジ。

それは、サヤが主人だからとか、サヤの言うことは絶対だからとか、そういう主従の関係には見えなくて。まだハッキリとは言えませんが、ハジにとってサヤが何よりも大事な存在だから、それこそ「友だち」「想い人」のような存在だから、サヤの意志を尊重しようとしているような、そんな気がしたんですよ。

でも、そんなハジの想いは、今のサヤには見えていなくて。それでもハジは、サヤを信じて目覚めの時を待ちつづけていて。それはきっと、1917年のあの時からずっと…。それが哀しくて哀しくて…。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚


■全員、ネガティブよ

全員ノーマル。じゃぁ、リクが聞こえちゃうのは何? 今のところ、リッくん絡みのエピソードはベトナム編のムイくらいのもんですが、これから何が起きるんかね?


■「ジョエルの日記にある、動物園のことさ」「サヤの、生まれた場所だ」

サヤの行き先をつかんだ赤い盾ですが、そんな説明に重ねられた映像が、ジョエル(現、赤い盾トップ)の懐中時計。懐中時計の蓋に刻まれているのは「動物園」のようですが、なにやら激しく意味深ですよー。ジョエルさん、何者なのさー?


■フラッシュバック

フラッシュバックする火事の記憶。忌まわしい自分の過去を前にして、それでも歩を進めたサヤ。ハジに支えられて扉を開いたサヤは、記憶の水底に手を伸ばし、真実と向き合うことを決意したわけですね。ハジ、オメデトー。

と言いたいところですが、そんなサヤの目の前に広がるのは、荒れ果てた旧ジョエル邸。荒廃した庭園が語るは、過ぎ去った年月の重み。今のサヤにとって、ハジは過去の象徴であり、その反対側には、現在を意味するリク&カイがいるわけです。この二つを別つものが、旧ジョエル邸の荒廃が物語る100年という年月なのでしょう。

偽リーザが言っていましたが、サヤが自分の過去に向き合えば、現在の自分にとって大切な存在を傷つけることになるかもしれません。そうなった時、サヤが選ぶのはどちらになるのか。後半パートで、老ジョエルが「時の流れとは、無慈悲なものだな」と言っていますが、100年の年月の経過ってのは、ハジにとってヘヴィーなハンデですよー。


■お前の友だちだよ

友だちとして紹介されたのに、互いに挨拶もせず、さらには「こんな色の薔薇じゃいや、赤いの摘んできて」「自分で行け」「何よ、その口の聞き方」「気に食わなきゃ、話しかけるな」と歩み寄る気配すらない二人ですが、ぐらすの常識で計れば( ゚д゚)ポカーンですけど、どうやらサヤは世間知らずで、ハジは買われたという境遇に拗ねているみたい。


■良かった、ハジは私の傍にいてくれるんだね

サヤにとっては、ジョエル以外の人間は従者、自分は主人であることが当たり前の環境で育てられたため、初めて「友だち」として紹介されたハジにも「友だち」として接する術を知らなかったのでしょう。

雨宿りするために入った廃屋で、サヤは「良かった、ハジは私の傍にいてくれるんだね」「生きている者はジョエル以外、みんな私の傍に寄ってこないのかと思っていた」と言っていますが、お嬢として孤独に育てられたサヤが、初めて出会った心許せる友だちが、ハジだったわけですね。


■もっと、あの子の気持ちを思いやって、親切にしておやり

一方、ハジは「どうせ俺は、お前らに買われたんだからな!」という具合に、買われたという境遇に拗ね、自暴自棄になっている模様。お嬢として育てられたサヤと、買われてきた境遇を拗ねているハジ。互いに互いの気持ちがわからず、衝突を繰り返しているようですが、そんな中、サヤに向かって老ジョエルがかけた言葉がこれ。

現代でもジュリアがカイに説教していましたが、やっぱりこれが一つのポイントになるのかな。自分の言い分をエゴイスティックにぶつけるのではなく、相手のことを想像し、相手の気持ちを思いやって行動することで、二人は「友だち」「仲間」になれる、ってニュアンスですね。

これは他にもいくつかのシーンで見ることができる概念なのですが、特に面白いのは偽リーザの主張です。翼手のことを知らずに翼手を刈ろうとしているサヤに向かって、翼手は生きるための糧として血を吸っているだけだと言っていたでしょう。暗に「翼手の立場に立って考えてみろ」と言っているわけですよ。

今のところ、翼手と人間は衝突しあっているわけですが、最終的には翼手と人間の衝突を解消するのが、この概念になってくるのかなぁ? 異種族間の相互理解物語、みたいな?

それにしても、この時点のハジは普通の人間だったのねー。


■そうだ、お前たちはやがて…

お嬢として育てられたサヤ。家来として買われてきたハジ。そんな「主従」として始まった二人の関係が、不器用ながらも、少しずつ、少しずつ、心許せる「友だち」になっていく。プチ心温まるエピソードですが、このエピソードには裏があるようで。それが、老ジョエルの「もっと、あの子の気持ちを思いやって、親切にしておやり」という言葉につづけて放たれた、アンシェルのこの言葉。

おそらく、現代のシュヴァリエ会議で言われていた「つがう」ってやつだと思われ。ですが、現代のシュヴァリエ会議では、ハジはDIVAの花婿だって言われていましたよねぇ…。当初はサヤの花婿候補だったものの、サヤの血を飲んだことで、DIVAの花婿になったってこと? DIVAの血を飲んだ者はサヤとつがい、サヤの血を飲んだ者はDIVAとつがう。そんな感じなのかなぁ?


■そろそろ、治療の時間だよ

と言いながら老ジョエルが見たものは、金色の懐中時計。現代のジョエルが手にしていた懐中時計と同じものに見えますが、過去のジョエルと現代のジョエル、どんな関係なのかねぇ。他にも、アイスランドの研究施設をバックアップしていたのが「ゴルドシュミット」と、老ジョエルの「ゴールドスミス」の名が重なっているようですが…。

現代でアンシェルは「DIVAとシュヴァリエの理を乱したのは赤い盾」というようなことを言っていました。また、アイスランドのゴルドシュミットがバックアップしている研究施設も、シュヴァリエに敵対するような行動を取っている模様。ですが、今回を見るかぎりでは、アンシェルと老ジョエルは協力関係にあるようです。どんな関係なのかねぇ。


■あなたともあろう方が、情でも移りましたかな?

老ジョエルさん。サヤの前では穏やかな顔を見せていますが、その素顔は、サヤに情を移すような人間ではないみたいです。仮に、赤い盾のトップである現ジョエル=老ジョエルだとして、その行動原理は「人類の敵である翼手を排除する」みたいなストレートなもんなのかしらん?


■気分はどうかな?

定期的に何かを飲まされているサヤ。ハジと老ジョエルの会話を聞くに、おそらく下男たちの血を飲んでいるのでしょうが、サヤは「ただの輸血」だと言われているみたい。血が必要であれば、血を飲めば良い。それが、この時のサヤの常識なのでしょう。


■私、大人になったらここを出て、もっと広い世界を見て回るのが夢なの。
■その時は、ハジも一緒だからね


友だちになれた二人。なにも知らなかった頃の、サヤの夢。ハジと交わした「約束」ってのはコレのこと?とか思いつつ、プチ心温まるエピソードに和むわけですが、そこから現代に目線を移すと、現代のサヤにはカイ&リクという家族がいて、彼らと沖縄で一緒に暮らしたいという夢があるわけです。どっちを選ぶのー?


■ハジ

私がここへ来た頃から、サヤの姿は変わっていません。
それに、傷ができてもすぐに…。どうしてですか?
下男たちから血を抜くのも、サヤのためだと聞いています。
なぜ? 血を失ったわけでもないのに。

この台詞を聞くかぎり、この時点のハジは翼手的な存在について全く知らないと言えるでしょう。最初は「火と氷の国」から買われてきた(ので何をしてでも火と氷の国には戻りたくない)のかと思いましたが、まったくの無関係っぽいっす。


■サヤ、危なッ

ボートの上で立ち上がり、バランスを崩して倒れこむサヤ。サヤを支えるハジ。密着。

密着エロシチュエーション作りの天才、河下水希先生もビックリなハグシーンですが、自分とハジ、自分と老ジョエルとの間に流れる時間が違っていることを実感し、葛藤するサヤの姿と、そんなサヤの苦しみを癒す言葉を持たないハジの姿が、バリ切ないっす。

これが、サヤの「私が、あなたの時を止めたの?」という問いに、ハジが「だから私は、あなたの傍にいることができるのです」と答えたラストにつながっているのでしょう。

悩み苦しむ友だちを前に、同じ立場で痛みを共有することができなかったハジ。連れてこられてから10余年。積み上げた絆があるからこそ、サヤを救えない自分の無力さが許せなかったんじゃないでしょうか。だから、サヤの血を飲ませてもらい、物理的にも精神的にもサヤと同じ場所で生きることができるようになったことは、ハジにとって、ある意味で幸せなことだったんじゃないかと。それが、どんなに大変な生き方だとしても…。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚


■私、ジョエルにあげるものなんて、なにも持ってないもの…

サヤの苦しみを和らげる術を持たない自分の無力さ。それを知るハジにとって、このサヤの台詞は、何より理解できるものだったんでしょうね。だからこそ、苦しみを和らげることができないのなら、せめて希望だけでも叶えさせてあげたいと思い、躊躇うことなく崖を降り、百合を摘もうとしたのでしょう。サヤがジョエルに百合の花をプレゼントしようとしているのと同じように、ハジはサヤに百合の花を摘んであげようとしたのでしょう。

それが、当時のハジがサヤにしてあげられる、唯一のこと。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

であるならば、ハジがサヤに尽くしているのは、やはり「主従」ではなく「友情」だと思われ。さらには初恋みたいな想いも含まれているのかもしれませんが、どちらにせよ「血」に縛られた関係ではなく「心」でつながった関係だと言えるでしょうね。

でも、だからこそ、100年という時の重みによって、ハジという「過去」から離れ、リク&カイという「現在」の「心」に傾くサヤの姿、それを見ているハジの姿が、とんでもなく哀しいわけですが…。


■ファースト・キス

崖から落ちて瀕死のハジ。何も知らず、自分の血を与えるサヤ。この時点のサヤからすれば、血を飲ませるという行為は「ただの輸血」だったわけですが、実際には、ハジの時を止める行為だったわけですね。

絵面的には、明らかに第1話の裏返しでしょう。今回、サヤがハジの時を止めたのとは逆に、第1話では、ハジはサヤの時を動かしたわけですね。いや、今回のサヤはハジの時を動かしたと言えるかもしれませんし、第1話でのハジはサヤの時を止めたと言えるかもしれませんが、結局は、どの立場から物事を見るかの違いに過ぎないのでしょう。絶対的な見方なんてものは存在しないわけです。

ただ、一つハッキリしていることは、現代で物語の幕開けを告げた「ファースト・キス」は、過去においても物語の幕開けになっていた、ということでしょう。ハジの目線で考えると、ハジは1917年にサヤの眠りで終わった旅を、もう一度やりなおしていると言えるかもしれませんね。今度こそ、失敗しないように…。


■あの子は、私? それとも…

ハジに血を飲ませた後、サヤは屋敷に走っていって…。そこから先の記憶がない。気づいたときには、屋敷は紅蓮に包まれ、傍らにはサヤの血を飲んで心臓が止まってしまったはずのハジ。それがジョエルの誕生日。炎の中で、血に染まった口元に笑みを浮かべる女性は、DIVA? それとも…


■DIVA

それ以前のいつか。敷地の片隅にある塔の前で「友だちになりましょう」と呼びかけるサヤ。相手はDIVA。二人は出会っているわけですが、不思議なことに、他の記憶にDIVAは登場しません。DIVAは塔に幽閉されていたようですが、なんでかなぁ?


■赤い薔薇、青い薔薇

サヤは赤い色の薔薇が好き(こんな色の薔薇じゃイヤ)。DIVAが投げかけたのは、青い薔薇。赤と青。赤い宝石を証とする赤い盾と、青い指輪を指につけるシュヴァリエ。それが答えなのかもねー。

っつか、青い薔薇って何さ?とか思ってみたり。青い薔薇ってのは自然界に存在しないわけですが、なら、誰がどんな理由で、どんな方法で作っているのかと。

理由はおそらく、DIVAが好きだから。サヤが赤い薔薇を好きなのと同じように、DIVAが青い薔薇が好きだから、作っているのでしょう。

製造方法は…。根拠はありませんが、それがDIVAの血の力なんじゃないかなぁ。遺伝子レベルに働きかけて、存在そのものの在りようを変えてしまうような。生命が誕生してから現在に至るまでの、全ての情報がDIVAの血には含まれていて、それを自由に操ることで、人を翼手に変えたり、薔薇を青に変えたりしているんじゃないかなぁ。とか。ジョジョ2部のカーズみたいなもんかな?


■動物園

ジョエル、アンシェル、サヤ、ハジ、DIVA、ソロモン。エゴイスティックな想いを旨に、そこに生きた命。今を生きる命。旧ジョエル邸から始まった動物たちの宴は、100年後の今、その舞台を世界全体に広げ、クライマックスを迎えようとしているわけですね。

というのが、今回のタイトル「動物園」の意味だと思われ。ここ数話(エカテリンブルグの月、折れたココロ、シュヴァリエ、すっぱいブドウ)のタイトルは、直接的な意味と間接的な意味、二つの意味を持っていて、ステキにオモシロですよー。



ってな感じで22話感想終了。それぞれの思惑が入り乱れた動物園。そこから始まった動物たちの宴。鍵を握る二人の姉妹に訪れる目覚めの時。

いよいよ本格始動の予感ですが、ここまできても、翼手誕生の謎は全く語られず。今回復活したサヤの記憶も、サヤとハジとの出会いについてがメインで、それ以外の「翼手」「DIVA」「シュヴァリエ」「赤い盾」「シフ」などについては、まったくと言っていいほどノータッチ。タメにタメこんでいますなー。




BLOOD+ 第23話 〜 ふたりのシュヴァリエ 〜

ふたりのシュヴァリエ。今回のエピソード内でカウントされるシュヴァリエ(騎士)は二人。おミソな自称騎士はカウントされないみたいですなー。とか思いつつ、23話感想ドゾー。


■本当の家族

のわりには、かたや令嬢生活、かたや監禁生活。差がありすぎるんすよ。老ジョエル&アンシェルが行っていた実験の一環として、同じ能力を持った個体を異なる環境において育ててみたとか? それとも、DIVAはサヤとは違って、監禁せにゃならんほど危険な存在だったとか?


■「手分けって…あいつ等が?」「そうだ。サヤを連れ戻すのに必要な二人だ」

オデブたんの方はカイ&リクを信用してなさげ。一方のデビットは、裏の思惑はともかく、サヤを連れ戻す実効性の面では、一応リク&カイをあてにしているみたい。ま、オデブにしろデビットにしろ、本心はサッパリ???ですけどね。

とりあえず、ジョエルとコリンズの会話にもありましたが、翼手によって大切な何かを失った、奪われたことだけは確かでしょう。そのあたりの昔話や現在の心境など、赤い盾メンバーの内側に切り込んでいくようなエピソードは盛り込んでこないのかな?

今の段階で多少は見えているものもありますが、基本的な方向性を示す程度の描写なんで、ぐらす的には今ひとつ確信が持てないんですよね。ま、本編のほうもメインの謎については隠したままなんで、今は伏線を溜め込んでいる段階でしょうから、あまり焦っても仕方ないんですけど、もうピコミリ踏み込むような赤い盾メンバーのエピソードがほしいっす。


■ですが、翼手と関係ないとは言い切れません
■報告にありました、宮城リクの件もありますし


リッくんの聞こえちゃう症状に科学のメスが!って感じ。赤い盾のナンバー2がトップであるジョエルに「彼らが翼手ではないことは判明しました」と報告するくらいですから、それについては嘘ではないと思われ。ですが、リクのような(翼手ではなくともDIVAの歌声が聞こえてしまう)人類が存在するということも、また嘘ではないと思われ。

人工的に作られた存在なのか。それとも、自然に生まれた存在なのか…。どっちなのかによって、物語の方向性も変わってくるんじゃまいかん?


■ジョエルとコリンズ

先代のジョエルは三年前に亡くなり、現在のジョエルはその息子、か…。傍目には死んだように見せかけて、実際にはサヤの血の力で若返っていた、なんて目くらましもアリかなぁとも思いましたが、翼手研究のスペシャリストであるコリンズをごまかすのは無理じゃないかなぁ。ストレートに今のジョエルは先代の息子。年齢的に考えて、サヤの記憶の中に登場したジョエルの孫か曾孫と見るのが妥当かと。

それと、ジョエルはゴルドシュミットの現当主とのことですから、アイスランドの研究施設のスポンサーである「ゴールドスミス」も彼なのでしょう。コリンズは「私も失っておりますよ、翼手を研究することで得られたはずの栄誉と賞賛を」と言っていますから、コリンズの出自はそっち関係なのかもね。

赤い盾のトップ、遺伝子操作によるクローニングの研究をバックアップ、過去にサヤとDIVAを囲って何かの研究をしていた、か…。


■ゴルドシュミット、赤い盾、ロスチャイルド

ロスチャイルド
ロスチャイルド家

元ネタはロスチャイルドなのね。ロスチャイルドの独語読みがロートシルト。意味は、赤い盾。ロスチャイルド財閥の祖がアンシェル。アンシェルを支えた弟たちの名前が、ネイサン、ジェームス、カール、ソロモン。ロスチャイルド家の源流がゴルドシュミット家。ロスチャイルドの家紋が5本の矢(BLOOD+物語内での赤い盾の紋章)。

他にも、ロスチャイルドはワインの有名シャトーを保有していたり(ワイン)、同族結婚で勢力を強めたり(血)と、BLOOD+の元ネタっぽい要素が満載。ユダヤ系の財閥が元ネタってあたり、アメリカ云々ってのもこの辺から転がしてくるのかな?

ちなみに、広瀬隆さんが「赤い楯」というロスチャイルド家についての本を出版されているらしいです。時間があったら読んでみよっと。

11月頃の日記で「ソロモンってのはイスラエルの王様の名前」と書きましたが、そっちじゃなかったよー。


■それが…あなたの望みなら

前回、サヤの記憶の中でのハジは、サヤの苦しみを分かち合えない分、サヤの希望を叶えようとした。というのが、先週のエピソードだったような。

サヤの苦しみを共有できないハジと、老ジョエルにプレゼントするものがないサヤ。せめてサヤの希望だけでも叶えて上げたいハジと、せめて百合の花だけでもプレゼントしたいサヤ。ハジはサヤの気持ちを誰よりもわかるからこそ、サヤの「友だち」として、危険を承知で百合の花を取りにいったんじゃまいかん?

だとすると、ハジはサヤと同じ不死の存在になったことで、サヤの苦しみを共有できるようになった(サヤとハジは対等な関係になった)わけですから、ハジはサヤの「友だち」として、対等に接するのが筋なんじゃないかと思うんですよ。

けれど、今回の「それが…あなたの望みなら」という台詞からもわかるように、ハジはあくまでサヤの望みを叶えるために行動しているでしょう。これ、なんでかなぁ?

ハジの歪んだ友情を示しているのか。友情以外にハジがサヤを立てる別の要素(主従関係や恋心)があるのか。不死になるだけではサヤの苦しみを共有したことにはならないのか。うーみゅ。わからん…。ので、ハジの想い(約束ってのと関係ありそうですが)が明かされるのを待つとしましょう。


■あなたがここで、DIVAとの戦いを始めて、100年以上が経ちます

ジョエルの誕生日、ジョエル邸で何かが起こり、そして、サヤはDIVAとの戦いを始めた。そこで起こった「何か」が、サヤが戦いを始めた理由。サヤとDIVAが戦う理由。翼手側の利は何一つない。利を得るのは人間のみ。翼手であるサヤが、しかも翼手種の女王の血を引くサヤが、同族に仇なす戦いを始めた。いったい何の目的で?

今は思い出せていないそれが、今後のサヤの戦いの目的に重なってくるのでしょうが、思いつくところではこんなところかな。

1) 人間(偽りの家族)に言いくるめられて、翼手(本当の家族)と戦っている。
2) 戦うことが最終的には翼手にとっての利につながる。
3) 翼手や人間というカテゴリーではなく、もっと大きな、それこそ地球に生きる全ての生命を護る。
4) 逆に、翼手とか人間とかいうカテゴリーよりも小さな、身の回りにいる近しい存在を護る。

(1)はないと思われ。シフの一人の最期がわかりやすいところですが、月(従属の象徴)ではなく太陽(自我の象徴)を求める在り方がポジティブに描かれていたでしょう。ですから、人間に操られて従属的に戦いつづけるってのは、なかなかに考えづらいところなんですよね。あとは2〜4のどれか(もしくは複合)か、それ以外に何か目的があるのか。

ただ、シュヴァリエの人間バッシング、今回のソロモンの「それで得をするのは、人間だけです」という言葉を聞くに、シュヴァリエたちこそ(3)を目指しているようにも聞こえるかな。だとすると、過去編(モスクワ革命期)のサヤとハジは、2や4の目的で戦っていたか、もしくは、3を目指しているのは同じだけれど、DIVAやシュヴァリエとは手段が異なっていたのか。

などと、テキトーに可能性を妄想してみる。実際はどーなんでしょーね。


■動物園

世界中の珍しい動植物を集め、新しい生物を作ろうとしていた研究所。それが旧ジョエル邸の真実であり、サヤもDIVAも、そのために集められた実験対象の一つ。

とはいうものの、老ジョエルが何のために新しい生物を作ろうとしていたのかは、ソロモンは「ありあまるほどの資産と暇を持て余した、ジョエル・ゴルドシュミットという男の好奇心を満たすためだけの(実験)」と言うだけ。老ジョエルがアンシェルと組んで何を企んでいたのか。それについてはノーコメントなんですよね。いや、アンシェルがソロモンに言っていないのかな?

ゴルドシュミット家は、現代でもアイスランドに研究施設を構え、遺伝子関連の研究を続けているわけですが、何の目的なんでしょう。単なる金持ちの道楽にしては、色々と裏が多すぎるようですし…。


■血のつながりなんかなくたって、私たちは家族よ!

なんというか、ソロモンに向かって言っているというよりも、カイやリクとの家族の絆、心の絆に疑念を抱いてしまった自分自身に言い聞かせているような。そんなサヤの心境、葛藤が、光と影の交錯によって表現されているんでしょうね。SEED28話でのフレイの台詞もそんな感じでしたが、こーゆーのって見てて切なくなるんすよ…。


■相手の気持ち

血のつながった本当の家族だから、サヤと同じ不死の体を持つ怪物だから、サヤの気持ちがわかる。流れる時間も生の在り方も違う偽りの家族には、サヤの気持ちはわからない。という展開に持っていくための「相手の気持ちになって考えようぜ」だったわけですな。

ただ、流れる時間が別だと相手の気持ちはわからないかというと、どうなんでしょ。

人間だれしも、異なる時間、異なる環境を生きていて、その中で出会うわけですよ。どんなに相手の気持ちになって考えようとしても、相手と同じ境遇に並んで立つことはできません。そんな現実の中で、完全に相手の立場でものを考えることはできないけれど、可能な限り相手の気持ちを考えて、時には読めたり時には読めなかったりしつつ、成功と失敗を繰り返しながら生きていくわけでして。

その意味では、ソロモンの言う「偽りの家族にはサヤの気持ちはわからない」ってのは、確かに一理ありますが、その理が全てだとは言えないんじゃないかな。もちろん、今のヘタレなカイじゃーサヤの気持ちはわからないでしょうけど、だからと言って築いた関係をポイしちゃって良いってもんではなくて、それでも相手を信じて待つことが「信じる」ってことなんじゃないかなぁ。とか思ってみたり。

自分にとって都合の良いことだけを相手に求めて、それが叶えられなかったら「裏切られた」と思い込む。それでは最初から「信じる」ことになっていないような。リスクや欠点、失敗の可能性なんかも飲み込んだ上で相手を受けとめるってーのが「信じる」ってことなんじゃまいかん?

相手の気持ちになって考えるってーのも、できるに越したことはありませんが、現実には、完全に相手の気持ちになって考えるなんてこと、ありえないでしょ。ニュータイプじゃないんですから。できないという現実、できないという可能性。それを踏まえた上で、それでも相手の気持ちになって考える在り方、心の持ち方にこそ、意味があるんじゃないかなぁ。

ソロモンはサヤの「愛」の在り方に疑問を投げかけていますが、↑って意味で言うのなら、サヤの全てを受け入れていたジョージは、サヤに対して、確かに「愛」を注いでいたと思うんですよね。理解することではなく、理解できなくとも受け入れること。受け入れようとすること。それをジョージはできていたんじゃないかと思いますが、はたして、カイにはそれができるんかねぇ…。


■「わかんねぇんだ!」「怖気づいたのか?」

などと思いつつ、現在のカイを見るかぎりでは、ヘタレモード発動中。サヤと再会できたとしても、ベトナム編以上にビビってトンズラかますかもしれませんが、ただ、デビットの言葉を受け、ジョージの遺した銃を見つめ、いろいろと考えてはいるみたい。ここで一発ガツンと成長してくれるのか、それとも一端ヘタレっぷりを晒しておいて、そこから成長物語を本格始動させるのか。どーなるんでしょ?


■生態

サヤとDIVAには異形の母親がいて、それが翼手という種族の女王だった。だが、彼女は朽ち果てるようにして死に、女王の血を引く者は、DIVAとサヤの二人だけ。二人はシュヴァリエの母にして、恋人となる存在。二人は数年の活動期と30年前後の眠りを繰り返す。眠りの期間は、繭の中で過ごす。

以上がサヤとDIVAの生態みたい。ただ、なぜ不死性を持っているのか、その血にはどんな力があるのか、シュヴァリエとつがうことで何が生まれるのかなど、重要な部分は伏せられたままですな。サヤとDIVAの母親がどんな存在だったのか、なぜ死んだのか、サヤたちはどうやってこの世に生まれたのか、っつうか父親は誰?などの疑問も放置プレイ中。前回のサヤの記憶復活もそうですが、肝心なところは隠しまくってるのねー。


■光と影

信じたい気持ちと、信じられない現実。暗喩するかのように入り乱れる光と影が、サヤの葛藤をメタアピール。なかなかステキな演出なんですが、光と影、どっちが信じたい気持ちで、どっちが信じられない現実で、サヤはどっちを求めているのかな? っつうか、これから先、どっちを求めていくのかな?


■二人のシュヴァリエ

アンシェルから、サヤは敵だと聞かされていた。だが、会ってみると敵ではなかった。そんなサヤを見て、自分なりの救いの手を差し伸べるソロモン。あの日の誓いを胸に秘め、サヤの願いを叶えようと戦うハジ。ソロモンはアンシェルの命に背き、ハジは赤い盾(ゴルドシュミット)に従属しない。それが「二人のシュヴァリエ(騎士)」なんでしょう。

ってことは、カイやリクは、サヤのシュヴァリエとしてカウントされていないのねー。そっちの裏の意味も透けて見えて、ピコっとオモシロなタイトルですよー。第2クール後半に入って、妙にタイトルが面白いっす。


■赤と青

赤: サヤの目の色。赤い盾(の証)。赤い薔薇スキーなサヤ。
青: DIVAの目の色。シュヴァリエ(の一人であるアンシェル)の指輪。青い薔薇スキーなDIVA。
謎: シフ。

こんな感じ。同色同士は同じ目的を持っていると見て良いのかな? だとすると、人間も翼手も、血の色は「赤」なのがポイントになるかもねー。


■目覚めの血。

リッくんピーンチ。生きてんの?とか、いつの間にDIVAはやってきたの?とか、目覚めの血を飲むとどーなるの?とか、とにもかくにも謎だらけ。ナゾナゾナゾナゾナゾナゾナゾムッキッキー!

謎解きは進まなくても、物語性の面で見所があるんで(少なくともぐらす的には)楽しんで見られるのですが、それでも、そろそろ謎解きも進めてくれんと、いい加減ストレスたまるっちゃー。第1クールの終盤もそんな感じでしたが、ギブミー謎の答え。タメた謎を物語の進展に合わせて一気に解き明かす、ってのも「燃え」の一形態ではありますが、タメすぎるとそこに至るまでの視聴がしんどくなって、逆効果になっちゃうよー。



そんな感じで23話感想終了。ソロモンはソロモンなりに、ハジはハジなりに、サヤを守ろうと奮闘しているわけで。DESTINYで言うなら、キラ(AA&オーブ)とシン(議長&ミネルバ)の間で揺れ動くアスラン、って感じ? 完全正義な人間がいないあたり、泥臭い人間らしさ、相対正義の衝突なんかが見られそうで、今から期待っす。今回シュヴァリエとしてカウントされなかったカイたちの成長にも期待っす。




BLOOD+ 第24話 〜 軽やかな歌声 〜

変態仮面は何をしているんだろう。そんなことを思いつつ、ラスト付近がマジで切ない24話感想ですよー。


■赤と青

DIVAの青い目と、サヤの赤い目。何度か触れてきましたけど、赤と青、どちらの色であるのかが、それぞれの立ち位置を示すと見て良さそうですね。

ただ、謎というか疑問というかが二つありまして。一つは、赤い盾にしろサヤ(赤い目)にしろ、シュヴァリエ(青い指輪)にしろDIVA(青い目)にしろ、その本当の目的は未だに見えないままであること。そしてもう一つは、青に属するDIVAもシュヴァリエも、その血の色は「赤」であるということ。この二つのネタに、物語の核心が埋まっているんじゃないかなぁ。


■シュヴァリエ同士、死の遠い不毛な戦いですね

不死の相手を行動不能に持っていくピコ頭脳バトルが良い感じ。もとい、頭脳バトルに見せかけた力技がナイス。刀で崖を砕いての岩石落としって…。シフ戦で見せた格闘ゲームちっくな残像演出なんかもそうですが、なんつーか(良い意味で)大味なバトルが増えてきたかも。ぐらすは、殺陣の良さとか悪さとかがイマイチわからない人間なんで、パッと見でわかりやすい派手な大味アクションの方が好みっす。

まぁ「ダブルノックダウン→立てなかったら負け」「立ったまま気絶」「敗者の髪を刈る」なんていうテニス漫画レベルまで行くと、バトルよりもネタとしての面白さが先に立っちゃうんで、方向性からして変わってきちゃいますけどね(笑)

でも、ソロモンはシフを倒した時みたいな本気モードじゃないみたい。ハジもそうですが、まだ奥がある感じ。明らかにタメてるよなぁ…。本気バトルが待ち遠しいっす。


■無知

サヤが友達ほしさにDIVAを世に解き放ってしまった。サヤが血を飲ませたことでハジの時間は止まってしまった。ともにサヤの無知が原因。無知は(・A・)イクナイ!みたいな感じですよー。

それとは別に、DIVAが「大っ嫌い、殺しちゃった」とまでハッキリ言うのですから、老ジョエルはDIVAに殺されたと見て無問題でしょう。サヤかDIVAの血の力で生きながらえたのかな?とも思っていましたが、こりゃもう死亡確定ですね。王大人の死亡宣言みたいなことはないでしょ。


■あの子も美味しそう

美味いか不味いか。それが人間に対するDIVAの評価基準みたい。ラスプーチンや偽リーザも言っていましたが、翼手にとって人間は食料でしかないのねん。食事の邪魔をしたらオシオキするけれど、基本的には不味い人間は殺さないよ、みたいな。動物が生きるために他の動物を狩り、食べる。そこに何の問題があるのさ?みたいな。

なんつーか、精神的にくるグロさですよー。食べられちゃうってことの気持ち悪さもあるんですけど、なんかこう「人間だって食物連鎖の中にいるくせに、なに自分だけ特別ぶってんのさ?」みたいな。弱肉強食。そんな原理原則、生きるってことの残酷な一面を突きつけられてる感じ。目ぇ背けんじゃねーよ、みたいな。


■じゃーま!

こんだけの力技ができるのに、昔は塔内の一室に監禁されてたって…。昔はこれほどパワフルじゃなかったってこと? 目覚めの血ってのが関係してるのかな?


■「DIVAはみんなを不幸にする!」「姉さまと一緒」

サヤがDIVAと戦うことで、リクのような不幸な人間が生まれる。偽リーザも言っていたことですが、それでもサヤは戦うことを選んだわけで。

ただし、19話ラストの「うそつき」な置き手紙や、23話の光と闇の交錯演出からわかるように、今のサヤは「家族」「仲間」に疑念を抱いています。サヤは「気持ちがつながってる人」を護りたいと言っていますが、はたして、その言葉がどれほどサヤの本心を物語るものなのかは、激しく疑問が残るところでしょう。

みんなを不幸にすることを飲み込んだ上で、戦うことを決意したのか。それとも、みんなを不幸にすることから目を背けてしまったのか。それともそれとも、自分を裏切っていたみんなを不幸にすることを(ある意味、心のどこかで)サヤ自身も望んでしまっているのか。このあたりの微妙なサジ加減が見所になりそうですよー。


■「シュヴァリエとしての僕ではなく、ソロモン・ゴールドスミスとしての、本当の気持ちでした」

ソロモンの中に、個人としての自分と、シュヴァリエとしての自分、二人の自分がいることを確認。個人(主)としての自分と、シュヴァリエ(従)としての自分。やりたいことと、やらなければならないこと。ソロモンはどっちを選ぶのかな?


■無礼なシュヴァリエ、嫌いじゃないけど

そんなサヤを救いに馳せ参じたハジに向けられた、DIVAのこの一言。20話で、サヤとDIVAのシュヴァリエが、DIVAとサヤのシュヴァリエが「つがう」ことが語られていましたけど、おそらくは、これがDIVAサイドの真の目的に関わってくるのでしょう。

BLOOD+という物語では1話から第2クールの終了まで、サヤ目線で「家族」「覚悟」「心」といったものが描かれてきましたが、そろそろDIVAサイドの動きも活性化してくるのかも。

主人公サイドがどん底まで落ちた段階で、相手サイドの真の計画が発動。主人公がバタバタもがいている間に相手サイドの計画が進展し、主人公サイドの仲間がピンチに陥るも、それに合わせるようにして主人公の覚醒イベントも起こり、復活。

こーゆーデフォなパターンになってくるのかな? んで、主人公が覚醒パワーで相手を撃退し、以後、主人公サイドと相手サイドが本格衝突しながら、主人公サイドと相手サイドの本音トークも交わされ、その果てに、物語はクライマックスを迎える、みたいな。


■「あなたが、それを望むのでしたら…」「あなたがそれを望むのなら…」

帰る、新しいドレスが欲しいの。そう言うDIVAに「あなたが、それを望むのでしたら…」と応えるソロモン。リクに自分の血を飲ませることを思いついたサヤに「あなたがそれを望むのなら…」と応えるハジ。二人のシュヴァリエ。明らかに重ねてるっすよ。

ソロモンの方は「シュヴァリエとしての僕」として、従者(月)のようにDIVAに付き従っていることを意味するのでしょうが、問題はハジですよー。ソロモンと同じように「月」ポジションにいることを意味するのか、それとも、ハジ個人としての想いを秘めた「太陽」ポジションから放たれた言葉なのか。さりげないですが、18話で触れられた「約束」と共に、ハジというキャラの根幹に関わるネタフリだと思われ。

一方のソロモンにしても、アンシェルの命に背いてサヤの下へと向かったことを詰問されています。こちらはこちらで「ソロモン・ゴールドスミスとしての、本当の気持ち」が、後々まで尾を引いてくるのかも。単にDIVAやアンシェルの命に従うだけのキャラで終わるのか、それとも…。


■血が足りないんだ、姉さま

ということで、19話ラストと同じように剣を折られ、家族や仲間も信じられず、さらには翼手としての自分の本性(血が必要)さえも突きつけられ、再びココロが折れたサヤ。もう、目一杯どん底です。


■リクが死んじまったら、俺は独りぼっちになっちまう!

そんな目一杯どん底に落ちこんだサヤに、カイはトドメの一言を言ってしまったわけで。独りかよ、みたいな。サヤはカウントしないのかよ、みたいな。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚


■離さないで…

苦しむリク。手を握るカイ。そんな二人を見ながら「離さないで…」「許して…リク…」とつぶやき、涙を流すサヤ。サヤはきっと、離してしまったんでしょう。そしてそれは、サヤに向かって「リクが死んじまったら、俺は一人ぼっちになっちまう」と言ってしまったカイにも言えること。カイもきっと、離してしまったんでしょう。

苦しみリク。予想外のリクの苦しみに戸惑うカイ。自然に治っていく掌の傷を見ながら、自分の本性を、自分が独りであることを、独りであることに堪えられなかった自分の弱さを、改めて心に刻むサヤ。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

ベトナムで翼手モードのサヤにビビった時から言ってきましたが、やっぱりカイはヘタレてしまいました。そして、翼手サイドにこそ傾きはしませんでしたが、サヤもまた、仲間や家族、人間サイドからは離れてしまったようです。

それを象徴するかのような、綺麗な夕暮れ。太陽が沈む時間。月が輝く夜の始まり。吸血鬼の生きる世界。第2クールの終了は、どん底一直線なことになってしまったようです。DIVA打倒は続行するようですが、何のために、何を支えに、サヤは戦っていくのかな?


■翼手と人間の狭間で

となれば、サヤは、同じように翼手と人間の狭間で苦しむシフに接近していくんじゃないかなぁ。

んでも、シフはというと、サヤ(もしくはDIVA)の血によって、シフの運命(翼手にも人間にもなれない中途半端な生命)から解き放たれることを望んでいるようでして。サヤもしくはDIVAの血の力で、完全な翼手もしくは完全な人間になりがっていると思われ。

だとすると、翼手であることも人間として生きることも拒んだサヤは、翼手もしくは人間になることを望むシフを見て、何かを感じることになるんじゃまいかん? それがサヤ覚醒の鍵になりそうな気がする今日この頃。

なーんて妄想してみたりして。



ということで24話の感想終了です。本当の家族には刃を、擬似家族には背中を向けたサヤ。最後の夕暮れシーンなんて、もう見てて切なすぎますが、今は第2クールが終了するかしないかの段階です。残り25話。浮上することになるのか、それともどん底一直線で堕ちつづけるのか。ターニングポイントになるネタが少しずつ出てくるでしょうから、そのあたりに注目することになりそうですよー。




BLOOD+ 第25話 〜 赤い盾 〜

凸凹コンビ見参。世間知らずのお嬢に、色んな属性が追加されました。時間は完全に夜になっていますから、結局サヤたちとは合流できなかったみたい。合流しそうで合流しねーな、などと思いつつ、25話感想ドゾー。


■カイ

でも、生きてる。今はそれで十分さ。とカイは言いますが、サヤの苦渋の決断も、リクの過酷な運命も、カイはわかってないじゃね?みたいな。ジュリアに「相手の立場に立って〜」と言われていましたが、前回、サヤの気持ちを考えずに「俺は独りぼっちになっちまう!」と暴走しちゃいましたしねぇ。

このあたりがカイの課題になりそうですが、とりあえずは、リクが目覚めた後に注目かな?

と思いきや、ラスト付近の「俺も楽器ができれば、余計なことを言わずに済んだかもしれねぇ…」を聞くに、サヤの気持ちを考えずに余計なことを言ってしまったってことを、理解はできているみたいです。実際にどんな行動に移せばいいのかはわかっていませんが、まずは第一歩、みたいな。これまでは口ばっかりのヘタレ少年でしたが、前回の「独りぼっちに」発言で底をうって、浮上モードに転じてきたのかもしれませんね。


■ハジ

サヤは、彼の望みを叶えただけです。というハジ発言を聞くに、相変わらずハジの立ち位置が謎ですよー。DIVAのシュヴァリエのように、ハジもサヤの言動に絶対服従している、っつーのが表面的な描写なんですが、サヤとの「約束」といい、前回、前々回のソロモンとの対比といい、額面どおりに受けとめるには何かが引っかかるんですよねー。

ハジが自分のことを語らないのも、表面的にサヤに従属するポジションであることをアピールしながら、ハジの本心を視聴者に隠しておいて、あとから一気に引っくり返すミスリードっぽさが満載ですし。どうなるんかな?


■デビット

そして、もう一人、立ち位置が明確になっていないのがデビットでしょう。

序盤では、翼手殲滅のためにサヤの血の「力」のみを求めているかのように描かれていましたが、第2クールに入ってからは、カイへの不器用な接し方といい、ジュリアとの会話といい、わずかながらも「心」を秘めているような描写がそこかしこ。

今回も、サヤとリクを研究サンプルとして見ているコリンズとは異なる立ち位置にいることがほのめかされたり、ジョエルとの個人的な友人関係が窺えたりで、明確ではありませんが、さりげに「心」を持って動いていると受け取れる箇所が散見されました。

現状では、デビットの「心」がどんなものなのかは明かされていませんが、今回のエピソードを見る限りでは「ベトナムで亡くなった君の父上から受け継いだ血」「赤い盾の中でも、親子二代でこんなことをしているのは、あなたと私だけです」「私は強くありません」「全て終わるまで、私が護れるといいのですが…」と、翼手殲滅にこだわる背景に「皆を護りたい」という本音がチラリ。

そんなさりげない「心」の存在、人間らしさをほのめかすシーン(ジョエルとの会話)で、デビットが持つグラスの氷が音を立てて融けたのは、ピコっと素敵な演出だったよー。氷のように見えるデビットの本心が、わずかに融けて本音を覗かせつつ、それを飲み干して、決意を新たにするデビット。明かされない点は多いですが、明かされないなりにデビットの立ち位置を( ゚Д゚)ウマーく表現してくれて、さりげなく一燃え。

と同時に、ここでピコっと表現されたデビットの本心が明かされるタメ解放シーンが待ち遠しいっす。


■ジョエル

そんな微妙なポジションに立っているハジ&デビットとは違って、ジョエルは額面どおりに受け取って良さげな感じかな?

ジョエルは「1883年のあの時から」「惨劇の後始末をつけるために」「ジョエルの名と赤い盾の長官としての役目」「ジョエルの中にわずかに残っていた良心と責任を引き継いだ」と言っていますが、その言葉どおり、DIVAを世に放ってしまった老ジョエルの直系として、DIVAを滅して責任を取ろうとしているのでしょう。

ただし、現ジョエルはともかく、1883年当時の老ジョエルが何を考え、何のためにDIVAとサヤを囲っていたのかは、まだ不明。一応は「あり余る時間と金を使っての趣味」と語られていましたが、それだけにしては、ジョエルの日記の1883年以前の部分が分厚いっすよー。物語の核心に関わる部分だけに、今後の展開が待ち遠しいっす。


■コリンズ

そうして、根っこに大なり小なり「心」を垣間見せるのがハジ&デビット&ジョエルですが、その一方で、作戦会議での「研究サンプル」発言といい、前々回の「私も失っておりますよ、翼手を研究することで得られたはずの栄誉と賞賛を」発言といい、コリンズ先生は、どこか不安要素を持っていそうな気配です。

特に、後半パートのヴァンとの電話が妙な雰囲気っすよー。ヴァンの「ホモサピエンスの先にある生物に興味があるそうで」「ノーベル賞も夢ではないでしょう」といった発言に反応しまくり。ジュリアとの会話でも「満足…か…」とこぼしています。誰かを護るためではなく、科学者としての好奇心、科学者としての野心という、自分のためのエゴイスティックな「心」を秘めていそうな気配っす。現状では赤い盾に属し、翼手殲滅に尽力していますが、どうなっていくことやら。


■ジュリア

第5の塩基に気づいて萌えているオッパイたん。今まではデビットの追っかけキャラが前面に出ていましたが、コリンズの元生徒として、科学者の側面もクローズアップされてきたかな。

ただ、ジュリアは「この研究に携わることができて、満足です」と言っていますから、科学者としての探究心、好奇心は強いものの、野心的なものはなさそうな感じ。その発言を聞いて嘆息するコリンズと比較すると、師弟といえど、このあたりに大きな違いがありそうですね。

コリンズがヴァン(サンクフレシュ)に接近するようなことがあれば、現在の赤い盾と翼手のバランスは崩れ、DIVAサイドの真の目的が本格始動になるやもしれません。コリンズとジュリアの科学者コンビが、物語の鍵を握ることになるかもねー。


■謝花真央

最初は力技オンリーのイケイケお嬢キャラってだけでしたが、妄想癖、方向音痴、純情乙女、自己完結思考、無防備と、色んな属性つきまくり。一つ一つの描写は深くないのですが、個性の多さでは断トツですよー。サブキャラとして、色々とオイシイ使い方ができるよねー。ガンガレ、お嬢!


■岡村記者

こっちは、真央とのジェネレーションギャップに脳みそ茹だらせながらも、一人で黙々と調査中。個性の多さでは真央に劣りますが、新聞記者としては、ワイン以外は手がかりのない所からスタートしたわりに、事件の勘所を突いて、少しずつ核心に接近中。真央は評価していませんけど(真央目線からは、事件の核心との距離、カイとの距離が縮まっていることが見えないため、評価しないで当然といえば当然)、さりげに有能ですよー。

それと、最近は触れられませんが、岡村記者のパパンがベトナムで何とどう関わったのかが気になるかもー。


■私、もう逃げません。戦いが終わるまで、DIVAを倒すまで、もう逃げません

そうして赤い盾の、人間サイドの各自の立ち位置が整理されつつ、最後に主人公サヤの立ち位置が明かされたのが25話でしたが、これが壮絶に つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

新しい牙。サヤが受け取った刀は、サヤの、吸血鬼の牙。月の光を映し、闇に光る刀。勇壮な音楽で演出されていますが、物語においてマイナス方向の意味を持つ「月」が背景に在りましたから、ネガティブな方向に突き抜けた裏覚醒シーンだったっぽいっす。

サヤの台詞を聞いても、逃げないと誓ったのは「戦いが終わるまで、DIVAを倒すまで」ですから、その後については、以前のような「沖縄に帰ってみんなと暮らす」という夢は捨て、自分の本当の想いから逃げるつもりなんじゃないかなぁ。

たしかに今は迷いを吹っ切ったのかもしれませんが、迷いながら進む方向を探し続けるのが人であって、迷うことを捨ててしまったら、それは人であることを放棄してしまったことに他ならないような。人の間で生きるのが「人間」であって、人の間で生きることを諦めてしまったら、それは人間であることを放棄してしまったことに他ならないような。そんな気がしました。


■赤い盾

ただし、サヤ自身は気づいていませんが、そうして人間サイドに背を向けてしまったサヤの傍らには、サヤとの約束を胸に刻むハジが、秘めたる心を現しはじめたデビットが控えて、サヤを支えています。

デビットは秘めた心を漏らすかのように「我々も一緒に戦う」と宣言し、ハジはサヤへの想いを秘めて「それがあなたの望みなら」と語りかけました。

そして、刀身に光るは、赤い結晶。宮城ジョージの想い。サヤが人であることを肯定し、サヤが怪物になることをくい止める、最後の盾。赤い盾。

つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚

壊れかけたサヤの心、それを影から支えようとする三人の想い、そのすれ違い。それが余りに切なくて、もう、このシーンでボロ泣き。


■俺も楽器ができれば、余計なことを言わずに済んだかもしれねぇ…

そして、もう一つのすれ違い。サヤとカイ。

この台詞を聞けばわかりますが、カイはサヤに何を言ってしまったのかを理解していて、それが「余計なこと」であるとも理解していて、でも、そのことをサヤに詫びる術を持っていない状態です。

言葉は持っていない。でも、想いはある。そしてそれは、そんなカイの言葉を階段の下で聞いたサヤにも言えること。想いを伝えたい、でも、何をどう伝えればいいのか、その言葉は持っていない。だからこそ、リクの治療室前でも、サヤはカイから「逃げ」てしまったのでしょう。

そんな二人のすれ違いが「階段での立ち位置」によって表現されていて、かなり( ゚Д゚)ウマーな演出だったのですが、それはおそらく、サヤとカイだけでなく、その背後に流れるハジの演奏に映像が重ねられた、赤い盾の面々にも言えることなんじゃないかと。デビット、ジュリア、コリンズ、ジョエル。各自の立ち位置を描いてきたのが今回のエピソードでしたが、その最後に、それぞれのすれ違いも表現してきたと見るのが自然かと。

言葉を使わず、映像や音楽を組み合わせて、伝えたいことを表現する。こーゆーのはかなり好みですよー。


■ゴールドスミス

前半パートに戻りますが、作戦会議で「アイスランドの遺伝子研究所が、何者かに襲撃された、との情報があります」「(その遺伝子研究所のスポンサーには)サンクフレシュ同様、ゴールドスミスの血が、流れこんでいます」と語られました。さらに、ジョエルとコリンズは「君は、シフという翼手と遭遇したそうだね」「シュヴァリエではないのかね?」と語りかけています。

赤い盾とサンクフレシュ(DIVAサイド)以外に、遺伝子研究に携わるゴールドスミスの一族が存在する。赤い盾はシフの詳細を知らない。この二つが窺えますが、対立関係が複雑に交錯しているのねん。

おそらく、18話で台詞の中に登場した「ボリス」「火と氷の国」あたりが、赤い盾とサンクフレシュ以外のゴールドスミス一族に関係しているのでしょうが(シフは彼らが作り出したのかな?)、これが赤い盾とDIVAとの戦いにどう関わってくるのやら。

ちなみに、リアル世界で言えば、ゴルドシュミット家から派生したロスチャイルド家は、最近ではわずかに減退しつつも、いまだ世界の政財界に大きな影響力を持っています。作中のゴールドスミス家は、リアル世界のロスチャイルド家を意図して設定されているのでしょうが、これもどんな意味を持ってくるのかねー。


■タイトル

それにしても、何度か言ってきましたが、タイトルが神がかっています。今回のタイトルで言えば、表面的には赤い盾サイドの各自の立ち位置を整理していることを伝えているわけですが、そこに、もう一つの含意、サヤの怪物化をくい止める「赤い盾」の存在が言い含められていたわけで。

世界が翼手に覆われないためには、そんな「赤い盾」が必要なんだよ。人が怪物化しないためには、互いに互いを支えあう「赤い盾」が必要なんだよ。そう語りかけているような気がした25話でした。


■BLOOD+

そしておそらく、そんなステキタイトルは「BLOOD+」というタイトルにも言えることなんじゃないかな。

今回のエピソードを見ていて感じたのですが、ジョエルはゴルドシュミットの良心と責任を継いだと言っています。デビットは父からデビットの名を継ぎました。未だ届いてはいませんが、カイはジョージの想いを継ごうとしているでしょう。サブキャラで言えば、ジュリアは師であるコリンズと連携して翼手の謎を解明しようとし、岡村記者は父の後を追うように調査を進めています。

一方、DIVAサイドはと言うと、シュヴァリエはDIVAを長とする家族の一員です。ソロモンの本名(ソロモン・ゴールドスミス)は、ゴルドシュミット一族との関係を示唆しているでしょう。そもそもDIVAというのも、地球に育まれてきた生命の一つです。シュヴァリエの変形やアイスランドでの研究、第5塩基の存在から推測するに、翼手というのは「遺伝子」に眠っている情報を操作して、怪物となっているんじゃないかな?

受け継がれる想い、知識、遺伝子、運命。家族の絆、生命の絆。その象徴が「血」であり、血の象徴が「赤」であり。そんな含意がアニメのタイトルにも込められているんじゃないかなぁ。それが「BLOOD+」の意味だと超予想してみたり。ぐらすが好きなRPG、英雄伝説4のタイトル「朱紅の絆」も、そんな感じだったしねー。それと、もしそうなら、DIVAとシュヴァリエの真の目的も、なんとなく見えてくるような気がしたりしなかったり。



そんなこんなで25話感想終了。サヤはデビットたちと再合流し、ネガティブに突き抜ける感じで戦う決意を固めましたが、その傍らに控える面々の想いもピコピコっと深められ始めたかも。動物園で(全てではないようですが)記憶をよみがえらせ、自分の真実を知ったサヤですが、今度は赤い盾サイドの真実を知ることになるのかな?

DIVAサイドの真の目的も気になるところですし、シフの狙い、ゴールドスミス一族の真実など、隠された謎は盛りだくさん。このあたりを明かしていくのが第3クールの基本ベースになりそうですが、そうして真実が明かされる中で、どん底まで落ちたサヤがどう浮上してくるのかも、第3クールの見所にして、燃えポイントになると思われ。物語の方向性も見えてきましたし、だいぶ盛り上がってくるんじゃないかな。





感 想 一 覧

B L O O D +

 Episode-14 さいごの日曜日
 Episode-15 おいかけたいの
 Episode-16 シベリアン・エクスプレス
 Episode-17 約束 おぼえてる?
 Episode-18 エカテリンブルグの月
 Episode-19 折れたココロ
 Episode-20 シュヴァリエ
 Episode-21 すっぱいブドウ
 Episode-22 動物園
 Episode-23 ふたりのシュヴァリエ
 Episode-24 軽やかな歌声
 Episode-25 赤い盾



 BLOOD+ 1クール分
 BLOOD+ 3クール分
 BLOOD+ 4クール分