BLOOD+ 第1話 〜 ファーストキス 〜 |
DESTINYの後番組として始まった『BLOOD+』をさらっと視聴。
最初は日常→非日常→日常→非日常→…の境界線物語かなぁと思って見ていたのですが、勉強/部活/遊び/将来/友人/恋愛といった日常的なファクターが少なく、日常パートでの起伏があまり感じられないんで、ちょっと違うのかも。まぁ、1話だけ見てもサッパリわかりませんけどね。映画版?があるらしいんで、そっちを見ていれば違ったリアクションになるのかな。
第一話を見たかぎりでは、素軽いエンタメ要素がほとんどなく、よそ見をせずに物語の核心へと至る一本道をひた走っている印象があるような。もちろん、そういう濃密な物語が好きな人も多いでしょうし、ぐらすも嫌いではないのですが、週一ペースの息抜きとして見る分には辛いんですよね。濃密→ゆとり&隙間がない→重い。そんな感じになっちゃうんで。とりあえずは二〜三週ばかし様子を見て、それから毎週の娯楽に組みこむかどうか決めよっと。
それにしても、種について脊髄反射のようにグロが云々と叩いてた人らが、掌かえしたように「人それぞれ」とか「このくらいなら」とか「時代を反映している」とか「話の上で必要」とか言い出すのは、どうにかならんもんか…
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BLOOD+ 第2話 〜 第6話 |
2話〜6話については、感想らしきものを書いてませんでした。感想かくほどモチベが高くなかったもんで。
一応、7話の感想が2〜6話分を軽くまとめる形になっているので、そちらをご覧ください。
各話感想については、振り返って書くってのもアレなんで、たぶん今後も書くことはないと思われます。
ごめんねー。
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BLOOD+ 第7話 〜 私がやらなきゃ 〜 |
DESTINY終了後、BLOOD+をマターリ見ています。今回で序章が終了、次回から本編へ、って感じですね。
序章は、最初わけもわからず戦いへと巻きこまれたサヤが、3話で、自らの意志で戦うことを躊躇っていた描写から本格始動。4話ではとりあえず戦うことを選択するも、今ひとつ踏ん切りがつかず。そんなモヤモヤした状態でジョージが拉致され→翼手化→擬似とはいえ家族であるジョージの言葉で覚醒し→自らの意志で戦う決意を固める、というストーリー概要ですね。
この一連の流れの中で、サヤが自らの意志で戦うことを決意するまでの変化が3段階に分けて描かれてきたわけですが、今回の「がんばる」発言によって、とりあえず一段落。そこにリクやカイの「がんばる」宣言も重なって、序盤のテーマだったっぽい「擬似家族でも絆は固いぜ!」物語が無事に昇華。バリ熱かったっす♪
そういった固まった絆をサヤのアイデンティティとして、次週から本編へと入っていくことになりそうですが、どうなるんかね。ぐらす的には、BLOOD+において何かと強調される「血」というファクターが、擬似家族物語(血のつながりはない)と絡みあう形で、メインテーマになっていくような気がしますけど、どんなもんざんしょ。
ありそうな展開としては、サヤは人間でない→同族登場(血の絆アピール)→人間滅ぶべし→擬似家族物語(心の絆アピール)→人間も捨てたもんじゃない、的なところになるんじゃないかと、無責任に予想してみる。前回〜今回のキーワードだった、ジョージの「笑顔を忘れるな。明日に向かって今日を生きろ」にも、そのへんの匂いが漂うような。この台詞は今後もキーになるかも。
米軍については、DESTINYのジブリールのように、とりあえず視聴者の目を引いておくための小〜中悪役じゃないっすかね。現実には起こしていない事件を以って「米軍って悪だぜ!」と騙り、挙句それをメインテーマやメイン悪役にするとは思えないんで。んで、物語前半で、米軍を介して「人間ってこんなに酷いんだぜ」と描いておいて、そんな人間の粛清を図って大物翼手が参上、とかありそうな気が…(ない?)
ま、現時点での予想なんでアテにならなさすぎますが、ぐらす個人としては、そんな感じに追いかけて見ていきたい話の核ができたので、継続して追いかけてみようかと。血の絆、心の絆、家族、翼手の目的、自虐人間観、人間賛歌。そのあたりに目線を向けて話を追いかけて見る方向で。あ、あと、今のところカイが中途半端にヘタレなので、その辺の成長もチェキしてみよう。
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BLOOD+ 第8話 〜 ファントム・オブ・ザ・スクール 〜 |
BLOOD+第8話感想です。ベトナム編の開始です。
前回「擬似家族物語でも絆は固いぜ!」とオチたと思ったら、いきなりホテルに放置プレイ。翼手との戦いに巻きこまないように、ってところでしょうが、言葉の通じない異国の地に放置プレイというのは鬼。別離→それぞれの道→再会、というのがデフォルトですが、このあたり、まだまだ山あり谷ありで進むようですね。
以前と違い、ハジから渡された小剣を普通に手にしたり、躊躇うことなくファントム(?)と戦ったりするところから見るに、サヤは戦士としての道を進む覚悟を決めたようですが、その一方で、リクやカイはどんな道を進むんだろう。
そんな具合に各登場人物の変化が気になる一方で、ファントム、D-67、ディーヴァ、女神、といった単語がポコポコ登場し、翼手の謎につながりそうな気配。蒼いバラって、画面内でも語られていましたが、バイオチックな品種改良じゃないと生まれないんじゃなかったでしたっけ。バイオ→D-67→翼手生産、って感じのつながりでしょうか。少しずつですが、話が動いていきそうです。どうなるんかね♪
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BLOOD+ 第9話 〜 それぞれの虹 〜 |
BLOOD+第9話感想です。本編には深く関与しないサブエピソードかと思って見始めたのですが…
■カイとリク、どうしているだろう?
と家族のキズナをアピりながら、カイ&リク視点へ。異文化交流モードです。日本人って私たちとは違うよね?モードです。人とのつながりは大切だよ?モードです。でも、仲良くなったりチョコっとラブだったりで、ディープな日本批判にはならないホンワカモードです。ホンワカを引っくり返して悲惨系、って基本パターンですよね。 orz
サヤの物語も、これまで「日常から非日常へ」なベクトルで進んできましたけど、この「日常→非日常」な変化に物語上の意味を持たせているのかな。ぐらす的インスピレーションでは「日常と非日常は紙一重」「その覚悟を持って生きろ」と言っているように感じますが、まだよくわがんね。でも、こうして「物語の主題は何?」と意識しながら見ると、深読みできて楽しいっす♪
■ねぇ、どう思う?
朴念仁、コスプレ巨乳も、興味なし。
それはそーと、ファントムは黒髪&東洋系の少女を狙っているらしいです。ファントムはサヤを狙っている、サヤがどこにいるかは知らない、サヤがどんな顔立ちかも知らない、外見の特徴をザックリ知っているだけ、けれどサヤを狙っている、といったところかな。ファントムが翼手に関係しているとするなら、翼手はサヤを狙っている、ってことになるのかなぁ。それとも単に探しているだけ? う〜みゅ、わからん。
■彼女のお兄さんが、畑に落ちてた不発弾に誤って触れてしまって、お兄さんはその事故で亡くなって、そばにいたムイは、左足を失ったの。 ■この施設の中には、そうやって爆弾の犠牲になった両親が、仕事をすることもできず、貧しさのために家を追い出されてきた子も少なくないんだ。
アメリカ批判はチョコっとディープ路線だなぁ。今回は地雷や不発弾ネタでアメリカ批判をしていたようですが、BLOOD+の世界ではベトナム戦争と米軍の翼手利用に関係があるらしく。現実世界でのアメリカの非道行為を、物語世界での翼手利用によって「象徴」的に語ろうとしているのかなぁ。バイオ系の翼手利用と、ベトナム戦争や沖縄基地問題。ん〜、あまり「象徴」にはならんような…。どうするつもりだろ?
■ご好意でいただいている、大事な薬なのに。 ■いいのよ、ここを援助してくれる企業から、いっぱい貰ってるから
D-67っぽいですね。薬を届けにきた男は白服と一緒にいるし、さらに「アレを投与した」とも言っているし。怪物化、かぁ…。それと、薬を投与されているムイ同様、リクにも何か聞こえるようで。沖縄でも同じようなことがあったけど、リクも翼手と関係あるのかな?
■やりたいことやれるって、ホント良いよね
前半パートの↑の発言で漂わせておいて、後半パートでザックリ切りこみ。
現実を生きる必要のなかったリクは「将来はピアニストになれるよ」と夢を語り、現実を生きる必要に迫られたムイは「私、もっとしたいことがあるの。お父さんとお母さんのお手伝い」と現実を語る。
二人にとっての「やりたいこと」のギャップが心にサックリ刺さりつつ、そんなムイがお店のガラス越しに欲したものは、ピアノではなく金属探知機。選んだ道は、夢ではなく現実。別れ際、つなげなかった二人の手。そこに描かれた、日本とベトナムの違い、リクとムイの温度差。さらに、それを知って「僕あの、何にも知らなかったから…」と詫びようとするリクに、ムイは言う。
私、お父さんとお母さんのお手伝いができるようになったよ♪と。
そう言ってリクに笑みを返すムイ。リクとしては、夢をあきらめて実家に戻るムイが「やりたいこと」をやっているようには見えなかった。けれど、ムイとしては、それも一つの「やりたいこと」だった。そんな生にも喜びを感じることができていた。
欲しいもの、選んだ道、生きる喜び。それぞれの違いに順を追って切りこんでいく一話単位の構成が実に( ゚Д゚)ウマー。そんなムイの姿に「どんな運命が待っているんだろ、悔やみたくないよ、生まれたこと」が重なって、さらに( ゚Д゚)ウマー。
■家族揃って暮らせることって、ホント幸せなんだな、って
さらにそこから、恒例の「家族の絆は固いぜ!」物語に持っていく形で、物語の主軸(と思われるファクター)にも絡めていく長編単位の構成にもなっていたわけで。もう( ゚Д゚)ウマー三昧。家族の絆、アメリカ批判、理想と現実、リクとムイの関係構築、D-67ネタ。たっぷりボリュームな一話に、おなかいっぱいです。
■虹だ…
現実を生きる覚悟を固め、そんな中でも笑って生きることができる少女、ムイ。生きる覚悟、その痛み、苦しみ、そして、喜び。
どんな運命が待っているんだろ、悔やみたくないよ、生まれたこと。タイトルの「それぞれの虹」は、主題歌で歌われた「青空のナミダ」であり、ムイが選んだ道を、そして、それぞれの人間が選ぶ道を暗喩しているようですね。自分の虹を歩み始めたムイとは違って、リクの虹はまだ見つからず。そんなリクに「おまえの虹はどこにある?」と問いかける形になっているわけで。リク成長物語のスタートを思わせますが、こういうメタな演出、好きだなぁ。
そんな具合に、サヤの物語にも見られた「生きる覚悟」がここでも描かれていて、さりげに燃えるのですが、その一方で、何か聞こえたり拉致られたりで、ムイ翼手化な気配。ハッピーエンドは難しそうですが、哀しいラストに終わるとしても、前を向いて笑いながら生きようとしたムイへの「救い」を描いてもらいたいなぁ。もちろん、積み上げた二人の関係や前向きなムイの生き方をワザと崩して、思い通りにならない現実を描く、というリアル路線もありなんですけど、週一のエンタメ娯楽として見るには、なんの救いもないリアル路線物語はキツイっす。
といった感じで、9話感想終了。今はまだ覚悟を決められないリクですが、覚悟イベント到来の予感。加えて、サヤも「あの時のことを思い出すかもしれな」いようで(by予告)。さて、どうなることやら。
それにしても、分量的にトップページに書く内容じゃなくなってきたような。種みたいにスペース作ろうか、それともいっそ、ここを残しつつブログに移行しようか。う〜みゅ。
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BLOOD+ 第10話 〜 あなたに会いたい 〜 |
話を進展させてくるというより、いくつもの謎を乱射してきた感のある第10話。感想というよりも、ばら撒かれた謎の整理って感じかな。けど、5話くらいまではテキトーに見てきたので、ひょっとしたら既に明かされたファクターもあるのかも。ちょっと後悔…
■電話トーク
コンテナを実験工場へ移す、らしいです。学園の地下に「コンテナ」があったけど、このコンテナをどこぞの「実験工場」に移す、ってことかな。学園の地下に放置しておいたってことは、コンテナの中身はナマモノではなさそうなんで、D-57に関係する薬品かなにかかなぁ。例のワインかも。リク&カイ編でリクとムイが拉致られてる場所が「実験工場」で、そこに移されるコンテナを追ってサヤ&ハジも実験工場へ→そこで擬似家族再会、とかありがちですが、はてさて。
もう一つのポイントは『シュバリエ』ですな。丁寧語を使ってるのが白服、ぶっきらぼうなのがファントム(カールとか呼ばれていたような?理事長?)らしいですが、そのどちらも「僕たちシュバリエ」とのこと。他にも「一つの意志を五つの体で分け合う者」「血を分けた兄弟」と言っていますから、二人は「シュバリエ」という「兄弟」だ、ということになるのかな。ってことは、白服は米軍の指揮系統に属してはいるものの、メインではシュバリエサイドの思惑(一つの意志)に沿って動いている、ってことになるようで。
ただし、ファントムは白服に対して「口にできないこと(≠隠し事)」があるという。この「口にできないこと」ってのは、学園におけるサヤと思しき黒髪東洋風の少女拉致(ファントムの告白)を指すってことでいいのかな。現段階では、なぜファントムが「告白」をするのかわからず、シュバリエの狙いも見えないので、今は少し話が進むのを待ってみる方向で。とりあえず「ファントムの個人的な狙い(ファントムの告白)」と「シュバリエの意志」は別モノ、くらいの理解でいいんかね。
■血を分けた兄弟の間に隠し事はない、だが、兄弟だからこそ口にできないこともある
これがさりげに熱かったっす。11月19日分のBLOOD+感想に書いたのですが、ぐらすのBLOOD+視聴ポイントとして「家族の絆、血の絆」を見ていこうと思っていたんですよ。BLOOD+の中で強調して描かれる「血」というファクターと、序盤の擬似家族物語。その二つを見ていてふと感じたのが「BLOOD+は絆の物語じゃないのかな?」というインスピレーションだったもんで。
そこに今回の「血を分けた兄弟」発言ですよ。思わず「ニヤリ」しちゃいましたがな。今後も「家族(心)の絆 ⇔ 血の絆」を追いかけてみようと思いますが、後半パートを見ていると、もう一つの「絆」の物語もありそうな予感。今回のエピソード、翼手についての謎をばら撒いてきたっつーか掘り下げてきたっつーか、そんな内容でしたけど、テーマ的な位置づけとして、この「絆の物語」に触れる意味もあったんじゃないかな〜とか感じる今日この頃。とはいえ、まだまだ直感レベルのインスピなんで、要・経過観察。
■ねぇ、明日のハノイ旅行、どうする?
サヤと仲良くなったミンですが、ジョージやムイの例があるんで、仲良くなる=翼手化フラグ?とか思いつつ、後半パートの「サヤも彼氏と電話なんだ」のあたり、一瞬マジモードに入ったような。なんかあるのかね?
■青いバラ&コンテナ
自然界に青バラは存在しないはずなんで、バイオな力が働いているんでしょうね。で、青バラの地下には「721226」という札の付いたコンテナがあって、ミズ・リーが夜警。ミズ・リー自身が「危ないから近づくな」と言ってたとのことですが、そんな場所をわざわざ夜警って…。施設もコンテナもミズ・リーも、怪しさ全開なんですけど。というか、理事長がファントムだったり、地下に怪しいコンテナ保管してたり、教師も怪しかったりって、学園自体が翼手関係というか、学校を隠れ蓑に悪さしてる系?
それと、コンテナに付いてた札の「721226」って、やっぱり「72年12月26日」って意味かなぁ。ベトナム戦争の末期かぁ…。なんか関係あるのかな?
■「あのファントムは沖縄であった翼手とは違う気がするんです。なんだか頭がいいっていうか…」→「シュバリエ…!?」
血の盾のメンバーは「シュバリエ」という存在を知っているようで。地下に「コンテナみたいなもの」があったと聞いて、なにか感じたようでもあり。んで、また地下を調べたいというサヤに「いや、今は慎重に行動するんだ。必要であれば、こちらから連絡する」と、コンテナに近づけないようにしているような。
と思って見ていたら、その直後、立て続けに「DIVA」「シュバリエ」という重要そうな名称が登場。ジョエルの日記によると「DIVAの守り手となる翼手、それがシュバリエと呼ばれていた」「ロシアでもドイツでも、そしてここ(ベトナム)でも」とのこと、とのこと。そして、コンテナは(推測レベルではあれど)シュバリエの存在を意味するらしいっす。連鎖的に、シュバリエが守るDIVAの存在も意味するわけだわさ。
血の盾メンバーは「舞踏会」の機会に学園潜入するようですが、地下の「コンテナ」がシュバリエとDIVA、そして翼手全体の謎に迫る鍵になるんかね。それと、血の盾の「本部」ってどんなんかなぁ。
■新聞記者の人
いろいろと情報収集中。とりあえずはワインの輸送ルートを探ってますな。で、ワインの輸出業者に話を聞きながら、ワインの出元と思しき学園の取材を持ちかけていたりして…
…って「あそこ(学園)のオーナーのカールさん、大手製薬会社の、現地工場の主任やってはる人ですよ、サンクフレシュファルマシーって」って何?どーゆーこと?
輸出業者はワインの中身とは関係なく、あくまで商売として輸出しただけ、ってのを伝えるためか、輸出業者に「商売=金めあて=大阪弁」な三文演出かましていたのにはクスクスでしたけど、そんなんはどーでもよくて、アバンで登場した「カール」ですよ、カール。ファントムと思しきシュバリエの一員。それが、フランスの製薬会社に属していて、リセのオーナーでもあって、ワインにも関与している、と。
う〜ん、なんか色々と想像できるんですよねぇ。とりあえず、アバンで語られた「実験工場」とはサンクフレシュの現地工場?とか連想しちゃったり。上で「学園自体が翼手関係というか、学校を隠れ蓑に悪さしてる系?」と触れましたけど、やっぱりそうなのかなぁとも思ってみたり。血の盾メンバーの会話によると、シュバリエ(とDIVA)はドイツやロシアにも現れたことがあるとのことですから、ベトナム限定の話ではなく、世界を股にかけた(?)存在ということになります。その行動の隠れ蓑になっているのがサンクフレシュ製薬?ともインスピってみれるんですよね。う〜みゅ、ナゾですな。
■戦争博物館
サヤの記憶に強く呼びかけまくり。第1話でハジにキスされ、翼手とのバトル方法は思い出したサヤですが、まだまだ眠っている記憶があるようで。しかも、ものすご〜くイヤ〜な記憶。
映像を見るかぎりでは、ベトナム戦争の頃、翼手を率いて人間を惨殺したのがサヤなのかな。血の盾メンバーが語っていた「DIVA(歌姫)」とは、サヤのことなのかもね。ってことは、サヤを守るべくストーキングしているハジも「シュバリエ」ってこと? ここでもナゾを乱射しまくりっす。
■VS ファントム
どっからストーキングしてきたん?とか思いつつ、左手が翼手なファントムたん。ハジと戦い始めますが、その中でハジに「まさか、貴様がサヤの…!?」とおっしゃいます。今回の話を整理してみると「貴様がサヤの…(シュバリエ)!?」ってことになるような。ついでに「サヤ=DIVA」ってことにも。どうなんでしょ。
とか思いながら見ていると、右手は機械っぽいファントムたん。どうやら疼いてたまらんようです。ま、順当に見れば「あの日」「ナパームオイルの香り漂う、炎と血に染まった夜」にサヤに切り落とされた、ってところでしょうか。んで、その復讐が「血を分けた兄弟」にも「口にできないこと」なんかね。いや、復讐なら「隠し事」になるか? 倒錯した変態ラブとか? いや、変態ラブも「隠し事」だよなぁ。う〜みゅ、わからん。
■過去の記憶、家族の思い出
戦争博物館巡りとファントムたんのストーキングアタックによって、徐々に思い出されるサヤの過去。ナパームオイルの香り。炎と血に染まった夜。体に降りかかる血肉の感触。自分を見つめる恐怖の眼差し。知りたくない、あの日の出来事。けれど、次々と思い起こされる、過去の記憶。そして、頭をもたげる、もう一人の自分。
けれど、そのとき思い浮かんだ、もう一つの絆。どんなことがあったって、サヤはサヤだと、家族だと、そう言ってくれるカイのこと。サヤを姉と慕うリクと、サヤを娘として可愛がってくれたジョージのこと。そして、そんな父が今際に残した言葉。
サヤ、何があっても、おまえの信じる道を行け、おまえの過去を受け入れろ 自分が何者であったとしても、自分を受け入れてくれる家族がいる。自分の過去がどんなものであったとしても、自分が自分でいられる確かな今がある。
■私は、私は、私の過去を受け入れる。私は私がやれることをやるだけだから、だから…
そして、激情にまかせてもう一人の自分として戦うのではなく、確かな絆とともに、サヤがサヤとして振るう力。流れる盛り上げ系BGM。もう一人のサヤへと伸ばされた手を払う剣。空に舞うファントムの義手。語られる決意。
私は、私は、私の過去を受け入れる。私は私がやれることをやるだけだから、だから… つД`)・゚・。・゚゚・*:. 。..。.:*・゚
BLOOD+一泣き目。メラ燃え度MAX。バリ熱かったっす。呼びかける血の絆と、それに抗する家族の絆、心の絆。語りかける過去の絆と、それに飲まれる自分を引きとめる、今の絆。アバン感想でも触れましたが、この「絆の物語」こそがBLOOD+なんだなぁと、改めて感じまくり。そして流れはじめる『語り継がれること』のED。この歌、まさにそれそのものなんですよね。
その一方で気になるのは、ハジの存在。現段階では「過去の絆」ゆえにサヤを守っているわけですが、サヤが「血の絆」「過去の絆」ではなく「心の絆」「今の絆」を大切にしていくとするなら、過去や血に従ってサヤを守ろうとするハジとは相容れなくなるわけで。そうなると、サヤとハジは別離か、もしくはハジが変化(過去や血だけでなく確かな今として存在するサヤと心をつなぐ系?)してサヤとの間に新たな絆を結ぶか、どちらかになるんじゃまいかん?
飛び去るファントムを目で追うサヤ、そして、そんなサヤを見つめるハジ。そんな二人の姿に、そんなことをピコっと感じたのですが、これ、ハジだけでなく血の盾メンバーにも言えることかも。サヤの「カイとリク、どうしてますか?」という問いに「変わりはない」と嘘をついていたんで。はてさて、どうなることやら。
■そうかぁ、そういうことなのかぁ…
ファントムたん、サヤが記憶喪失だと知ったようです。そして涙を流しながら「それでは、それでは私が、気持ちよくおまえを殺せない!」と自己中変態宣言。変態な上に自己中。最悪ですな。
まぁ変態はともかくとしても、とりあえずサヤは翼手(シュバリエ?)にとって危険であることに変わりはないらしいです。確かにサヤの血は翼手にとって危険なんでしょうけど、それだけなのかなぁ。ま、深読みしてもキリはなく、感想書くのも疲れてきたんで、話が進むまで待ってみる方向で。
といったところで10話感想終了。現段階でドーコー言えるものではありませんけど、ナゾがナゾを呼ぶって感じで物語が広がってきたような。これまで、サヤとその家族を中心に、ある意味こじんまりと話が進んできましたけど、今回のエピソードで翼手サイドへの取っ掛かりが描かれたことで、一気に物語られる世界が広がりそう。テーマが見えてきた感もあり、第1クールの終わりに向けて、良い感じに加速してきましたよ〜♪
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BLOOD+ 第11話 〜 ダンスのあとで 〜 |
ファントムを思うサヤ、の横でウキウキなミン。という形で始まったBLOOD+第11話。話を見ながら思ってたことをツラツラ書いてたら、なーんかアッサリした感想になったような。なんかこう、トレース紙の表面なぞっただけの感じ?
■ダンスの前に
ファントムの噂話。モテモテファントムたんです。みなさーん、気をつけたほうがいいですよー、ファントムって変態ですよー。
■取材
新聞記者さんは侵入できず。招待状がなくても入場できるというか、招待状なんて最初からなかったみたい。体のいい虫はらいなわけですが、はらわれた虫はそのままトンズラするのかな?
■コスプレ巨乳
デビッド&コスプレ巨乳女。気合い入ってます。好きじゃないわりにコスプレは二回目です。コスプレ巨乳は嫌いだけど、デビッドは好き。そんな感じー。サヤに「独りで立ちっぱなしだと目立つわよ」と注意するわりに、オッパイでかくて目立つジュリアっちに涙。デビットは相手にしてくれないのねん。
■シュバリエ
パツキン白服乱入。兄さんに「ダンスが上手い」と言われてるらしいです。自己中なところはファントムたんとソックリです。青バラつけてるってシュバリエの兄弟の人ですかー? って、やっぱり米軍と一緒にいた白服かなぁ。その横でファントムたんは相変わらずストーキング。
などと思っていたら、パツキン白服のあんちゃん、米軍と一緒にいた白服(バン?)とは別人でした。ソロモン?という名前みたい。カールにも会えたらしい。目の前の白服と、理事長カール、そんでコイツ自身に、コイツの「兄さん」。あと一人で五人ですなー。ん? 人? ま、いっか。あと一人はハジのことかな? なら、これで「兄さん」以外のシュバリエは全員登場、ということになりますな。
パツキン白服のソロモンたん、カールもしょうがない人ですね、とか言ってる。この「しょうがない」ってのは、カールがサヤを狙っていること? やはり、ファントムがサヤをストーキングするのは、シュバリエ全体の意志ではなく、ファントム個人の変態行動のようで。やっぱアレかね、仮面=変態って法則でもあるのかしらん。ぐらす的には「変態でもなけりゃ仮面はかぶらん」に一票。
■鬼ごっこ
地下のデビッドはDIVA(の棺?)を発見したと思いきや、逆に警備の人に発見されてリアル鬼ごっこ。地上のサヤはファントムたんを発見してリアル鬼ごっこ。忙しいこってす。ファントムを追いかけていたサヤは、すぐにジュリアと合流。ファントムはどこかに誘ってるかのようにトンズラ。地下の入口に誘ってる? その地下ではデビッドたんピーンチ。と思いきや、新聞記者さんがピーンチ。新聞記者さんは殴られて昏倒。ラッキーと思っていたらデビッドはファントムたんに殴られてピーンチ。
■リセ・ドゥ・サンクフレシュ
ファントムたんは警備&運搬の人に「早くトラックを出しなさい」と命令。ファントム=カール=理事長ってことは、やっぱり学園ぐるみの動きなんかな? 学園の名前からして「リセ・ドゥ・サンクフレシュ」で、サンクフレシュつながりだし。出資もとの製薬会社で主任をしているファントムが理事長を務めてるところからして、単に出資しているってだけでなく、なにか裏の狙いがあるのかな? DIVAのコンテナを保管してるだけ、ってのも芸がないし。なんなのかね?
■vs ファントム 2nd
と考えている間にサヤ&ジュリア&ハジがデビッドのところにやってきて、ファントムたんとの第2戦スタート。ファントムたんは「いけないとわかっていても、つい手が出てしまう。それが禁断の果実の甘みといものか!」とか言ってますが、何が禁断なの? ファントムがサヤを襲うこと? それがシュバリエ全体の意志に背くことになるの?
ファントムたん曰く、やはりハジはサヤのシュバリエのよう。ってことは「サヤ=DIVA」ってのもほぼ確定。そのサヤを担当シュバリエでないファントムたんが襲うこと=禁断ってこと? DIVAとシュバリエの関係、翼手の存在意義。そのあたりに関係してくるのかね。
戦闘モードのファントムたんの力は圧倒的で、あっという間にハジ&サヤはボコスカジャン。同じシュバリエでも戦闘力に差があるようで。それとも「悩みを抱えて思い通りに力を振るえない」パターンかな。
怒りと悲しみに満ちていた過去のサヤ。今のサヤはただの少女。サヤが怒りと悲しみに満ちればパワーアップする、ってことなのかなぁ。こういう長編アニメのお約束は「覚醒=パワーアップ」ですが、怒りと悲しみでパワーアップってのは切ないですよー。そういう展開になるんかなぁ。まぁでも、今のサヤでは変態倒錯マスターなファントムたんは萌えないようですから、自己中なファントムらしく、そういう状況に追いこむつもりかも。
■67
その脇で、新聞記者の人は67年物のボトル発見。72年じゃなく67年?何か意味があるの? と考えてみたら、あぁそうそう。デルタ「67」か。67年に何があったんかね?
■パーティードレス
パーティーでドレスの汚れてしまったサヤ。ミンの目の前で傷が再生していく怪物モード。平和な日常と、血みどろのパーティー。日常と非日常。それを描くためのミンだったようで。上手い比喩ですな。
ちなみに、第1話を見ての感想で「最初は日常→非日常→日常→非日常→…の境界線物語かなぁと思って見ていたのですが、勉強/部活/遊び/将来/友人/恋愛といった日常的なファクターが少なく、日常パートでの起伏があまり感じられないんで、ちょっと違うのかも。まぁ、1話だけ見てもサッパリわかりませんけどね。映画版?があるらしいんで、そっちを見ていれば違ったリアクションになるのかな。」なーんてことを言ってたり。こういう予想がハマルと気持ちいいですー。
まぁでも、リセがサンクフレシュの裏の目的に沿って作られた学園なら、これっきりってこともないかも。日常の裏に非日常がある、っていうよりも、日常の中に非日常が眠ってる、っていうのがBLOOD+の日常非日常物語みたいなんで、日常モードで登場したミンが非日常化するってのはありかもね。今回の「ドレス」ネタのためだけに登場したってのは、少しさびしいような感じ。
といった感じで11話感想終了。クルクル話が進んだ回だったので、一つ一つの描写の意味を考えるというよりも、シーン順に描かれた内容を整理しただけですな。ヘボヘボ感想でスンマソン。とはいえ、前回と同じく、ここでの前フリが後に生きていく回だと思われるので、今はノンビリ静観モード。次回、次々回と、第1クールの終了に向けて動くでしょうから、そこで燃える方向で。
ちなみに、先行したトラックは川をさかのぼって「サンクフレシュ・ファルマシー」の実験工場へと向かった模様。デビッド曰く、例のコンテナは「ジョエルの日記」に示されたもの。DIVAの存在を意味するらしく、血の盾本部に応援を要請しなきゃならんほどの大事になるようで。そこでのリクとの再会に期待ですが、まぁでも、オムニバス形式ではない50話物語なんで、前半はタメがメインになるんじゃないかなぁ。再会しても凹ませる展開になったりしてー。これまでリク&カイとは擬似家族であることがわかっていましたが、サヤがDIVAであるのなら、サヤの本当の家族は翼手なんですよねー。心の絆と血の絆。さて、どうなる?
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BLOOD+ 第12話 〜 白い霧にさそわれて 〜 |
さてさて、アニメも良いですが今日はクリスマスですよー。クリスマスといえば先週の糸色望先生。11月4日ネタが笑えたのですが、そこは12月。空気も笑いも乾き気味。ハハ…ハハハ…
ぐらすも10月末生まれだったよ…。ちなみにぐらす兄も11月あたま生まれ。あーそういうことなのね。絶望した!そんなノリに任せた幸せ家族計画に絶望した!!!って、どんどんBLOOD+から離れていくのでこのへんで終ー了ー。BLOOD+12話感想ドゾー。
有馬はJC組たたき切って外したんじゃよー!
■DIVA…ですか
我々が追うべき最終目標がDIVA。シュバリエはDIVAを守る者。シュバリエあるところにDIVAあり。DIVAを確保すれば全てが終わる。とのことですが、先週の変態仮面トークによるとハジもシュバリエなんですよね。ということは、ハジが守るサヤもDIVA(の一人?)である可能性が大。仮に「学園地下にあったコンテナの中で眠る」DIVAを倒したとして、その時、赤い盾は「もう一人の」DIVAであるサヤをどうするつもり?
■増援メンバー
赤い盾本部から送られてきた増援メンバー。翼手殲滅のために選ばれた4人とのことなんで、それぞれが手にしていた弾頭の赤い弾丸はサヤの血の成分入り?とか思っていたのですが、サヤが席を外した際の会話を聞くに、それは違っているらしく。弾頭の赤い弾丸は、赤い盾のメンバーである証っぽいですね。
デビッドも「サヤだけが翼手を確実に倒しうる、唯一無二の存在」と言っていますから、サヤ以外の対翼手戦闘力はゼロのよう。何のための増援メンバー?とか思いまくりですが、無難なところでは、対翼手ではなく、翼手やシュバリエの周りにいる「人間」を露払いするために集められたのかな。人間には人間、翼手には翼手、シュバリエにはシュバリエ、DIVAにはDIVA。いやーんな構図です。っつか翼手って世界中に出現してんのね。ニカラグアってことは80年代の内戦時にでも現れたんかね?
■翼手を倒すために必要なのは、彼女の血だ、記憶ではない
というデビッドの言葉。つづく増援メンバーの会話の中でも、サヤの血や翼手の存在を「道具」として見ている向きがあって、なーんか気になるんですよね。赤い盾もサヤや翼手を道具としてしか見ていないわけで。それはつまり、サヤの「心」は関係ないわけで。これが妙に気になるんですよ。
■コンテナ
コンテナに関しては、多少の変更点はあるものの、外観(色、形状、側面のナンバー)は30年前に確認されたコンテナと同一、とのこと。コンテナ側面のナンバーというのは「721226」のことでしょう。おそらく72年12月26日を指すのだと思われますが、その日付が記載されたコンテナを72年12月26日当日に目撃したというのは考えづらく。72年12月26日以降にコンテナは目撃されていて、その際の記録が「ジョエルの日記」とやらに記されているんじゃないかな。
カールとソロモンの会話でも「72年12月24日の2日後=72年12月26日」にカールは腕を斬りおとされたと言われていましたが、67年にデルタ67のワイン瓶詰めが始まり、72年12月26日に「あの夜」の事件が起こり、75年(30年前)にコンテナが目撃された、という三つの出来事が並ぶことになります。うち、サヤの記憶に直結するのは72年12月26日の出来事だと思われますが、後々、67年と75年の出来事にも触れていくことになるのかな。鍵は「ジョエルの日記」ってことになるのかねぇ。
■また暴走したら、どうするんだい?
この「また」というフレーズは、以前にも暴走したことを意味するわけで。サヤの記憶に眠る72年12月26日のことなんでしょうが、その夜の暴走によって現場に居合わせた当時の赤い盾メンバーは「逃走か死か」を選ばされ、その後30年の時を経て、ようやくサヤという切り札が現在の赤い盾のもとに戻ってきた、ということになります。
サヤを確保して作戦を引き継ぐのは、次代の人間。過去と現在の絆話キタ━(゚∀゚)━ッ!って感じで、さりげなく燃え。るのですが、赤い盾が30年前と同じことを繰り返してしまい、今回も同じ結果に終われば、次の30年を待つ間に翼手が増殖して人間が滅びちゃうかもねー。そしておそらく、現在の赤い盾は、30年前と同じことを繰り返しているんじゃないかなー。サヤを対翼手の武器(道具)として扱う失敗を。
■DIVA、デルタ67
コンテナを最終目標として活動してきた赤い盾の一方で、白服ヴァンからは???な台詞が。曰く「あの時代遅れのコンテナは何です?あんなもののためにわざわざカールのところに?」とのこと。ヴァンは、シュバリエにとって「このプロジェクト(デルタ67の開発、改良)」はDIVAの入ったコンテナよりも重要なものだと考えているのかな。
コンテナの守護(学園)、デルタ67の改良(工場)。サンクフレシュの施設で行ってきたことですから、どちらも「シュバリエの意志」に基づいた活動であることは間違いのないところかと。ただし、ヴァンの言動から推測するに、両者の優先順位は同列ということはなく、現在のシュバリエはコンテナ以上にデルタ67の改良を重視しているようで。
■サムライマン
とはいえ、CEOとしてのソロモンやプロジェクトの戦略担当官であるヴァンはデルタ67改良を重視しているようですが、個人としてのソロモンや変態仮面はDIVAと「サムライマン」にご執心の様子。
サムライマンは「翼手の血を結晶化させて殺してしまう、世界に二人とはいない存在」である。そのため、DIVA守護のために存在するシュバリエにとっては危険極まりない相手である。注意しなければならない。なので、カールは急いでDIVAを移そうとしている。ソロモンもそれを認めている。
という「シュバリエとしての」動機はわかりますが、それとは別に、ソロモンにもカールにも「個人としての」動機で動いている側面があるんですよね。小部屋でのカールとソロモンの会話でも、カールの「それはシュバリエとしての望みか、それともおまえ個人の望みか」という質問に、ソロモンは「両方です」と答えていますし。カールも前々回のアバンで「兄弟相手でも口にできないことがある」とか言っていましたし。
ヴァンも「僕ですら、彼(ソロモン)が何を考えているのか、さっぱり読めない」と言っていますが、ヴァンの行動原理すら理解できていないぐらすとしては、ヴァン以上にさっぱりわからん。とりあえず現状では、カールは「学園長としてコンテナ保管」「工場長としてデルタ67の原料確保」「個人的にサヤに固執」している、ヴァンは「デルタ67の開発&改良に専心」「その過程で米軍と関係」している、ソロモンは「サンクフレシュのCEOとして全体統括」「個人的にサヤに固執」している、ということになるのかな。んまー、まだよくわからん。とりあえず物語の進展を待つってことで。
■過去VS現在、血のつながりVS心のつながり
物語の進展を待つしかないとはいえ、それぞれの立ち位置から見て、いろいろと判ってきたこともあるわけでして。それが今回のエピソードの肝だったかな。
まず過去ファクター。これはサヤの過去に関するものですな。記憶の底に眠るサヤの過去。カールやソロモンの個人的な望み。そういったファクターがサヤにとっての「過去」として封印されているわけですが、そんな過去に相対するのは「現在」でしょう。これはサヤとカイ&リクの関係がメインかな。
サヤは前半パートで「この戦いが終わったら、きっと戻れるよね、カイやリクと一緒の、元の暮らしに」と言っていますが、それは次々と沸いてくる過去の記憶に抗うようにして発された台詞でした。過去と現在。その間で揺蕩うサヤですが、現状では「現在」に立脚しているも、目を背けている「過去」との再会は必然かと。
そして、もう一つの対立項として存在するのが、血のつながりと心のつながりの対立項。血のつながりというのは、サヤの生い立ちを中心に、シュバリエの思惑やコンテナの中で眠るDIVAとの関係といったものがあるでしょう。一方で、亡きジョージとの絆やカイ&リクとの関係は「心」に属するファクターになるんじゃないかなぁ。
■それぞれの立脚点
そうして、サヤは「現在」「心」を自らの立脚点として「過去」「血」とは反対の方向を向いているのですが、ならばサヤと行動を共にしているハジや赤い盾のメンバーも「現在」「心」に属しているかというと、そうではないようで。ハジはサヤとの「過去」の関係とシュバリエとしての「血」に従って動いている。赤い盾のメンバーは前回の暴走によって消えた「過去」のメンバーの跡を継いでサヤの「血」の力を欲している。こういう立脚点になるんですよね。
つまり、利害こそ異なれど立脚点そのものはシュバリエもハジも赤い盾も同じで、サヤの反対に位置する存在ということになります。敵の敵は味方か?みたいな。加えるなら、DIVAの歌声が聞こえるリクも、サヤと「心」でつながりながら「血」のつながりも意識させる微妙なポジションだったりするわけで。深読みするなら、こういった周囲の人間との齟齬が、72年12月26日に起こったと思われる旧サヤの「暴走」の原因となり、以前の赤い盾メンバーの失敗につながったんじゃないかなぁ。ま、72年12月26日に何が起こったかは想像にすぎませんが、各登場人物の立ち位置の違いというのは実際にあるんじゃないかと。
■音無サヤ
さらにサヤ自身も、今回「私は私でいたい、今の音無サヤで」と言い、今のところは「現在」「心」に立脚していることをアピールしていましたが、同時に「ハジ、私、ここで一体何をしたの?」と問うあたりを見るに、自らの「過去」「血」を知りながら「現在」「心」を選んだのではないのは明らか。最後の引きを見ても、突きつけられた自らの過去を受け入れることができずに怯えてしまい、一度は決意した「戦うこと」を放棄しちゃったくらいです。
ということは、沖縄編でのサヤの決意は、選びうる選択肢として「過去」「血」がなかったために、目の前にある大切な「現在」「心」を選んだに過ぎないんじゃないかと。逆に言えば、昔の記憶を思い出し、自らが何者なのかを知った時には、サヤ自身も「現在か過去か」「心か血か」をあらためて選択することになるんじゃないかなぁ。逆に選択できていない今の状況では、今回のラストのように戦えないこともあるわけでして。
■シュバリエ・ランキング
基本的に「一つの意志を五つの体で分け合う者」であるシュバリエですが、その中でも格付けや人間(?)関係はゴチャゴチャしているんですよね。デルタ67プロジェクトにおいては「CEOソロモン>戦略担当官ヴァン>工場長カール」というランキングがあって、ヴァンはカールに「たかだか工場長の君に、現場を取り仕切る権限はない」と高圧的に語りかけていたり。
そうかと思えば、ヴァンの役職では開けられないデルタ67の原料倉庫(DIVA関連)の扉を、カールが開けることができるあたり、デルタ67プロジェクトではヴァンが、DIVA関連ではカールが、それぞれ責任と権限を持っているということになるのかな。んで、その二つを監督する人間としてソロモンがいて、さらにそれを統べる存在としてソロモンの兄である「アンシェル」がいる、ということのよう。
と同時に、そんなシュバリエの意志に基づくプロジェクト以外にも、カールやソロモンは個人的な願望に基づいて動いている向きがあるわけでして。カールとソロモンは、何か昔からのつながりもあるようです。見方を変えると、DIVAやシュバリエ、そして翼手という「血族」のためだけに動くヴァンと、それだけではなく何かしらの心のつながり(もしくは衝突)にも基づいて動いているカールやソロモン、というようにも見えるわけでして。ソロモンが個人的な願望について「兄さんが聞いたら、なんて言うでしょうね」と言っていることから、アンシェルもヴァンのようにシュバリエの意志だけに沿って動くことを是とするスタンスであるらしく。このあたり、サヤと周囲の人間の齟齬よろしく、シュバリエ内部でも齟齬があるようですな。さりげにオモシロ。
■個人的な望み
カールとソロモンについてですが、この二人、1920年11月8日、1943年6月4日、1972年12月24日と、三つの日付で一緒に写真撮影していて、外見は今とクリソツ。これ、前々回のデビッドらの話の中で言われていた「ロシア、ドイツ、ベトナムに現れたシュバリエ」を指すのでしょうか。写真に納まっている他の面子を見ると、ヴァンやハジといった他のシュバリエは存在しない様子です。以前から二人で一緒に写真撮影していたり、互いの「個人的な望み」を知っていたり。カールとソロモン、中々に親しげな感じですな。
ただし、72年12月24日の2日後、つまり72年12月26日に起こった出来事に関連して、カールは腕を斬りおとしたサヤに変態倒錯な復讐を考えているようですが、そんなカールに「個人的な恨みを持つのは構いません、だが彼女を殺してはならない」と語りかけるソロモンは、シュバリエとしてもソロモン個人としてもサヤを殺させたくはないようで。二人の「個人的な望み」は真反対ということになるんですよね。
それと、ソロモンの「翼手の血を結晶化させて殺してしまう者など、世界に二人とはいません」という言葉をひっくり返すと、世界に唯一存在するサムライマンをソロモンとカールは知っているということになるわけで。それがソロモンとカールの個人的な望みと関係するということは、個人的に、ソロモンとカールはサヤ(過去ver)を知っているということに。まさか、1920年11月8日の写真にソロモン&カールと一緒に写っているフードの女性がサヤとか?
そして、ハジ。ドレスアップしたサヤと思しき少女と一緒に撮られた写真から見るに、単にシュバリエとしてサヤを守っているだけではない、何か個人的な想いがあるようで。血族のためだけに行動していると思われるヴァンとアンシェル、その一方で何か個人的な想いに拠って行動していると思われるカール、ソロモン、ハジ。シュバリエ内部にも存在する「心と血」の対立項、三者三様の異なる想い。シュバリエも一枚岩というわけではなく。どう物語にリンクしてくるのかな?
■課題
といったように、現在と過去、心と血という対立項をめぐって、それぞれのスタンスと課題が見えてきた感じ。このまま行けば、サヤが己の「過去」「血」を知る→知った上で「現在と過去」「心と血」の選択イベント→各登場人物の選択イベント(シュバリエの面々も含む)、といった展開になるんじゃないかなぁ。
サヤは何を選ぶのか、今はサヤと行動を共にしているハジや赤い盾メンバーがどんな道を選ぶのか、サヤと敵対しているシュバリエの面々はどんな道を選ぶのか。コンテナに眠るDIVAを中心に、そんな「選択」が迫られる気配が漂い始めたBLOOD+。その上で、各登場人物が異なる想いを抱いたまま行動を共にするという群像劇パターンになるのか、それとも各登場人物の想いを一にした上で行動するという熱血パターンになるのかはわかりませんが、どちらになるにせよ、当面はこの「選択」に至る過程を追いかけていくことになりそうな。
そんな感じでなーんとなく物語の構造が見えてきたような気がしてきた第12話。さりげなくハジの言った「それは、あなた自身が決めることです」という言葉が、ピコっと核心に踏みこんでいるように聞こえてグゥレイトです(ん?ということはハジは既に「選択」していることになるのか?)。現在の絆、過去の絆、心の絆、血の絆。そんな絆の物語であると同時に、どの絆を選ぶかという「選択」の物語でもあるんじゃないかな。BLOOD+は。要チェックということで。
■デルタ67フェイズ2
ヴァンを中心に、ベトナムの子どもを実験台としながら開発されているようなデルタ67フェイズ2。フェイズ2が開発中ということは、沖縄で投与されたものはフェイズ1なんでしょうが、フェイズ1でも怪物化はできていたわけで。フェイズ2は何のために開発しているんかなぁ。怪物を強化するためか、それとも強化とはまったく別の狙いがあるのか。ふーみゅ…
現状で推測できるのはこのくらいなんで、これも進展を待つしかないのですが、投薬されていたと思われる子どもらが脱皮→怪物化しているんで、ムイも激ピンチというか怪物化確定というか。何だかはわかりませんがデモンストレーションも行われる予定だったみたいですから、想像するだにイヤーンな感じ。血肉にまみれた見た目のグロさというよりも、肉親や友人といった日常的な存在が非日常的な怪物に変えられていくのが精神的にグロいっす。ジョージの際には救いがあったので見ていてそれほどキツくはなかったのですが、ムイはどうなっちゃうんでしょ。
■その他
DIVAの歌声については、サヤ、ハジ、ムイ、デルタ67フェイズ2を投与された子ども、カール、そしてリクが、今のところ聞くことができている面々のよう。ソロモンやヴァンは聞こえているかどうかはっきりせず。む〜ん、沖縄でもベトナムでも、リクは聞こえちゃってるんですよねぇ。なんじゃらほい?
あとは、赤い盾の会話の中で時おり出てくる「ジョエルの日記」ってのが何なのやら。今のところはシュバリエの出現歴やコンテナの情報、サヤの血の効果について記載されていることがわかっていますが、他にも色々と記載されているのかな。サヤの過去につながる鍵にもなりそうなんで、日記と、日記を書いた「ジョエル」という人物について、ぼちぼち気になってきたような。
他には、ヴァンが驚き、カールが「DIVAは楽しい夢を見ているのだね」と言っていたデルタ67原料倉庫の中身とか。ま、このあたりのネタも物語の進展によって明らかになるでしょうが、本筋の伏線といい、それに関する小ネタといい、整理しとかんと意味がわからなくなっちゃうよぅ。それと、いい加減ナゾ解きも並行して進めてくれんとストレスになっちゃうよぅ。
といったところで、BLOOD+第12話感想終了。変態仮面様が「こうやって君のお友達も交えると、まるであの日のようじゃないか」「再演しようじゃないか、我々のベトナム戦争を」と言い放ち、繰り返される「あの夜」の出来事。飛び散る血。甦る記憶。同族の血。サヤの記憶。サヤの記憶が呼び覚まされることになりそうですが、良い感じに盛り上がってきましたよー。マイナスな方向に。
んでも、登場人物の思惑が交錯しまくって、まとめようとすると日本語グチャグチャ&長々。読みにくくってすまんこってす。
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BLOOD+ 第13話 〜 ジャングル・パラダイス 〜 |
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン おひさしぶりーふ
なーんてことを言えちゃう30手前の自分に orz しているぐらすです。こんにちは。ダンディー坂野って、ある意味スゲー。
サヤ戦えないモードからスタートした新年一発目のBLOOD+(感想アップが一週間遅れております)。勢いで見ている分にはそれほど気になりませんでしたが、前回視聴から三週間(録画しておいた分を見たのが今日だったので)、ふと我に返って見てみると、あらためて「グロイなぁ…」という印象です。
それはそーと、一部地域で本放送とは別にスペシャル番組が放送された(される)らしく。ぐらすは横浜在住なので、19日のTVK放送分を待っている状態なのですが、番組MC(よゐこ)がいるってことは、本編映像を見ながらトークを進めていく感じなのかな? よくわかりませんが、とりあえず19日を待つ方向で。
あ、よゐこで思い出しましたが、最近ツレに見せてもらった「ゲームセンターCX」が静かにおもしろいです。4期→1期→2期の順で視聴したのですが(3期は未見)、メインの「有野の挑戦」だけでなく、サブの「188X年」「裏技」なんかもさりげにツボ。微妙に有野ファンになりつつある自分がいたりして。そんなことを思いつつ、13話感想です。
■紙一重
脱皮といいサヤの心象風景といい、おそらく「日常と紙一重の場所にある非日常」というニュアンスを表現しつつ、グロさによって日常と非日常との隔たり(翼手&真サヤ←→ノーマルサヤ&擬似家族)を伝えようとしているんでしょうが、さすがにあそこまでいくとグロすぎないかい?
もちろん、人によって感じる不快の度合いに差はあるわけで。ぐらすも多少の耐性はありますから、めっさキモイとまでは思わないのですが、そういうのんで視聴者に引かれてしまうのは勿体ないんで、少しは加減したほうがいいような…。
■本性
澄んだ青空。ふわふわとした雲。擬似家族との暖かな関係。その先に待っていたものは、DIVAの歌声、青いバラ。サヤの本当の家族(?)からの呼びかけ。血にまみれたサヤの本性。
そして足元は崩壊する、と。
歴史博物館の時もそうですが、自分をとりまく「今」を守るために戦うことはできても、自身の「過去」に向きあう戦いからは逃げつづけているのが、現状のサヤであるという。けれども、血にまみれたサヤ自身の「過去」は、薄紙一枚へだてたすぐそこで、息を潜めながら目覚めの時を待っているという。
■吸血鬼?
サヤの本性といいファントムといい、翼手ってのは食人鬼というよりも吸血鬼関係として設定されているのかな? フランスの吸血鬼というと「青髭」の元ネタになった人くらいで、本場はヨーロッパの東のほうだったような気もしますが…。
■サヤァァァ!
同族の声と血によって変貌を遂げたサヤを止めたのは、擬似家族サイドの絆だったという。自らの「過去」「血」から逃げつづけているサヤですが、そんなサヤにとっての「今」「心」ファクターは、単に「過去」「血」から逃れるための消去法的選択というだけではないようです。
■明日のために、明日を守るために、今日を生きる
クララの最期の言葉にジョージの面影を見つけ、明日のために今日を生きようと、私がやらなきゃ駄目なんだと、戦うサヤ。
とは言うものの、現状のサヤは「過去」「今」という二つの選択肢から「今」を選んでいるのではなく。選びうる道が「今」しかないために「今」を守るために戦っている、という状態なんですよね。なので、いざ「過去」を目の前に突きつけられると、それを受け止めることはできず。そのツケが、クララたち赤い盾メンバーの死という形になって表れたのでしょう。
このあたりが今後のサヤの課題になると思われ。自らの過去を知る、その上で「過去」「今」のどちらを選ぶのか決意する。その時こそ、サヤの意志に基づいて、クララたちが見た「隠し玉」が発現するんじゃないかなぁと。50話あることを考えると、知った過去に飲みこまれて暴走する「タメ」段階もありそうですけどね。
■今あそこでは、何が起きているんですか?
やはり、ヴァンはカールのサヤ襲撃について何一つ感知していない模様。しかも、ヴァンはカールの変身についてもD67による「発病」だと勘違いしていたらしく。
D67については詳しそうですが、ヴァンの場合、シュバリエという存在そのものに関係する事実については無知な側面が目立つんですよね。サムライマンについては知っていたようですが、赤い盾については全く知らなかったようですし。知識に偏りがあるというか。カール&ソロモンと違って、電波トークもできないようですし。
10話冒頭のヴァンとカールの電話トークで「僕(ヴァン)らシュバリエ」と言っていたのに。シュバリエじゃないのかな?と思って10話を見返してみたら、冒頭でカールと電話トークしていたのは、あの時点では存在が明かされていなかったソロモンだったという。
orz
1ヶ月以上も勘違いしっぱなして…。こっ恥ずかしすぎですよ。そうなると、現時点でシュバリエであることが確定しているのは「カール」と「ソロモン」で、おそらくシュバリエだろうと思われるのが「アンシェル」と「ハジ」の二人、それ以外にもう一人(以上)いるわけですね。
ちなみに、カールのサヤ襲撃(というかカイ殺害?)をソロモンが制止したのは、それが「兄さん」との約束だから、とのこと。サヤに変態倒錯愛をぶつけたいカールと、それを許していないアンシェル。シュバリエ内部でもそれぞれの思惑が交錯しているようで。各自の行動原理も今ひとつはっきりせず。第2クールで少しは謎解きしてくれるのかな。そろそろ必要以上にストレスが貯まってくる頃合なんで、プチッとずつでも伏線回収していってもらいたいところです。
■えぇ、見慣れてますから
D67による「発病」ではない形で怪物化した変態仮面カールたん。仮面をとったほうが変態だったわけですが、そんな変態をソロモンは「見慣れて」いるとのこと。
カールはベトナムの学園理事&工場主任、ソロモンはフランス本社のCEOですから、二人が日常的に会っていたとは考えられず。となると、ソロモンの近辺には、カール以外に「見慣れ」るほど頻繁に変身する存在がいるということになるかと。アンシェルとかいう兄のことかなぁ?
■発病
ということは、人が翼手に変貌するのは、何かしらの病気が原因ってことか…。病気をひきおこすものがD67で、D67はDIVAに関する何かを原料として作られている。12話で「原料」を見た際のヴァンの反応から推測するに、ヴァンはD67を研究してはいたが、D67の元になるものが何なのかまでは知らなかった、ということにもなりますね。
ヴァンの反応を見る限り、D67の「原料」はグロそうな感じですが、ソロモンがサンクフレシュという製薬会社を隠れ蓑にしているのは、そんなものを公然と扱うためなのかも(バイオハザードのアンブレラみたいなもんか?)。
吸血鬼と翼手病。どんな関係があるのかはわかりませんが、伝承と病いを絡めながら話を進めていくのかなぁ。一瞬、巻来功士の『ミキストリ』を思い出したりして。手塚治虫の『きりひと讃歌』も似たようなところがあったかと。ぐらすは知りませんが、他にも似たようなネタは色々あるのかもしれませんね。問題はネタをどう料理してくるのかなんで、そのあたりに注目しましょーか。
■リク&カイ
過去から目をそむけながら今を生きているサヤですが、サヤにとっての大切な「今」であるリク&カイにも、微妙な問題があったりして。
カイの場合は、ムイを乱暴に振り払ったように、翼手という怪物については受け入れることができていないという。ま、当然のことなんですけどね。
ですが、サヤが自らの「過去」と向きあうということは、サヤの本性&それが過去に起こした凄惨な出来事にも向きあうということになるのでしょうから、サヤの戦いに付きあっていく以上は、カイもそれを凝視しなければならないわけでして。現状では、翼手という怪物を受け入れることができていないカイですが、どこでそれを克服してくるのやら。
リクの場合は、DIVAの歌声が聞こえてしまう問題ですね。リクの生い立ちにも何やらキナくさい気配が漂いますが、こっちは克服すべき課題というよりも、人間サイドと翼手サイド、どちらに転ぶかわからない不確定要素ってところでしょう。さて、どうなることやら。
■私が私でなくなったとしても、絶対に!
過去は知らない。自分が何者であるかもわからない。力を解放すれば、そんな何とも知れない過去に飲みこまれてしまうかもしれない。それでも…!
ということで力を解放したサヤ。ファントムたちがベトナムで行ってきたことが許せない、とのことですが、それはファントムたちだけが行ってきたことなのかと。サヤが過去に行った行為が、それに類するものだったとしたなら、その時、サヤはどうするのかと。どうすればいいのかと。
■トンズラファントム
とはいえ、覚悟を決めたサヤの強さは圧倒的。サヤの血が一滴でも体内に入るとアウトなのか、ファントムは血を入れられた足を自分から切り落としてトンズラ。アレですね。ファントムは『男塾』か『闘将!!拉麺男』を読んで毒手対策を研究しておいたほうがいいとおm
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
結局ベトナム編は謎を深めるだけで、謎解きはまったく進まず。ちょびっと萎え。段階を追って少しずつ刻んでいきたいのはわかりますが、一つのエピソードごとに少しはオチをつけてほしいっす。いくら「ストレス→解放→カタルシス」が基本とはいえ、ストレスを貯めすぎてはイライラにつながるんで。長編ものの導入パートとして、じっくり伏線を貼っておくことが必要だっていうのはわかりますが…。とりあえずは第2クール、サヤの過去探索モードに期待かなぁ…
■だが、信じたい気持ちはある
奇跡に頼るわけにはいかない。だが、奇跡を信じたい気持ちはある。クララも最期に言っていたように、それが赤い盾の戦い。
ですが、前回の「翼手を倒すために必要なのは、彼女の血だ、記憶ではない」発言からも窺えるように、そのために赤い盾が選んだ道は、結局は翼手たちと何ら変わりはないという。そうして戦ってきた昔の赤い盾メンバーも、現に、今まで翼手を根絶することはできなかったわけで。サヤとカイ&リクだけでなく、赤い盾メンバーも、そのあたりを「課題」として突きつけられるんじゃなかなぁ。
■僕も手伝いよ、だから何も隠さなくていいから ■お前ひとりで全部背負うなよ、俺たち家族だろ
そう言いながらも、ファントムが兄弟にも「言えないこと」があるのと同じく、それぞれがそれぞれに「言えないこと」を秘めたまま、船は川面を進んでいくという。進む先に待つは夕闇。意志を秘めた台詞に反し、それぞれの進む先に待つものは、光り輝く穏やかな明日ではない模様。
はげしくマイナスな演出ですよー。
登場人物の目線で考えるなら、ぐらすが神目線で感じるような「課題」は見えていなくて。何だかわからない漠然とした恐怖があって、未来は目に見えなくて、それでも戦わなくては「明日」はやってこなくて。漠然とした恐怖と、それに抗おうとする漠然とした意思。とりあえずは、怯みながらもファントムに石礫を投げつけたカイの勇気に期待、ってところですが、アンビバレンツな想いが混在した各キャラクターの「今」を以って、第13話&第1クール終ー了ー。
毎回の感想を書いていて思うのは、特にベトナム編後半に入ってからがそうなんですが、感想というよりも、ぐらすの目から見たBLOOD+の内容整理になっちゃっているんですよね。面白いとか、つまんないとか、その手の「感想」を感じることがなくて、淡々と貼られる伏線を淡々と整理している感じ。今ひとつ盛り上がらないような…。
それと、今回で第1クール終了になりますが、サヤの記憶復活が棚上げされたり、ファントム戦の決着がつかなかったりで、妙に消化不良。第1クール終了にあわせて少しは進めてくれると思っていたので、微妙にイライラ。そろそろサクサクッと展開してもらいたいんじゃよー。いや、展開せんでもいいんで、目先の目標を達成してもらいたいんじゃよー。
これまでを振り返ると、サヤたちの行動はかなりの確率で不発に終わっているんですよね。行動そのものが正しい選択なのかもわからない上に、その行動は目先の目標すら達成できない。リアルっちゃリアルなんですが、ぐらすとしては、そこまで現実に近しくされると、フィクションとしての面白味を感じることができないんですよ。
ま、淡々と伏線を貼りつづけるのも、サヤたちの行動を不発に終わらせるのも、どちらも後々のタメ解放に向けた準備段階なんでしょうから、今の時点であーだこーだ言っても仕方なく。とりあえずは第2クールに期待する方向でー。それと、感想が遅れていますが、明日あさってには13話の感想をうぷする方向でー。ではー。
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